
組織の人材を管理する「人事」の平均年収は約506万円です。
人事の仕事は採用活動だけではなく、人材をどのように配置するか考えたり、社員が能力を発揮するための仕組みづくりを行ったりと奥が深いものです。
そのため、同じデスクワークでも一般事務より年収が高い傾向にあります。
本記事では、人事の平均的な手取り月収や推定生涯年収を紹介する他、年代・性別・役職別の年収や、未経験から人事の仕事に就く方法も紹介します。
最後までお読みいただけば、人事の給与情報に詳しくなれるだけではなく、人事に求められるスキルなども分かるでしょう。
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1.人事の平均年収
人事の平均年収は約506万円です。
この章では、人事の月収・手取り額・推定生涯年収も併せて紹介します。
※本章は、dodaの「平均年収ランキング(職種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」(2020年12月7日時点)を参考に作成
人事の平均年収は約506万円
人事の平均年収は約506万円です。
対して、一般事務職の平均年収は331万円。
両方ともデスクワークでありながら175万円の差が付いている理由は、人事は一般職ではなく管理部門に属しており、専門性が高いからだと考えられます。
※補足※
「転職会議」(2021年4月12日時点)によると、人事の平均年収は519万円でした。
人事の月収は約42万円
人事の月収は約42万円です。
【計算式】
年収約506万円÷12ヶ月=約42万円
2019年の国税庁「民間給与実態統計調査」によると日本人の平均月収は約36万円(436万円÷12ヶ月で計算)のため、人事の月収は平均より高いといえます。
人事の手取りは約34万円
人事の手取りは、約34万円です。
月収からは、以下のように税金・保険料などが差し引かれるため、満額が支給されるわけではありません。
【給与から差し引かれる保険料・税金の例】
- 健康保険料:健康保険に加入
- 厚生年金保険:厚生年金に加入
- 介護保険料:介護保険制度の財源として利用(40歳以上64歳以下)
- 雇用保険:雇用保険に加入
- 所得税:所得のある人が納付
- 住民税:都道府県や市区町村に支払う など
一般的に手取りは総支給金額の75~85%になるといわれているため、だいたいの手取り額を知りたい場合は中間の数字である0.8を掛けて算出することが多いです。
そのため、人事のおおよその手取り額は下記のとおりです。
【計算式】
年収約506万円×0.8÷12ヶ月=33.7万円
2020年統計の総務省「家計調査」によると、1世帯当たりの1ヶ月の消費支出平均は233,568円のため、手取りが約34万円あればじゅうぶんに生活していくことが可能でしょう。
人事の推定生涯年収は約2億2,264万円
厚生労働省の「令和2年「高年齢者の雇用状況」集計結果」によると、99.9%の企業が65歳まで雇用確保措置を取っています。
新卒の22歳から65歳までの44年間を人事で働いた場合の、推定生涯年収を計算してみましょう。
【計算式】
年収約506万円×44年=2億2,264万円
2019年9月~2020年8月の「doda」の調査によると、生涯賃金(生涯年収)が最も高かったエリアは「関東」の2億3,543万円であり、低かったのは「北海道・東北」の1億9,313万円でした。
そのため、人事の推定生涯年収は極端に高くも低くもなく、概ね平均的といえるでしょう。
【年代別】人事の平均年収
会社員の場合、年齢とともに賃金も増えるのが一般的ですが、同じ会社内でも職種によって給与の上がり方に違いが出てきます。
例えば一般事務よりも、専門性の高い経理のほうが年収の上がり幅が大きい傾向にあります。
この章では、人事の年代ごとの平均年収を見ていきましょう。
※本章では、dodaの「平均年収ランキング(職種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」と「平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報) 【最新版】」(2020年12月7日時点)を参考に作成しています
20代の平均年収は約393万円
人事の20代の平均年収は約393万円です。
それに対して、20代全体の平均年収は348万円。
一般的に20代前半は入社して間もない人が多く、職種に関係なく全体的に年収は低めです。
しかし中には、20代にしてかなりの高年収を稼いでいる人事社員もいます。
【人事の仕事で高年収を稼いでいる20代の口コミ(例)】
30代の平均年収は約512万円
人事の30代の平均年収は約512万円であり、20代の頃より119万円も上がっています。
対して30代全体の平均年収は444万円でした。
30代の人事職は、平均より高年収の傾向にあるといえるでしょう。
40代の平均年収は約618万円
人事の40代の平均年収は約618万円。
30代の頃より106万円上昇してますが、20代~30代の時期と比較して年収の伸び代は減っています。
しかし2020年12月の「産労総合研究所」の調査によると、昇給額の平均は4,863円です。
つまり平均では10年で約60万円しか年収アップしないところ、人事は106万円も増えているため、平均より昇給スピードが早い職種といえるでしょう。
50代以上の平均年収は約741万円
定年間近であり、役職に就いている人も多い50代以上の人事の平均年収は約741万円です。
それに対して、50代全体の平均年収は613万円のため、50代の人事職は平均より高年収の人が多いと考えられます。
しかし、中には50代でも20代の平均年収とさほど変わらない人事職の人もいるため、会社による違いが大きいです。
【50代でもそれほど高年収ではない人事職の口コミ(例)】
50歳
ヒグチ産業株式会社
360万円
評価制度はなく、昇格しないと昇給しない。
但し、人員削減でポストが少なくなっており、昇格もままならない。
歴史は長い会社だが、制約は少ない。
店舗勤務者の店長昇格は機会が多く、3~5年で店長へ昇格となり昇給できる。(後略)
他の企業の年収も知りたいという方は「転職会議」に登録してみてください。 会員登録すれば、さらに詳しい口コミをチェックすることができます。
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【男女別】人事の平均年収
人事は男性だけではなく女性も活躍している職種ですが、性別によって年収に違いがあるか気になりますね。
本章では、男女別の人事の平均年収を紹介します。
※本章では、dodaの「平均年収ランキング(職種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」(2020年12月7日時点)を参考に作成
男性の平均年収は約571万円
人事職に就く男性の平均年収は約571万円です。
「令和元年分 民間給与実態統計調査」によると、日本人男性全体の平均年収は540万円でした。
年収の差は30万円程しかないため、人事をしている男性の平均年収は概ね平均的といえるでしょう。
女性の平均年収は約440万円
「令和元年分 民間給与実態統計調査」によると、日本人女性全体の平均年収は296万円。
それに対して、人事職の女性の平均年収は440万円なので、平均よりかなり高いです。
女性は結婚や出産などのライフイベントのタイミングで退職したり時短・パートタイムに切り替える人も多いため、なかなか平均年収が上がらないのが実情です。
しかし人事の求人を検索すると、産休・育休を挟んでの職場復帰を推奨する求人が散見されます。
そのため人事職では、産後に復帰して長くキャリアを積んでいる女性が一定層おり、平均年収を押し上げている考えられます。
(▼クリックして拡大)
(引用:マイナビ転職|2021年4月13日時点)
【役職別】人事の平均年収
人事の平均年収は、役職によって200万円以上も差が出てきます。
この章では、人事の役職ごとの平均年収を見ていきましょう。
※本章の年収は、ネットの情報などを参考に作成しているため、実際の年収額と異なる可能性があります。推定の数値として参考にしてください
係長の平均年収は約450~550万円
人事係長の年収目安は約450~550万円であり、最初に紹介した人事の平均年収とおおむね同等です。
係長は一般社員に一番近い役職のため、それほど年収は高くありません。
しかし、自分の仕事を進めながら部下のマネジメントを行う必要があるため、役職がない頃より責任は重くなります。
【人事係長の求人(例)】
(▼クリックして拡大)
(引用:MS Jobs|2021年4月15日時点)
課長の平均年収は約550~700万円
人事課長の年収目安は約550~700万円です。
現場側の係長と役員側の部長に挟まれる中間管理職の立場であるため、責任やストレスも大きくなります。
その分、年収は係長より高くなります。
【人事課長の求人(例)】
(▼クリックして拡大)
部長の平均年収は約700~900万円
人事部長の年収目安は約700~900万円です。
各部署のトップに位置する役職であり会社の役員に近いポジションのため、係長や課長よりさらに年収は上がります。
しかし、部署を回していくための苦労や責任も格段に大きくなります。
また、人事という部署柄、「入社当時に仲が良かった同僚を降格させる」など、時には心が痛む決断を迫られることもあるでしょう。
【人事部長の求人(例)】
(▼クリックして拡大)
(引用:MS Jobs|2021年4月15日時点)
【種類別】人事の平均年収
ひとくちに人事といっても、細分化すると「人事総務」「人事マネジメント」など様々な種類の仕事があり、年収も変わってきます。
本章では、「人事総務」と「人事コンサルタント」の平均年収をピックアップして紹介します。
人事総務の平均年収
人事総務の推定平均年収は約487万円です。
なぜなら、2020年12月7日時点のdoda「平均年収ランキング(職種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」によると、総務・庶務の平均年収が487万円と紹介されているからです。
総務は、一般的に行事の企画運営や、備品の管理、防犯防災対策など組織全体に関わる業務を行います。
一方人事は、人材の採用・配置・教育、給与の管理など、「人」に関する仕事を行う部署です。
一般的に総務と人事とでは部署が分かれていますが、総務と人事の業務を1つの部署が担当する場合に「人事総務」と呼ばれます。
人事コンサルタントの平均年収
2021年3月15日時点の「求人ボックス」によると、人事コンサルタントの平均年収は約545万円です。
人事コンサルタントとは、クライアントの人事制度や人事評価制度の設計などを支援する職業のことです。
組織に属さず、独立してフリーコンサルタントとして活動する人もいます。
2.外資系企業で働く人事の年収は高めなのか
外資系企業は年収が高いと良く言われますが、人事の仕事も例外ではありません。
豊富な経験や高い英語スキルが要求されますが、年収1,000万円の人事の求人も存在します。
【高年収の外資系企業人事の求人(例)】
(引用:日経転職版|2021年4月14日時点)
また、就活生に人気の外資系コンサルティング企業「アクセンチュア」も、2021年4月14日時点の「転職会議」によれば人事含む経営管理職は763万という高い平均年収でした。
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3.未経験から人事になるには?
これから人事に異動や転職をしたい場合、人事職の仕事内容や会社がどんな人材を求めているかが気になりますよね。
本章では、人事の業務や求められるスキルを解説します。
人事の仕事内容
先述のとおり、人事は「人」に関する業務を行います。
具体的には次の通りです。
- 採用活動
- 部署異動・昇進・降格などの人員配置
- 人材教育(研修など)
- 人事考課制度の管理 など
このように、働く人材に関する業務が中心です。
異動辞令が出たり新人が入社する3月・4月は繁忙期だと考えられます。
資格があれば有利だが必須ではない
人事に携わるにあたり、持っていると有利な資格は下記の通りです。
- メンタルヘルス・マネジメント検定…職場内での役割に応じて必要なメンタルヘルス・ケアに関する知識や対処方法を習得するための資格
- 社会保険労務士…人事が目指す資格の最高峰といわれており、労働関係の問題解決や労働管理の相談を行うにあたり役立つ資格
- 人事総務検定…人事・総務部の知識や実務能力に関する検定
- キャリアコンサルタント…能力開発に関する相談にのる他、アドバイスも行えるスキルが身につく。社員のキャリア支援に役立つ資格
- 衛生管理者…職業性疾病の防止・衛生的で快適な職場環境づくりなど、事業場の衛生全般の管理ができるようになる資格 など
どれも実務で役立つと考えられますが、持ってなくとも人事の仕事をしたり、人事の求人にエントリーすることは可能です。
しかし会社によっては資格手当が出たり、履歴書に書くことで採用担当者に好印象を与えることができるため、興味のある方は、挑戦してみてはいかがでしょうか。
資格について更に詳しく知りたい方は下記関連記事をご覧ください。
人事に求められるスキル
人事に求められるスキルの例は下記のとおりです。
- コミュニケーション力…自社の社員と関わるだけではなく、転職・就職希望者など社外対応の機会も多いため
- 機密保持能力…個人情報などを扱うため
- 情報収集力…「社員がどのような不満を抱いているか」「誰がどんな功績を残したか」など、現場や人事の評価に必要な情報を把握するため
- 法令に関する知識…就業規則や労働環境の見直しを行うにあたり、労働や社会保障関係の法令知識が必要になる
- 高い精神力…降格・左遷・解雇など、時には心が痛む決定もしなければならない など
更に、所属する会社によって人事職に求められる内容は違ってくるでしょう。
例えば、外資系企業の人事職でしたら英会話スキルを求められる可能性があります。
また、テレワークを推奨している企業でしたら、デスクワークが多い人事職にはオンライン会議に対応できるレベルのITスキルを求めるでしょう。
「人事職に興味があるけど、できれば自分の得意分野や持ち味を活かした会社で人事をしてみたい」という場合は、まずプロである転職エージェントに相談をしてみると良いです。
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転職エージェントなら、プロの視点で自分の市場価値を知ることができたり、キャリアの発見も可能です。
そのため、ひとくちに「人事職」といっても、数ある求人の中からあなたの個性にあった職場を紹介してもらうことも可能です。
おすすめの転職エージェントは次章で紹介します。
4.【補足】転職で年収を上げるなら「doda」を利用しよう
(引用:doda)
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「doda」をおすすめする理由の一つでもありますが、dodaには186万人の年収データを元に、自身の推定年収を測定できる機能があります。
(参考:doda)
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転職エージェント「doda」とは
「doda」は、人材業界大手のパーソルキャリアが運営する転職エージェントです。
自分1人で求人を探したり、必要あればアドバイザーにサポートしてもらい、書類作成や求人探しを手伝ってもらうことも可能です。
(引用:doda)
なお、キャリアアドバイザーの相談は一切お金がかかりません。
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転職活動を考えている人はもちろん、まだ転職に現実味がない人も、ぜひdodaを活用してみてください。
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まとめ
人事の年収の特徴は、下記の通りです。
- 平均年収は約506万円
- 20代の平均年収は約393万円
- 30代の平均年収は約512万円
- 40代の平均年収は約618万円
- 50代以上の平均年収は約741万円
- 男性の平均年収は約571万円
- 女性の平均年収は約440万円(日本女性全体の平均年収よりかなり高い)
- 係長の平均年収は約450~550万円
- 課長の平均年収は約550~700万円
- 部長の平均年収は約700~900万円
- 外資系企業の人事は年収が高め
人事は「人」に関する業務を行っており、コミュニケーション能力や機密保持能力が必要となります。
社会保険労務士などの資格は、必ずしも必要ではありません。
これから人事職に就きたい場合は、自分に合った現場を紹介してもらうために転職エージェントを利用すると良いでしょう。
この記事が、人事職に興味がある方の参考になれば幸いです。
【参考サイト】
20歳
東京電力労働組合
700万円
【良い点】
忙しい事もあるが、給料はかなりいいと感じた。
自分のやりたいことなどを決め、それに向けた体制を整えてくれるのでかなり良いと思う。
有給も少し前に申請すれば大体通ります。(後略)