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取引先との会話で「茫洋とした人」という言葉を聞き、どのような人なのかと疑問に思ったことはないでしょうか?
「茫洋とした人」とは、「つかみどころのな人」という意味で使われます。
ほかにも、「茫洋」が使われる場面はたくさんあります。効果的に会話に取り入れることができれば、会話が印象的になりますよ!
ここでは、「茫洋」の正しい意味と使い方をご紹介しています。ぜひマスターして会話に役立ててください。
1.「茫洋」の意味
茫洋
読み:ぼうよう
意味:広々としている。つかみどころがない。
「茫洋」は「ぼうよう」と読み、「 広々として、目当てがつかない」という様子を意味します。
広々として目当てがつかない様子から「 つかみどころがない」「 とらえどころがない」という意味でも使われます。
1-1.「茫洋」の語源
「茫洋」という言葉の「 茫」という漢字には、「広々としている、果てしない、遠くはるかに広がる」という意味と、「ぼんやりとしている、とりとめない、うつろ」という意味があります。
「 洋」という漢字にはいくつかの意味がありますが、「茫洋」で使うときには「ひろい、みちみちたさま」をあらわします。
「茫」と「洋」、どちらも広い様子をあらわす2つの漢字を組み合わせて、「茫洋」という言葉が成り立っています。
2.「茫洋」の正しい使い方と例文
「茫洋」の言葉は、日常会話からビジネスメールまで、さまざまな場面で使うことができます。
使い方は主に、以下の2パターンです。
- 茫洋とした
- 茫洋たる
それぞれ、どのように使われるのか、具体的に解説していきます。
使い方1.「茫洋とした」
「茫洋とした」は、 「広々とした」「つかみ所がない」という意味として、会話や文章で使われることが多いです。
「茫洋」に「と」という副詞をつけて活用しているので、「茫洋としている」「茫洋として」という使い方も使い方としては間違いではありません。
「芒洋とした」を使った例文は以下の通りです。
茫洋とした海
「茫洋とした海」は、 海が広々として果てしない様子を表します。
広々と広がる海を眺めることができる場所で、「茫洋とした海だね。」というように使います。
崖や港など障害物が多く、海をはるかに見渡すことができないような場所で使うのには適していません。
茫洋とした人
「茫洋とした人」は、「 つかみどころがない人、とらえどころがない人、謎めいた人、ぼんやりとした人」という意味で多く使われます。
体の大きな人を表すことや、何事も受け止めることができる度量がある人という意味で使われることもあります。
「あの取引先の担当者は、茫洋とした人だから、気をつけなさい。」と使うときには、「つかみどころがない人、ぼんやりとした人だから気をつけるように」という意味です。
「あの人は、風格があり茫洋とした人だね」というように使うときには、いろいろな物ごとを受け止めることができる度量のある性格という意味です。
「茫洋とした人」と使うときには、良 いイメージで使うときと悪いイメージで使うときがあるので、その言葉だけで意味を判断するのではなく、前後の文脈から意味を判断するのが良いでしょう。
そのほかの使い方
- 茫洋とした草原…草原が広がっている様子です。
- 茫洋とした表情…何を考えているかつかみどころがない表情です。
- 茫洋とした未来…希望があり広がる未来を想像しているといったニュアンス
使い方2.「茫洋たる」
「茫洋たる」は、「茫洋とした」と同じ意味です。
ただし、「茫洋とした」は会話でも使うのに対し、「茫洋たる」は 主に文章で使われます。
また、「茫洋とした」よりも広々とした様子が強調しているニュアンスを感じさせる使い方です。
「芒洋たる」を使ったいくつかの例をご紹介します。
茫洋たる海
「茫洋たる海」は、「茫洋とした海」と同じ意味ですが、 文章の中で果てしなく広がる海を表現して、読む人がその様子を想像できるように強調しているニュアンスがあります。
「茫洋とした海」より「茫洋たる海」のほうが、より文学的な表現といえます。
茫洋たる瞳
文章の中で、うつろで何を考えているのか分からないような瞳という意味で使われます。
1-3.「茫洋」を自己PRで活用する場合
「芒洋」を自己PRで活用するには、「 芒洋とした幅広い仕事ができるように、前向きに取り組みます。」というように使うことができます。
単に「芒洋とした仕事」と表現すると、「とりとめのない仕事」というように間違った意味に捉えられる可能性がありますので、注意してください。
3.「茫洋」を使う場合の注意点
「茫洋」には、景色が広がっている様子を表す場合に使うにはよいのですが、人物に対して使う場合には注意が必要です。
「茫洋」を人物の表現として使う場合には、マイナスイメージで使うときとプラスイメージで使う場合とがあるからです。
良い意味で使う場合には、「部下の意見をしっかりと聞き、包容力があるリーダーに向いた茫洋とした人」というように、 どのような意味で「茫洋とした人」と使っているのかを誤解されないように注意しましょう。
続いて、「芒洋」の類語や反対語を説明します。
4.「茫洋」の類語・言い換え表現
「茫洋」には類語表現がいくつかありますので、まとめて覚えておくと良いでしょう。
- 広大(こうだい)
- 茫々(ぼうぼう)
- 茫漠(ぼうばく)
では、それぞれ詳しく解説していきます。
類語1.「広大(こうだい)」
広大
読み:こうだい
意味;広くて大きいこと
「広大」とは、 広くて大きいことです。
「茫洋」の類語で、海や草原が広がる様子を表すときには「広大」に言い換えて表現することもでき、たとえば「広大な海」というように使います。
ただし、「広大」は、「茫洋」のように、「つかみどころがない」といった意味は含まれないので、 空間の広がりを表すことには適していますが、人物を表すことには適していません。
<例文>
広大な土地を手に入れた。
4-2.類語2.「茫々(ぼうぼう)」
茫々
読み:ぼうぼう
- ぼんやりとはっきりしない
- 草や髭が伸びて乱れている
- 風や波の音が激しい
「茫々」は、「茫洋」と同じように、 広々としてはるかな様子を表します。
他にも、3つの意味がありますので、茫洋よりも幅広く使えるのが「茫々」の特徴です。
茫々の例文を以下に示しましたので、ご確認ください。
<例文>
- ぼんやりとはっきりしない:「茫々とした記憶」
- 草や髪などがのびて乱れている:「茫々とした髪の毛」
- 風や波の音がはげしい:「茫々の風が吹いている」
4-3.類語3.「茫漠(ぼうばく)」
茫漠
読み:ぼうばく
意味;広くてぼんやりしている様
「茫漠」は、 広くぼんやりとして不明瞭な感じをあらわします。
「茫洋」と似ていますが、「茫漠」のほうが「 茫洋」よりつかみどころがないニュアンスです。
<例文>
彼は、茫漠とした話ばかりする
5.「茫洋」の対義語
「茫洋」の類語表現を確認したところで、続いては対義語を確認していきましょう。
- 有限(ゆうげん)
- 露骨(ろこつ)
- 狭隘(きょうあい)
それぞれ詳しく解説していきます。
5-1.対義語1.「有限」
有限
読み:ゆうげん
意味;数や量に限りがあること
「有限」とは、 数や量などに限りがあることを意味します。
「茫洋」が果てしないという意味があるのに対し、「有限」は限られているという意味で対義語となっています。
例文:時間は有限だから、大切に使うようにしよう
5-2.対義語2.「露骨(ろこつ)」
露骨
読み:ろこつ
意味;感情を隠さず、むき出しで表現すること
「露骨」とは、 感情や気持ちなどを、相手の気持ちを気にしないではっきりと示すことをあらわします。
例えば「茫洋とした表情」というとぼんやりとした表情ですが、「露骨な表情」というと気持ちのわかるはっきりとした表情です。
例文:彼はいつも露骨に嫌な態度を示す
5-3.対義語3.「狭隘(きょうあい)」
狭隘
読み:きょうあい
意味;面積が狭いこと。度量が狭いこと。
「狭隘」とは、 面積が狭いこと、心が狭く度量がないことを表します。
例文:狭隘な土地しか手に入れることができなかった
6.「茫洋」の英語表現
「茫洋」を英語であらわすと 「limitless(無限の)」「vast(広大な)」「vague(漠然とした」となります。
どの英単語を使うかは、対象とする物によって変わるので、以下の具体例を参考にしてください。
例文 | 意味 | 英単語 | 英文 |
茫洋とした海 | 物理的に広い | vast | a vast expanse of ocean |
茫洋とした人 | つかみどころのない | vague | a person of vague |
【補足】「茫洋」と「芒洋」は同じ意味
「茫洋」は、「芒洋」という漢字で表現されることもあります。
「 芒」は「すすき」と読み、イネ科のススキを表しますが、音読みで「ぼう」とも読み、広々とした様子もあらわします。
「茫洋」と「芒洋」は同じ意味で使われ、「茫洋」のかわりに「芒洋」と書いても間違いではありません。
まとめ
「茫洋」という言葉について、理解できたでしょうか?
「芒洋」は、「芒洋とした海」というように、広がりを持ったものをあらわすときに最適な言葉です。
ただし、「芒洋とした人」というように人物に対して使うときには、マイナスイメージで使われることもあるので注意が必要です。
会話で人に対して使うときには 「度量がある茫洋とした人だね」というように、具体的な表現にしてあげると、 間違った意味で伝わ流ことが無くなりますよ。