最終更新日:2020/06/04
「いたたまれない」についてお調べですね。 「いたたまれない」は、その場にいるのが堪えられないことを表す言葉です。
心が穏やかでない時に用いられるため、気まずいや悲しい、また、恥ずかしいといった気持ちを表す言葉とともに使用されます。
ビジネスだけではなく、日常生活などさまざまなシーンで使われる言葉であるため、意味や使い方はしっかり覚えておいた方が良いでしょう。
今回は、そんな「いたたまれない」の意味や使い方をわかりやすく解説していきます。 間違った使い方をして誤解を生まないよう、ぜひチェックしてみてください。
1.「いたたまれない」の意味と漢字表記
「いたたまれない」とは、その場にいるのが堪えられないことを意味しています。
悲しさや恥ずかしさ、気まずさなど心が平穏でいられない時に用いられます。
漢字は「居た堪れない」あるいは、「居たたまれない」と表記され、居(い)ることが堪(たえ)えられないという表記であるように、「いたたまれない」という意味をストレートに表した漢字が使用されます。
「いたたまれない(居た堪れない)」は、心の状態からその場にいられないさまを表す言葉なのです。
「いたたまれない」の由来
「いたたまれない」の語源は、 江戸時代後期には既に使用されていた「いたまらない」という言葉に由来します。
「いたまらない」には、元来「我慢ならない」という意味が含まれています。
分解すると「いる・たまる・ない」の三つの言葉に分けられますが、意味を強調するため、平仮名の「た」が新たに挿入されることになります。
こうして「いたたまらない」という言葉が生まれます。
しかしながら、「いたたまらない」だけでは、「〜できない」のような不可能を含んだ意味にはならないとために、可能を表す動詞である「〜れない」を新たに含むことにしたのです。
したがって、のちに「〜らない」は「〜れない」に変化し、「いたたまれない」という言葉が生まれる結果となりました。
「いたたまれない」の由来は、「いたまらない」という言葉が時を経て、変形してできた言葉なのです。
2.「いたたまれない」の使い方
「いたたまれない」は、心が平穏でいられなくなる出来事の原因が、使用者自身と関係がある時に使われます。
すなわち、原因となる出来事が起こった時にその場に居ることが使用する前提条件となります。
そのため、テレビや人づてに聞いたニュースに対して「いたたまれない」を使用するのは、その場にいないという観点から正しい使い方ではありません。
あくまでも、自分の身近な人や状況に対して「いたたまれない」を使うのが、正しい使い方になっています。
「いたたまれない」の使用例
では、次に「いたたまれない」の具体的な使い方について、見ていきましょう。
ここでは、比較的使用頻度の高い表現として、以下の三つの表現を例として挙げています。
実際のシチュエーションに応じた例文まで挙げておりますので、参考までにご覧ください。
例文1.いたたまれない気持ち
その場にいることが堪えられないことを表す「いたたまれない」に気持ちが付いた表現です。
すなわち、「いたたまれない気持ち」とは、「居心地が悪いさま」を意味しています。
例:いたたまれない気持ちになり、その場を後にした。
例文2.恥ずかしくていたたまれない
その場にいることが堪えられない「いたたまれない」に、心の状態を表す「恥ずかしい」という言葉が付いた表現です。
「恥ずかしくて」を付け加えることで、「いたたまれない」原因を具体的に説明しています。
すなわち、「恥ずかしくていたたまれない」とは、恥ずかしくてその場にいられないことを意味しているのです。
例:みんなが一斉にこちらを見るので、恥ずかしくていたたまれない。
例文3.さみしくていたたまれない
その場にいることが堪えられない「いたたまれない」に、「さみしい」という心の状態を付け加えた表現です。
「いたたまれない」の前に「さみしくて」を付け加えることで、「いたたまれない」の具体的な原因を説明しています。
「さみしくていたたまれない」とは、さみしい気持ちが堪えられなくて、その場にいられないことを意味しているのです。。
例:祖母が亡くなって、さみしくていたたまれない。
「いたたまれない」の英語表現
「いたたまれない」を表す英語表現は存在しますが、主には「逃げ出したい気持ちになる」というニュアンスで表現されます。
そのため、「いたたまれない」をそのまま英訳するのではなく、「逃げ出したい気持ちになる」というニュアンスを表現する英語を使用する必要があります。
具体的には、以下のような英訳を使用すると良いでしょう。
- I feel like running away.
- I can’t stand the situation.
- I can’t sit still.
一番上の「I feel like running away」はまさしく、「逃げ出したい気持ちになる」を表しています。
また、その他二つのセンテンスも同様に、直訳した意味は違うものの、 「逃げ出したい気持ちになる」と同じようなニュアンスを含んでいることがお分りいただけるかと思います。
くれぐれも「いたたまれない」を直接英訳した「being unable to stay」を使わないように気を付けましょう。
3.「いたたまれない」の類語
最後に「いたたまれない」の類語について、確認していきましょう。
ここでは、「いたたまれない」の類語として、代表的な三つの表現を例として挙げています。
どの表現も「いたたまれない」と似たようなニュアンスを表す言葉です。
そのため、頭に入れておくことで、シチュエーションに応じたより適切な言葉を選べるようになるでしょう。
肩身の狭い
「肩身が狭い」には、主に以下の二つの意味があります。
- その場にいると居心地の悪さを感じるさま
- 世間に対して自分の存在や行動が申し訳ないさま
上記二つの意味を含んでいることからもわかる通り、その場にいるのが堪えられないという「いたたまれない」と同じような意味を表しているのです。
例:このレストランは、喫煙者にとって肩身の狭い所だ。
決まりが悪い
「決まりが悪い」には、主に以下の二つの意味があります。
- その場にいると居心地の悪さを感じるようなさま
- 面目が立たないさま
面目(めんぼく)とは、世間から受ける評価を表します。
やはり、その場にいるのが堪えられないというニュアンスを表しているため、「いたたまれない」の類語表現となります。
例:彼女は決まりが悪くなったので、その場を立ち去った。
身の置きどころがない
「身の置き所がない」には、主に以下の二つの意味があります。
- 安心して休む場所がない
- 追い詰められてどうしたらよいのかわからない
上記二つの意味からもわかる通り、「自分の居場所がない」というニュアンスを含んでいます。
ゆえに、その場にいるのが堪えられないさまを意味する「いたたまれない」の類語となっています。
例:みんながこちらを見るので、身の置き所がない気持ちになった。
まとめ
「いたたまれない」の意味や使い方について、ご理解いただけたのではないでしょうか。
「いたたまれない」は、心が穏やかでいられない時に、その場にいることが堪えられないという意味で使用されます。
使用者がその場にいることが前提条件であるため、使用する際には自分がどのような位置にいるのかきちんと考えた上で使うことを心がけるようにしましょう。