
I like summer season, especially August.
(夏の季節が好きですが、中でも特に8月が好きです。)
「especially」は 「特に、際立って」という意味です。
日常会話でもよく使われる単語ですが、「特に」という意味の単語は他にも存在するので使い方に迷ってしまいますよね。
そこで今回は「especially」の意味や使い方、同じニュアンスでの類語表現、その他の「特に」の英語表現を詳しく解説していきます。
1.「especially」の意味
「especially」の読み方と意味を紹介します。
especially
読み:エスペシャリー
特に、際立って
「especially」は、 副詞(形容詞や動詞などを修飾する語)です。
例えば「Today is especially hot」という場合は、「今日は特に暑いね」という意味です。
1-1.「especially for you」とは
「especially for you」の意味は以下の通りです。
【especially for you】⇒(他の誰でもなく)特にあなたに、あなただけのために
「特別なあなたへ」という意味で、恋人にメッセージを送るときに使われるロマンチックな表現です。
バレンタインなどに使用します。
「especially for you」は、日常的なやりとりだけではなく、曲のタイトルでも使われています。
カイリー・ミノーグ とジェイソン・ドノヴァンの「especially for you」では「特にあなたに知って欲しい、伝えたい」という恋人へのメッセージが歌われています。
2.「especially」の使い方
「especially」は副詞なので、修飾したい単語の前に置きます。
例えば「特に暑い」の場合は「It is especially hot」となり、「英語が特に好きだ」という場合は「I especially like English」と表します。
「especially」の「特に」は、 「他の比較対象と比べた時に際立っている」という意味合いです。
例えば「この赤ワインが好きだけど、1986年のものは特に良い」などという表現では、以下のように「especially」を使います。
I like those red wines. 1986 is especially good.
(赤ワインが好きだけど、1986年のものは特に良い)
これは「赤ワインの中には多くの種類があるけれど、それぞれを比較した時に1986年のものがとりわけいいものだ」というニュアンスです。
では「especially」を用いた他の例文も、以下で確認してみましょう。
<例文>
- I love Japan, especially when I live in the U.S.
(日本が大好きです。特にアメリカに住んでいると余計に。) - My sister is especially good at playing piano.
(妹は、特にピアノが優秀だ。) - I like studying history, especially about Chinese one.
(歴史を勉強するのが好きだけど、中でも特に中国史が好きです。)
3.「especially」の類語表現
「especially」と同様、「比較対象と比べた時に際立って」という意味で使うことができる類語には、以下のようなものがあります。
- particularly:特に、とりわけ
- peculiarly:特に、奇妙に
①も②も「特に」という意味ですが、ニュアンスに違いがあります。
以下の表で、それぞれの違いを見てみましょう。
especially | particularly | peculiarly | |
意味 | 特に、際立って | 特に、とりわけ | 特に、奇妙に |
ニュアンス | 比較対象の中でも特に際立って | 同種の比較対象の中でも特に際立って | 「独特な」「奇妙な」というネガティブな意味合いで使われることが多い |
「especially」は、単なる比較対象の中で際立っているものを対象に使われる単語なので、比較するものは同種である必要はありません。
一方「particularly」は、同種の比較対象であることが前提です。
「particularly」の元となる形容詞 「particular 」は「特定の、特有の、固有の」という意味です。
同種の他のものと区別する際に使われ、 必ずしも抜きんでている必要はありません。
例えば「日本料理の中では寿司が好き」「スポーツの中ではサッカーが好き」といったものが「particularly」を使う例です。
「peculiarly」も「特に」という意味で使われますが、「奇妙な」「特に変わった」というネガティブなニュアンスで使われることが多いです。
そのため「他と比べて際立って優れている」のようにポジティブな表現にしたい場合は、「especially」や「particularly」を使いましょう。
「especially」「particularly」「peculiarly」は、以下の例文のように使います。
<例文>
- He is kind especially to you.
(彼は、特に君に優しいよね。) - I love my mother’s cook, particularly Sukiyaki.
(母の料理が大好きです。中でもすき焼きが特に好きです。) - She was peculiarly quiet before the presentation.
(プレゼンの前、彼女は奇妙なほど特に静かだった。)
4.目的や強調の意味で使う「特に」を表す英語
「especially」は、 「(比較対象と比べた場合)特に」という意味合いです。
「特に」という言葉には、他にも以下のようなニュアンスで使われるものがあります。
それぞれの意味合いの「特に」として使う英語表現を、以下で紹介します。
4-1.特別な目的のための「特に」
特別な目的のための「特に」は、 「especially」のように「他のものと比べる」必要はありません。
そのため、「特に」よりも「特別に」という日本語訳がしっくりきます。
ある用途や目的のための「特に」は、以下のような英語を使うことができます。
- specially:特別に、特に
- specifically:特に、明確に
①の「specially」の形容詞は「special(特別な)」で、「対象に特に特化している」という意味合いがあります。
②の「specifically」の形容詞は「specific(明確な、細かな)」で、物事を特に深く追求するようなニュアンスで使います。
では「specially」と「specifically」を用いた例文を、以下で見てみましょう。
<例文>
- That expensive piano is specially for tonight.
(あの高価なピアノは、今夜だけの特別なものだ。) - He chose this restaurant specifically for the propose.
(彼はプロポーズのためだけに、特別にこのレストランを選んだ。)
4-2.単なる強調の「特に、著しく」
単なる強調の「特に、著しく」は、「especially」と同じように何かと比べた結果「特に」という意味で使います。
しかし「especially」の「特に」は、「比較」というニュアンスが強く現れるのに対し、 単なる強調の「特に」では「比較対象」をあまり意識しない表現です。
単なる強調の「特に、著しく」では、以下のような単語を使うことができます。
- remarkably:特に、格別に、非常に
- highly:特に、多いに、非常に
①の「remarkably」の形容詞は、「remarkable(目立った、格別な)」で対象のものが特別に優れている様子を表します。
②の「highly」は「high(高い)」の副詞で、他より特別に抜き出ているニュアンスを表します。
では、それぞれの単語を用いた例文を以下で見てみましょう。
<例文>
- His SAT score was remarkably excellent.
(彼のSATのスコアは、特に優れたものだった。) - This textbook is highly recommended.
(この参考書が、特に推奨されているものだ。)
まとめ
「especially」は 「特に、際立って」という意味で、「比較対象と比べた結果、際立っている」というニュアンスです。
「特に」を表す英語は、「especially」のように「比較」を意識したものだけではありません。
「specially」や「specifically」は目的や用途のために使われ、「remarkably」や「highly」は単なる強調の際に使われます。
今回紹介したそれぞれの単語の意味合いをマスターして、文脈に合った適切な単語を選べるようになりましょう。