「欺瞞」の意味と読み方とは?「欺瞞的」「欺瞞性」や英語表現も解説

欺瞞の意味とは ビジネス用語

「欺瞞」の意味は「あざむき、だますこと」で、読み方は「ぎまん」です。

政治の世界でよく使われる言葉で、「欺瞞に満ちた」や「欺瞞する」「欺瞞的だ」「欺瞞性がある」などのように使います。

また、軍事において敵軍に間違った情報を与えるための作戦を「欺瞞工作」と言います。

さらに、自分自身をあざむくことを「自己欺瞞」と言いますが、多くの人が無意識のうちに「自己欺瞞」に陥っていることをご存知でしょうか。

この記事では、「欺瞞」の意味と読み方、使い方、類語や対義語、英語表現などを例文とともに詳しく解説します。

「欺瞞」の幅広い表現方法を知るとともに、「自己欺瞞」について理解し、もし「自己欺瞞」に陥っている場合はそこから脱しましょう。

1.「欺瞞」の意味

欺瞞

読み:ぎまん

意味:あざむき、だますこと

「欺瞞」には「あざむき、だますこと」という意味があります。

「欺」にも「瞞」にも「だます」という意味があり、それを2つ重ねて強調した熟語です。

大げさかつ穏やかでない表現であり、改まった印象を与えます。

以下で、より詳しく説明します。

1-1.「欺瞞」の意味はあざむきだますこと

「欺瞞」は「欺」と「瞞」という2つの「だます」という意味の漢字で構成されています。

「欺」の音読みは「ぎ」、訓読みは「欺く(あざむく)」です。

ただ騙すのではなく「もっともらしく装って騙す」「相手に真実だと思わせて騙す」というニュアンスがあります。

「瞞」の音読みは「まん」、訓読みは「瞞す(だます)・瞞く(あざむく)」です。

「瞞」には「はっきり見えない」という意味があり、「事実を伏せて見えなくして騙す」というニュアンスを含みます。

「欺瞞」の意味はシンプルに表すと「あざむき、だますこと」ですが、上記のようなニュアンスが含まれており、日常の軽い嘘よりも悪意が含まれています

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  • 1-2.「欺瞞工作」は敵を欺くための作戦

    「欺瞞」を使った言葉に「欺瞞工作」があります。

    「欺瞞工作」とは軍事における情報戦の1つで、敵軍に間違った認識を与えるための作戦のことです。「欺瞞作戦」とも呼ばれます。

    例えば、以下のような行為が該当します。

    • 味方の兵力を実際よりも少なく見せる
    • 嘘の情報を流す
    • 撤退したふりをして相手を誘い込む
    • 包囲するために敵を誘導する

    これらの「欺瞞工作」により、有利な状況を作り出そうとするわけです。

    ちなみに、歴史上もっとも有名な「欺瞞工作」は、第二次世界大戦の連合軍によるノルマンディー上陸作戦において、上陸の目的地を誤認識させた「フォーティテュード作戦」です。

    1-3.「自己欺瞞」は自分自身を欺くこと

    日常的に行われる「欺瞞」の1つに「自己欺瞞」があります。

    「自己欺瞞」とは「自欺(じき)」とも呼ばれるもので、意味は「自分自身を欺くこと」です。

    「自分の良心や本心とは反対の言動をとる」「自分を欺いたことを正当化する」というニュアンスを含んでいます。

    「自己欺瞞」は無意識に自分を騙すことだと説明されることもありますが、それは誤りです。意識的に行われる場合もあれば、無意識的に行われる場合もあります

    本人が問題に気付いていれば、意識的に信じたいことを信じます。無意識的に行われる場合は、本人が問題に気付いていません。

    それぞれ、以下に例を挙げます。

    <意識的>

    • 道路の信号のないところを横断したときに「みんなやっているから悪くない」と自分に言い聞かせる
    • 「赤信号、みんなで渡れば怖くない」と正当化して渡る
    • パンは軽いからカロリーも軽いと自分に言い聞かせて食べる
    • 「赤信号、みんなで渡れば怖くない」と正当化して渡る

    <無意識的>

    • 客観的に考えると周りの意見が正しいが、熱くなり、それに反する自分の意見が正しいと思い込む
    • ブランド品だから、欠点があっても良いものであると自分に言い聞かせる
    • 寝坊したのは自分のせいだけど、ムキになって「なんで起こしてくれなかったの!」と相手が悪いと思い込む
    • ボランティアしたからみんな絶対喜んでくれたと思い込む

    頻繁に「自己欺瞞」を行い自分自身を欺いていると、いつしか本当の自分を見失ってしまいます。客観的な視点を持つことを忘れないように心がけましょう。

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  • 2.「欺瞞」の使い方と例文

    「欺瞞」のおもな使い方には「欺瞞に満ちた」という名詞としての使い方や、「欺瞞する」という動詞としての使い方があります。

    また、接尾辞をつけて「欺瞞的」「欺瞞性」と表現することも可能です。

    • 欺瞞に満ちた
    • 欺瞞する
    • 欺瞞的
    • 欺瞞性

    それぞれ例文と併せて紹介します。

    2-1.「欺瞞に満ちた」

    「欺瞞に満ちた」は「欺瞞ばかりの」「欺瞞だらけの」「欺瞞でいっぱいの」という意味で使われます。

    通常は政治家などの公人に対して使うもので、プライベートではほとんど使いません。

    <例文>

    • あの政治家の話は、矛盾と欺瞞に満ちている
    • この欺瞞に満ちた世界に、救いはあるのだろうか。
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  • 2-2.「欺瞞する」

    「欺瞞する」は「騙す」を言い換えた表現であり、「騙す」と同じように「(対象)を欺瞞する」というように使います

    ただし、前述のとおり「騙す」と比べて非常に強い表現なので、周りの人間に対して使うべきではありません。

    公人は例外ですが、特定の個人に対しては極力使わないようにしましょう。

    <例文>

    • いい加減、国民を欺瞞するのはやめてほしい。
    • 社長は自己保身のために、周囲を欺瞞した

    2-3.「欺瞞」+接尾辞

    「欺瞞」に接尾辞「的」「性」をつけた「欺瞞的」「欺瞞性」という表現も使われます。

    「欺瞞的」は「欺瞞の性質をもったもの」、「欺瞞性」は「欺瞞の性質・傾向がある」という意味です。

    ほとんど同じ使い方ができますが、「欺瞞的」は形容動詞、「欺瞞性」は名詞なので使用する際はその点に気をつけましょう。

    形容動詞とは、物事の性質や状態などを表し、言い切りの形が「だ」「です」で終わる言葉です。

    <例文>

    • 欺瞞的な人生から抜け出したい。
    • あの代議士は火消しに躍起になっており、彼の主張は欺瞞的だ。
    • 私の目的は、この統計の欺瞞性を暴くことだ。
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  • 3.「欺瞞」の類語と例文

    「欺瞞」の類語や言い換え表現には以下のものがあります。

    • 欺騙(きへん・ぎへん)
    • 瞞着(まんちゃく)
    • 虚偽(きょぎ)
    • 詐欺(さぎ)
    • ペテン

    「欺瞞」とほぼ同じ意味の言葉もあれば、少しズレている言葉もあります。

    あまり意味が変わらなくてもニュアンスが違うものもあるので、類語を知ることで表現の幅を広げることが可能です。

    それぞれ詳しく説明します。

    類語1.欺騙(きへん・ぎへん)

    欺騙
    読み:きへん・ぎへん
    意味:あざむき、だますこと

    「欺騙」は「欺瞞」と同じ意味を持つ言葉です。

    同じ「欺」という文字を使い、もう1つの文字「騙」も「だます」という意味なので、熟語の構成も一緒です。

    「欺瞞」と同じくそのまま名詞として使われるほか、後に「する」を付けて「欺騙する」というように使われます。

    特に、軍事において、こちらの意図や兵力を隠すために相手に誤った情報を与えることを指す場合があり、その場合は「ぎへん」と読みます。

    <例文>

    • 某議員は、巧妙に世間を欺騙した
    • 作戦の成功のためには、事前の欺騙が重要だ。
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  • 類語2.瞞着(まんちゃく)

    瞞着
    読み:まんちゃく
    意味:ごまかすこと、だますこと

    「瞞着」の意味は「ごまかすこと、だますこと」です。

    「ごまかす」というニュアンスからわかるとおり、「欺瞞」よりもいくぶん軽い表現であり、プライベートで使うこともできます。

    ただし、硬い表現であることには変わりなく、日常会話にはあまり出てきません。

    後に「する」を付けて「瞞着する」というように使います。

    <例文>

    彼は巧みに演説に虚実を織り交ぜ、聴衆を瞞着した

    類語3.虚偽(きょぎ)

    虚偽
    読み:きょぎ
    意味:真実ではないことを、真実であるかのように見せること

    「虚偽」は「真実ではないことを、真実であるかのように見せること」という意味の言葉です。シンプルに表現すると「嘘、偽り」です。

    「虚偽の申告をする」「虚偽の証言をする」「虚偽の申し立て」など、おもに法律に関することで使われます。

    また「企業や政治家などが、収支関係の報告書に、事実と違う記載をすること」を意味する「虚偽記載」も、よく耳にする言葉です。

    このように、おもに法律やそれに関する文書に関するシーンで使われるのが、「欺瞞」との違いです。

    <例文>

    • 虚偽の申告をすると、有罪となる可能性がある。
    • 虚偽記載により、企業の株価が急落した。

    類語4.詐欺(さぎ)

    詐欺
    読み:さぎ
    意味:他人をあざむき、間違った認識を与える行為

    「詐欺」には2つの意味があります。

    1つは「偽りによって、金や品物を奪ったり損害を与えたりすること」、もう1つは「他人をあざむき、間違った認識を与える行為」です。

    どちらも法律用語で、前者が刑法、後者が民法で定義されています。「欺瞞」の類語は後者です。

    「欺瞞」は広い範囲で使われますが、「詐欺」は違法行為に限定して使われます。

    <例文>

    詐欺による契約は、取り消すことができる。

    類語5.ペテン

    ペテン
    意味:他人を騙すこと、イカサマ

    「ペテン」の意味は「他人を騙すこと」「他人を騙すときの手段、イカサマ」です。また「ペテン」を行う人のことを「ペテン師」と言います。

    「ペテン師」は詐欺師の別名として使われたり、ギャンブルでイカサマを行う人に対して使われたりします。

    「欺瞞」は犯罪ではないウソにも使われますが、「ペテン」は犯罪行為に対して使われる言葉です。軽々しく使わないように気をつけましょう。

    <例文>

    • 親類がペテンにかけられた
    • あのイカサマ野郎!ペテン師め!

    続いて、「欺瞞」の対義語と例文を紹介します。

    4.「欺瞞」の対義語と例文

    「欺瞞」の対義語には以下のものがあります。

    • 正直(しょうじき)
    • 誠実(せいじつ)
    • 忠実(ちゅうじつ)
    • 信実(しんじつ)

    それぞれ詳しく説明します。

    対義語1.正直(しょうじき)

    正直
    読み:しょうじき
    意味:嘘やごまかしがなく、正しいこと

    「正直」は「嘘やごまかしがなく、正しいこと」という意味の言葉です。

    「欺瞞」そのものよりも、「欺瞞性」に対して反対の意味を持つ言葉として使われます。

    使い方としては「正直に間違いを認める」、正直な人のことを表す「正直者」などがあります。

    <例文>

    • ミスを指摘されたので、正直に認めた。
    • 彼女は正直者だ。

    対義語2.誠実(せいじつ)

    誠実
    読み:せいじつ
    意味:私利私欲がなく、真心が感じられる様子

    「誠実」は「私利私欲がなく、真心が感じられる様子」という意味の言葉です。

    「欺瞞」そのものよりも、「欺瞞的な人物」に対して反対の意味を持つ言葉として使われます。

    使い方としては「誠実な人柄」「誠実だ」などがあります。

    <例文>

    • 私の父は本当に誠実だ。
    • 取引先が、とても誠実な対応をしてくれた。

    対義語3.忠実(ちゅうじつ)

    忠実
    読み:ちゅうじつ
    意味:全く誤りや偽りがなく正確であること

    「忠実」は「全く誤りや偽りがなく正確であること」という意味の言葉です。

    他に「真心をこめて仕えること」という意味もありますが、「欺瞞」の類語としては先に挙げた意味が当てはまります。

    使い方には「事実に忠実だ」「忠実に再現」などがあります。

    <例文>

    • あのニュース記事は、最も事実に忠実だ。
    • 当時の街並みを忠実に再現した模型。

    対義語4.信実(しんじつ)

    信実
    読み:しんじつ
    意味:まじめで偽りがないこと

    「信実」は「まじめで偽りがないこと」という意味の言葉です。

    「打算がないこと」「誠実であること」「真心があること」などのニュアンスを含んでいます。

    「信実を尽くす」「信実な」「信実だ」というように使います。

    <例文>

    彼の信実な人柄に惹かれた。

    5.「欺瞞」の英語表現と例文

    「欺瞞」を英語で表現する場合、以下のものがあります。

    • deception
    • deceit
    • fraud

    上記の3つはほとんど同じ意味を持ち、お互いに言い換え可能な場合が多いです。

    以下に、例文と併せて紹介します。

    英語1.「deception」

    「deception」は「欺瞞」の他に「詐欺の手口・ごまかし・ペテン」などの意味を持つ英語表現です。

    周りの人間に対する「軽いごまかし」は「minor deception」、「巧妙な嘘」は「clever deception」、「自己欺瞞」は「self-deception」と表現します。

    <例文>

    • I saw a politician’s deception.(私は政治家の欺瞞を見抜いた。)
    • Her excuse is self-deception itself.(彼女の言い訳は自己欺瞞そのものだ。)

    英語2.「deceit」

    「deceit」は「欺瞞」の他に「詐欺・ペテン・虚偽」などの意味を持つ英語表現です。

    「deception」と同じニュアンスで、ほぼ完全に入れ替え可能な表現です。

    <例文>

    The world is full of deceit.(世界は欺瞞に満ちている。)

    英語3.「fraud」

    「fraud」は「欺瞞」の他に「詐欺行為・不正手段・偽物」などの意味を持つ英語表現です。

    法的なニュアンスを含み、金銭的な絡みがあるケースや、「deception」よりも深刻な場面で使われます

    <例文>

    His argument has some fraud and does not fulfill accountability.(彼の主張には多くの欺瞞が含まれており、説明責任を果たしていない。)

    まとめ

    「欺瞞」の意味は「あざむくこと、だますこと」で、読み方は「ぎまん」です。

    政治家などの公人や、世界や世間といった抽象的なものについて使われることが多く、「欺瞞に満ちた」「欺瞞する」「欺瞞的」「欺瞞性」などの使い方があります。

    また、軍事における敵軍の誤認識を誘う作戦である「欺瞞工作」、自分の心に嘘をつくことである「自己欺瞞」もよく使われる表現です。

    硬い表現なので日常会話ではあまり使われませんが、議論の場などで上手く使いこなすと一目置かれることでしょう。

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