最終更新日:2020/06/30
「ごちそうさまでした」は日本人ならなじみが深い言葉ですよね。
しかし、その意味や語源について、深く考えたことは少ないかと思います。
そこで今回は、 「ごちそうさまでした」の意味、語源、外国語表現、返事の仕方までを詳しく解説していきます。
この記事を読み終えたときには、「ごちそうさまでした」について、外国の方にも説明できるレベルになりますよ。
ぜひ、参考にしてください。
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1.意外と知らない「ごちそうさまでした」の意味
意味|食事をごちそうになった時のお礼の言葉
ご馳走様でした
読み:ごちそうさまでした
意味:食事などをごちそうになったときに、お礼として使われる挨拶の言葉
「ごちそうさまでした」とは、 食事をした後に「おいしい料理を提供していただき、ありがとうございます」という感謝の意味を込めた挨拶です。
小さい頃から使っている言葉ですので、なじみ深いですよね。
では、なぜ食事が終わった後に「ごちそうさま」と言われるようになったのでしょうか。
語源|馳走(ちそう)という言葉から来ている
「ごちそうさまでした」の語源は、「馳走(ちそう)」という漢字から来ています。
「馳走」とは、「走りまわること」「奔走すること」を意味です。
昔の人は客の食事を用意するため、馬を走らせ食材を集めていました。
そこから「馳走」という文字が使われるようになり、 走り回って食事を用意することからおもてなしの意味にも使われるようになったのです。
その「馳走」の前後に、丁寧な表現として使う「ご」と「様」を用いて最上級の感謝の意味を表しているのです。
次に、「ごちそうさまでした」の外国語表現についても触れておきましょう。
2.「ごちそうさまでした」の外国語表現
「ごちそうさまでした」は、日本語の挨拶ですが、海外では何と言うのでしょうか。
ここからは、英語、韓国語、中国語、タイ語、ベトナム語、フランス語、イタリア語、それぞれの表現について順番に解説していきます。
- 【英語版】
⇒I’m done.(アイム ダン) - 【韓国語版】
⇒잘 먹었습니다(チャルモゴッスミダ) - 【中国語版】
⇒我吃泡了(ウォチーバオラ) - 【タイ語版】
⇒อิ่มแล้ว (ìm lɛ́ɛw)(イムレーオ) - 【ベトナム語版】
⇒cám ơn(カームオン) - 【フランス語版】
⇒Merci.(メルシー) - 【イタリア語版】
⇒Estato molto buono! (エスタート モルト ブオーノ)
【英語版】「ごちそうさまでした」
- I’m done.(アイム ダン)
- Thank you for delicious meal.(サンキュー フォー デリシャス ミル)
英語では、「お腹いっぱいで食べられない」という表現の 「I’m done.」や「美味しい料理を褒める」表現の 「Thank you for delicious meal.」を用いると良いでしょう。
【韓国語版】「ごちそうさまでした」
- 잘 먹었습니다(チャルモゴッスミダ)
韓国語では、食事が終わった後や何かをご馳走になったときの挨拶として使われます。
「잘(チャル)」は頻度を表す「よく」という意味で、 「잘 먹었습니다(チャルモゴッスミダ)」を直訳すると「よく食べました。」となり、「ごちそうさまでした。」という意味になるのです。
【中国語版】「ごちそうさまでした」
- 我吃泡了(ウォチーバオラ)
- 非常好吃(フェイチャンハオチー)
中国語での表現ですが、お腹がいっぱいであるという 「我吃飽了(ウォチーベオラ)」で「おなかがいっぱいです」 「非常好吃(フェイチャンハオチー)」で、「とても美味しい料理でした」と表すことができます。
【タイ語版】「ごちそうさまでした」
- อิ่มแล้ว (ìm lɛ́ɛw)(イムレーオ)
- ขอบคุณสำหรับอาหาร(kʰɔ̀ɔp kʰun sǎm ràp aa hǎan)(コップン サム ラップ アーハーン)
タイ語では、食後にはお腹がいっぱいであるという 「อิ่มแล้ว (ìm lɛ́ɛw)(イムレーオ)」や感謝の言葉を表す「ขอบคุณสำหรับอาหาร(kʰɔ̀ɔp kʰun sǎm ràp aa hǎan)(コップン サム ラップ アーハーン)」を用いるのが自然です。
【ベトナム語版】「ごちそうさまでした」
- cám ơn(カームオン)
「cám ơn (カームオン)」はベトナムで日常的に用いられる感謝の言葉です。食後では料理を提供してくれた人に対して使うのが適切です。
【フランス語版】「ごちそうさまでした」
- Merci.(メルシー)
- C’était bon.(セテボン)
フランス語で「おいしかった」という感謝の気持ちを表すには、 「Merci.(メルシー)」や 「C’était bon(セテボン)」と言います。
【イタリア語版】「ごちそうさまでした」
- Estato molto buono! (エスタート モルト ブオーノ)
イタリア語で「ごちそうさまでした」を表現するには、 「Estato molto buono! (エスタートモルトブオーノ)」で「とても美味しかった!」と言います。
次に「ごちそうさまでした」の食事シーン以外での使用例をご紹介します。
3.「ごちそうさまでした」の食事シーン以外での使用例
「ごちそうさまでした」は、食事以外のシーンでも使われることが多いです。
- お土産・差し入れをもらった時
- ノロケ話を聞いた時
こちらも、何気なく使っていることが多いと思いますが、詳しく使い方を確認していきましょう。
3-1.お土産・差し入れにをもらった時
お土産や差し入れをもらった直後にも「いただきます」「ごちそうさまです」は使われます。
また、差し入れを食べた後にお礼としても「ごちそうさまでした」「美味しくいただきました」と言って感謝の気持ちを伝えることができます。
3-2.のろけ話をされた時
食事の後の挨拶をして使われる「ごちそうさまでしたJ には、提供された料理が美味しくなくとも、作ってくれた人の苦労をねぎらう意味もあります。
また、「お腹がいっぱいでもう食べることができない」もしくは「美味しくないのでもう食べたくないとき」の「これでお終い」という合図の意味も含まれています。
この意味を日常会話において、相手ののろけ話を聞いたときや、仲の良さを目の前で見せつけられたなどに使うこともあります。
相手ののろけ話を聞いたときに、 「もうこれ以上聞きたくない、見たくない」という意図をこめた皮肉として「ごちそうさまでした」と使われます。
続いて、「ごちそうさまでした」と言われた場合の返事の仕方について解説します。
4.「ごちそうさまでした」に対しての返事は何と言う?
「ごちそうさまでした」と言われた場合は、次のように返事をします。
- お粗末様でした。
- お口に合いましたでしょうか。
では、順番に解説していきます。
4- 1. 「お粗末さまでした」
「お粗末様でした」とは、食事を提供した側が使う言葉です。
「お粗末なものを提供してしまいました」というへりくだった意味になります。
4- 2.「お口に合いましたでしょうか」
「お口に合いましたでしょうか」は、 「相手の好みに合っていると良いのですが」という気遣いを伝える言葉です。
「本日のお料理はお口に合いましたでしょうか」という具合に使います。
【補足】「いただきます」の意味は?
ここまで「ごちそうさまでした」の意味を解説して来ましたが、一方で「いただきます」はどういう意味なのでしょうか。
「いただきます」は 「命をいただく」という意味の言葉です。
もともとは仏教から来ており 生きるために牛や鳥、などの生物の命を奪って食べていることに対し、犠牲になっていった命があるこや、その重さをかみ締めて「(命を)いただきます」という言葉が使われるようになりました。
まとめ
今回は、「ごちそうさまでした」の意味、語源、外国語表現、返事の仕方までを解説しました。
「ごちそうさまでした」とは、食事をした後に「ありがとうございます」という感謝の意味を込めた挨拶です。
普段当たり前のように使っている言葉もその意味まで知ると、感慨深いものになりますよね。