
「汎用」とは「ひとつのものを広く用いる」という意味です。
「汎用性のあるアイテム」「汎用的な能力」といった使い方をします。
この記事では、「汎用」の使い方や類語、英語表現などを例文を用いてわかりやすく解説しています。
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1.「汎用」の意味
意味は「ひとつのものを広く用いる」
汎用
読み方:はんよう
意味:ひとつのものを広く用いる
「汎」は「広くゆきわたる」、「用」は「用いる」こと。
合わせると、 ひとつのものをいろいろな方面に幅広く用いるという意味になります。
まれに「ぼんよう」と読んでいる人がいますが、間違いです。
「凡庸(ぼんよう)」は「ありふれていて目立ったところがない」という意味です。
例文
- この製品は汎用性が高いのでとても便利です。
- 共通の規格がある部品を複数の機械に汎用しました。
- 汎用品は便利なので好まれます。
- 汎用的な能力を身につけるとよい。
2.「汎用」の使い方と例文
「汎用性」
「汎用」は「汎用性」という使い方をすることもあります。
汎用性の「性」は性質のことを表します。
幅広い用途に使える性質を持っているという意味です。
例文
- スマートフォンは汎用性のあるアイテムです。
- 汎用性を意識した新商品企画をあげてください。
- 汎用性の高い商品が売れるのではないでしょうか。
「汎用する」
「 〇〇を△△に汎用する(〇〇という物を△△にも用いる)」という使い方をします。
例文
- 共通の規格がある部品を複数の機器に汎用しました。
- 似た機能だったので複数の設計書に汎用しました。
- よくある書式を汎用しました。
「汎用品」
〇〇という用途にも、△△という用途にも使える物という意味です。
たとえば、あるスマートフォンの部品は、Aさんのスマホにも、Bさんのスマホにも使うことができるとします。
このような、どのスマホにも使うことができる部品を「汎用品」といいます。
また、一般消費者向けの商品である「汎用品」に対して、1人のお客さんの希望に応じてつくる商品を「特注品」といいます。
わかりやすく言い換えると、「特注品」はオーダーメイド品です。
例文
- 汎用品を活用すると、便利です。
- スマートフォンの部品は汎用品が多い。
「汎用的」
「汎用的な〇〇」という使い方をします。
「いろんなことに応用できる〇〇」というように捉えると、わかりやすいです。
例文
- 汎用的な能力を身につけることが大切である。
3.「凡庸(ぼんよう)」との違い
「汎用」は広く用いる、「凡庸」は平凡
「汎用」を誤って「ぼんよう」と読んでいる人がいますが、 「凡庸」とは明確な違いがあるので注意しましょう。
「凡庸」の「凡」と「庸」は、どちらも並(普通)という意味です。
そのため、「凡庸」はすぐれた点がなく普通であることをいいます。
【「汎用」と「凡庸」の違い】
- 「汎用」:ひとつのものを広くさまざまな方面に用いること
- 「凡庸」:ありふれていて目立ったところがないさま
例文
- 便利な機能を汎用させました。(便利な機能を広く用いる)
- 便利な機能ですが、凡庸です。(便利な機能だがありふれている)
4.「万能(ばんのう)」との違い
「汎用」は広く用いる、「万能」は何にでも役立つ
「汎用」と「万能(ばんのう)」は、ニュアンスが少し異なっています。
「万能」の「万」は数が多いこと・すべて、「能」は能力という意味です。
合わせると、 「あらゆることに能力がある」という意味になります。
【「汎用」と「万能」の違い】
- 「汎用」:ひとつのものを広くさまざまな方面に用いること
- 「万能」:すべてに効き目があり、何にでも役立つこと
例文
- 汎用性の高い商品を手に入れました。(さまざまな方面に用いることができる商品を手に入れた)
- 万能な商品を手に入れました。(何にでも役に立つ商品を手に入れた)
5.「汎用」の類語や言い換え表現
「汎用」の類語や言い換え表現は以下の通りです。
1つずつ見ていきましょう。
類語1.「応用が利く」
応用が利く
読み方:おうようがきく
意味:既存の知識や道具を場合に応じて、ほかの物事に適用させることが可能であるさま
「応用が利く」を誤って「応用が効く」と表記しないように気をつけましょう。
例文
- 受験では応用が利く知識を身につけておくとよいでしょう。
- 応用が利く便利な商品を購入したいです。
類語2.「何にでも使える」
何にでも使える
意味:多くの事柄に対応できるさま
例文
- この機器は何にでも使えるからよいですよ。
- 2018年以降に販売されたパソコンなら何にでも使えるのでおすすめです。
6.「汎用」の対義語
「汎用」の対義語は以下の通りです。
1つずつ見ていきましょう。
対義語1.「専門」
専門
読み方:せんもん
意味:限られた範囲を集中的に研究・担当などすること
「専門」は限定性があり、「広く用いることができる」という意味の「汎用」とは対義語だと言えます。
例文
- 私の専門分野は機械工学です。
- スイーツ専門店に行きたいと思っています。
対義語2.「特化」
特化
読み方:とっか
- ある特定の部分に重点を置くこと
- 業務内容を限定して専門化すること
「特化」は「ある部分に重きをおく」という意味なので、「あらゆる物事に適用する」という意味の「汎用」とは対義語だと言えます。
例文
- 財政政策に特化した政策が議論されています。
- 新商品は若者に特化したものにしましょう。
対義語3.「限定」
限定
読み方:げんてい
意味:物事の範囲や数量を限ること
「限定」は「限る」という意味があるので、「幅広く用いる」という意味の「汎用」とは対義語だと言えます。
例文
- 特定地域に限定して販売します。
- 数量限定なのでお早めにお買い求めください。
7.「汎用」の英語表現と例文
「general-purpose」
「汎用」は英語で “general‐purpose”と書きます。
“general”には「一般的」や「総合」、“purpose”には「目的」や「意図」という意味があります。
例文
- This is a general‐purpose tool.
⇒これは汎用工具です。
まとめ
「汎用」とは「ひとつのものを広く用いる」という意味です。
「汎用性のある商品」「汎用品」といった使い方をします。
「汎用」の対義語は「専門」「特化」「限定」です。
「凡庸(ぼんよう)」や「万能(ばんのう)」と混同されがちですが、違いがあるため、きちんと使い分けましょう。