
『CAREER PICKS』は、複数の企業と提携し情報を提供しており、当サイトを経由して商品への申込みがあった場合には、各企業から報酬を受け取ることがあります。ただし当サイト内のランキングや商品の評価に関して、提携の有無や支払いの有無が影響を及ぼすことはございません。 また当サイトで得た収益は、サイトを訪れる皆様により役立つコンテンツを提供するために、情報の品質向上・ランキング精度の向上等に還元しております。
「平素より」は「へいそより」と読み、「いつも(過去から現在に至るまで)」を意味します。
ビジネスでは挨拶文で使用される「平素より」ですが、意味や使い方がわからない人も多いかもしれません。
「平素より」を挨拶文で正しく使えば、丁寧なイメージを与えられるでしょう。
本記事では「平素より」の意味や正しい使い方、例文や類語などをまとめて解説します。
「平素より」の使い方をマスターして、普段の仕事でスマートに使えるようになりましょう!
1.「平素より」の意味
まずは「平素より」の意味からご紹介します。
知っているようで、実は詳しく理解していない場合もあるので、ここで確認しておきましょう。
「平素より」の語源や似た言葉との違いについても解説します。
意味は「いつも(過去から現在に至るまで)」
「平素より」とは、いつも(過去から現在に至るまで)を意味する言葉です。
ビジネスシーンでは、主にメールや文書、挨拶文の冒頭で使用されます。
「日頃」よりも、少しかしこまったニュアンスで相手に伝えたい場合に用いられます。
「平素より」の語源
「平素」を構成する「平」は、「何事もなく穏やかなこと」や「凹凸のない状態」などを意味します。
平和や平穏にも「平」が使われていることから、普通の毎日というニュアンスを含んでいます。
「素」は「ありのままの様子」を意味しているので、平素とは「いつも通り」「変わらない毎日」を表現する言葉になりました。
「平素は」との違い
「平素より」と似た言葉に、「平素は」があります。
「平素は」は意味が異なり、使い方も異なるので、使用する際は注意が必要です。
「平素より」は過去から現在に至るまでを指す表現なのに対し、「平素は」は時制的に過去にあったことを指しています。
2.「平素より」の正しい使い方
日常会話で使うことはありませんが、手紙や文書で使うことが多い「平素より」は、以下のような注意点があります。
ここでは、 「平素より」の正しい使い方について解説します。
誰に対しても使える言葉ではないため、きちんと使い分けましょう。
初対面の人に対しては使わない
「平素より」は「いつも(過去から現在に至るまで)」という意味なので、初対面の人・面識のない人には使えません。
メールや挨拶文で用いる際は、必ずこれまでに面識のある方に対して使うようにしましょう。
また、新規オープンの店舗などでお客様にご挨拶する際にも、誤って「平素より」を使わないように気をつけてください。
あとに続く文章の雰囲気を統一させる
「平素より」は丁寧な言い回しのため、あとに続く文章の雰囲気も合わせなければ違和感が出てしまいます。
「平素より」が冒頭に来たら、「いつもお世話になっております」というニュアンスの文章が一般的です。
「いつも」という表現よりも丁寧で、相手に少し堅い印象を与える表現です。
「平素より」を挨拶文で使用する場合は、文章全体のトーンを違和感のないように統一させましょう。
さらに丁寧に伝えたい場合は「拝啓」「敬具」をつける
「平素より」を使って、より一層丁寧な文章にしたい場合は「拝啓・敬具」をつけましょう。
「拝啓」とは文面上の挨拶を意味し、文章の冒頭に記します。
「敬具」は敬意を表して文を結ぶという意味があり、文章の末尾に記すことで、締めの効果をもたらします。
「拝啓」と「敬具」はセットで使うのが一般的なので、使う際は両方とも忘れずに記入するようにしましょう。
3.「平素より」がよく使われるシーン
「平素より」は正しいシーンで使用しないと、相手に誤ったニュアンスで伝わってしまったり、誤解を与えてしまいます。
「平素より」は主に以下のようなシーンで使われます。
「平素より」を使う正しい場面を理解して、質の高い文章を作成しましょう。
それでは、以下に「平素より」がよく使われるシーンを解説します。
挨拶文として使われる
「平素より」は手紙やお礼状、顧客や取引先への挨拶文で使われます。
例えば、「部署異動の挨拶」や「新サービス・商品の案内」「サービス停止やお詫びのお知らせ」などのシーンです。
会社として正式な挨拶を行う場合に用いるようにしましょう。
顧客に誠意を伝えたい時に使われる
「平素より」は「いつも」と同じ意味をもちますが、より強い誠意のニュアンスを相手に伝える効果があります。
また、お詫びや謝罪の連絡を行う場合も「平素より」を用いることで、強い誠意を表現することができます。
お詫びの連絡を行う際は、はじめに日頃の感謝を伝え、その後に謝罪の内容を含めるようにしましょう。
時間や日程変更の告知で使われる
ビジネスシーンで時間や日程の告知を行う際にも、「平素より」をよく使います。
お客様に営業時間や開催日程の変更などを報告する際や、社外宛ての文書などにもよく使われます。
使用する際は、はじめにお客様へ日頃の感謝を述べて、その後に報告内容を伝えるのが一般的な流れです。
4.「平素より」の例文
「平素より」を使用した例文をいくつかご紹介します。
ビジネスシーンで頻繁に用いられる表現を3つ挙げているので、ぜひ参考にしてみてください。
平素より大変お世話になっております
「平素より大変お世話になっております」は、もっともベーシックな「平素より」を用いた表現です。
企業間のビジネスメールで使用されるケースが多いでしょう。
継続的な関係を築いていることへの感謝の意味も込められています。
以下が「平素より大変お世話になっております」を使った例文です。
<例文>
- 平素より大変お世話になっております。この度、営業部からマーケティング部へと異動する運びとなりましことをご連絡申し上げます。
- 平素より大変お世話になっております。弊社は12月30日から1月3日までの間、年末年始のため休業とさせていただきます。
平素よりご厚情を賜り、誠にありがたく存じます
「平素よりご厚情をいただき、誠にありがたく存じます」も、多くは手紙などの改まった連絡で使われる表現です。
「ご厚情」とは、目上の人からの深い思いやりや配慮のことを意味します。
とくにかしこまった表現のため、年賀状やお礼状などにも使えるでしょう。
以下が「平素よりご厚情をいただき、誠にありがたく存じます」を使った例文です。
<例文>
- 拝啓 平素よりご厚情をいただき、誠にありがたく存じます。早いもので初雪の便りが届く季節となりましたが、◯◯様はいかがお過ごしでしょうか。
- 拝啓 平素よりご厚情をいただき、誠にありがたく存じます。この度、私はご縁があり結婚することになりました。
- 平素よりご厚情をいただき、誠にありがたく存じます。この度、弊社サービスの5周年キャンペーンを開催いたしますことをご連絡申し上げます。
平素より格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます
「平素より格別のお引き立て」は、新年や休業のお知らせなどで用いられることの多い表現です。
日頃から特別な心配りをしてくれる目上の人や社外の人に対して使います。
まずは時候の挨拶文を書き、それに続けて書くのが一般的です。
以下は「平素より格別のお引き立て」を使った例文です。
<例文>
- 時下ますますのご清栄のこととお慶び申し上げます。また平素より格別のお引き立て賜り、誠にありがとうございます。
- 早春の候、皆さまにおかれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。平素より格別のお引き立ていただき、誠にありがとうございます。
5.「平素より」の類語と例文
「平素より」の類語を知っておけば、ビジネスシーンでさまざまな表現ができます。
言葉のバリエーションが増えると周囲の評価も向上するので、ぜひチェックしてみてください。
「平素より」と同じような意味をもつ類語は以下の通りです。
「平素より」との意味の違いや例文を交えながらご紹介します。
類語1.毎度(まいど)
「毎度」とは、「いつも、そのたびごと、同じ事が繰り返されること」を意味する言葉です。
「平素より」に比べてかしこまった表現ではないので、堅く丁寧なニュアンスを伝えたい際には適しません。
「毎度」を使った例文は以下です。
<例文>
- 毎度お世話になっております。昨日、ご依頼いただいておりましたプレゼン資料が完成しましたので、以下添付ファイルでお送りいたします。
-
毎度ご利用いただき、ありがとうございます。本日13時より、当店にてキャンペーンイベントを開催いたしますので、ご都合がよろしければぜひお越しください。
類語2.先般(せんぱん)
「先般」は「先ごろ・この間」という意味をもつ言葉です。
先般とは、時制的にそれほど遠くない過去、少し前の時点を表します。
一般的に、「数日から数週間ほど前、長くても1ヶ月ほど前」のことを指すことが多いでしょう。
「先般」は「平素より」と同じニュアンスで使われ、ビジネスシーンではかしこまったご挨拶文などで用いられます。
「先般」を使った例文は以下です。
<例文>
- 先般の夕食会では大変お世話になりました。
- 先般の会議で決定した内容につきまして、質問がございます。
- 先般申し上げた通り、誠に残念ではありますが、来週をもって既存事業は撤退いたします。
類語3.毎々(まいまい)
「毎々」とは「毎回・そのたびごと」という意味をもつ言葉です。
目上の人や取引先に向けたメールや手紙などで使われることが多いです。
「平素より」との違いは、「毎々」は「繰り返し」のニュアンスは強く含まれている点です。
使う場面は「平素より」と同じく挨拶文でも用いられることです。
「毎々」を使った例文は以下です。
<例文>
- 毎々格別のお引き立てをしていただき、誠にありがとうございます。今後とも、弊社商品をどうぞよろしくお願いいたします。
- 毎々お世話になっております。この度、私はC社を退職する運びとなりましたことをお伝え申し上げます。
類語4.平生(へいぜい)
「平生」とは、「ふだん・いつも・常日頃」を意味する言葉です。
「平生」の意味は「平素より」と同じですが、 「平素より」と異なりご挨拶文やお手紙で使用されることは少ないです。
「平生」を使った例文は以下です。
<例文>
- 仕事に取り組む姿勢は平生より同じでなければならない。
- 平生の話の中にも、今日の彼はどこかいつもと違う雰囲気があった。
- 平生通りの調子で仕事を進めていたが、二日酔いのため、よい成果が出せなかった。
類語5.常々(つねづね)
「常々」とは「いつも・普段・日常」という意味をもつ言葉です。
「平素より」との違いは、挨拶文の冒頭ではあまり使用されることがない点です。
「常々」を使った例文は以下です。
<例文>
- 鈴木さんの仕事ぶりは大変素晴らしく、常々感謝しております。
- 先輩上司の田中さんとはもう3年のお付き合いで、常々学びあるご指導をいただいております。
まとめ
記事でご説明したように「平素より」は「いつも(過去から現在に至るまで)」を意味する言葉です。
ビジネスでは、お客様や取引先に挨拶文を送る際に多く用いられます。
過去に面識やお付き合いのある方に対しての表現になるため、初対面の方には使わないように注意してください。
また、「平素より」は文章全体をかしこまったテイストに変えるため、後に続く文章も同じ文調に統一しましょう。
仕事をしていると「平素より」を使用するタイミングが必ずあるので、ぜひ記事を参考にして正しく使えるようにしておいてください。