「贔屓(ひいき)」は悪い意味?意味と正しい使い方や類語を紹介

贔屓の意味とは ビジネス用語

取引先の担当者「今後もご贔屓に」と言われたけど…「贔屓」って悪い意味じゃなかったっけ?

「贔屓」は「特定の人ばかり得をする」などネガティブの意味がある言葉と思い込んでいたなら、この「今後もご贔屓に」は、違和感しかありませんよね。

ですが「贔屓(ひいき)」は「 気に入った人や物に援助や肩入れする」の意味があり、特別に悪い意味はありません。ではなぜ、ネガティブな意味に捉えられることが多いのでしょうか。

本記事では「贔屓」の正しい意味と使い方、そして類語表現や対義語表現を紹介します。

「贔屓」が本当に悪い意味なのかを知ることで、逆にビジネスで使うべき言葉であることに気が付くことができますよ。

是非参考にしてください。

1.「贔屓(ひいき)」の意味:気に入った人や物に援助や肩入れする

最初に「贔屓(ひいき)」の意味や読み方を紹介します。

贔屓

読み:ひいき・ひき

気に入った人や物に援助や肩入れする

「贔屓(ひいき)」は「 気に入った人や物に援助や肩入れする」の意味がある言葉です。

しかし「気に入った人や物を肩入れする人」や「気に入った人や物を可愛がる」等の意味合いも含まれます。

  • 「気に入った人や物を肩入れする人」
    贔屓筋、贔屓
  • 「気に入った人や物を可愛がる」
    ⇒A社員ばかり贔屓する

また「贔屓」は元々中国語であり、本来の読み方は「ひき」です。

時間が経つにつれ「ひき」が「長音変化し、「ひいき」に変化した経緯があります。

1-1.「贔屓」の言語由来1:「贔(重い荷を背負う)」と「屓(鼻息を荒くする)」

その「贔屓」を「贔」「屓」と漢字を分けて意味をみてみましょう。

  • 」:貝(貨幣など財貨)を3つ重ねることで「重い荷を背負う」
    ⇒ 財貨が多くある
  • 」:鼻息を荒くする
    ⇒ 特に力を入れる時に使う漢字

この2文字の意味を繋げると 「鼻息を荒くしながら力を込める」となり、転じて「気に入った人や物に援助や肩入れする」との意味となりました。

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  • 1-2.「贔屓」の言語由来2:中国の伝説上の生物「龍生九子」から

    「贔屓」の語源は、中国の伝説上の生物「龍生九子(りゅうせいきゅうし)」にあります。

    9種存在する龍の子どもでもある「龍生九子」の1種が「贔屓」です。

    この「贔屓」は「重いものを支える」を好み、石碑や石柱の装飾モチーフに取り入れられます。

    そこから 「支えながら力添えする」行為そのものを「贔屓」とされるようになり、転じて「気に入った人や物に援助や肩入れする」に意味になったのです。

    2.「贔屓」の使い方と例文

    「贔屓(ひいき)」は「気に入った人のみに援助や肩入れする」の意味があります。

    また「人」に対してのみ使われる言葉のイメージがある一方で、次の例のように 意外にも「店舗」や「組織」に対しても使われることが多い言葉なのです。

    次に「贔屓」の使い方を5つ紹介します。

    1. 常連客への感謝と今後を伝える謝辞
    2. 常連客が来店した時
    3. お気に入りの芸能人やプロスポーツのチームや選手
    4. 閉店などの最後の挨拶
    5. 誰にもわかるような差をつける人に対して

    それぞれ説明します。

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  • 2-1.常連客への感謝と今後を伝える謝辞で

    「贔屓」は「感謝の気持ちとこれからも宜しく」といった意味の使い方をします。

    サービス業や販売業、飲食業に従事している人なら、いつも利用いただいている常連客に対し、「贔屓」を使うことで謝辞を表現できるのです。

    取引が多い企業に対しても使うことが多いでしょう。

    悪い意味とは真逆の使い方であり、「ご贔屓」とすることで丁寧さも加味され、印象が良くなります。

    例文

    1. これからも、ご贔屓の程宜しくお願いします。
    2. 永年の間多大なご贔屓を賜り、心から厚く御礼申し上げます。

    2-2.常連客が来店した時

    常連客がいつものように来店した時や、取引が多い企業からのリピートがあった時にも「贔屓」は使われます。

    同業他店や他社が多い中、「 わざわざ時間と手間を使ってまで来店やリピートしていただいたことへの感謝」の意味が込められた「贔屓」です。

    また常連客や顧客への感謝の意味もあり「ご贔屓」といった表現になります。

    例文

    1. いつもご贔屓にしていただき誠にありがとうございます
    2. 旧年も弊店をご贔屓にしていただき、誠にありがとうございました。
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  • 2-3.お気に入りの芸能人やプロスポーツのチームや選手

    スポーツ観戦が趣味の場合や、好きな芸能人にかなり嵌っている場合 「ご贔屓のチームは?」や「(好きな芸能人グループの)贔屓のメンバーは〜?」と、周囲から問われることもあるでしょう。

    その問いに答える時も「判官贔屓」という四字熟語や、次のような「贔屓」の使い方がおすすめです。

    また「贔屓した好意的な視点」という「贔屓目」という使い方もあります。

    例文

    1. 俺が贔屓目や判官贔屓している野球チームは、敢えていうなら関西の野球チームかな。
    2. 「嵐」の中で贔屓にしているメンバーは「ニノ」です。

    2-4.閉店などの最後の挨拶

    長い間営業を続けた店舗や会社を畳む際に、常連客や顧客に対して謝意を伝える時にも「贔屓」は使います。

    大型商業施設の最終営業日のシャッターが閉まる前の支配人挨拶、と書けばイメージしやすい場面です。

    気持ちが籠った「ご贔屓」として用いられ、顧客ひとりひとりに伝わるような内容が特徴ですね。

    例文

    1. 長年にわたり多大なご贔屓を賜っていただき、心から厚く御礼申し上げます。
      誠に勝手ではございますが、本日をもって当店舗の営業は終了とさせていただきます
    2. これも一重に皆ご贔屓とご支援によるものと、心より深く感謝しております。
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  • 2-5.誰にもわかるようなレベル差をつける人に対して

    特定の人が「その人のお気に入りの人に、誰にもわかるようなレベルで肩入れする様子」に遭遇した時に、揶揄する意味で「贔屓」を用います。

    「贔屓」と聞いて誰もが最もイメージしやすい、呆れた意味合いも含む悪い意味で使うことが多い使い方です。

    例文

    1. あの社長のG課長への贔屓ぶりは、あまり気持ち良いものでは無いわなぁ。
    2. F課長のIさんへの贔屓の仕方は、殆どストーカーレベル。

    3.「贔屓」の類語表現

    次に「贔屓」の4個の類語表現を紹介します。

    1. 愛願(あいこ)
      ⇒ 目をかける
    1. 厚遇(こうぐう)
      ⇒ 手厚くもてなす
    1. 引き立て(ひきたて)
      ⇒ 特に目をかけ,ひいきにする
    1. 眷顧(けんこ)
      ⇒ 特別に目をかけること

    それぞれ説明します。

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  • 類語1.愛願(あいこ)

    「目をかける」という意味がある「愛顧」ですが 「贔屓にする」意味も含みます

    一般的には「ご愛顧」という形式で「贔屓される側」が使う言葉です。

    例文
    長年のご愛顧に感謝致します。

    類語2.厚遇(こうぐう)

    「厚遇」は漢字の意味そのままの「手厚くもてなす」以外にも 「役職や給与で十二分な待遇をする」の意味も含みます。

    就活関連でよく見聞する言葉です。

    例文
    通常あり得ない高厚遇で、あの会社に採用されたかもしれない。

    類語3.引き立て(ひきたて)

    「引き立て」は「 特に目をかけ,ひいきにする」の意味以外に「一緒に連れて行く」の意味もあります。

    しかし「贔屓」の類語としては前者の意味を指します。

    また、顧客への挨拶に「お引き立て」として使われることが多い言葉になります。

    例文
    これからも今まで以上に倍旧のお引き立てを賜りますよう、是非お願い申し上げます。

    類語4.眷顧(けんこ)

    「眷顧」は「贔屓」そのままの意味「 気に入った人や物に援助や肩入れする」がある言葉です。

    難読文字のひとつであり、小説などにみられます。

    例文
    結果的に、眷顧を蒙ってしまった。

    4.「贔屓」を使った四字熟語やことわざ

    次は「贔屓」の5個の四字熟語やことわざを紹介します。

    1. 贔屓 引き 倒し(ひいきのひきたおし)
      ⇒ 度を超えた贔屓をされることで、逆に贔屓をされた人を不幸にする。
    1. 判官贔屓(ほうがんびいき)
      ⇒ 弱者・敗者に同情し声援する感情。
    2. 依怙贔屓(えこひいき)
      ⇒ 一方的に片方の人や物に援助や肩入れする。
    3. 贔屓偏頗(ひいきへんば)
      ⇒ 片方の人たちに援助や肩入れする。
    4. 身内贔屓(みうちひいき)
      ⇒ 親密な関係の人に対して不自然に援助や肩入れする。

    「贔屓」使った「判官贔屓」など、四字熟語や「贔屓の引き倒し」などのことわざの説明は以下の通りです。

    4-1.贔屓の引き倒し(ひいきのひきたおし)

    「贔屓の引き倒し」とは「 範疇を超えての贔屓に対し周りの人の反感を買ってしまい、逆に贔屓をされた人が不幸になる」という、例えでありことわざです。

    「贔屓の引き倒し」の「引き」とは、「贔屓」の読みのひとつ「ひき」を指しています。

    つまり「贔屓の贔屓倒し」と解釈されるのです。

    例文
    課長によるRさんへのフォローは凄かったからなぁ、おかげでRさんはなかなか独立できない。課長、贔屓引き倒しやってしまったか。

    4-2.判官贔屓(ほうがんびいき)

    「判官贔屓(ほうがんびいき)」「弱者・敗者に同情し声援する感情」を表す四字熟語です。

    鎌倉時代初期の武将「源義経」が兄「源頼朝」に滅ぼされた」ことに対し多くの人が同情したことが発端であります。

    サッカーなどの試合で、特に応援しているチームはないけど、なんとなく負けている方を応援しよう、という行為が「判官贔屓」と呼ばれるのです。

    「判官贔屓(はんがんびいき)」という読み方もあります。

    例文
    弱いチームを応援したくなるのは、自分が判官贔屓な性分だからなぁ。

    4-3.依怙贔屓(えこひいき)

    「贔屓」の意味「気に入った人や物に援助や肩入れする」と同義ですが 「依怙」と付くことで「どっちか一方だけ」の意味が加味されます。

    例えばAかBのどちらかの「A」のみにお年玉をあげる、などといった行動ですね。

    つまり明らかな「不平等な扱い」を指し、「依怙贔屓」はその扱いを揶揄する時に使われる言葉なのです。

    例文
    あのD係長のEさんへの粘着質な依怙贔屓ぶりが凄い。

    4-4.贔屓偏頗(ひいきへんぱ)

    「依怙贔屓」の意味「 一方的に片方の人や物に援助や肩入れする」と同義の言葉です。

    しかし「依怙」は「一方だけ」を指す言葉に対し、「偏頗」は「偏った」の意味合いがあります。

    つまり「贔屓偏頗」は「依怙贔屓」よりも広い範囲の「贔屓」を指す言葉なのです。

    例文
    あの開発グループへのD係長による贔屓偏頗はいつまで続く?

    4-5.身内贔屓(みうちびいき)

    同族経営の会社によくみられる「贔屓」の形態であり使い方です。

    「身内贔屓」の意味としては「親密な関係の人に対して不自然に援助や肩入れする」です。

    しかし、この「親密な関係」は 「親族血縁関係」はもちろん「自信が仕切る組織のスタッフ」も含まれます。

    例文
    N主任の親戚Oさんも働いているからといって、N主任のその親戚Oさんへのかなり甘い対応は、まさに身内贔屓以外何物でも無い。

    5.「贔屓」の対義語表現

    次は「贔屓」の3個の対義語表現を紹介します。

    1. 公平(こうへい)
      ⇒偏らないこと
    1. 冷遇(れいぐう)
      ⇒冷たい態度であしらう
    2. 平等(びょうどう)
      ⇒差別無くすべてに等しい

    対義語を使ったそれぞれの例文は次の通りです。

    対義語を使った例文

    1. 公平
      ⇒ 本当に公平に評価されていると思う?
    2. 冷遇
      ⇒ 服務規定に抵触すれば、そりゃ冷遇されるわ。
    3. 平等
      ⇒ あのD主任、確かに冷徹な程にスタッフ全員平等に扱っている。

    「贔屓」の意味である「気に入った人や物に援助や肩入れする」に対して、紹介した3個の対義語も 何かしら「差が無い」「冷めている」などの意味が含まれている点が特徴です

    6.「贔屓」の英語表現

    日本語の「贔屓」にそのまま該当する英語表現もありますが、 「引き立て=贔屓」と解釈して使う表現もあります。

    「贔屓」の4個の英語表現について紹介します。

    1. Favor
      ⇒(〜を)特別に好む、引き立て
    2. Favorite
      ⇒ お気に入り
    3. Patronage
      ⇒(店舗などの)ひいき、引き立て
    4. Partiality
      ⇒ 依怙贔屓

    それぞれ説明します。

    6-1.Favor

    「Favor」の意味は「 親切な行為、引き立て」以外にも、次のような意味が含まれています。

    1. 行為
    2. 愛玩
    3. 寵愛

    「親切な行為、引き立て」「寵愛」等の意味が転じて「贔屓」と解釈が可能なのです。

    「Favor」は、次のように使います。

    例文

    1. To favor one-sidedly.
      ⇒一方的に贔屓する。
    1. Discriminate in favor of only young women.
      ⇒若い女性だけを贔屓する。

    6-2.Favorite

    「Favorite」の意味は「 お気に入り」以外にも、次のような意味が含まれています。

    1. 特に好きな
    2. 得意な
    3. 大本命

    「お気に入り」の意味が転じて「贔屓する」と解釈することができるのです。

    「Favorite」は、次のように使います。

    例文

    1. My favorite shop is that cake shop.
      ⇒ 私の贔屓するお店はそのケーキショップです。
    2. The boss plays favorites with that employee.
      ⇒ 上司はその社員を贔屓している

    6-3.Patronage

    「Patronage」の意味はそのまま「 (店舗などの)ひいき、引き立て」です。

    また、それ以外にも、次のような意味が含まれています。

    1. 愛顧
    2. 得意客
    3. 恩着せがましい態度

    「贔屓」の類語の「愛顧」の意味としても使える英単語なのです。

    「Patronage」は、次のように使います。

    例文

    1. There are many people who patronage that shop.
      ⇒そのお店を贔屓とする人は多い。
    2. I want to be patronage from that company.
      ⇒その会社から贔屓にされたい。

    6-4.Partiality

    「Partiality」の意味は「 依怙贔屓」以外にも、次のような意味が含まれています。

    1. 不公平
    2. (〜を)特別に好む
    3. 偏愛すること

    「Partiality」は、次のように使います。

    例文

    1. My boss show one’s partiality to him.
      ⇒上司はひたすら彼を依怙贔屓する。
    2. Let’s do this party without partiality
      依怙贔屓なしでパーティーやろう。

    まとめ

    「贔屓(ひいき)」は「 気に入った人や物に援助や肩入れする」の意味があります。

    つい悪い意味に捉えがちの「贔屓」ですが、使い方によっては丁寧な謝意を伝える言葉であることを学びました。

    「気に入った人や物に援助や肩入れする」よりも、社会人らしく誠意をもって謝意を伝えることができるようになりましょう。

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