最終更新日:2020/06/26
あなたは「ふつつかもの」の使い方をご存知でしょうか?
「ふつつかもの」はドラマのシーンなどでよく聞く表現ですが、いまいち意味がピンときませんよね。
「ふつつかもの」には、 「気が利かない人」「未熟者」という意味があり、初めて目上の方にご挨拶をする場合に使用されます。
ビジネスシーンやプライベートなどでも使用することがあるため、ぜひ意味や使い方などを覚えておきたいところです。
そこで今回は、「ふつつかもの」の使い方や言い換え表現などを詳しく解説して行きます。
正しい使い方を知らなくて恥をかくことがないよう、ぜひチェックしておいてください。
1.「不束者(ふつつかもの)」の意味
「ふつつかもの」(不束者)は、 「気が利かない人」「未熟な人」というへりくだりの意味をもつ表現です。
元々は古来に使用されていた 「太束」(ふとつか)という用語が形と意味を変えて今の表現になったとされています。
平安時代では、細い体系で、おしとやかな人が「美しい」と認識されており、そうでは無い太った体型やむさ苦しい人物・荒っぽい性格の人物などに「太束」をもじった「不束者」という表現を使用するようになりました。
この「不束者」が、時代が経つにつれ、現在の「品が無い者」「未熟者」といった意味をもつ表現に変化したのです。
2.「ふつつかもの」の使い方
「ふつつかもの」には「未熟者」といった意味があることが分かりました。
では、具体的にはどのような使い方ができるのでしょうか?
「ふつつかもの」を使用する場合には、以下のような場面が想定されます。
では、順番に確認していきましょう。
① 教えを乞う時
「ふつつかもの」は、 誰かに教えを乞う場合に挨拶表現として使用することができます。
② 部下など、立場が自分よりも下の者を誰かに派遣する時
昇進して自分が部下を持つようになった場合、別の誰かの元へ部下を派遣する場合があります。
そのような場合の挨拶には以下の例文が使用可能です。
「迷惑をおかけすることもありますが」というニュアンスも含まれているため、このような場面でおすすめできる表現になっています。
③ 結婚の報告をする時
「ふつつかもの」は、結婚の報告する際に使用する場合が最も有名です。
3.「ふつつかもの」の類義語・対義語
「ふつつかもの」にも類義語や対義語が存在します。
言い換えてビジネスシーンで使用することが可能であるため、覚えておくと役に立ちます。
自分をへりくだって表現する場合に使用してみてください。
3 – 1.「ふつつかもの」の類義語
「ふつつかもの」の類義語には、以下のような表現があります。
①「半人前」
「半人前」には、 「一人前では無い」「初心者」「修行中」といった意味があります。
主に何かを学んでいる最中である・鍛錬の最中である自分を謙遜する場合に使用されることが多い表現です。
この例文を要約すると、「自分はまだあなた方には及ばないが、それでも共に働きたい」といった意味になります。
自己紹介の挨拶などの初めての場で使用することが可能ですので、覚えておくと良いでしょう。
②「若輩もの」
「若輩もの」には、 「年が浅い者」「経験が少なく未熟な者」という意味があります。
「若い」とは違い、自分をへりくだって使用することが可能であり、目上の方の謙遜の意味で使用することが可能です。
のように自己紹介に使用することもできます。
また、「ふつつかもの」同様、目下の部下を紹介する場合にも使用可能であるため覚えておくと良いでしょう。
③「未熟もの」
「未熟者」には、 「学問・技術の習得・練度などが十分でなく、不慣れである者・またその様」といった意味があります。
「若輩もの」とは違い、自分のことをへりくだって使用する表現ではありません。
主に目上の方から言われる用語であり、
このように使用することはできませんので注意してください。
へりくだった表現を使用する場合は「ふつつかもの」や「若輩者」を使用するようにしてください。
3 – 2.「ふつつかもの」の対義語
「ふつつかもの」の対義語には、以下のような表現が存在します。
では、順番に確認していきましょう。
①「気がきく」
「気がきく」には、 「細かいところに目が及ぶ」「配慮が行き届いている」「心遣いがある」といった意味があります。
「ふつつかもの」とは意味が逆ですが、自分ではなく相手を評価する際に使用する…という点においても真逆の性質を持っています。
この例文のように、目上の方が目下の方を評価する場合に使用されることが多いです。
②「優秀」
「優秀」には、 「非常に優れていること」「優れて秀でていること」といった意味があります。
未熟などの意味をもつ「ふつつかもの」とは逆の意味をもち、「気がきく」同様に他人を評価する場合に使用します。
「気がきく」とは違い、目上の方にも使用することが可能であり
③「親切」
「親切」には、 「相手のことを思いやる」「親しい」といった意味があります。
「ふつつかもの」の「気が利かない」の意味とは反対の意味になっており、目上・目下関わらずに使用することが可能です。
「あの方は親切だ」「親切にどうもありがとうございます」など、ビジネスシーンだけでなく、日常会話でも使用することができる表現です。
4.「ふつつかもの」の英語表現
「ふつつかもの」を直訳できる英語はありませんが、意味が近いものだと、以下のような表現を使うことができます。
①「inexperienced 」
この表現には、 「ふつつかもの」「未経験」に近い意味があります。
しかし、英語では謙遜してこのような表現を使用することはありません。
どちらかと言うと、「未経験」の意味で使用されることが多く、「ふつつかもの」として使用されることは無いと言えます。
例文:「He’s inexperienced in this business」(彼はこの仕事の経験が無い)
②「rude」
「rude」には、 「無作法」「無礼」「失礼」といった意味があります。
その他「荒っぽい」や「みだらな」など、マイナスなイメージがあるもの全般を意味する単語でもあります。
明らかに悪意がある無礼な態度や失礼な場合に使用されることが多く、ビジネスシーンで使用する場面は少ないでしょう。
「rude」を使用するような場面にしない・会わないようにすることが大切です。
例文:「Don’t be rude」(ルールを守れ)
③「impolite」
「impolite」も「rude」と同じく「無作法」「無礼」「失礼」といった意味があります。
「rude」と違う点は、 悪意が無い無自覚な行為にも使用できる点です。
例えば、ビジネスルールやマナーなどがなってない場合の指摘に使用することができます。
例文:「I feel your action is impolite」(君の行為は失礼だと思うよ)
5.まとめ
「ふつつかもの」を使用する場合には、以下の5つを意識してください
- 「ふつつかもの」には「気が利かない人」「未熟者」といった意味がある
- 「ふつつかもの」はへりくだった表現で使用でき、元は「太束」からきている
- 教えを乞う場合や目下の者を紹介する時・結婚前の挨拶などでよく使用される
- 「ふつつかもの」の類語には「半人前」「若輩者」などが存在する。ビジネスシーンでは「未熟者」は自分には使えない
- 「ふつつかもの」を直接訳せる英語表現は無い
「ふつつかもの」使用する場合にはこれらを意識するようにしましょう。