最終更新日:2020/06/02
「人生山あり谷あり」は「 人生は良いこともあれば悪いこともある」という意味で使われる言葉です。
しかし、「人生はトラブルの連続」という意味も持ち合わせているので、状況によって使い分ける必要があります。
そこで今回は「人生山あり谷あり」のもつ2つの意味や言い換え表現、さらに英語表現も合わせて解説していきます。
1分程で「人生山あり谷あり」について完璧に理解できるようになりますので、ぜひチェックしてくださいね。
1.「人生山あり谷あり」の2つの意味とは
「人生山あり谷あり」という言葉は起伏の多い人生を例えたことわざであり、主に下記の 2つの意味で用いられます。
人生山あり谷あり
- 人生は良いこともあれば悪いこともある
- 人生はトラブルの連続
では、2つの意味それぞれがどのような場面で用いられるかを確認していきます。
1-1.意味1.人生は良いこともあれば悪いこともある
まず、「人生山あり谷あり」で一般的に使われるのが「いいこともあれば悪い子ともある」という意味です。
こちらは人生を折れ線グラフで表した時に、良い時を山、悪い時を谷と表現しています。
良い時(山にいる時)は調子に乗りがちですが、そんな自分を戒める意味で「この良い状態が続くわけではないから、気を抜かずに維持できるように頑張ろう」という意味合いで使うことができます。
また、悪い時(谷にいる時)には気分も落ち込みますが、「いつまでもこの悪い状態が続くわけではないから、調子が上向くまで頑張ろう」と自分や相手を励ます意味で使うことができます。
具体的な使い方
<例文>
- 人生山あり谷ありって言うから、そのうちいいことがあるはずだよ。
- 人生山あり谷ありとはいいますが、本当に色々なことが起こりますね。
1-2.意味2.人生はトラブルの連続
もう一つの意味は「人生はトラブルの連続」、という意味です。
実際の山登りをしているところを想像してみてください。
山登りは登りだけが続くわけではなく、登ったり下ったりを繰り返しながら山頂を目指していきます。
登りが大変なのはもちろんのこと、一見楽に思える下りも足腰に負担がかかり、気力・体力は疲れと共に奪われていきます。
標高が高くなれば呼吸も苦しくなりますし、うっかり足を滑らせたりすると命に係わる事故の可能性もあります。
このように人生を登山に例えると、気を抜くような場面はなく、常に何かしらのトラブルに直面している、という捉え方をすることができます。
「人生山あり谷あり」には人生はトラブルの連続、常に苦労が付いて回るのだ、という意味もあるのです。
具体的な使い方
<例文>
- 人生は山あり谷ありなので、いつも気を引き締めていることが重要です。
- 人生山あり谷ありとはよく言ったもので、心身ともに休まる時がありません。
2.「人生山あり谷あり」の言い換え表現
「人生山あり谷あり」は同じ意味で使われる言葉がたくさんあります。
ここでは、ことわざと四字熟語の中から、「人生山あり谷あり」の言い換え表現として使えるものを紹介していきます。
2-1.「人生山あり谷あり」と似た意味のことわざ
「人生山あり谷あり」と似た意味のことわざを以下2つご紹介します。
- 楽あれば苦あり
-
禍福は糾える縄の如し(かふくはあざなえるなわのごとし)
楽あれば苦あり
「楽あれば苦あり」は楽しいことの後には必ず苦労が訪れる、良いことばかりは続かないということを意味しています。つまり人生は苦と楽、両方をともなうものだということです。
また、楽ばかりを追い求めて怠けた生活をしていれば後で必ず苦労することになる、という戒めも表しています。
<例文>
- 楽あれば苦あり、と言うから、今調子が良くても油断しない方がいいですよ。
- あの人の好きな言葉は「楽あれば苦あり」だと言っていたけど、そういえばいつもニコニコしていて落ち込んでいるところを見たことがないですね。
禍福は糾える縄の如し(かふくはあざなえるなわのごとし)
「禍福は糾える縄の如し」は中国の有名な歴史書にある言葉です。
このことわざは「災いと幸福は表裏一体、より合わせた縄のように交互にやって来る」という意味です。
つまり、不幸だと思ったことが幸福に転じたり、幸福だと思っていたことが不幸に転じたりすることを表しています。
「人生山あり谷あり」は状況が時間とともに変化するさまを表現していますが、「禍福は糾える縄の如し」は突発的なハプニングで人生がガラリと変わる意味合いの言葉です。
そのため、「人生は予測できないもの」、というニュアンスで使われることが多いです。
<例文>
- 禍福は糾える縄の如し、とはこのことで、もう駄目だと思っていたのに大きな取引が決まるなんて、幸運だったよ。
- 今回はちょっとアンラッキーだったけど、禍福は糾える縄の如しと言うからあまり落ち込まない方がいいですよ。
2-2.「人生山あり谷あり」と似た意味の四字熟語
では、「山あり谷あり」と似た意味を持つ四字熟語についても見ていきましょう。
ニュアンスの違いはありますが、人生が平坦ではない様子を表した 四字熟語を2つ紹介します。
波乱万丈(はらんばんじょう)
「波乱万丈」という四字熟語はある人の人生や出来事がドラマティックな出来事に満ちている様子を意味する言葉です。
誰かの人生や物事を客観的に見たときに使うのが一般的です。
<例文>
- 宝くじに当たったかと思えば大事故に巻き込まれたり、あの人の人生は波乱万丈だ。
- あの映画を一言で言うなら、まさに波乱万丈という感じでした。
人生行路(じんせいこうろ)
行路とは道筋、人間がこの世に生きていく道程のことです。
人生を旅に例え、人生にはたくさんの起伏があるという意味を持っている言葉です。人生航路、と間違って覚えている人もいますので、間違わないように注意してください。
<例文>
- 私たちの人生行路には悲しいことや楽しいことが散りばめられている。
- これからの2人の人生行路が幸せに満ちたものであることをお祈りします。
3.「人生山あり谷あり」の英語表現
英語では「人生山あり谷あり」をどのように表現するのでしょうか?
ビジネスパーソンとして英語での表現も覚えてしまいましょう。
Life has its ups and downs
ほとんど直訳になりますが、「人生には上りも下りもある」という意味ですね。
例文:Life is like a roller coaster. It has its ups and downs.
訳:人生はジェットコースターのようなものだ。そこには登りも下りもある。
これは起伏に満ちた人生をジェットコースターに例えた文章です。
4.【補足】山あり谷ありの人生を乗り切る3つの心構え
実際に自分が人生の「山」や「谷」に差し掛かった時、どのように乗り切れば良いのでしょうか?
1人1人の人生はそれぞれに違うものですから正解はありませんが、 きっと役に立つ考え方を3つ紹介します。
4-1.辛い時は「一時的なもの」と考える
辛い出来事があった時、それは「谷」にいるということかも知れません。
今のような状況がずっと続くような気分になって落ち込んでしまうのも無理はありません。
しかし、深刻な状況だったはずがちょっとしたきっかけで解決してしまったり、時間がかかったとしても悪い状況が悪いままのことはなく、常に変化していきます。
そのため「今が人生の谷なんだから、これからは上向いていくだけ。必ず良い時がくる」というように考え方を変えてみましょう。
4-2.調子が良い時こそ謙虚になる
長い人生の中には絶好調だと思える時期があります。
そんな時は「山」の上から見える風景はこれまでにない絶景のはず。
自分が成功者であるように思えるでしょうし、知らず知らずのうちに偉そうな態度を取ってしまうかもしれません。
しかし、そんな時だからこそ謙虚に振舞わなくてはいけません。谷の時期がいつか終わるのと同じで、山の時期もいつかは終わり、谷へと向かうかもしれません。
人生は「山あり谷あり」なのですから、山の時期に謙虚にしていればいつかまた谷の時期が来た時に助けてくれる人が増えるはず。
そのようなあなたの振舞いを周囲の人たちは見逃さないでしょう。
4-3.良い時と悪い時のどちらも楽しむ
人生の良い時と悪い時、どちらも楽しむ心を忘れてはいけません。
人生が登山だとすれば道中の登りや下りはその過程でしかありません。
登る途中の苦しさと下る途中の苦しさは違うかもしれませんが、頂上についたときにはすべてを良い経験として振り返れるはずです。
物事が上手くいっていない時にその状況を楽しむ、というのは難しいことです。しかし、「谷」にいるからこそわかることや見える風景があり、「山」だからこそわかることや見える風景があるのです。
置かれた状況に合わせてやれるだけのことをやり、時には客観的な視点を持って楽しむくらいの気持ちで山も谷も楽しみましょう。
まとめ
ことわざ「人生山あり谷あり」には下記の2つの意味があります。
- 人生は良いこともあれば悪いこともある
- 人生はトラブルの連続
人生には山も谷もあります。その言葉の通り、楽しいこと、辛いこと、その両方があります。
辛い谷の時期に状況を変える努力をすることはとても大事なことですが、頑張っても手ごたえがなく、状況が好転しそうもない、というような時があります。
そんな時は思い切って休む、というのも一つの方法です。心が疲れていると物事を正しく捉えることができなくなりがちですし、いいアイディアも浮かんできません。
好きなことをしてストレスを発散したり、しっかりと休養を取ることで心身ともにリフレッシュし、元気が出たらやがて必ずやってくる山へ向かう時期に向けてやれることをしっかりやりましょう。