儒教とは何か?その教えと現代ビジネスとの関係をわかりやすく解説!

儒教の意味とは ビジネス用語

「儒教」は、約2500年前の中国に生まれた思想家であり、哲学者でもある「孔子(こうし」の思想を基礎とした教えです。

現代経営学の大家であるドラッカーもその意義を認めており、今日のビジネス活動において、その考え方を活用しようとする動きが盛んになっています。

「儒教」は、日本人の思想にも大きな影響を与えていますが、意外とその全体像は知られていません。

ここでは、「儒教」の定義やその思想の基礎だけでなく、現代ビジネスと「儒教」との関係をご説明します。

そして、最近話題に上がることの多い、中国や韓国における「儒教」思想の受け止められ方についても、日本と比較して解説します。

ビジネスに役立つ基礎知識としてご活用ください。

1.「儒教」とは:孔子の思想を基礎とした教え

儒教

読み方:じゅきょう

意味:「孔子(こうし)」が打ち立てた思想が基礎となって、その後弟子たちによって深め、広められた教え

「儒教」の「儒」は、「原始宗教において神事をつかさどる人」を意味します。

孔子は、この「儒」の思想を体系化し、その時代に適応する道徳理論として「儒教」の教えを推進しました。

孔子の死後300年後に、弟子たちが孔子の言葉をまとめ、『論語』として完成させました。

『論語』は日本人が手にした最も古い書物とされており、現代に至るまで読み継がれています。

2.「儒教」思想の基礎

「儒教」は 道徳規範として、孔子によって体系化されました。

そして、その教えを引き継いだ多くの思想家によって更に深められ、社会規範の一つとなり、やがては政治にも活用されるようになりました。

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  • 2-1.「儒教」の教え

    「儒教」の基本理念は「仁(じん)」であり、これを実践する手段を「礼(れい)」としています。

    <定義>

    •  ⇒ 人を愛すること、他者を思いやること
    •  ⇒ 人間の感情を形として表すための規則や慣行

    自分と他者のそれぞれが「仁」を体現することにより、社会の秩序が保たれます。

    そして、人間は社会的生物であり、「礼」が実践されることにより家族の秩序が保たれ、社会が安定するとされています。

    このように、「礼」は社会規範であるといえますが、その後、政治理論として発展・活用されてきました。

    2-2.「儒教」の思想家たち

    孔子の教えを引き継いで、その思想を深め、広めた思想家として以下の3人が挙げられます。

    1. 孟子(もうし)
    2. 荀子(じゅんし)
    3. 朱子(しゅし)

    それでは、順にご説明します。

    「孟子」は「性善説」を説いた

    孔子は、「天は善である」と説きました。

    孟子はその教えを発展させ 、天が「善」であるなら人も生まれながら「善」であり、道徳の修養によって、この「善」がさらに深められると説きました。

    孟子は哲学としての「儒教」を確立した思想家といえます。

    「荀子」は「性悪説」を説いた

    一方で、荀子は、 人は生まれながらに弱く、後天的努力によってのみ自己を成長させることができるとする「性悪説」を説きました。

    出発点は異なりますが、孟子や荀子の思想は、「儒教」の学習によって自己を高められるという点で共通しています。

    「朱子」は中国思想の根幹となる「朱子学(しゅしがく)」を成立させた

    朱子は、「儒教」の規範として『四書五経(ししょごきょう)』を定め、 「儒教」を人材育成プログラムとして確立しました。

    その後、朱子が成立させた「朱子学」は明(みん)の国教となり、近代日本においても、日本人の思想に大きな影響を与えました。

    詳しくは、4-3.日本における「儒教」をご覧ください。

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  • 3.「儒教」と現代ビジネス

    近年、 「儒教」が説く倫理観が、経済活動における経営倫理や企業精神に通じるものがあるということで、注目を集めています。

    欧米や日本だけではなく、現在の中国や韓国でも、経済倫理のバックボーンとなるものとして、見直されています。

    これらの背景として、以下の二つが指摘されています。

    • 中国・韓国・日本などの「儒教」文化圏が急速な経済発展を遂げたこと
    • 金融危機以後に混乱した経営倫理を立て直すため、「儒教」の示す倫理観や道徳が役に立つのではないかと考えられたこと

    また、マネジメントの教祖的存在である経営学者のドラッカーも「儒教」に強い関心を寄せ、企業倫理に関する論文の中で「儒教」について論じています。

    4.日・中・韓と「儒教」

    中国、韓国、日本は、ともに「儒教」文化圏にあるといわれていますが、「儒教」に対するその立ち位置は微妙に異なります。

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  • 4-1.中国における「儒教」

    中国は「儒教」発祥の地です。

    中国における「儒教」は、 人生観、生活観、幸福感、世界観に加えて、生活の知恵としても捉えられています

    少し大げさにいえば、中国民族のアイデンティティに関わる思想といえます。

    社会主義体制の下で、「儒教」は一時期、批判や排斥(はいせき)の対象となりました。

    しかし、「儒教」の排除は中国が中国でなくなることを意味するという考えが広まり、「儒教」は21世紀に入ってから再評価されました。

    4-2.韓国における「儒教」

    中国で生まれ、深められた「儒教」は、朝鮮半島に伝わりました。

    李氏朝鮮王朝は「儒教」を国教とし、朝鮮半島は「儒教の模範生」とされました。

    このため、現代の韓国においても、 「儒教」は中国と同様、民族の思想的バックボーンとして、倫理観の根幹をなしています

    韓国制作の時代劇ドラマなど韓流文化が東アジアを席巻していますが、そのストーリーは儒教的考え方に貫かれており、中国国内でも広く受け入れられています。

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  • 4-3.日本における「儒教」

    日本においては、特に「朱子学」が知識階級に影響を与えました。

    江戸時代には徳川幕府が「朱子学」を正学として採用し、明治維新につながる思想の土台を築いたのです。

    その後、近代日本においては、政財界人を含めた幅広い日本人の思想に大きな影響を与えました。

    日本における「儒教」は、どちらかといえば知識の対象にとどまっており、中国や韓国のように、民族の生活体系に組み込まれたものではありませんでした。

    日本が、幕末・明治維新を通じて、西洋化へ容易に舵を切ることができたのも、そのためと理解されます。

    5.「儒教」と「仏教」・「道教」との関係

    「儒教」・「仏教」・「道教」は、中国において「三教」と呼ばれています。

    「三教」は、長い歴史の中で、対立と融合を繰り返してきました。

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  • 5-1.「儒教」と「道教」の関係

    「道教」は、中国で自然発生的に成立したとされる、多神教的宗教のことをいいます。

    「老荘思想(ろうそうしそう)」や中国古代の民間信仰である「神仙思想(しんせんしそう)」など、さまざまな要素が混じった宗教です。

    • 老荘思想 ⇒ 中国の思想家である「老子」と「荘子」の思想を合わせたもので、時流に流されず、超然として心穏やかに自由に生きることを説く思想
    • 神仙思想 ⇒ 古代の中国において、不老不死の神人や仙人の実在を信じて、自らもそうなろうとする思想

    「道教」の始祖である「老子(ろうし)」は「儒教」の形式主義を批判し、自然世界を重視しました。

    一方、「儒教」は「道教」の「不老長生」を否定しています。

    5-2.「儒教」と「仏教」の関係

    「仏教」は 「仏陀(ぶっだ)」の教えに沿って、個人の悟りと解脱(げだつ)を追求する宗教です。

    道徳理念として、社会のあり方にも言及する「儒教」とは異なります。

    また、「儒教」は、仏教における重要な教義である「輪廻転生(りんねてんせい)」を否定する立場です。

    尚、「朱子学」を体系化した朱子は、「仏教」の「因果論」と「道教」の「宇宙概念」を「儒教」に融合させています。

    6.「儒教」の英語表現

    「儒教」の英語表現は、「Confucianism」です

    「孔子」は英語で「Confucius」と表現され、「Confucianism」は「孔子の教え」という意味を表しています。

    因みに、「朱子学」の英語表現は「Neo-Confucianism」です。

    「儒教」の新展開という意味合いを持たせ、言葉の頭に「Neo」が付いています。

    まとめ

    儒教は日本の思想体系に大きな影響を与えた重要な思想の一つです。

    しかしながら、発祥の地である中国や韓国における位置づけと、日本におけるそれには基本的な違いがあります。

    中国や韓国の国民感情を理解する上でも、儒教の思想を理解するのは、とても重要です。

    また、現代のビジネスシーンにおいても、経営倫理や企業行動の観点から、儒教の思想は大いに参考に出来る部分があります。

    「儒教」に対する基礎的な知識を得ることは、現代社会を生きるビジネスマンにとって必須のスキルだと言えるでしょう。

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