【カントの著書】「純粋理性批判」とは?ポイントをわかやすく解説!

純粋理性批判の意味とは ビジネス用語

「純粋理性批判」は、哲学者カントの「三大批判」の一つです。

カントはこの本で、「人はどんなことを知りえるのか」を明確にしようとしました。

カントの著作物は難解さで有名ですが、現代社会にも相通じる部分が多々あります。

ここでは、カントの「純粋理性批判」を出来るだけ分かりやすく解説します。

カントの生涯や、「純粋理性批判」に出てくる幾つかのキーワードについても説明します。

また、西洋哲学における位置づけや、「純粋理性批判」を深く学ぶための参考書籍についても紹介するので、参考にしてくださいね。

1.「純粋理性批判」とは?

純粋理性批判

読み方:じゅんすいりせいひはん

ドイツの哲学者カントの三大批判の一つ。

「人はどのようなことを知り得るのか」を明らかにした。

カントの三大批判は、「純粋理性批判」、「実践理性批判」、「判断力批判」の3つです。

「純粋理性批判」は、 カントの思想の出発点になっていると言え、「人はどのようなことを知り得るのか」を問いかけています

2番目の「実践理性批判」では、「我々は何をなし得るのか」という問いを投げました。

そして、最後の「判断力批判」では、「我々は何を望むことができるのか」という問題を投げかけています。

尚、「批判」には「客観的視点から、良い点も悪い点も同じように指摘する」という意味があります。

この三大批判において、カントのいう「批判」は、「吟味」に近いニュアンスがあると言えるでしょう。

1-1.「純粋理性批判」のポイント

「純粋理性批判」には、認識(知ること)に関する様々なことが述べられています。

その中から以下の3つのポイントを解説します。

  1. 人は「もの自体」を知ることはできない
  2. 人がものの存在を認めるためには、場所と時間が決まっている必要がある
  3. 「神」や「魂(たましい)」を議論することはナンセンスである

それでは、順に説明していきましょう。

①人は「もの自体」を知ることはできない

カントは、「もの自体がそこにあるから、我々はものを知ることができる」のではなく、 「我々がもの自体を知ってはじめてもの自体が存在することになる」と考えました。

例えば、人が赤くて丸いりんごを見ることによって、はじめて赤くて丸いりんごが存在する、と考えるのです。

りんごが赤くて丸いのは、人がそのように見るからであって、本当のりんごがどのようなものかは、人は知るよしもないということなのです。

②人がものの存在を認めるためには、場所と時間が決まっている必要がある

どこにも存在しないりんごや、どの時間にも存在しないりんごは、人にとっては、りんごが存在しないことと同じだと、カントは考えました。

人がそのものの存在を認めるためには、場所(空間)と時間が決まっている必要があるということです。

当たり前のようですが、空間と時間を想定しない、抽象的なもの自体の存在をを否定するという画期的な考え方です。

③「神」や「魂(たましい)」を議論することはナンセンス

人は、具体的な空間や時間を特定してとらえることが出来ない「神」や「魂」を知ることができず、知ることができないことやものを考えても意味がないということです。

数学や物理のような、空間と時間の中でとらえられる事を考えるのには意味があるが、 「神」や「魂」は、人間が知り得ることの範囲外だということです。

人の認識の境界線を設定した画期的な考え方です。

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  • 1-2.カントの生涯

    カントは、18世紀に活躍したドイツの哲学者です。

    カントは、それまでの哲学の考え方を180度変えたとされ、「近代哲学の祖」と呼ばれています。

    彼は、時間に正確で、いつも決まった時間に散歩をしたといわれています。

    あまりに正確な時間に散歩をするので、近所の人はカントが通った時間に合わせて、時計の狂いを直したというエピソードが残っています。

    また、彼は、ケーニヒスベルク大学の哲学の教授でした。

    熱心にいきいきと授業を行う、魅力的な人物だったという記録が残っています。

    カントは難解な哲学者というイメージがありますが、私生活では哲学の話を嫌い、社交的で魅力的な人物だったという意外な事実が知られています。

    2.「純粋理性批判」のキーワード

    カントの「純粋理性批判」を理解する上で、大切なキーワードが3つあります。

    1. 形而上学
    2. コペルニクス的転回
    3. ア・プリオリ

     それでは、順に説明していきましょう。

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  • 2-1.形而上学

    「形而上学」とは、 基本的な哲学の仮説を批判的に考察し、存在するものは、それが存在する限り何であるかを明らかにしようとする学問です。

    例えば、「世界の始まり」や「神の存在」、「死後の世界」などは「形而上学」的なテーマです。

    人の精神活動の結果、推論することはできますが、具体的に経験することはできません。

    カントは、形而上学そのものを否定することはありませんでしたが、一定の限界の中で考えるべきだと説きました。

    2-2.コペルニクス的転回

    「コペルニクス的転回」は、 「ものが存在するから人が認識できる」のではなく「人が認識するからものが存在する」という考え方です。

    これは、「純粋理性批判」の中核となる見解です。

    天文学者である「コペルニクス」は、それまでの天動説に対して地動説を唱え、地球は宇宙の中心ではないと主張しました。

    それまでは、地球は宇宙の中心と考えられていましたので、まさに天地がひっくり返るような主張だったのです。

    カントは、この「コペルニクス」になぞらえて、 それまでのものに対する認識の考え方を180度ひっくり返した自分の主張を「コペルニクス的転回」と表現したのです。

    この「コペルニクス的転回」は、現代社会のビジネスシーンでもよく使われます。

    これまでの発想を逆転させて、物事をユニークに考えるとき、「コペルニクス的転回」と表現します。

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  • 2-3.ア・プリオリ

    「ア・プリオリ」とは、ラテン語で「先験的な」という意味です。

    カントは、人がものごとを認識するのは、あらかじめ身につけている考え方の枠組みに沿って行われると考えました。

    人はこのような先験的な共通認識があるから、互いにわかり合えると考え方です。

    現在では、この「ア・プリオリ」は、「あらかじめ分かっている」「議論の余地のない」という意味に捉えられています

    <例文>

    その話題はア・プリオリだから、次の議論に進もう。

    (⇒その話題は議論の余地がないから、次の議論に進もう。)

    3.哲学史の中の「純粋理性批判」

    カントが「近代哲学の祖」と言われるのは、 当時西洋哲学が陥っていた二つの哲学的挫折を統合することに成功したからです。

    当時西洋哲学は、「理性で考えることは正しい」とする立場と「経験されないものは存在しない」という二つの立場に分かれていました。

    しかし、両者ともに理論的に行き詰まりをみせていました。

    「理性で考えることは正しい」とする立場を突き詰めると、どんな考えにも関わらず「考えたことは何でも正しい」となってしまいます。

    一方、「経験されないものは存在しない」という立場を突き詰めると、人が経験できることはほんの一部であるため、「全てはあるとも、ないともいえない」となってしまいます。

    カントは、これまでとは全く異なる視点から、ゼロベースで思索を始めました。

    そして、「人は何を知りえるのか」、そして「何をなしえるのか」、「何を望むことが許されるのか」と、思索を推し進めました。

    その結果として、「純粋理性批判」「実践理性批判」「判断力批判」の三大批判を世に送り出したのです。

    このカントの思想は、ヘーゲルへと引き継がれ、やがて「ドイツ観念論」として集大成されることになるのです。

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  • 4.【翻訳・解説】「純粋理性批判」のおすすめ書籍

    ここでは、「純粋理性批判」のおすすめ書籍をご紹介します。

    「純粋理性批判」に対する理解を深めるためにも、ぜひ読んでみてくださいね。

    まとめ

    「純粋理性批判」は、ドイツ人哲学者カントの「三大批判」の第一作です。

    内容は非常に難解ですが、要約すると、「人は何を知り得るか」を体系的に示したものです。

    「純粋理性批判」で述べられていることは、現代社会においても相通じるものがあります。

    カントは、この「純粋理性批判」によって、18世紀に既により多くの人に共通する認識とは何か、を突き詰めました。

    様々な人とコミュニケートする現代のビジネスシーンにおいて、共通の認識、価値観を発見することは非常に重要です。

    この「純粋理性批判」をはじめ、カントの著作物に触れることで、是非ビジネスのヒントを得てくださいね。

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