最終更新日:2020/06/07
「皆無」は「全くないこと」という意味です。
「かいむ」と読み、「○○が皆無」「皆無に等しい」などの使い方があります。
この記事では「皆無」の意味や使い方、類語・対義語や英語表現を解説していきます。
1.「皆無」の意味・読み方
意味は「全くないこと」
皆無
読み方:かいむ
意味:全くないこと
「皆無」は、「全くないこと」を意味します。
「かいむ」と読み、物事や感情など、あらゆるものが「ない」場合に使うことができます。
単に「ない」という意味ではなく、「全くない」「少しもない」と「完全に一つもない」という意味ですね。
例文
- 月曜日は本当に仕事のやる気が皆無だ。
- 普段の服装を見ても彼女は女子力が皆無である。
- 記憶力が皆無で、物事をさっぱり覚えられない。
2.「皆無」の使い方と例文
「皆無」の正しい使い方と例文を見ていきましょう。
「皆無」は、以下のように使うことが多い言葉です。
以下の記事では、それぞれの使い方と誤用について解説していきます。
○○が皆無
「○○が皆無」は、「○○がまったくない」と伝えるときに使用されます。
皆無の前には、次のような言葉を使うことができます。
例文
- 春になるとやる気が皆無で、何もしたくない。
- 恋愛経験が皆無な彼は、女性と話すことさえできない。
- あの服を選ぶなんて、彼はセンスが皆無だ。
皆無に等しい
「皆無に等しい」は、「ほとんどない」いう意味で使うことができます。
ゼロではないけれども限りなくゼロに近いと表したいときには、以下のように使ってみましょう。
例文
残念ながら、あのプロジェクトが成功する可能性は皆無に等しい。
誤用:「全く皆無」
「全く皆無」は、二重否定の表現となるため使用することはできません。
「皆無」自体が「全く(ない)」の意味を含んでいるため、全くを付けてしまうと「全く全くない」となってしまいます。
「全くない」と言いたい場合は、そのまま「皆無」のみを使いましょう。
正しい例文と誤用例
- ◯:彼女は友人として信頼しているが、恋愛感情は皆無だ。
- ✕:彼女は友人として信頼しているが、恋愛感情は全く皆無だ。
3.「皆無」の類語と例文
「皆無」の類語はいくつかあります。
「皆無」との使い分けやニュアンスの違いなど、詳しく解説していきます。
類語1.絶無
絶無
読み方:ぜつむ
意味:全くないこと
「絶無」は、 「全くないこと」を意味します。
意味は「皆無」と同様ですが、「絶」には「絶縁」「絶滅」など「続いていたものを断ち切る」という意味があり、「絶無」の方が未来の可能性までも否定する表現となります。
例文
- 私が母との関係を修復できる可能性は絶無だ。
- イベントの客数はゼロ。彼の人気は絶無と言える。
類語2.虚無
虚無
読み方:きょむ
- 何物もなく、むなしいこと
- すべてのものに価値や意味を認めないこと
「虚無」は、 「何物もなく、むなしいこと」「すべてのものに価値や意味を認めないこと」を表します。
「皆無」と同じく「ないこと」を指す言葉ではありますが、「虚無」には「むなしさ」や「価値を認めない」など、人の感情が関係する意味合いが含まれます。
そのため、単に「全くないこと」を指す「皆無」とはニュアンスの異なる類語ですね。
例文
一人ぼっちの部屋で、彼女は突然虚無感に襲われた。
4.「皆無」の対義語と例文
「皆無」の「全くない」とは反対に、「たくさんあること」を表す言葉もあります。
「皆無」の対義語を紹介しましょう。
対義語ごとに、使える場面やニュアンスも異なっています。
それぞれの意味の違いをチェックしておきましょう。
対義語1.豊富
豊富
読み方:ほうふ
意味:豊かであること・ふんだんにあること
「豊富」は、 「豊かであること・ふんだんにあること」という意味を持ちます。
物などが「ありあまるほど十分にあるとき」に使うことができる言葉ですね。
例文
- 知識が豊富な彼は、いつも生徒たちに役に立つことを教えてくれる。
- この店は、他の店に比べて品揃えが豊富だ。
対義語2.充溢
充溢
読み方:じゅういつ
意味:満ち溢れること
「充溢」は、 「満ち溢れること」という意味を持ちます。
その場や人の心の中など、「そこから溢れ出るほど多くある」ことを表すときに使うことができる言葉ですね。
例文
決勝戦の会場内には、選手たちの闘志が充溢していた。
5.「皆無」の英語表現と例文
英語で「皆無」を表現する場合、以下の英語を使います。
- nothing:何も~ない、皆無である
- amount to nothing:(内容などが)全くないこと
- be zero to none:(可能性・量などが)全くないこと
「皆無」の英語表現は、「何が全くないのか」など、皆無の種類で英語を使い分けることが可能です。
一般的には「nothing」を使う
「nothing」は 「何も~ない、皆無である」という意味です。
「nothing」のみで「皆無」を表すことができ、以下のように「little to nothing」で「皆無に等しい」と使うことも可能です。
例文
My English ability is little to nothing.
(私の英語力は皆無に等しい。)
「amount to nothing」「be zero to none」は使い分ける
「nothing」の他にも、「amount to nothing」「be zero to none」を使うことも出来ます。
それぞれ、「何が皆無なのか」によって使い分けることができる単語です。
例文
- Their conversation amount to nothing.
(彼らの会話は(内容が)皆無だ。) - Their conversation is zero to none.
(彼らの会話は皆無だ。:「全く会話をしない」の意)
「amount to nothing」では、会話の内容がないことを表し、「be zero to none」では、会話が全くないことを表しています。
まとめ
「皆無」は「かいむ」と読み、「全くないこと」を指す言葉です。
「○○が皆無」「皆無に等しい」と使うことができ、「絶無」や「虚無」などの類語もありますね。
英語で「皆無」を表す場合は「nothing」を使用することができます。