「乖離(かいり)」とは?意味・使い方、「解離」との違いも徹底解説

乖離の意味とは ビジネス用語

「乖離(かいり)」は、「そむき離れること」「離ればなれになること」を意味する言葉です。

「乖離」は否定的な意味合いを含むため、使い方を間違えた場合、意図しないトラブルを引き起こしかねません。

そこで、本記事では、「乖離」の意味と語源を説明し、具体的な例文も交えながら使い方を解説していきます。

「乖離」と同じ読みを持つ「解離」との違いも解説しますので、ぜひ最後までご覧になってください。

1.「乖離」の意味と語源

意味は「そむき離れること」「離ればなれになること」

乖離

読み:かいり

  1. そむき離れること。
  2. 離ればなれになること。

「乖離」には、「そむく」という意味合いがあるため、単に「離れる」より否定的な言葉になります。

また、「はなればなれ」は「離れ離れ」と漢字で表記され、同じ言葉を繰り返すことにより、その意味を強調しています。

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  • 「乖」は「そむく」、「離」は「はなれる」の意

    「乖(かい)」と「離(り)」という漢字には、以下のような意味があります。

    • 【乖】…「そむく」「もとる」「はなれる」「さからう」「へだたる」の意味。
    • 【離】…「はなれる」の意味。

    「乖」は、背肉の左右に分かれる形から生まれた象形文字です。

    その「背」を用いて「背く」と書くと、「そむく」と読みます。

    尚、「乖」は常用漢字ではないので、日常的に使用されることはありません。

    「離」に用いられている部首は「隹(ふるとり)」と呼び、「鳥が飛んでいる様子」を表します。

    それが転じて、「離」は「はなれる」という意味を持つのです。

    したがって、「乖」と「離」を組み合わせた「乖離」は、「そむきはなれること」を意味する言葉になります。

    2.「乖離」の使い方と例文

    乖離

    ここでは、「乖離」の具体的な使い方と例文を紹介していきます。

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  • 対象は「人」ではなく「物事・精神・数値」など

    「乖離」は、 思想、人間関係、政治や金融の分野で用いられることが多く、「物事・考え方・数値」などを対象に使用することが可能です。

    例えば、人間関係においては、人と人との意見の食い違いや心の隔たりを表す際に使われます。

    また、金融の世界では、「数値の開き」を表す際に使われます。

    「離れてしまった」というように、どちらかというとネガティブなニュアンスを持って使われるのが特徴です。

    「乖離」は、人の心が離れてしまうことは表すことが出来ますが、人と人が物理的に離れることを表すことはできません。

    「人」を対象にするときは、「別れ」「離別」「別離」「隔絶」といった言葉を用いて表現しましょう。

    動詞として「乖離する」と使う場合

    「乖離」は、 「乖離する」「乖離している」のように、動詞として使用することが出来ます。

    「乖離」は、2つの物事が単純に離れるだけではなく、「そむく」「さからう」といったニュアンスも含まれる言葉です。

    近い関係にあった2つのものが離ればなれになり、その一方、またはその両方がさからっている状態を表していると言えるでしょう。

    <例文>

    • このまま同じ政策を続けてしまうと、現実の国民生活と乖離する恐れがある。
    • 調査の結果、現実の所得状況は理想から大きく乖離していることが分かった。
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  • 名詞として「乖離」を使う場合

    「乖離」を名詞として使う場合には、「乖離がある」「乖離が生じる」といったように使われます。

    <例文>

    • 経営者と労働者の間で、就業意識に対する乖離が見つかった。
    • 新しい政治と民心に、乖離を感じざるを得ない。

    また、「乖離」を用いた言葉には「乖離率」があります。

    【株式投資・FX用語】乖離率(かいりりつ)

    株式投資やFXの世界でも使われる用語が「乖離率」です。

    「乖離率」は、「株価が移動平均線からどれだけ離れているか」という数値を表します。

    株価が移動平均線より上の場合は「プラス乖離」、下の場合は「マイナス乖離」と呼ばれます。

    3.「乖離」の類義語

    乖離の類語

    「乖離」の類語として、以下の3つをご紹介します。

    それぞれの類語について、例文と一緒に意味を解説していきます。

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  • 類語1.剥離

    剥離

    読み方:はくり

    意味:剥がれて取れること。

    「剥離」は、「剥がれて取れること」または「剥がして取ること」を意味する言葉です。

    「剥離」の対象になるのは、物理的なものに限定されるので、心理的なものも対象に出来る「乖離」とは使い方が異なります。

    <例文>

    • 先日の台風の影響で、家屋の外塗が剥離してしまった。
    • 網膜剥離は、目の外観から診察しただけで判断することが難しい。

    類語2.分離

    分離

    読み方:ぶんり

    意味:分かれて離れること。

    「分離」は、「分かれて離れること」を意味する言葉です。

    「分離」は、日常生活はもちろん、化学や生物学や心理学の世界でも頻繁に使われる言葉です。

    「乖離」のような「そむく」というニュアンスは含まれず、単に「離れることを」意味します。

    <例文>

    • 二世帯住宅で窮屈な生活を送っていたが、一戸建てを購入し、世帯を分離することにした。
    • 「政教分離」とは、政治と宗教は分離されるべきであるという考え方だ。
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  • 類語3.差異

    差異

    読み方:さい

    意味:他のものと比較したときの違い。

    「差異」は、 「他のものと比較したときの違い」を意味する言葉です。

    「乖離」は、「一致している状態が望ましい」という前提で使われるのに対し、「差異」は、ただ「異なっていること」を表しています。

    <例文>

    • 日本とアメリカでは、労働に対する考え方の差異があった。
    • 同じ部署内の人間であっても、認識の差異が生じることは多々ある。

    「差違(さい)」との違いは?

    よく似た言葉である 「差違」は「差異を明らかにしたさま」を表します

    例えば、2つのものを並べた時に、その2つの大きさに差があれば、その差を「差異」と呼びます。

    もし、その差がなければ「差異はない」と表現します。

    一方で、2つのものを比べて、「こっちは大きいが、あっちは小さい」というような違いを指して「差違」と呼ぶのです。

    4.同音異義語「解離(かいり」と「乖離」の違い

    乖離

    ここでは、「乖離」の同音異義語である「解離」について解説します。

    解離

    読み方:かいり

    1. 解け離れること。解き離すこと。
    2. 心的機能の統合性が失われた状態。

    「乖離」と「解離」の違いは、以下の通りです。

    乖離 ⇒ 本来なら一致している状態が望ましいもの同士が離れ、ズレが生じているさまを表す

    解離 ⇒ もともと一つであったものが、解けて離れているさまを表す

    「乖離」は「不一致であること」を強調し、否定的な意味合いを持ちます。

    一方で、 「解離」は単に「離れる」ことを意味し、化学や心理学などでも使用される事の多い言葉です。

    例えば、「解離性障害」と言えば、「通常は統合されている意識や記憶などが混乱し、連続性が無くなったり、失われたりする障害」を指します。

    また、心理学の世界では、いわゆる多重人格障害のことを「解離性同一性」や「解離性同一性障害」とも呼びます。

    <例文>

    • 工学顕微鏡で観察した結果、分子が原子に解離していた。
    • 解離性障害の主な原因は、心的なストレスだと言われている。

    5.「乖離」の対義語

    乖離の対義語

    「乖離」の対義語には、以下の3つがあります。

    それでは、順に解説していきます。

    対義語1.密接

    密接

    読み方:みっせつ

    意味:隙間なくぴったりとくっつくこと。関係が非常に深いこと。

    「密接」は、 「隙間なくぴったりとくっつくこと」、また「関係が非常に深いこと」を意味する言葉です。

    単に「くっつくこと」や「関係が深い」ことを表す言葉ですが、政治の世界などでは、否定的な意味に捉えられることもあります。

    そのような場合は、「利害を共通にする両者が、ぴったり結びつく」という意味の「癒着(ゆちゃく)」の同義語として扱われています。

    <例文>

    • 政治と金の密接な関係は、いつの時代も問題視されている。
    • 私共では、お客様との密接なコミュニケーションを大切にしています。

    対義語2.一致

    一致

    読み方:いっち

    意味:2つ以上のものが食い違いなく同じになること。

    「一致」は、「2つ以上のものが、食い違いなく同じになること」を意味する言葉です。

    よく似た言葉に、「ぴったりと合うこと」を意味する「合致」という言葉があります。

    「一致」は、意見や言動などの「抽象的な事柄」にも「具象的な事柄」にも使用できます。

    しかし、「合致」は、意見や言動などの「抽象的な事柄」しか対象になりません。

    例えば、「指紋が一致する」とは言えますが、「指紋が合致する」とは言いません。

    抽象的・具象的のどちらに対しても使える「一致」の方が便利に使える言葉と言えますね。

    <例文>

    • 議会は、雇用促進を目的とした政策を満場一致で可決した。
    • 鑑定の結果、現場で採取した指紋と一致するものが見つかり、無事に犯人は逮捕された。

    対義語3.同調

    同調

    読み方:どうちょう

    意味:他に調子を合わせること。

    「同調」は、「他に調子を合わせること」を意味します。

    「同調する」「同調の動きを見せる」といったように、他人の意見や主張などに賛同する際に使われることの多い言葉です。

    また、イジメに関するニュースなどで「同調圧力」という言葉を聞いたことのある方も多いでしょう。

    会社や学校といったある特定のグループ内において、「少数派に対して多数派の意見に合わせることを強制する風潮」のことを「同調圧力」と言います。

    <例文>

    • 協調性があるのは良いが、他人の意見に同調してばかりで自己主張しないのはどうだろう。
    • 同調圧力に負けて、自分の考えを表明できなかった。

    6.「乖離」の英語表現

    乖離の英語表現

    ここでは、「乖離」の英語表現をご紹介します。

    一般的な英語表現は「gap」

    「gap」は、「違い、隙間、断絶、差異」を意味する言葉です。

    「There is a gap between A and B.」とすると「AとBの間には隔たりやズレがある」、つまり「AとBには乖離がある」という意味を表現することが出来ます。

    <例文>

    • There used to be a great gap between  labor and industry in the company.

    (その会社では、かつて労働者と経営者の間には大きな乖離があった。)

    • You should recognize a gap between your ideal and the reality.

    (君は理想と現実との乖離を認識すべきだ。)

    まとめ

    「乖離」は、 「そむき離れること」「離ればなれになること」を意味する言葉です。

    思想、人間関係、政治や金融の分野で用いられることが多く、「物事・考え方・数値」などを対象に使用することが可能です。

    「乖離」には、単に「離れる」だけでなく「そむく」という意味合いがあるため、否定的なニュアンスを持っているのが特徴です。

    また、よく似た言葉に「解離」がありますが、こちらは単に「離れる」ことを意味し、化学や心理学の世界でも使われる言葉です。

    「乖離」の正しい意味と使い方をしっかりと理解した上で、ビジネスシーンにぜひ活用してくださいね。

     

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