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「方々」は 「人々の丁寧ないい方」「複数の事柄並存している様子」「色々な、あちこち」という3つの意味があります。
これは「方々(かたがた)」と読むか「方々(ほうぼう)」と読むかで意味が変わる言葉です。
本記事では「方々」の意味や使い方、間違った使い方を紹介し、さらには類語と英語表現を紹介します。
この記事を読めば「方々」の意味を理解し、間違えた使い方をしなくなりますよ。
参考にしてください。
1.「方々」の3つの意味
「人々の丁寧ないい方」「複数の事柄」「色々な、あちこち」
方々
よみ:かたがた、ほうぼう
- 人々の丁寧な言い方
- 複数の事柄が並存している様子
- いろいろな、あちこち
「方々」は、3つの意味を持つ、日本語でも特殊な言葉です。
読み方も「かたがた」と「ほうぼう」というように、2種類の読み方があります。
読み方によって意味が違うので、言葉にするときは間違えにくいですが、文字で見ると一瞬悩む言葉です。
2.「方々」の使い方と例文
「方々」の使い方として、次の3つを紹介します。
それぞれ、解説していきますね。
「人々」の敬意を含んで使われる
「方々(かたがた)」は、「人々」という言葉を、尊敬の意を含んだ二人称なので、かしこまった席で使われることが多いです。
もちろん、それ以外の場面でも「あの人々は」の代わりに「あの方々」と置き換えて使うことも。
ただ、丁寧な言い方である分かしこまった席で「方々」が多く使われのです。
<例文>
- この度は、ご来場の方々に厚く御礼申し上げます。
- 多くの方々の賛同をいただき、この度当選することができました。
二つ以上の事実や状態が併存している時に使う
何かのついでに他のことをする時にも「方々(かたがた)」を使います。
ついでに何かをすることに対し、「ついで」よりも「方々」と丁寧に伝えることができるのです。
「〜〜を兼ねる」「〜〜がてら」などの表現の代わりに使える言葉でもあります。
<例文>
- お礼方々、ご挨拶申し上げます。
- 帰省方々、ご挨拶に伺います。
あちこちの場所や方角をさす時に使う
いろいろな場所や方角を表す言葉としても「方々(ほうぼう)」を使います。
「方」は「方角」という意味をもちます。
それを「方々」と繰り返すことで、「いろんな方角」と捉えることができ、転じて「あちこち」という意味として使えるのです。
<例文>
- 方々探し回ってようやく見つかった.。
- 息子が家出をしてしまい、方々に連絡しているが全然見つからない。
- 月末に向けて方々走り回って金策をする必要がある。
3.「方々」の間違った使い方
「方々」は 尊敬語ではありますが、祝いの席で使うのは間違いです。
忌み言葉になるので祝いの席では使わない
「方々」を「忌み言葉」として捉える人もいます。
「忌み言葉」とは、 「宗教上の理由や特定の場所などでは使用を避けるべき言葉」のことを言います。
「方々」が忌み言葉なのではなく、「重ね言葉(2回同じ言葉を繰り返す表現)」は、「続いたらよくないこと」や「何度もあったらよくないこと」の際には使いません。
つまり、 結婚式などのお祝いの席は、「何度もあったらよくないこと」に相当するので、「ご出席の方々」という表現は、避けた方が無難です。
お祝いの席などでは「皆様」などに置き換えて表現するようにしましょう。
4.「方々」の類語
「方々」の類語を次の3つ紹介します。
それぞれ説明しますね。
類語1.皆様
皆様
よみ:みなさま
意味:その場にいる人々、人々の丁寧語
「皆様」は「方々」の類語です。
「皆様」も「人々」を丁寧にした言葉として多く使われます。
「皆様」は、その場にいる人に対して使う使い方が一般的ですが、「方々」は他にも意味を持つため、単独では使用できないという違いがあります。
<例文>
- この度は、ご足労いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。
- 皆様のご協力のおかげで、この度の選挙で当選することができました。
類語2.がてら
がてら
意味:何かのついで
「がてら」も「方々(かたがた)」の類語として使えます。
ただ、目上の人や取引先に対して「別の取引先に営業がてら挨拶に来ました」と伝えるのは、「ついで」を指すので失礼な印象を与えてしまいます。
「がてら」は、ビジネスシーンでは相応しくないので、そう行った場面では「方々」を使いましょう。
<例文>
- 散歩がてらお買い物もしよう。
- お迎えがてら、食事でもして帰ろう。
類語3.あちこち
あちこち
意味:様々な場所、方向
「あちこち」や「あちらこちら」という表現は「方々(ほうぼう)」の類語にあたります。
「方々」と伝えても、あまり理解されない可能性があるときは「あちこち」を使うといいですね。
<例文>
- 1円でも安いものを探すためにあちこちのスーパーを周る。
- あちこちの大学を見たが、一番行きたい大学はやはりあそこだ。
5.「方々」の英語表現
「方々(かたがた)」は「persons」
persons
意味:人の複数形。人々
「方々(かたがた)」の意味で使える英語は、 「persons」です。
「人」の意味を持った英語の「person」を複数形にしたものであり、複数形にすることで「人々」と使うことができます。
<例文>
- They are noble persons
(彼らは高貴な方々です) - To those persons, I am in great trouble
(それらの人々により、私はとても困っている)
「方々(ほうぼう)」は「here and there」
here and there
意味:あちこち
「方々(かたがた)」の意味で使える英語は、 「here and there」です。
「here」が「ここ」、「there」が「そこ/そちら」という意味があり「and」で繋げて「あちこち」という意味になります。
<例文>
- He likes to go here and there.
(彼はあちこちに行くのが好きだ) - I am very happy to have acquaintances here and there.
(あちこちに知り合いがいて、私はとても嬉しい!)
まとめ
「方々」には3つの使い方があります。
「大勢の人」「兼ねて」「あちこち」という、3つの意味を持った言葉です。
基本的には丁寧な使い方として認識されていますが、結婚式では「重ね言葉」は忌み言葉とされることもあるので、あまり使わない方が良いでしょう。
1つの表現で3つの意味を持つ言葉というのは、日本語でも稀なケースです。
しっかりと意味を理解し、シーンや前後の文脈から、最適な使い方や理解ができるように、しっかりと覚えておきましょう。