「木を見て森を見ず」の意味と使い方は?事例付きで解説

木を見て森を見ずの意味とは ビジネス用語

「木を見て森を見ず」は、目先のことだけに集中していて全体像が見えていない様子を表します。

ビジネスでは、目先の事を丁寧にこなすことも重要ですが、全体像を見ながら将来に繋げていくことがなにより大切です。

自分ではそういうつもりがないのに、周りから「君は木を見て森を見ずだ」なんて言われたくないですよね。

そこで今回は意味だけでなく、「木を見て森を見ず」と思われやすい行いの例や、類語・反対語のことわざも詳しく解説していきます。

1.「木を見て森を見ず」とは?

まず、「木を見て森を見ず」の読み方と意味の説明をします。

木を見て森を見ず

読み:きをみてもりをみず

目の前の細かい事にとらわれるあまり、全体の状況が把握できていない様子

森は木が何本も集まって成り立っていますが、この1本1本の木自体に目が行きすぎると、森として全体がどのようになっているか見えなくなってしまいますよね。

 1つ1つの細部にこだわっているのに、全体が見えていないために目的とするゴールになかなかたどり着けない様子がイメージできます。

1-1.「木を見て森を見ず」は英語が由来

「木を見て森を見ず」は、もともと 欧米のことわざが由来です

各国で似たような表現のことわざがありますが、英語では以下のように言います。

You cannot see the wood for the trees.(木を見ているがために森を見ることができない。)

これが、日本に伝わり「木を見て森を見ず」ということわざになりました。

「木を見て森を見ず」は欧米のことわざが由来なので、英語でも以下のようにそのまま直訳英文を使います。

You can’t see the wood for the trees about your sales.(君の営業は、木を見て森を見ずだね。)

また、他の言い方をしたい場合は、以下のフレーズも覚えておくと便利です。

too close to the detail to see the whole picture of it. (全体像を見るには近すぎる)

では、以下の例文で使い方を確認してみましょう。

You are too close to the detail to see the whole picture of group working. (グループワークにおいて、君は詳細にこだわり過ぎて全体が見えていないよ。)

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  • 2.「木を見て森を見ず」と言われる例は?

    一般的に「木を見て森を見ず」と思われやすい事例は以下のようなものがあります。

    1. 利益だけを考え会社の将来を見ていない
    2. 自分に与えられた仕事だけをこなし満足する
    3. 安い商品すぐに使い捨てる

    知らず知らずのうちに周りから「木を見て森を見ずだね」なんて言われないように、自分と比べながら確認していきましょう。

    2-1.利益だけを考え会社の将来を見ていない

    ビジネス上では、目先の利益にこだわりすぎて、質の悪いサービス・商品をでも、とりあえず売ろうとしてしまうケースがあります。

    しかし、 その場限りの利益のための商品は、悪い評判が付き、将来的には会社の信用をなくすことになりますよね。

    これは、まさに「木を見て森を見ず」です。

    また、個人の営業などでも、ノルマを達成して目先の利益を得たいがために勝手に割引などをします。

    その時はノルマが達成され個人的な利益も貰えるでしょう。

    しかし、会社全体としては大きな利益が得られず、時には赤字になることもあります。

    これも目先のノルマ達成という「木」を見て、会社全体の利益という「森」を見ていない例ですね。

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  • 2-2.自分に与えられた仕事だけをこなし満足する

    自分に与えられた仕事をしっかりこなすのは大事ですが、自分だけの仕事を終わらせて満足していませんか?

    個人的には、「自分の仕事が終わった!」と達成感を感じますが、部署または会社を見た時、それは全体のうちの単なる1本の木に過ぎません。

    自分の仕事だけを終わらせても、部署全体の仕事が終わっていないと会社をスムーズに進めることは難しいですよね。

    これも、自分の仕事という木だけを見て、部署や会社全体の仕事という森を見ずに満足している「木を見て森を見ず」の例です。

    2-3.安い商品をすぐに使い捨てる

    ビジネス以外でも「木を見て森を見ず」と言われる例があります。

    例えば、安物の商品を買って「安いから」とすぐに使い捨てたり、買い替えたりする場合です。

    値段が安いとついついそちらの方を買いたくなりますが、使い捨てたものはゴミとなります

    このようにしてゴミが増えてしまうと、環境問題に発展します。

    これは、 目先の安さだけにとらわれて、将来的に環境を考慮できていない「木を見て森を見ず」の例ですね。

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  • 3.「木を見て森を見ず」と言われたら?

    もし「木を見て森を見ずだな」と言われてしまったら、落ち込まず教訓として受け入れるようにしましょう。

    自分の次の成長に繋げるために、以下の点を確認してみてください。

    1. 自分の行動を振り返る
    2. 本来の目的を再確認

    では、それぞれのチェックポイントについて詳しく解説していきます。

    3-1.自分の行動を振り返る

    「木を見て森を見ずだ」と指摘されたら、自分の行動を振り返ってみましょう。

    あなたの行動はこの先、何にどう影響を与えますか?

    例えば、「木を見て森を見る」の営業戦略であれば、数年後の売り上げや明確な目標を考慮するでしょう。

    明確な目標がある場合、市場を分析したり、自社の強みを生かすような戦略を立て、応用できるノウハウを学び生産性を常に意識した行動をとり、目標に向かいます。

    一方、目先の利益しか見ない営業戦略は戦略を立てることなく、その場における利益が出ればいいと考えています。

    そのため、ノウハウを学ぼうとしたり、自社の強みを生かすために次回どういう改良をしたらいいかなどは考慮せず、結果的に会社の成長を妨げてしまいます。

    自分の行動が、将来的にどう影響するかを少し考慮するだけでも行動変化を生むことに繋がりますよ。

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  • 3-2.本来の目的を再確認

    本来の目的を再確認することも、「木を見て森を見る」ために大事なことです。

    目先の事に集中すると、ついつい最終的な目的を忘れやすくなります。

    その結果、だんだんと目的達成への道から離れてしまい気づいた時には手遅れなんて可能性もありますね。

    「木を見て森を見ずだ」と言われた時には、 自分のやり方が本来の目的達成のルートにしっかり乗っているかを再度確認してみましょう。

    4.「木を見て森を見ず」と類似のことわざ

    「木を見て森を見ず」に似たことわざは以下のものがあります。

    1. 木を数えて林を忘れる
    2. 金を掴むものは人を見ず
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  • 4-1.木を数えて林を忘れる

    「木を数えて林を忘れる」は、細部を見ているあまり、全体を見るのを忘れてしまうこと」という意味です。

    「森」だけではなく、「林」も1本1本の木が集合してなりたっています。

    そのため、目の前の木を慎重に数えているうちに、全体の林のことが見えなくなってしまうというニュアンスです。

    では、「木を数えて林を忘れる」の使い方を以下の例文で確認してみましょう。

    1つ1つのインテリアにはこだわっているけど、部屋全体にまとまりがないな。これじゃあ、木を数えて林を忘れるだよ。

    4-2.金を掴むものは人を見ず

    「金を掴むものは人を見ず」は、目先のことに集中していると、周りが見えなくなる」という意味です。

    手に持った金に心を持って行かれていると、周りの人の事が見えずついつい自分中心になったり、傲慢になってしまったりします。

    「金を掴むものは人を見ず」は以下の例文のように使います。

    金を掴むものは人を見ずの状態だよ。君はもっと周りを見て行動しないと。

    5.「木を見て森を見ず」と反対のことわざ

    「木を見て森を見ず」と反対のことわざには、以下のものがあります。

    1. 森を見て木を見ず
    2. 鹿を追うものは兎を顧みず

    5-1.森を見て木を見ず

    「森を見て木を見ず」は、「木を見て森を見ず」の正反対のことわざで全体のことを気にしすぎて、目の前の細部をおろそかにしてしまうイメージです。

    森は1本の木が集まってできているので、木なしで森だけを完璧な形にするのは難しいですよね。

    以下のように、理想だけ追い求めるあまり、目先にある小さな仕事の積み重ねができていない時に使われます。

    夢は大きいのはいいことだけど、それに向けて何も努力ができていない。まさに森を見て木を見ずだよ。

    5-2.鹿を追うものは兎を顧みず

    「鹿を追うものは兎を顧みず」には、大きな利益を追い求めて、小さな利益を逃している」という意味があります。

    大きなものだけに目を光らせていると、目の前の小さいものが損失を生むというニュアンスです。

    例えば、以下の例文のような使われ方をします。

    小さいことも大事にしないと、鹿を追うものは兎を顧みずになってしまうよ。

    まとめ

    「木を見て森を見ず」とは、「目先の事にとらわれて、全体が見えていない」という意味です。

    欧米のことわざが由来になっており、教訓のフレーズとして使われます。

    ビジネスでは「木を見て森を見ず」は、全体を把握できない視野の狭い人だと思われがちです。

    しかし、逆に「森を見て木を見ず」だと、理想ばかりが大きくて細部を丁寧にこなせない人だと思われます。

    誰からも信頼される「木を見て森も見る」になれるよう、今回紹介した特徴を参考に、もう一度自分の行動を見直してみてください。