「くれぐれも」は目上の人にも使える!正しい使い方と同義語との違い

くれぐれもの意味とは ビジネス用語

「くれぐれも」は 「何度も心をこめて依頼・懇願・忠告する」「繰り返し、念入りに」という意味があります。

一般的に使われるのは、「何度も心を込めて依頼・懇願・忠告する」の方です。

相手に念押しする表現なので、「上司や取引先など目上の人相手に使うと失礼かも」と心配になったことはありませんか?

結論から言うと、「くれぐれも」は目上の人にも使えます。

ただし、念押し表現は相手によっては「信用していないのかな?」と不快に感じさせてしまう可能性があるので、使い方に注意が必要です。

この記事では、「くれぐれも」の使い方に自信がない方のために、意味や正しい使い方、「どうか」や「どうぞ」などの同義語・類語との違いを解説します。

「くれぐれも」を自信を持って使えるようになりましょう。

1.「くれぐれも」の意味:何度も心をこめて依頼・懇願・忠告する

くれぐれも

漢字:呉呉も

  1. 何度も心をこめて依頼・懇願・忠告する
  2. 繰り返し、念入りに

「くれぐれも」には「何度も心をこめて依頼・懇願・忠告する」と「繰り返し、念入りに」という2つの意味があります。

よく使われるのは、①の「何度も心をこめて依頼・懇願・忠告する」です。

例えば「くれぐれもよろしくお願いいたします」というお願いや、「くれぐれもご注意ください」といった忠告をする際に使われます。

②の「繰り返し、念入りに」の意味で使われることは減っていますが、以下のような表現は正しい使い方です。

<例文>②繰り返し、念入りに

  • 間違わないように、くれぐれも(繰り返し、念入りに)言って聞かせる。
  • 君のためにくれぐれも(繰り返し、念入りに)言っておく。
  • 警察からくれぐれも(繰り返し、念入りに)警告された。
  • 火気の取り扱いには、くれぐれも(繰り返し、念入りに)注意が必要だ。

①の「何度も心を込めて依頼・懇願・忠告する」という意味の「くれぐれも」は相手に向かって使います。

一方、②の「繰り返し、念入りに」の意味では自分が行う行動に対して使う 点が異なります

1-1.「くれぐれも」の漢字表記:呉呉も

「くれぐれも」を漢字で書くと 「呉呉も」です。

「呉」には特に意味はなく、当て字として使われています。

「呉呉」と同じ漢字を2回重ねていることから、強調や繰り返しのニュアンスがあります。

メールや手紙で「くれぐれも」を書く場合、「呉呉」はあまり浸透していない当て字なので、ひらがなで「くれぐれ」と書いた方がいいでしょう。

ちなみに、「呉」は音読みで「ご」、訓読みで「くれ」「くれる」です。

「呉」は日本では「中国の呉(ご)由来のもの」であることを意味します。

「呉」を使った言葉には、例えば呉服(ごふく:中国の呉から伝わった織り方で作った織物)や呉竹(くれたけ:中国の呉から渡来した竹)などがあります。

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  • 1-2.「くれぐれも」の語源

    「くれぐれも」の語源には2つの説があります。

    1. 「〜してくれませんか?」「〜してくれる?」などのお願いに使われる「してくれ」の「くれ」を2回使うことで、お願いの度合いを高める効果を持たせた
    2. もともとは「繰り返し繰り返し〜」の略語だった。それが「繰れ繰れ→くれぐれ(呉呉は当て字として使われるようになった)」に変化した

    どちらの説でも、2回同じ文字を繰り返して度合いを高める効果を持たせています。

    2.「くれぐれも」は目上の人に使える:正しい使い方とシーン

    「くれぐれも」は目上の人に使って問題ない言葉です。

    「くれぐれも〜してください」と言うと、「命令っぽいから失礼では?」と思うかもしれませんが、それは「くれぐれも」が命令のニュアンスを含むからです。

    相手のことを思って行う忠告やお願いのために「くれぐれも」を使うのであれば、目上の人に使っても問題ありません。

    具体的には、以下のようなシーンで使います。

    1. 注意を促すとき
    2. 相手の体調を気遣うとき
    3. お願いや依頼をするとき
    4. お礼や感謝を伝えてほしいとき

    1〜4まで、それぞれ目上の人に使う時の注意点も含めて解説します。

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  • 2-1.注意を促すとき

    「くれぐれも」の使い方で一番多いのが、注意を促す時です。

    例えば以下の例文のように「ご注意ください」や「お気をつけください」という注意を促す言葉と一緒に使います。

    <例文>

    • 雨のため、お足元が滑りやすくなっておりますので、くれぐれもご注意ください。
    • ネタバレが含まれているので、閲覧にはくれぐれもご注意ください。
    • お忘れ物ないように、くれぐれもお気をつけください。
    • 記入漏れがないよう、くれぐれもお気をつけください。

    「くれぐれも」は、注意してもどうしようもないことに対しては使いません。

    注意すれば問題を回避できる時に使います。

    2-2.相手の体調を気遣うとき

    「くれぐれも」は 相手の体調を気遣うときにも使います。

    ビジネスでよく使うのは、「くれぐれもご自愛ください」です。

    ご自愛ください」は「体を大切にしてください」という意味があります。

    「くれぐれもご自愛ください」で「体を大切にしてくださいね」と念を押す表現になります。

    「ご自愛」には「体を大切にする」という意味が入っています。

    そのため、「お体にご自愛ください」だと体という言葉が二重になってしまうので、「お体」はつけないように注意しましょう。

    以下は、「ご自愛ください」を使った例文です。

    <例文>

    • 最近働きすぎではないですか?くれぐれもご自愛ください。
    • 寒さ厳しい季節柄(きせつがら:このような季節)、くれぐれもご自愛ください。

    ただし、「ご自愛ください」はすでに病気を患っている人や、ケガをしている人には使いません。

    病気やケガの相手にも使えるお見舞いの言葉は、「お大事になさってください」「お労(いた)わりください」「おいといください」などです。

    こちらも「くれぐれも」と組み合わせて使うことで、相手の体調や病気、ケガの様子を気遣う表現ができます。

    <例文>

    • くれぐれもお大事になさってください。(早くよくなって下さい、体を大事にしてください)
    • くれぐれもお体をお労わりください。(体に優しくして、大切にしてください)
    • くれぐれも、おいといください。(体を大事にしてください、労ってください)
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  • 2-3.お願いや依頼をするとき

    「くれぐれも」は注意を促すときだけではなく、お願いや依頼をするときにも使います。

    「くれぐれも」は目上の方に使っても問題ない言葉ですが、お願いや依頼をするときは命令のニュアンスにならないように使い方には気をつけましょう。

    目上の人に使う場合は、以下のように「いたします、申し上げます」などの謙譲語(自分の立場を低める敬語)と合わせて使うといいですよ。

    <例文>上司に書類の確認を忘れないようにお願いするシーン

    • ×:くれぐれも忘れないように確認してください。
    • ◯:くれぐれもお忘れなきよう、ご確認のほどお願いいたします(申し上げます)

    「くれぐれも」は目上の人に使ってもいい言葉ですが、 相手によっては念押しする言葉を不快に感じる可能性もあるので、注意しましょう。

    「いたします」と「申し上げます」はどちらも相手に敬意を表す言葉ですが、より丁寧なのは「申し上げます」です。

    取引先や上司などに対しては、失礼にならないように「申し上げます」を使った方がいいでしょう。

    以下の例文のように使いましょう。

    <例文>

    • この件に関しては、くれぐれも内密にお願いいたします
    • 当社の製品をご導入いただけますよう、くれぐれも検討のほどお願い申し上げます。
    • くれぐれもお間違いのないよう、お願い申し上げます。

    2-4.お礼や感謝を伝えてほしいとき

    「くれぐれも」は第三者にお礼や感謝を伝えてほしいときにも使います。

    以下の例文のように、「よろしくお伝えください」をつけるのが一般的です。

    <例文>

    • お世話になりました方に、くれぐれもよろしくお伝えください。
    • 近いうちにご挨拶に伺うつもりですので、お母様にくれぐれもよろしくお伝えください。

    「よろしくお伝えください」は、「あなたのよろしいよう(好きなように)にお伝えください」という意味です。

    「よろしく言っておいてね」という意味ではありませんが、最近では「よろしく言っておいてね」という意味で間違って使われることが多いです。

    大きな間違いではありませんが、よろしくお伝えくださいは「あなたのよろしいようにお伝えください」という意味だということを覚えておきましょう。

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  • 3.「くれぐれも」の同義語・類語と例文:「どうか」「どうぞ」「ぜひ」「何卒」

    「くれぐれも」の同義語(意味が同じ言葉)、類語(意味が似ている言葉)には以下の4つがあります。

    1. どうか
    2. どうぞ
    3. ぜひ
    4. 何卒(なにとぞ)

    以下は使用頻度を★の数で表した一覧表です。

      注意、念押し 体調気遣う お願い、依頼 お礼や感謝伝える 許可
    くれぐれも ★★★ ★★ ★★ ★★  
    どうか ★★ ★★ ★★★ ★★ ★★
    どうぞ ★★ ★★ ★★ ★★★
    ぜひ     ★★
    何卒 ★★ ★★ ★★★ ★★ ★★

    ,では、それぞれの意味を詳しく見ていきましょう。

    類語1.どうか

    どうか

    (副詞)難しいことではあるけれど、それを承知でお願いする

    どうかはお願いを表す副詞(名詞以外を修飾)です。

    「くれぐれも」と同様に、「注意、念押し」「体調を気遣う」「お願い、依頼」「お礼や感謝伝える」シーンで使うことができます。

    ただし、 「どうか」は「くれぐれも」に比べて、「難しいことだと思うけれども、それを承知でお願いする」意味合いが強くなります。

    そのため、お願いのシーンで使うことが多いです。

    また、「くれぐれも」と違い、「許可」を求める表現としても使えます。

    <例文>

    • どうかお気をつけください。(注意、念押し)
    • どうかご自愛ください(相手の体調を気遣う)
    • どうかよろしくお願いいたします(お願い、依頼)
    • どうかよろしくお伝えください(お礼や感謝を伝える)
    • どうかお許しください(許可)
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  • 類語2.どうぞ

    どうぞ

    丁重にお願いしたり、承知や許しを与える

    「どうぞ」は丁寧に頼んだり、心から願うとき、許しを与える時に使います。

    「くれぐれも」と同様に「注意、念押し」「体調を気遣う」「お願い、依頼」「お礼や感謝伝える」のシーンで使うことができます。

    「くれぐれも」は許可を求めたり与える表現としては使えませんが、 「どうぞ」は相手に許しを求めるときにも、自分が相手に許し与える場合もどちらにも使えます。

    「どうか」は主にお願い、「どうぞ」は許可の表現で使うと覚えておくといいですよ。

    <例文>

    • どうぞお気をつけください。(注意、念押し)
    • どうぞご自愛ください(相手の体調を気遣う)
    • どうぞよろしくお願いいたします(お願い、依頼)
    • どうぞよろしくお伝えください(お礼や感謝を伝える)
    • どうぞお許しください(許可)/どうぞお召し上がりください(許可を与える)

    類語3.ぜひ

    ぜひ

    (副詞)心を込めて強く願う様子を表現

    ぜひを漢字で書くと「是非」です。「是」は正しいこと、「非」は正しくないことという逆の意味があります。

    名詞として使う場合は「ものごとの良し悪しを判断すること」という意味で使います。

    例えば「話し合いで是非を問う」というのは「話し合いでものごとの良し悪しを判断する」という意味です。

    「くれぐれも」の同義語・類語として使われるのは、副詞(名詞以外を修飾する品詞)として使われる場合です。

    副詞の「ぜひ」は、「心を込めて強く願う様子」を表現し、文章を強調します。

    「くれぐれも」と同様に「お願い、依頼」「お礼や感謝伝える」のシーンで使いますが、「注意、念押し」「体調を気遣う」シーンではあまり使いません。

    また、「ぜひ」は許可を与える(勧める)場合にも使うことができます。

    <例文>

    • ぜひよろしくお願いいたします(お願い、依頼)
    • ぜひよろしくお伝えください(お礼や感謝伝える)
    • ぜひお使いください(許可)

    類語4.何卒(なにとぞ)

    何卒

    読み:なにとぞ

    (副詞)相手に対して強く願い望む気持ち

    「なにとぞ」は「相手に対して強く願い望む気持ち」を表す副詞(名詞以外を修飾)です。

    「くれぐれも」と「どうか」とほとんど同じ意味ですが、堅いイメージの言葉なので、フォーマルなシーンで使います。

    「くれぐれも」と同様、「注意、念押し」「体調を気遣う」「お願い、依頼」「お礼や感謝伝える」で使うことができます。

    また、許可を求める時にも使えます。

    例文でどんなシーンで使うか確かめてみましょう。

    <例文>

    • 何卒お気をつけください。(注意、念押し)
    • 何卒ご自愛ください(相手の体調を気遣う)
    • 何卒よろしくお願いいたします(お願い、依頼)
    • 何卒よろしくお伝えください(お礼や感謝を伝える)
    • 何卒お許しください(許可)

    ついでに、「なにとぞ」の語源も説明しておきます。

    「なにとぞ」は漢字では「何卒」と書きます。何卒(なにとぞ)を構成している2つの漢字「何」と「卒」はどちらも訓読みなので、それ自体に意味はありません。

    以下のように、 ひらがなに直すと意味の解釈ができます。

    なに(例:お願いしたこと、頼みたいこと)+と(ということを)+ぞ(どうか)

    なに(代名詞)+と(引用の格助詞)+ぞ(強調の係助詞)

    • 格助詞(かくじょし):名詞や代名詞の後ろについて、それが文中の他の言葉に対してどんな関係を表す
    • 係助詞(かかりじょし):いろいろな言葉の後について、その後に意味を添える

    「なに」の代名詞は、例えば「お願いしたいことや、依頼したいこと」などの名詞の代わりになる言葉です。

    「と」は「こんにちはと(ということを)言った。」などに使われる引用を意味します。

    「ぞ」は前の言葉「なにと」を強調します。

    これを「なにとぞよろしくお願いいたします」の例文に当てはめて考えてみましょう。

    <例文>

    • なに/と/ぞ/よろしくお願いいたします。
    • お願いしたいこと(なに)/ということを(と)/どうか(ぞ)/よろしくお願いいたします。

    「なにとぞ」はビジネスシーンでもよく使う言葉なので、使いこなせるようにしておきましょう。

    4.「くれぐれも」の英語表現「please」「be sure to」「make sure」

    「くれぐれも」は繰り返しという意味の言葉なので、英語なら「over and over again」「repeatedly」が当てはまりそうです。

    しかし、 「くれぐれも」の本質を考えると「ぜひとも」「絶対に」「確実に」「必ず」のようなニュアンスの単語の方がしっくりきます

    これらの意味を持つ英語表現で使えるのは、以下の2つです。

    1. please:どうぞ
    2. make sure :確認する、確かめる

    英語1.please

    「くれぐれも」の英語表現で最も簡単なのは、「please」です。

    pleaseを使うと、「くれぐれも」の使い方である「注意、念押し」「体調を気遣う」「お願い、依頼」「お礼や感謝伝える」を以下の例文のように表現できます。

    <例文>

    • Please take extra care when driving.
      (注意、念押し:車の運転にはくれぐれも気をつけてください。)
    • Please take good care of yourself.
      (体調を気遣う:くれぐれもご自愛ください。)
    • Please looking forward to working with you.
      (お願い、依頼:くれぐれも今後ともよろしくお願いいたします。)
    • Please give my best regards to Mr. Tanaka.
      (お礼や感謝を伝える:田中さんによろしくお伝えください。)

    英語2.make sure

    「make sure」 は「確かめる」や「確認する」という意味です。

    「sure」は「確信している」という意味なので、「make sure」は確信している状態を「make(作る)」ということから「確かめる、確認する」という意味になります。

    これを「くれぐれも」の代わりに使えば、以下のような文章ができます。

    1. Please make sure that  children will not swallow it by accident.
      (お子様が誤って飲み込まないよう、くれぐれもご注意ください。)
    2. Please make sure everything is written correctly.
      (くれぐれも書き間違えのないよう、お願いします。)
    3. You should always make sure not to be late for the promises you make.
      (約束の時間にはくれぐれも遅れないようにね。)

    ①や②のように 「please」と組み合わせて使えば、より丁寧な念押しの表現になります。

    「くれぐれも〜しないように」と言いたい場合は、③のように「make sure not to 〜」を使えばOKです。

    ちなみに、「くれぐれも〜するように」と強い命令口調で言いたい時は「Be sure to」を使って表現する方法もあります。

    ただし、この表現は強い命令のように聞こえてしまうので、目上の人相手には「please」や「make sure」を使ったほうがいいでしょう。

    まとめ

    「くれぐれも」は「何度も心をこめて依頼・懇願・忠告する」という意味です。

    「注意」「体調を気遣う」「お願い、依頼」「お礼や感謝伝える」などのシーンで、念押しをする表現として使います。

    目上の人にも使うことができますが、念押しすること自体が目上の人相手には失礼になる場合もあるので、使い方には注意しましょう。

    「くれぐれも」の使い方をマスターすれば、上手にお願いできるビジネスパーソンに近づけますよ。

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