最終更新日:2020/06/04
「満を持して」とは、 十分に準備をした上で行動に移すことを意味しています。
満を持して登場など、「満を持して」という言葉を使用する機会は多いため、覚えておいた方が良いでしょう。
今回は、そんな「満を持して」の意味や使い方について解説していきます。
1.「満を持して」の意味
「満を持して」には、主に以下の2つの意味があります。
- 準備を十分にして機会を待つこと
- 行為を絶好のタイミングで行うこと
要するに「満を持して」とは、 十分に準備をした上で、ベストなタイミングで実行に移すという意味になります。
1−1.「満を持して」の由来
「満を持して」は、中国の歴史書である「史記」に語源があることから由来がきています。
この史記には「持満(じまん)」という言葉が掲載されており、それが「満を持して」の語源になってるのです。
「史記」において「満」は弓を一杯まで引き絞った状態を、「持」は手に持つことを表しています。
そのことから、「持満」とは、「弓を一杯まで引き絞った状態を保持する」を指すようになりました。
そして、この「弓を一杯まで引き絞った状態を保持する」という意味が「いつもでも攻撃できる準備をする」という意味に転じて、最終的には現在の意味を表すようになりました。
「史記」には、「満を持する者には天の助けがある」という有名なフレーズが掲載されていますが、 「満を持して」の語源は、中国の書物「史記」に由来があるのです。
2.「満を持して」の使い方と例文
本来、 「満を持して」は、「満を持す」という動詞になります。
そこへ、具体的な動く動作を表現する「して」という接続助詞をつけて使用していくのです。
では、実際の使用例について、さらに詳しく見ていきましょう。
2−1.「満を持して」の例文
ここでは、「満を持して」を含む言葉として、頻繁に使用される以下の3つについて詳しく見ていきます。
では、詳しく見ていきましょう。
「満を持して登場する」
「満を持して登場する」とは、 準備をきちんと整えた上でベストなタイミングで登場することを意味しています。
「満を持して」の後に「登場する」という動詞が付いているため、このような意味になるのです。
「満を持して」を含む言葉の中で、最もよく使われるフレーズになります。
彼は、ステージの上に満を持して登場することになった。
「満を持して放つ」
「満を持して放つ」とは、十分に準備をした上で、ベストなタイミングで放出することを意味しています。
「満を持して」の後に、「放つ」という動詞が付くため、このような意味になるのです。
また、「放つ」の後ろには、具体的な目的語が来ます。
有名なアーティストが、満を持して放ったアルバムが大ヒットした。
「満を持して臨む」
「満を持して臨む」とは、 十分に準備をした上で参加したり、挑戦をすることを意味しています。
「満を持して」の後ろに、「臨む」という「参加する」や「挑戦する」という意味を表す動詞が来るため、このような意味になるのです。
彼女は、満を持して肝試しに臨むことになった。
3.「満を持して」の類語
ここから、「満を持して」の類語について、以下の3つの言葉について紹介します。
類語によっては使用頻度が非常に高いため、知っていて損はないでしょう。
それぞれ解説していきます。
3−1.「手ぐすねを引く」
「手ぐすねを引く」は、 十分に用意して敵を待ち構える」という意味 です。
ここでいう「くすね」とは、弓の弦に塗って補強するのに使われることから、くすねを取り、弓の弦に塗ることから敵襲に備えるという意味になります。
家に帰ると、父親が手ぐすねを引いて待っていた。
3−2.「時が満ちる」
「時が満ちる」は、 物事を実行するのに最高に良い状態である」という意味です。
「行為を行うのに絶好のタイミングである」とする「満を持して」と意味が重なるため、類語になります。
あれから数年後、ついに時が満ちた。
3−3.「機が熟する」
「機が熟する」とは、 物事を始めるのにちょうど良い時期である」という意味です。
物事を始めるのに最適なタイミングであることを表すため、「行為を行うのに絶好のタイミングである」とする「満を持して」の類語になります。
真実を話す機が熟したようだ。
4.「満を持して」の英語表現
「満を持して」には、 意味がちょうど一致する単語やフレーズはありません。
しかしながら、「満を持して」の意味である、「十分に準備をした上でベストなタイミングで実行に移す」というニュアンスを伝えることはできます。
具体的なフレーズとしては、以下の3つような英語表現を使用すると良いでしょう。
それでは、上記のフレーズについてさらに詳しく見ていきましょう。
英語表現1.「be fully prepared 」
「fully」は 「十分に・完全に」を意味する副詞です。
また、「prepare」は「準備する」を意味する動詞になります。
「repared」に「be動詞」を足す事で、「〜される」を意味する受動態になるのです。
つまり、「be fully prepared」を直訳すると、「〜」という意味になり、「満を持して」の意味を含んだニュアンスを表現しています。
I was fully prepared for starting my business.
私は満を持して開業しました。
英語表現2.「wait with full preparation」
「wait」は「待つ」を意味する動詞であり、「full」は「いっぱいである、十分である」を意味する形容詞です。
また、preparationは「準備」を表す名詞です。
そのため、「wait with full preparation」を直訳すると 「十分な準備をもって待つ」という意味になります。
こちらも「満を持して」のニュアンスを含んだ英語表現となるのです。
She waits with full preparation.
彼女は満を持して待っている。
英語表現3.「wait until the time is ripe」
「wait」は「待つ」を意味する動詞であり、「until」は「〜まで」を意味する前置詞を表します。
また、「ripe」は、「成熟した」を意味する形容詞です。
そのため、「wait until the time is ripe」を直訳すると 「時間が塾するのを待つ」という意味になります。
したがって、「満を持して」と似たようなニュアンスですが、比喩的表現として使われることが多いフレーズになるのです。
He am waiting until the time is ripe to coming a chance.
彼は、チャンスが来るのを満を持して待っている。
まとめ
「満を持して」は、十分に準備をした上で行動に移すことを意味しています。
頻繁に使用される言葉であるため、使い方を間違えると恥ずかしい思いをするかもしれません。
類語も含めて意味を知って活用していきましょう。
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