最終更新日:2020/06/30
「問答無用」という言葉も、知っているようで知らない言葉の一つかもしれません。
「問答無用」とは、「話し合っても意味がないので、話し合うことをやめにしたい」という意味で使われる四字熟語です。
今回は、そんな「問答無用」の意味や使い方について、例文をまじえて解説します!
1.「問答無用」の意味
意味は「話し合いをすることに意味がない」
問答無用
読み方:もんどうむよう
意味:話し合いをすることに意味がない
一方的に話し合いを終わらせたい時や、始めから話し合いをしたくないという時に使われることが多いですが、「言葉を尽くしても意味がない(ほど素晴らしい)」という賞賛の意味で使われることもあります。
前者の「問答無用」は、相手にとって失礼にあたるので、年配の方や目上の方に対しては使いません。
会議を終わらせようとして「問答無用」とおっしゃってから席を立たれる方が時々いらっしゃいますが、その方は、その場でもっとも立場が上の方であるから使うことができるのです。
まだ立場が高くないという方や、相手に一方的な印象を与えたくないという時には、真似して使わないようにご注意ください。
後者の「問答無用」は、例えば「この小説は問答無用で素晴らしい」というように、何かを絶賛する時に使います。
「言葉は必要ないほど素晴らしい」と言い換えてもいいでしょう。
◆「問答無用」は四字熟語?
「問答無用」は、四字熟語です。漢字4文字で作られた熟語のことを「四字熟語」といいます。学生時代、入試のために勉強したという方も多いかもしれませんね。
2.「問答無用」の使い方と例文
「問答無用」を使用した例文で、使い方を確認していきましょう。
どちらも一方的に話を打ち切る時や、一方的に何かをする(した)相手に対して使う
断ってもしつこく営業をしてくる営業マンを、一言で黙らせることのできる一方的な言葉です。
ここでの「問答無用」は「話し合いは必要ない」「話を聞き続けることに意味がない」という意味で使われています。
自身が営業マンの立場でこれを言われてしまいますと、凹んでしまいそうですが、なぜ「問答無用」と言われたのか、考えてみる必要がありそうです。
同僚に愚痴をこぼしているシーンです。
ここでの「問答無用」は「話し合いはなしで」「質疑応答はなしで」「反論なしで」という言葉に置き換えることができます。
なかなか一方的な上司のようです。
ここでの「問答無用」は「話し合いはなしで」「有無を言わせてもらえず」という言葉に置き換えることができます。
一方的な奥さんの行動にも見えますが、奥さんに一方的な行動をさせたという点で職場での評価が下がってしまいそうな話です。
3.「問答無用」の類語
「問答無用」には、様々な類語があります。
- 問答無役(もんどうむやく)
- 問答無益(もんどうむえき)
- 有無を言わさない(うむをいわさない)
一つずつ確認してみましょう。
3-1.問答無役
「問答無役(もんどうむやく)」とは、「話し合いをしても役に立たない」という意味です。
「問答無用」と同じ意味を持つ言葉として使うことができます。
ここでは「今日の会議は話し合っても意味がなさそう、役に立たなさそう」という意味で使われています。
3-2.問答無益
「問答無益」とは「話し合いをしてもお互いにとって利益がない」という意味です。
「もんどうむえき」「もんどうむやく」の2つの読み方があります。
「問答無用」と同じ意味でも使うことができますが、「相手の利益を考えてもこれ以上の話し合いは無駄だ」と言いたい時にも使うことができます。
一方的に使われることが多い「問答無用」よりも、相手への気遣いが垣間見える言葉です。
例文では「話し合いをしても意味がないと言われても」という意味で使われています。
3-3.有無を言わさない
「有無を言わさない」とは、相手の意見を聞かず、無理やり何かをするよう強いる時に使います。
「有無を言わさず」「有無を言わせず」ともいいます。
ここでの「有無を言わさない」とは「自分の意見を聞いてもらえない、言わせてもらえない」と言い換えることができます。
4.「問答無用」を英語で言いたい
「問答無用」の英語表現をご紹介します。
英語でも、一方的に相手を黙らせるための言葉として使われるようで、その表現方法は日本語以上にキツく感じます。
直訳しますと「そんな質問に答えるために、私の呼吸を無駄にしたくない」です。
もう少し柔らかい表現もあります。
「それに関しては論じても役に立たない」ということで、「問答無用」という意味になります。
「問答無用」を賞賛の意味で使いたいという場合には、
【補足】日本語の「問答無用」の発音・アクセント
そもそも日本語ではどうやって発音するのかと言いますと、「問答無用」は「もんどーむよう」と発音します。
アクセントも続けて解説したいところなのですが、四字熟語は、「問答無用」と一語で使うときと「問答無用で」など二語以上の言葉で使うときとによってアクセントが違うことがあります。
理由としては、「問答」と「無用」という2つの言葉が別々に存在するときにそれぞれが持っていたアクセントと、「問答無用」という2つの言葉が組み合わさってできたとき、また、「問答無用で」という3つの言葉が組み合わさってできたときのアクセントがそれぞれ異なるからです。
そのため、アクセントが気になるという方は、周りの信頼できる方に聞いてみられたり、無料の発音検索サイトで確認されてみてくださいね。
まとめ
「問答無用」は「これ以上話し合っても意味がない」という意味でした。
ビジネスシーンでは、時代劇のように「問答無用」と言われて斬り倒されることはありませんが、「話し合いの余地がない」ということで、斬られたような気分になるかもしれませんね。
「問答無用」と言われないよう、ビジネス用語を正しく使えるよう身につけていきましょう!