「無為自然」の意味と使い方!老子が言葉に込めた思いと合わせて解説

無為自然の意味とは ビジネス用語

無為自然」とはありのままに手を加えないという意味の言葉です。

古代中国の思想家「老子」の考えを表す言葉として有名です。

「無為自然」は、東洋哲学の一つの柱といわれる「無為自然」について、今回は、詳しい意味やその言葉に込められた「老子」の思いを解説していきます。

スポンサーリンク

1.「無為自然」の意味

1-1.意味は「手を加えず、ありのままであること」

無為自然

読み:むいしぜん

人の手を加えないで、何もせずあるがままにまかせること。

「無為自然」は、古代中国の思想家「老子」や「荘子」が政治の在り方人について語るときに使っていた言葉です。

「無為」の「為」は行為などと同じ意味ですので、「わざとらしい振る舞い」を表現しています。

これが加えられていないことを表すのが「無為」ですので、「無為自然」は「宇宙のありかたにしたがって、ありのままであること」という意味であることがわかります。

また、ここでの「ありのままであること」には2つの意味があります。

一つは、自然に対し何も「手を加えない」という意味。そしてもう一つは「自分らしく生きていくべき」という考え方を表す意味です。

この2つの意味での使いかたについて、もう少し具体的に見ていきましょう。

  • スポンサーリンク

  • 1-2.「無為自然」は状態を表す言葉

    「無為自然」は状態を表す場合があります。

    手が加えられない、自然のままであることを表す言葉ですから、以下の例文のように使われることがあります。

    <例文>

    あの家の庭は「無為自然」を追求するかのようだ。

    この場合は、 見せつけるような造作をせずに、自然な状態でありながら、整っている状態を表現しています。

    1-3.「無為自然」は考え方を表す言葉

    「無為自然」は生き方を表す言葉です。

    飾らず自分らしく自然体で生きる人生観を意味します。

    以下のような文脈で使われることがあります。

    <例文>

    • 技術偏重の社会に疲れ、人は「無為自然」を求めているのではないか。
    • 彼の田舎暮らしは「無為自然」そのものだった。

    質素で自然のルールに身を任せる生活という意味合いで使われることも多いです。

  • スポンサーリンク

  • 2.「無為自然」の出典・思想

    「無為自然」は約2500年前に老子が提唱した考えです。

    そのころ中国は、春秋戦国時代といわれる戦乱の時代でした。

    戦乱の中、多くの思想家が登場します。そのうちの一人である「老子」が理想としたものが「無為自然」なのです。

    2-1.「無為自然」は老子の言葉

    「老子」

    よみ:ろうし

    古代中国の思想家。道家の祖。老子を著したといわれるが、実在については疑う説もある。

    「老子」は紀元前5世紀から4世紀ごろに生きたとされる思想家です。

    戦乱が続く、当時の世相の中で人がどうすれば幸せに生きられるかを考えました。

    そんな中老師は、人がありのままに生きることこそが尊いと結論付けました。

    「無為自然」はその思想の最も基本的な姿勢です。

    あえて何もしなくても、自然と世の中がよい状態になり、人々を幸せにする。

    それが徳のある政治家であると老子は主張しました。

    また、生き方においても目的意識に縛られず、自然との融和の中で自由な生き方を見つけようとする考えとなりました。

  • スポンサーリンク

  • 2-2.「無為自然」は「道教」の中心思想

    道教

    よみ:どうきょう

    1. 中国で自然発生した多神教的宗教
    2. 「道(タオ)」と「無為自然(むいしぜん)」を核とした思想

    「道教」は現在でも中国系の人々の思想に深く根ざした宗教です。

    「道教」の中心的な考えを「老荘思想」と言います。

    これは、「老子」とその後継者である「荘子」の考えをまとめたものです。

    「老荘思想」では以下の2点を重視します。

    1. この世のすべてを生み出す根源である「道(タオ)」と一体化を目指す。
    2. 理想を追い求めずに、「道(タオ)」に任せて生きることが大切である。

    「道(タオ)」に任せることは、すなわち 人為的に何かするのではなく、ありのままに生きることである。

    そのように「老子」は考えました。

    もっとも大事な「ありのままに生きること」を「老子」は「無為自然」という言葉にこめたのです。

    道教については『「道教」とは?教えや思想、日本へのの影響をわかりやすく解説!』で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

    3.「無為自然」の使い方と例文

    「無為自然」の意味を押さえたうえで、詳しい使い方について解説をしていきます。

    「無為自然」自在に使いこなせるようになれば、生活の面だけでなくビジネスの面でも語彙を豊かにして会話の幅を広げられるはずです。

  • スポンサーリンク

  • 3-1.暮らしの中での「無為自然」

    生き方のしての「無為自然」は無理に何かを為そうとせず、あるがままに生きることでした。

    しかし、仕事の面で何もしないことは許されません。

    ビジネスの世界で、「無為自然」は、肩の力を抜いて、平常心で取り組むことを意味する言葉になっています。

    そのため、日常会話の中で、以下のように使われています。

    <例文>

    • 張り詰めた雰囲気のコンペではあったが、「無為自然」の境地で臨んだ。
    • 肩ひじを張らず、「無為自然」の心で取り組んでほしい。

    また、自然な流れに身を任せるという部分に重きを置いて、無理をしないという意味で使われることもあります。

    <例文>

    彼は「無為自然」なスタイルで仕事を進めるね。

    現代では仕事や生き方のスタイルに無為自然な方法論が認められつつあります。

    3-2.哲学としての「無為自然」

    「無為自然」は東洋哲学の中でも重要な言葉の一つです。

    ここでは、孔子が説いた儒教との違いを理解する必要があります。

    孔子は道徳的なルールを作り、それを守ることで理想の社会を作ろうと提唱しました。

    例えば、人への愛を表す「仁」や純粋な真心を意味する「忠」などです。

    これらの人として守るべき道徳的秩序を定めたのです。

    これに対し、老子はそれらは作為的であるとしました。

    それをわざわざ定めなくても、 「道(タオ)」に従い生きれば、道徳は自然と備わってくるとしたのです。

    このように対立する概念なので、哲学の世界では以下のように表現することが度々あります。

    <例文>

    老子・荘子の思想は「無為自然」を重視し、それに対立する人為を否定する。

    日本人の思想にも深く関係しますので覚えておきたい知識の一つです。

  • スポンサーリンク

  • 4.「無為自然」の類義語と例文

    ライフスタイルや哲学を表す「無為自然」の類義語をいくつか紹介します。

    言い換えを習得することで知識は深まります。

    さらには、様々な場面での発する言葉に奥行きを加えることができます。

    4-1.無為自化

    無為自化

    よみ:むいじか

    君主の徳によって、特に教育をほどこさなくても自然に民衆がを教化されること。

    「無為自然」は民衆の立場に立ったニュアンスを持つ言葉です。

    それに対して「無為自化」は政治家の立場で、理想の政治の姿を説明した言葉です。

    何かの教育や徳育という行為を行わなくても、 君主や上司自身が徳のある行いをすれば、それに感化され、民衆や部下の行いも良いものに変わってくる

    という意味を表します。

    <例文>

    部長の行いを見ている部下の行動が良くなった。まさに「無為自化」だね。

    id=”b”上記のような使い方をすることができます。

    4-2.外連味がない

    外連味がない

    よみ:けれんみ-がない

    ごまかしや偽りがないさま。自然体である様子。

    外連は歌舞伎で使われた大掛かりな宙乗りなどの演出を表す言葉でした。

    現在では、一般的に、「ごまかし」や「人の目を欺くような飾り」の意味で使われています。

    逆に 外連味がない」は大胆な仕掛けはないが自然で飾らないという意味で用いられています。

    以下の例文のように使うことが可能です。

    <例文>

    彼の「外連味がない」性格は、みんなから愛されている。

    多くの場合、ポジティブなイメージを与える言葉です。

    「無為自然」とはありのまま、自然であるという点で共通項があります。

    5「無為自然」の英語表現

    無為自然はダイレクトに当てはまる英語表現がありません。

    英語で訳するとすれば 「物事が、自然に正しい道へ進む」という意味を英語にした「things will take care of themseves」 を使うことができます。

    「take care of」 は「世話をする」、「面倒を見る」という意味で使われることが多い言葉です

    これには、「うまく物事が運ぶ」という意味もあるのです。

    If you lead your life the right way, things will take care of themselves.

    (もしあなたがあなたの人生を正しい方向へ導くならば、「物事は自然とうまく行くだろう。)

    東洋思想における「無為自然」は「What is so of itself」と訳されます。

    「それ自身が自然となるべきものになる(もの・こと)」という意味です。

    これは哲学の分野での説明に用いられる表現で一般の会話の中ではあまり使われません。

    まとめ

    無為自然とはありのままに手を加えないという意味です。

    儒教とともに、東洋の哲学の一つの柱ともなっている考え方です。

    日本人の生活の中に大きく影響を与えている考えの一つです。

    生活スタイルに「無為自然」の発想を取り入れることで、心に余裕を持たせられるようになるはずです。

  • 3分で分かる!転職サービス診断

    1. 希望の勤務地は?

    2. 現在の年収は?

    3. 転職サービス


    4. こだわり条件




  • スポンサーリンク