
「ネック」は、「首周り・障害になる」を意味する言葉です。
「ネックになる」と使用する時は「障害になる」の意で使われ、ビジネスシーンでもよく耳にする言葉です。
特に、「障害にある」と「重要である」では意味合いが異なるので、使い方を気をつけなければなりません。
そこで今回は、「ネック」の意味を説明し、「ネックになる」の使い方・類語も解説していきます。
業界用語として使用される際の「ネック」も解説しますので、最後までご覧になってください。
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1.「ネック」の意味
1-1.首周り・障害になる
ネック
英語:neck
- 首周り。
- 障害になる。
「ネック」はそのまま使用する時は「首回り」を意味し、「ネックになる」と使用される時は「障害になる」と使用される言葉です。
また、厳密には間違いですが、和製英語として「重要である」と慣習的に使用されることもあります。
1-2.「ネックになる」は「ボトルネック」の略語
「ネックになる」で使用される「ネック」は、「ボトルネック」の略語です。
「ボトルネック」は「瓶の首」を意味し、液体の通り道になる場所を指します。
そのため、ボトルネックは「全体の進行や効率に悪影響を与える一部分」と、あらゆる分野で慣習的に使用されるようになりました。
2.「ネック」の使い方と例文
「ネック」と「ネックになる」では語源・意味が異なるので、使い方もそれぞれ違います。
「首」と「障害」を混同してしまわないように、具体的な例文を通して使い方を覚えていきましょう。
「ネック」の例文を、以下の2つのシーンに分けて説明していきます。
それぞれの例文を紹介し、使い方を解説していきます。
2-1.「首周り」の意で使用する場合
「ネック」は「ネックレス」「Vネック」など、そのまま「首周り」の意で使用されます。
また、「ネックレス」を「neckless」と表記するのは間違いであり、正しくは「より合わせたもの」を指す「necklace」です。
<例文>
- パーティーに出席する際、高価なネックレスを彼女は下げていた。
- 空気の通りがいいVネックで、夏場を切り抜けた。
2-2.「障害」の意で使用する場合
「ネック」は「ネックになる」「ボトルネック」など、「障害」の意で使用されます。
ビジネスシーンでは、「障害」の他に「課題・問題」などと言い換えて使用されることが多いです。
<例文>
- 今回のプロジェクトは、競合他社の多さがネックになると考えられる。
- ボトルネックの流動性を確保せずに、ほかの部分を流動化しても意味がない。
3.「ネック」「ネックになる」の誤用表現
「ネック」「ボトルネック」は、人づてに意味を覚えている人が多く、誤用表現が多い言葉です。
誤用される理由も含めて解説しますので、後で恥をかかないように必ずチェックしてください。
「ネック」「ボトルネック」の誤用表現は、以下の通りです。
- 「ボトムネック」と使用するのは間違い。
- 「重要である」の意で使用するのは間違い。
「ネック」は「ボトムネック」の略語ではなく、正しくは「ボトルネック」の略語です。
「ネック」はファッション業界で使われるため、「下の衣服」を意味する「ボトム」と混同する間違いが多発しています。
また、「ネックになる」を「重要である」の意で使用するのは間違いであり、正しくは「障害になる」です。
具体的に言うと、「障害になるから重要である」と意訳して使用されることがあります。
ただし、「障害になるから重要である」といった意味合いは、あくまで和製英語にすぎないので、本来の意味を覚えましょう。
続いては、「ネック」の類語について紹介していきます。
4.「ネック」「ボトルネック」の類語と例文
「ネック」「ボトルネック」の本来の意味は「首」であり、そこから「障害」の意に変わって使用されています。
同様にして、日本語に直した「ネック」の類語も変化していますので、ぜひご確認ください。
「ネック」の類語は、以下の2つです。
それぞれ類語の意味と例文をご紹介しますので、参考にしてください。
類語1.隘路(あいろ)
隘路
読み:あいろ
- 通行が困難なほど狭い道。
- 物事を進める上で、妨げとなる条件や問題。
「隘路」は「通行が困難なほど狭い道」「物事を進める上で、妨げとなる条件や問題」を意味し、「ネック」と同じ意味を持つ言葉です。
「隘路にはまる」「隘路におちいる」など、否定的な文章を作る際によく使用されます。
<例文>
人材募集の件が隘路にはまり、計画を断念せざるを得なかった。
類語2.律速(りっそく)
律速
読み:りっそく
意味:(化学用語)反応や速度が遅くなること。
「律速」は「反応や速度が遅くなること」を意味し、主に化学用語として使用される言葉です。
「律速」には「障害」といった意味合いはなく、客観的に「反応や速度が遅いこと」を示すために用いられます。
<例文>
律速段階を見極めて、全体がどれほどの速度か計算してみよう。
5.「ネック」「ボトルネック」を使った業界用語
「ネック」「ボトルネック」はファッションから経済まで、様々なシーンで使用されています。
日々のニュースでよく使用される言葉ですので、曖昧にせずしっかり確認しておきましょう。
「ネック」「ボトルネック」を使う業界は、以下の4つです。
それぞれの業界用語について、例文と一緒に意味を解説していきます。
5-1.「情報技術業界」で使用する場合
情報通信業界で使用される「ボトルネック」は、「通信状況の良し悪し」を示す際に使用されます。
つまり、「通信状況が混雑し、障害がでていないか」を確認・判断する際の基礎となるのです。
<例文>
携帯電話・スマートフォンのボトルネックは、契約内容によって違いがでる。
5-2.「経済業界」で使用する場合
経済業界で使用される「ボトルネック」は、「寡占(かせん)」を表現する際に使用されます。
「寡占」とは、「ある事業を1つの組織が行うこと」指す言葉です。
そのため、複数の企業ではなく「1つの購買ルートを通らなければならない」といった意味合いを表現することができます。
<例文>
あの企業がボトルネックになっているため、競争が起きず価格が下がらない。
5-3.「道路交通業界」で使用する場合
道路交通業界で使用される「ボトルネック」は、「交通の渋滞・遅延」を指す言葉です。
事故が頻繁に起きる地帯・通勤ラッシュによる渋滞ポイントなど、「流動的な交通に障害があること」を指します。
<例文>
片側一車線しかないあの道路は、毎朝交通のボトルネックになっている。
5-4.「ファッション業界」で使用する場合
ファッション業界で使用される「ボトルネック」は、「首元が瓶の形のようなデザインの衣服」を指す言葉です。
襟がある衣服と異なり、首から顔までのラインをすっきり見せることができます。
<例文>
首元をきれい見せるために、ボトルネックの衣服を購入した。
6.「ネック」「ボトルネック」の英語表現と例文
「ネック」「ボトルネック」などのカタカナ語は、ビジネスシーンではあまり印象がよくありません。
そのため、しっかり英語表記できるように、本来の使い方も一緒に覚えていきましょう。
「ネック」「ボトルネック」の英語は、以下の通りです。
それぞれについて、例文と合わせて解説していきます。
英語1.「neck(首周り)」
「neck」は「首周り」を意味し、「頭と肩をつないでいる部分」を指します。
日本語の「首」は「肩から上」を指す場合が多いので、ネイティブの意味と違うことに注意しましょう。
<例文>
My teacher hold on to my back of the neck tightly.
(先生は私の襟首をしっかりつかんで離さなかった。)
英語2.「bottleneck(瓶の首・障害)」
「bottleneck」は「障害・瓶の首」を意味し、「bottle」と「neck」を組み合わせて1つの英語です。
「bottleneck effect(ボトルネック効果)」「bottleneck entrance(瓶の首のように狭い入口)」など、名詞を説明する言葉としても使用することもできます。
<例文>
You need to go through a bottleneck entrance for escape.
(脱出するためには、瓶の首のように狭い入口を通り抜ける必要がある。)
まとめ
「ネック」は、「首・障害になる」を意味する言葉です。
「ネックになる」は、一般的に「障害になる」ですが、和製英語として「重要である」と使われることがあるので、注意してください。
また、「ボトルネック」は業界毎に様々な意味を持つので、日々のニュースを読むためにもしっかり確認しておきましょう。