最終更新日:2020/06/09
「能動的」という言葉は 意欲的に行動し働きかけを他者へ与えることを意味しています。
仕事などで、「能動的」に動くよう注意された経験がある人も多いでしょう。
しかし、似た言葉が多く「自発的」或いは「積極的」「主体的」などの類語と混同しがちです。
この記事では「能動的」の意味と類語との違い、使い方を紹介します。
1.「能動的」の意味とは?
自分から他へはたらきかけるさま
能動的
読み方:のうどうてき
意味:自分から相手側に積極的に干渉する様子。自分の方から他に作用を及ぼす様子
自分から進んで干渉するさまを「能動的」と言います。自分自身の思いで行動し、かつ他に影響を与えるさまを言います。
また、そのような行動や様子に使われる言葉です。ビジネスシーンでは勿論、日常の至る所で使用されます。
例文
- いつも受け身で行動してしまうので、今度からは能動的に動くことにした。
- 今度の求人では、能動的に考えて動ける人材を集めたい。
- 損得を考えず、能動的にボランティアに参加してみた。
自分一人で完結しない
「能動的」という言葉は自分の思いで、率先して行動するという意味をもつ言葉の一つです。
一方で、「積極的」や「自主的」という類語と大きく違うポイントとして、 自分一人で完結しないという点が挙げられます。
- 能動的に振る舞う(相手がいる)
- 積極的・自主的に振る舞う(相手がいなくてもよい)
「能動的」は自分から好んで作業にあたり、かつ 働きかけにより相手に影響を与える様を言います。
「積極的」等に代表される「能動的」の類語は、相手の影響を必要としない言葉です。
自ら進んで行動する。そして、相手へ影響をもたらすことが目的であるのが「能動的」です。
もう少し詳しい内容を次で説明していきましょう。
2.「能動的」の使い方
社会では「能動的」という言葉が多く使われています。
具体的にはどのような意味合いで「能動的」という言葉が使われるのか、例で説明します。
ではそれぞれに見ていきましょう。
「能動的」に考える
「能動的」に考えるとは、 相手に影響を及ぼす目的で、考える事です。
以下の様な例文になります。
意味
マニュアルを鵜呑みにせず、能動的に考えるべきだ
決まった事項に従うだけではなく、その内容を自分で把握し、考えることが必要です。
そして、 その方向性が仲間や周囲への環境に向いていることが、能動的に考えるという言葉の意味するところです。
自分一人で完結しないで周囲を巻き込んで考えることが、「能動的」に考えるということです。
「能動的」に動く
「能動的」に動くとは、 何かに動かされず自分の意志で動くということです。
そして、既述のようにそれが自己完結でなく、他者へと目的が向いていることが必要です。
意味
指示を待たずに能動的に動くようにしよう
「能動的」に動く場合、自分の意志に従い、相手を変化させる目的で行動します。
「能動的」な人
「能動的」な人とは、自分の意志を持ち、それが自分以外の物への影響が目的となっています。
以下は、「能動的」な人という言葉の例文です。
例文
「能動的」な人は、自分で考えて仲間を引っ張っていける人だ
「能動的」な人は周囲からの情報や、影響に一方的に身を委ねず、他の者を動かすことが出来ます。
それだけでなく、 周囲を良い結果に導くために、率先して独創的なアイデアを生み出すことが出来る人を指します。
3.「能動的」の類語と違い
「能動的」という言葉には数多くの類語があります。
「能動的」という言葉は、類語同士の意味が似通っている珍しい言葉です。
上手く日常的に言葉を使えるように、それぞれの言葉ごとに意味を説明していきます。
では紹介しましょう。
類語1.「自発的」
自発的
読み方:じはつてき
物事を自ら好んで行うさま。
「自発的」という言葉は、自ら好んで行うという意味の言葉です。「自発的」には、何か指示や影響を受けて行動するという意味はありません。
以下のようなシーンで使われます。
例文
だれからの指示も無かったが、自発的に残って掃除をした。
「能動的」という言葉で表現する場合、何かに影響を及ぼす目的で行動が始まります。しかし「自発的」の場合、向かう先の目的よりも、発する場所が自分であるということに趣を置かれた言葉です。
類語2.「主体的」
主体的
読み方:しゅたいてき
活動の中心となるさま。自主的。また、主体に関するさま。
「主体的」は、自分が何かその事柄の中心となって行動することを言います。
「主体的」の場合、誰かからの強要など、他者から受ける影響は関係なく、向かう先も関係ありません。 自分が中心になっていることに趣が置かれた言葉なのです。
ですので以下の様に使われます。
例文
彼は、リーダーになってから課題に対して主体的に考えて、行動することが出来るようになった。
与えた影響よりも、その中心となって行動や、発信が行われたことが重要となります。
相手への影響を考慮する「能動的」とは、そのベクトルが少し違うのです。
類語3.「積極的」
積極的
読み方:せっきょくてき
物事を率先して行うさま。
「積極的」は「能動的」と同じように、自分の意志や考えを持った上で、意欲的に物事に取り組むようすを表す類語のひとつです。
この時、他の類義語と同じように基本的には相手などからの影響とは関係ありません。
「積極的」という言葉と「能動的」という言葉の違いは 使う範囲です。
「積極的」という意味が適用されるのは、誰かから促されたような、影響を受けたときだけでなく、何か自分から動く時も当てはまります。
「積極的」は 他者からの影響は考慮せず意欲的に動くことを現わす言葉であり、類語の根幹を成す言葉でもあります。
例文
このクラスの生徒は、先生の促しがなくとも、積極的に発言をする。
彼は、任された仕事に積極的に取り組んでいる。
4.「能動的」の対義語は受動的
「能動的」の対義語は「受動的」という単語です。
「受動的」という言葉は受け身である様子を現わしています。
詳しくみていきましょう。
「受動的」な人は指示を待ってしまう
受動的
読み方:じゅどうてき
物事への対処の仕方が受け身であるさま
「受動的」とは人や、 周囲の状況に対し意志とは関係なく影響を受ける様子を言います。
ですので以下のような使い方をします。
例文
新入社員で入社した彼の勤務態度は受動的で困る。
「能動的」とは違い、 他者からの影響を受けてしまう、或いは行動してしまうことです。
何かの指示に従ったり、環境に合わせる様子です。ここに 自分の意志は関係ありません。
他者からの影響され作用してしまうことで、「能動的」の対義語として使われます。
5.「能動的」の英語表記と例文
「能動的」の英語表記は 「active」という単語です。
具体的にはどの様な意味があるのでしょうか。
「active」を使った英語の例文と共に紹介します。
「active」
英語で「能動的」を現わすと「 active」と表現することが出来ます。
「active」は「能動的」意外にも以下の様な意味があります。
- 活発な
- 敏活な
- 積極的な
- 意欲的な
- 活気のある
- 盛んな
- 現に活動
「active」を使った英語の「能動的」の例文は以下のようになります。
例文
You should take the active in this business.(この仕事に関してはもっと能動的に捉えるべきだろう)
海外では「能動的」な行動が、日本よりも重視されることが多いです。
「能動的」という表現を英語でしたいときの、参考にしてみてください。
まとめ
「能動的」とは自分の思いで行動し、他者へ影響を与えることです。
「主体的」などの言葉と混同されますが、 自分よりも、他者への働きかけに重点をおいた言葉です。
今回は複数ある類義語との微妙な意味の違いと、「能動的」の意味、例文を紹介しました。
それぞれの言葉の特性を理解し、的確に使えるようにしましょう。
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