
「お大事に」は使い方は、間違えると相手に失礼な表現になってしまいます。
そうならないために、今回は「お大事に」の意味や使い方などを解説したいと思います。
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1. 「お大事に」の意味をおさらい
病気の人に体をいたわってくださいという意味
お大事に
- 体をいたわってください
- ゆっくり体を休めてください
- 早く良くなってください
「お大事に」には、 病気や怪我の人に 「 体をいたわってください」・「ゆっくり体を休めてください」「早く良くなってください」などの意味を持った挨拶の一種です。
けが人や病人を労うために使用されます。
よく使われる場所として、病院やクリニック・薬局などの医療機関で診察を受けた場合などに使用されることが多いでしょう。
また、お見舞いなどでも使用することができますが、使い方に注意することがあります。
2. 目上の人には「お大事になさってください」が正解
「お大事に」を目上の方に使用する場合は、 「お大事になさってください」が正しい表現です。
「お大事に」は省略形であり、使用しても大丈夫ではあるのですが、 目上の方へ使う場合には「なさってください」をつけた方がより丁寧で適切な表現になります。
そのまま使用すると失礼に感じてしまう方もいるため、なるべく「お大事に」は同僚や後輩のみに使用した方が良いでしょう。
3. 【注意】「お大事にしてください」は失礼にあたる?
「お大事にしてください」と言う表現もあります。
この表現は日本語として間違ってはいません。
しかし、 「してください」と言う表現には要求・強制の意味を想定させます。
中にはこれを失礼な表現と考える方もいるため、「お大事になさってください」を使用した方が無難でしょう。
3-1. 他にもある使用してはいけない例
「してください」以外にも、使用してはいけない例がいくつか存在します。
これらの表現は極力使わないようにしましょう。
例1. 「お大事にどうぞ」
病院で診察を受けた場合によく聞く挨拶です。
敬語表現の「お」が付いているため、この表現でも問題はありません。
ただし、 目上の方への敬語表現として使用するならば 「お大事になさってください」の方がより丁寧な言い回しになります。
例2. 「お大事に」
こちらもよく聞くと思います。
簡素で使い勝手が良いですが、目上の方への表現としてはあまり好ましくありません。
「なさってください」や「お過ごしください」などをつけることをおすすめします。
4. 【類語】「ご自愛ください」との違い
「お大事に」の類語に「ご自愛ください」という表現があり、「お大事に」と同じく相手を労わるといった意味があります。
お見舞いや電話などの会話表現では「お大事になさってください」の方が言いやすく、相手も聞き取りやすいため、口頭で使用するのが推奨されます。
一方、 「ご自愛ください」はお見舞い状やメールといった文書での表現に向いており、「お大事になさってください」よりも適した表現になります。
より丁寧に表現したい場合には「くれぐれも」や「何卒」などを頭につけると良いでしょう。
ただし、「ご自愛」には体の意味も含まれているため、「お体をご自愛ください」といった表現はできないので注意してください。
◆ 手紙やお見舞い状で「ご自愛」を使う際の例文
「治療に専念されますようどうかご自愛ください」
4-1. 他にもある「お大事に」を言い換えた表現
その他にも、「お大事に」を言い換えた表現が複数存在します。
こちらも参考にしてみてください。
お労わり(おいたわり)ください
「お大事に」や「ご自愛ください」には身体を労わるといった意味が含まれています。
そのため、「お労りください」に代用することが可能です。
「ご自愛ください」よりもやわらかい表現であるため、親交が深い方に使用すると良いでしょう。
静養(せいよう)なさってください
「静養」には、病気などを治すために、心身を休めるといった意味があります。
こちらも「お大事に」などの代用になります。
「お大事に」や「ご自愛ください」よりも症状が重い場合に使用することが多いです。
そのため、入院初期のお見舞いやお手紙などで使用すると良いでしょう。
養生(ようじょう)なさってください
「養生」には、生活を改善して健康をいじ・促進させるといった意味があります。
「お大事に」等の代用よりも、 退院後の生活に気をつけてください・気を遣ってくださいといった意味で使用すると良いでしょう。
また、病気になる前の「未病」状態での挨拶時などに使用することもできます。
「養生なさってください」を使用することで、生活を改善してくださいと言う意味を表現することができます。
5. プライベートで「お大事に」を使う場合
友人が病気になった場合などに「お大事に」を使用する場合には、特別な言い回しや敬語を使う必要はありません。
あまり難しく考えなくても良いでしょう。
5- 1. 親しい付き合いなら「お大事に」でもOK
家族や親戚・友人の方が病気や入院をした場合には「お大事に」でも大丈夫です。
堅苦しい表現は聞き取りづらく、話す側も大変でしょう。
また、手紙でも「ご自愛ください」などの硬い表現は使用しても構いませんが、 親しみやすさを重視する場合には「お大事に」をおすすめします。
付き合いの長い上司や先輩などには「お大事に」でも大丈夫でしょう。
普段合わないような目上の親戚の方などに「ご自愛ください」を使用すると良いですね。
5- 2. 他の表現を使いわけよう
「お大事に」以外にも、「ゆっくり休んでね」や「無理しないでね」などの表現を使うのもありでしょう。
大切なのは、 相手に心配している気持ちを伝えることです。
親しい付き合いであれば、難しい言葉を使用する必要は無いため、自分が言いやすいように伝えるのが良いでしょう。
6. 「お大事に」の英語表現
英訳すると、「Take care」
外国の友人が怪我や病気になってしまった時は、この表現を使ってみてください。
また。「Take care」には 「さようなら」のようなお別れの挨拶の意味も含まれています。
まとめ
今回紹介した内容をまとめました。
- 「お大事に」には相手の「体を労ってください」「ゆっくり体を休めてください」といった意味がある
- 目上の方には「お大事になさってください」が一番適した表現
- 文章の場合は「ご自愛ください」が適切な表現となる
- 親しい間柄の場合には「お大事に」を使っても大丈夫
- 「Take care」には「お大事に」と言う意味や「さようなら」などの意味がある
ぜひ参考にしていただければと思います。