
ビジネスシーンや日常的なご挨拶としてよく使われ、耳にする「お世話になっております」という言葉。
皆さんは本当の意味を理解して適切に利用できていますか?
「お世話になっております」という言葉は非常に便利で使い勝手のいい言葉ですが、実は日常的に間違った使い方をしている事も多いのです。
そこで今回は、「お世話になっております」の言葉の意味と正しい使い方についてお話させていただきます。
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1.「お世話になっております」の意味とは
「お世話になっております」の「お世話」には「身の回りの面倒を見る」「援助する」「希望に寄り添う」と言う意味があります。
ですから、「お世話になっております」と言う言葉は「面倒を見て頂きありがとうございます」と言う意味になります。
ただお世話になっていることを伝えるのではなく、相手に対して感謝を伝える言葉でもあるのです。
普段何気なく挨拶の代わりとして使用している言葉ですが、相手への感謝の意持ちを伝える言葉で、意味を知ると素敵な表現だと言う事が分かりましたね。
1-1.社内の人に使うのは避けよう
基本的には、社内の人に対して「お世話になっております」と言うことは適していません。
なぜならば、「お世話になっております」は相手に対して感謝を伝える言葉ですので、あまりにも丁寧すぎて、逆に失礼になることもあります。
ですから、社内の人に電話やメールをする際には「お疲れ様です」と言ったり、目上の方に対しては「お疲れ様でございます」などを使用するのが一般的です。
ただし、会社によっては「お世話になっております」という言葉を使う場合もあります。
ご自分の会社がどういう風潮なのかを判断して使い分けることが大切です。
1-2.「お世話になります」との違いは?
「お世話になっております」と似たような「お世話になります」という言葉があります。
「お世話になっております」は面識のある相手に対して、日頃からの感謝を伝える言葉です。
一方、「お世話になります」は、面識がない相手に対して、きっとこれからお世話になるだろうと予想される場合に使う言葉です。
ただし、自分が初対面の相手だったとしても会社間では既に取引がある場合の相手であれば、「お世話になっております」を使っても問題はありません。
2.「お世話になっております」の使い方と例文
「お世話になっております」は様々なシーンでよく使うフレーズです。
そこで、シーン別に「お世話になっております」の正しい使い方と例文をご紹介していきます。
2-1.取引先相手への使い方
普段からお世話になっている取引先やお客様に対して、ご挨拶の一環として使われる便利な言葉です。
取引先、お客様に使う「お世話になっております」の例文は以下の通りです。
上記の例文のように、かねてから親交のある相手に対しての最初の挨拶に使用します。
ただ1つ注意が必要で、この「お世話になっております」という言葉には「日ごろから感謝していると言う意味も含まれます。
その為、まだ面識のない企業やお客様にこの言葉を使うのは不自然ですので注意しましょう。
2-2.初対面の人への使い方
「お世話になっております」はこれまでにご説明したように、「日ごろからお付き合い頂きありがとうございます」という意味があります。
ですから、面識のない相手には普通使いません。
しかし、初対面であってもこれまで会社同士でのお付き合いがあったり、身内がお世話になっている相手に使用する分には全く不自然ではありません。
初対面の企業やお客様に対する挨拶では「お世話になっております」よりも、「お世話になります」が適切です。
日ごろお世話になっている相手への「お世話になっております」の例文は以下の通りです。
・はじめまして。平素より大変お世話になっております○○株式会社の○○です
・はじめまして。○○株式会社の○○です。平素は○○が大変お世話になっております。
2-3.就職活動中の使い方
就職活動中で企業とのメールや電話で、最初の挨拶で「お世話になっております」と使うと与える印象が良くなり、とても効果的です。
しかし、何度も口酸っぱく言いますが、面識のない企業で初めてのご挨拶に使用するのは不自然です。
就職活動に使用する「お世話になっております」の例文は以下の通りです。
・お世話になっております。一次面接のご連絡誠にありがとうございます。
・お世話になっております。この度はありがとうございました。
3.「お世話になっております」に対しての返事の仕方
先方から先に「お世話になっております」と挨拶された場合、どのように返すのが正しいのでしょうか。
一般的には同じく「お世話になっております」と返すのが良いです。
また、より感情を込めた表現をしたい場合には「こちらこそ」や「ご返答頂きありがとうございます」などを添えると良いでしょう。
4.「お世話になっております」を言い換えた表現
「お世話になっております」は形式的な挨拶でよく使いがちですが、同じ相手に短時間に何度も連続して使用するのはくどいですよね。
同じ相手と何度もやり取りをする場合、「お世話になっております」に代わる挨拶をいくつか覚えておくと、相手に対して感謝の気持ちがより伝わりやすくなります。
4-1.「お世話になりました」
4-2.「お世話になります」
・初対面の相手でも既に会社として取引がある場合
→「いつもお世話になります」
・これから取引や付き合いが始まる場合
→「今後お世話になります」
4-3.「お世話様です」
「お世話様です」は「ご苦労さまです」と同じ意味になります。
元々この言葉の意味は、目上の人が目下の人に向かって労うための言葉です。
ですので、社内の上司や社外の人に向かって言わないようにしましょう。
4-4.お世話様でした」
「お世話になっております」が相手に対して感謝を表す言葉に対して、「お世話様でした」は世話をかけてしまったことへの謝罪の言葉になります。
また、「お世話様です」と同じように、「お世話様でした」も目上の人に使うのは失礼になります。
4-5.番外編
何度も「お世話になっております」と言葉が続くと言葉に感情が無く、機械的に感じてしまいます。
そうならないためにも、シーンやその時の状況で言葉を変えた方が気持ちを伝えやすくなります。
・以前面識があり、久々に連絡を取る相手
→「ご無沙汰しております」
・連投して連絡している場合
→「何度も申し訳ございません」
・返信してくれたことに関する感謝を伝える場合
→「ご連絡ありがとうございます」
5.「お世話になります」の英語表現
最近ではグローバル化が進み、会社でも英語を利用する事も多くなりましたよね。
実は英語で「お世話になっております」と言う言葉はありません。
ですから、使うシーンやどんな相手に投げかける言葉なのかを明確にした上で使用しましょう。
・協力してくれた人に配しての「お世話になっております
→Thank you for your kind assistance.(ご協力に感謝します)
→Thank you for your cooperation.(ご協力ありがとうございます)
・メールで使える「お世話になっております」に代わる言葉
→I hope all is fine.
→I hope all is fine with you.
・会話で使える「お世話になっております」に代わる言葉
→How are you doing ?
などなど、これらのみでは無く、英語で表現すると様々な言い方があります。
まとめ
主にビジネスシーンで活用される「お世話になっております」と言う形式的な挨拶ですが、皆さんは正しく使えていましたか?
良く耳にし、何気なく普段から使える言葉ですが、間違ったタイミングや間違った相手に使うのは、相手に良い印象を与えません。
面識の無い初対面の方ではなく、日ごろからお世話になっている相手に使うことが重要ですね。
「お世話になっております」をうまく使って円滑なビジネス、商談をしたいものですね。
是非、ご参考にして下さいね!