最終更新日:2020/06/04
作成は、「文章や計画などの物品ではないものを作ること」という意味です。
作製は、「機械や道具を使って、物品を作ること」という意味です。
※物品:品物、触れるモノ、不動産以外の有体物
どちらも似たような意味なので使い分けに悩みますよね。
本記事では、それぞれの意味や使い方を詳しく解説していきます。
また、類語である「製作」「制作」や英語表現についても紹介しますので、理解を深める参考にしてください。
1.「作成」と「作製」の違い
「作成」と「作製」の意味について解説していきます。
「作成」の意味:書類や計画を作ること
作成
読み方:さくせい
書類や計画、データなどを作ること
「作成」は、 「文章などの書類や、計画、データなどを作る」という意味です。
直接手で触ることができないもの(データやアイディアなど)を作る時は、「作成」を使う場合がほとんどです。
ただし、後に解説する「食べ物」などは手で触れるものですが、「作成」を使います。
「作製」の意味:機械や道具を使って物品を作ること
作製
読み方:さくせい
機械や道具を使って物品を作ること
「作製」は、 「機械や道具を使って物品を作る」という意味です。
「作成」と「作製」の違いは、大まかに言うと作る対象が物品であるか否かです。
作る対象が物品である場合は「作製」を使い、物品でない場合は「作成」を使います。
また、機械や道具を使ってモノを作っているところも注目するポイントです。
2.「作成」と「作製」の使い分けと例文
「作成」と「作製」の使い分け方法を以下に簡単にまとめます。
- 作成:物品でないものを作る
- 作製:機械や道具を使って物品を作る
この使い分けを意識して、各場面の具体的な使い方を見ていきましょう。
2-1.ビジネス
ビジネスの現場において、ものを作る機会はたくさんあります。
例えば、書類やレポート、グラフなどはよく作りますよね。
これらは 直接手で触るものでもないですし、物品でもないので「作成」を使います。
例文を紹介します。
<例文>
- 大量の書類を作成する。
- 期日までにレポートを作成する。
- プレゼンに向けて、意識調査に関するグラフを作成する。
2-2.食べ物
「料理をさくせいする」とはあまり言いませんが、料理を作る時は「作成」を使います。
手で触れるものなので、「作製」と書きたくなるところですが、 「作製」は機械のような道具を使って作るイメージが強いため、料理の場合は「作成」が自然です。
ただし、工場などの機械を用いて大量に加工食品を作っている場合は、「作製」を使います。
※「作製」という言葉が使われるシーンが限られているので、「作成」を使う場面が多く、工場などで作られている場合であっても「作成」と書くこともあります。どちらも間違いではありません。
また、レシピなどを作る時は、「作成」が適切です。レシピは機械や道具を使って作るものではありませんからね。
以下の例文でまとめます。
<例文>
- 料理を作成する。
- 工場で大量の料理を作製する。
- 新しい料理のレシピを作成する。
2-3.製品・図面
製品を作る場合は、物品なので「作製」を使います。
図面は、直接触れることができない情報のようなものなので「作成」を使いたいところですが、「作製」が正しいです。
これは図面を見て作る対象が、物品であるためです。
図面は機械や工作物、建築物を作る時に使われるものなので、「作製」が正しいです。
「製」という漢字の熟語に「製図」という言葉があるので、これをイメージすると分かりやすいでしょう。
<例文>
- 製品を作製する。
- 図面を作製する。
3.【類語】制作と製作の違い
「作成」と「作製」の類語には、「制作」と「製作」があります。
- 制作:芸術作品や映画などを作ること
- 製作:機械や道具などを使って物品を作ること
この2つも少しややこしいので、意味や違いについて解説していきます。
3-1.制作の意味:芸術作品や映画などを作ること
制作
読み方:せいさく
芸術作品や映画などを作ること
「制作」は、 芸術作品を作る時に使われる言葉です。
3-2.製作の意味:機械や道具などを使って物品を作ること
製作
読み方:せいさく
機械や道具などを使って物品を作ること、作製
「製作」は、 芸術作品以外のものを作る時に使われる言葉です。
「作製」と意味は同じです。
3-3.「制作」と「製作」の使い分けと例文
「制作」と「製作」の違いは、 芸術作品かそうでないかで比べると分かりやすいです。
芸術作品である場合は「制作」を使い、それ以外のものを作る時は「製作」を使います。
芸術作品とは、芸術品の他に、映画・ドラマなどのエンターテインメント作品全般のことです。
さらに、芸術作品には、クリエイターが作るもの(記事、デザイン・ポスター)なども含まれています。
以下に違いをまとめます。
- 制作:芸術作品やクリエイターがモノを作る時に使う
- 製作:物品などのそれ以外のものを作る時に使う
イメージとしては、手に職があるような、プロフェッショナルな人が作るものは「制作」です。
「制作」と「製作」の例文を紹介します。
<例文>
- ポスターを制作する。
- イラスト制作を受注する。
- 自由研究でモデルを製作した。
- 新しいマシンを製作する。
4.「作成」と「作製」の英語
英語では、作るものを対象にして様々な「サクセイ」が使い分けされています。
ここでは対象ごとの4つの「サクセイ」を紹介していきます。
- make(作る、製作する)
- create(創造する、創作する、考案する)
- produce(作る、製造する、生産する)
- develop(開発する、作成する)
順に解説していきます。
英語1.make
「make」は、何かを作る時に最もよく使われる表現です。
「make」は、「〜にする」というニュアンスを持つので、 「材料を使って、何かにする(作る)」というイメージで使われます。
製品や料理、映画などの様々な分野で使える表現です。
「make」の例文を紹介します。
<例文>
- I want to learn how to make a cake.
(ケーキの作り方を学びたい。) - Make a movie.
(映画を制作する。)
英語2.create
「create」は「〜を創造する」というイメージで使われる表現です。
「make」との違いは、 今までにない新しいものを作り出す時に使われることです。
「create」の例文を紹介します。
<例文>
- I created a big hit movie.
((今までにない)大ヒット映画を作った。) - God created the world.
(神がこの世界を作った。)
英語3.produce
「produce」は、 「生産、製造、産み出す」という意味があります。
番組プロデューサーという役職があるとおり、企画や予算の調整・管理などを行い、番組を作り上げるイメージを想像すると理解しやすいです。
「produce」の例文を紹介します。
<例文>
When did you produce it?
(いつそれを作り上げますか?)
英語4.develop
「develop」は、 「開発する・制作する」という意味があります。
「make」や「create」と同じ、「作る」という意味ですが、より大規模なものを作る時に使われる表現です。
また、ソフトウェアを作る時は、「develop」を使うのが一般的です。
「develop」の例文を紹介します。
<例文>
We develop a new game.
(私達は新しいゲームを開発する。)
まとめ
作成と作製は以下のように使い分けます。
- 作成:書類やデータなどの、物品でないものを作る
- 作製:機械や道具を使って物品を作る
どちらも「作る」という意味では同じですが、作る対象で使い分けましょう。
悩んだ時は、 物品かそうでないかで判断すると分かりやすいですね。