最終更新日:2020/07/08
ビジネスでよく使われる「私用」は「自分のための」という意味の言葉です。
仕事を休むときなどに「私用で休みます」という使い方が一般的です。
ただ、実際に使うときに「私用」を使っていいのかどうか迷うことはありませんか?
ここでは 「私用」の意味やビジネスシーンにおける正しい使い方や類語など、例文と共に解説していきますので参考にしてください。
1.「私用」の意味とは
「自分のこと」あるいは「個人の用事」として仕事や公のことと区別するとき。「私用」使われます。
個人の事情で仕事を休んだりする場合、勤務先への届出文書で使われることが多いです。
2.「私用」の使い方
「私用」の意味を確認したところで、正しい使い方を確認していきましょう。
主に、仕事を休むときなどに使うことが多い言葉ですが、正しく使えているか不安になることも多いでしょう。
相手に失礼のない使い方を、まとめて解説していきます。
2-1.休暇申請など届出の理由
休暇や遅刻早退などの申請のために届出を出す場合は、病院での検査・結婚式・法事・役所手続き・旅行など様ざまな事情がありますが、それらはすべて私用となります。
つまり、仕事に関係ない事情は全て一言「私用」で表すことが可能です。
企業によっては詳しい理由を書くよう求められることもありますが、一般的には「私用」で問題ない場合が多いです。
「私用」の具体的な使い方は以下の通りです。
例:「明日は私用のため休みます。」
例:「来週1週間は私用で有給休暇をいただきます。」
2-2.自分以外の人の不在を伝える
自分だけでなく、勤務先の同僚や上司の不在をいう場合にも使います。
例えば、職場に電話がかかってきて○○さんはいるかと聞かれた場合は、以下のように「私用」を使って答えます。
例:「○○は本日私用でお休みをいただいております。」
例:「○○は只今私用で外出しております。」
2-3.「自分専用のもの」であることを伝える
届出の理由以外で使われるのは、自分用として表現する場合です。
例:「会場には私用車で行きます。」
例:「勤務中の私用電話は禁止です。」
続いて「私用」の類語の解説をいたします。
3.「私用」に代わる他の言葉は
ビジネスでは「私用」に似た言葉がいくつかありますのでここにご紹介します。
私事 | 会話や手紙で、「私事ですが」の後に「~しました」という説明が続きます。 |
私事都合 | 「私用」より「私事」を強調する場合、届出などに「私事都合で」を使います。 |
所用 | 「私用」と「公用」両方の意味があり、「所用」の中に「私用」が含まれます。 |
私情 | 私的な「用事」よりも「感情」を言う場合に使われます。 |
3-1.「私事」
「私事」という言葉は届出文書などよりも、個人の会話や手紙で使われます。
「個人的事情ですが」という意味で状況を説明する前置きの言葉として使います。
例:「私事で恐縮ですが、病院検査のため早退いたします。」
例:「私事ですが、この度ご縁があって結婚することとなりました。」
3-2.「私事都合」
私事都合
読み:しじつごう
個人的な都合という意味です。
「私用」よりはプライベートな意味合いが濃くなりますので、 「私事」を強調したい場合には「私事都合」を使います。
例:「明日の朝は私事都合により1時間遅刻いたします。」
ただ、一般的には「私事都合」を使うよりは「私用のため」の方がよりシンプルで使いやすい表現といえます。
3-3.「私情」
私情
読み:私情
個人的な感情という意味です。
個人的な用事でなく、私的感情を表す言葉です。
「公私混同」の場合の「私」は「私情」や「私的なこと」の意味で使われます。
届出文書で「私情で休みます。」とはいわないので、使わないよう注意してください。
例:「ビジネスに私情を挟まないでください。」
例:「今回のことに私情を交えてはおりません。」
3-4.「所用」
「所用」には、仕事上の用事と個人的な用事と両方の意味がありますので、プライベートといいたくない場合は、「所用」を使います。
たとえば仕事とプライベートが半々の場合など、個人的な事情を明確にしない場合に「所用」を使うといいでしょう。
例:「所用のため午後の会議は欠席いたします。」
例:「○○は所用のため只今外出しております。」
4.「私用」の反対語は「公用」
公用
読み:こうよう
おおやけの・公的なという意味です。
企業などで「個人のもの」と「公のもの」を区別する場合に「私用」に対して「公用」が使われます。
一番一般的な使い方は「私用車」に対して「公用車」です。
例:「○○は公用のため出張に出ております。」
例:「仕事の外回りには公用車を使ってください。」
次では「私用」の英語表現をご案内します。
5.「私用」の英語表現は
「私用」を英語に訳した場合以下の使い方によって表現が変わってきます。
「個人のため」 使うという目的で言う場合:「private use 」もしくは 「private purpose」
例:Official use only/ Not for private use.
(公用のみ、私用禁止)
例:Don’t use the telephone for private purpose.
(その電話を私用で使ってはいけません)
「私用のため」と 休むなど理由で使う場合:personal reasons
例:I came home early from work for personal reasons.
(私は私用のため会社を早退しました。)
例:I would like to take day off for personal reasons.
(私用のため休みをいただきたいです。)
まとめ
「私用」について意味と使い方をご案内しました。
それぞれ会社の規則によって違いはありますが、 一般的には詳しい理由を書かなくても「私用のため」という理由だけで受理する会社がほとんどです。
届出上は「私用のため」として、理由を聞かれた場合のみ説明すればいいでしょう。