最終更新日:2020/06/25
「粛々と」は 「厳かなさま、ひっそりとしずかなさま」・「強い意志で行うさま」の意味です。
会議や結婚式などの様々なシーンで使われます。
しかしながら、正確な意味や似た表現との違いはあまり知られていません。
今回は「粛々と」の意味や使い方、似た表現との使い分け方などを解説します。
1.「粛々と」の意味と読み方
粛々
読み方:しゅくしゅく
- 厳かなさま、ひっそりとしずかなさま
- 強い意志で行うさま
「厳かなさま」・「しずかなさま」とある様に 厳粛な雰囲気で行われる会議や裁判、結婚式や伝統行事など様々なシーンで使われる表現です。
また「強い意志で行うさま」の意味で使う場合は、問題などに対して真摯(しんし)に取り組む姿勢を表します。
「粛々と」の読み方
「粛々と」の読み方は「しゅくしゅくと」です。
「粛」は「しゅく」の他に「つつしむ」と読むことができる漢字で、主に「心を引き締めてつつしむ様」や「静まり返っている様」を表す時に使用します。
そのため厳かな雰囲気の場面や緊張感のある場面で使われることが多い漢字です。
粛々以外にも「粛」を使用した言葉は多く、「厳粛(げんしゅく)」「自粛(じしゅく)」「静粛(せいしゅく)」などが挙げられます。
2.「粛々と」の例文
「粛々と」はビジネス、日常生活問わず使われる表現です。
ここでは頻繁に使われる2つのパターンの例文をご紹介します。
「粛々と進める」
「粛々と仕事をする」
使用シーンや意味合いと合わせてチェックしましょう。
2-1.「粛々と進める」
「粛々と進める」は「厳かなさま」の意味合いで使われる表現です。
その為、厳かに緊張感をもって進められるシーンで使われます。
アットホームな結婚式やざっくばらんな会議などではなく、厳粛な雰囲気のもとで行われる結婚式や重要な会議などが主な使用シーンです。
-
「会議は粛々と進められた」
-
「粛々と事故対応を進めてください」
-
「彼らの結婚式は粛々と執り行われました」
2-2.「粛々と仕事をする」
「粛々と仕事をする」は「強い意志で行うさま」の意味合いで使われる表現です。
厳しい状況や不測の事態などがあっても、身を引き締める思いで真摯に取り組む姿勢を表します。
仕事以外にも、研究や目標に置き換えて使う事が出来る表現です。
-
「彼の常に粛々と仕事に取り組む姿勢は評価されている」
-
「自らのミスを挽回する為に、彼は粛々と仕事をこなしている」
-
「彼は新たな研究成果を出す為に、粛々と研究を重ねている」
3.「粛々と」は上から目線なの?
「粛々と」は上から目線の言葉ではありません。
「粛々と」は政治家が有耶無耶な答弁をする際に使うなど、ネガティブなシーンで使われる事が多いため、上から目線という印象を持つ人が少なく無いのです。
「粛々と」の意味は「厳かに、強い意志を持って取り組む」であり、上から目線の意味はありません。
ただし、「粛々と」を使う際は過剰に反応する方もいるので、シーンに応じて別の表現を使い分けるのが賢明です。
4.「粛々と」に似た表現
「粛々と」は会議や結婚式などの厳かな雰囲気を表す際に使われる表現です。
ここでは、ニュアンスの違いがある「粛々と」に似た表現を紹介します。
-
淡々と
-
静粛に
-
厳粛に
-
しめやかに
ひとつずつ意味と違いを詳しく説明します。
4-1.淡々と
「粛々と」に似た表現として頻繁に使われるのが「淡々と」です。
以下の例文の様な形で使われます。
彼はいつも淡々と仕事をしている
「粛々と」と「淡々と」には微妙なニュアンスの違いがあるのでチェックしましょう。
「粛々と」は強い意志を持って行うのに対して、「淡々と」はこだわりなくあっさりと行う意味があります。
「粛々と」は強い意志を持っているのに対して、「淡々と」は熱意を持っていない印象を与えてしまうので、使用するシーンに応じて使い分けましょう。
4-2.静粛に
「静粛に」は静かに慎んでいるさまを表す言葉です。
以下の例文の様な形で使われます。
「皆さま、静粛に願います」
「粛々と」と全く同じ意味を持ちますが、主に静かにして欲しい際などに使われます。
裁判や会議で場内が騒がしくなった際などに使われる事が多い表現です。
4-3.厳粛に
「厳粛に」は厳しく厳かなさま、真剣なさまを表す言葉です。
厳かなさまの意味を持つ「粛々と」と同じ意味を持ちます。
以下の例文の様な形で使われます。
「ユーザーからの指摘を厳粛に受け止める必要がある」
「粛々と」にはひっそりと静かにという意味が含まれますが、「厳粛に」には含まれません。
物事を厳しく受け止めなければならない状態の際に「厳粛に」を用います。
4-4.しめやかに
「しめやかに」はひっそりと静かなさま、しんみりとしているさまを表す言葉です。
以下の例文の様な形で使われます。
「しめやかに葬儀が執り行われました」
ひっそりと静かなさまは「粛々と」と同じ意味ですが、ニュアンスが異なります。
「粛々と」は厳かに、強い意志をもって行われるのに対して、「しめやかに」は しんみりとした状況で行われる表現です。
5.「粛々と」の対義語
「粛々と」を使いこなす上で合わせて押さえておきたいのが対義語です。
「粛々と」の主な対義語は以下の通りです。
-
賑やかな
-
騒々しく
-
かしましい
いずれも「騒がしい、うるさい」と言う意味が含まれた表現です。
まとめ
「粛々と」は 「厳かなさま、ひっそりとしずかなさま」・「強い意志で行うさま」の意味を持つ言葉です。
似た表現の中には相手に与える印象が大きく変わるものもあるので、注意して使い分けて行きましょう。
紹介した内容を踏まえて、日常からビジネスまでぜひ活用してください。