最終更新日:2020/06/29
「叱責」は「失敗などを叱り非難すること」を指します。
「しっせき」と読み、「叱責する/される」「叱責を免れない」などと使われる言葉です。
この記事では「叱責」の意味や使い方、類語や英語表現に加えて、叱責の注意点までご紹介します。
気になる項目をクリック
1.「叱責」の意味・読み方
意味は「失敗などを叱り非難すること」
叱責
読み方:しっせき
意味:失敗などを叱り非難すること
「叱責」は、「失敗などを叱り非難すること」を意味します。
例えば部下が失敗したとき「お前は間違っている!」と部下を怒ると、部下は「あなたに叱責された」と感じるでしょう。
例文
- 先日、自分のミスで上司に厳しく叱責された。
- 父はいつもだらしがないと僕を叱責する。
- 叱責を免れない重大な過ちを犯してしまった。
2.「叱責」と「叱咤」の違い
「叱責」と間違いやすい言葉に「叱咤(しった)」があります。
「叱責」と「叱咤」は、どちらにも「叱(しか)る」という漢字があり、「相手を叱ること」という意味では同じ意味です。
ただし、「叱責」には「相手を非難する(責める)」意味も含まれています。
- 「叱咤」は、「相手を大声で叱りつける」の意(責任は問わない)
- 「叱責」は、「相手を叱り、非難する」の意(責任は相手にあると主張)
このように 「叱咤」には「相手を責める意味は含まない」と覚えておくと良いでしょう。
また、「叱咤」を使った言葉に「叱咤激励」がありますが、「相手を大声で叱り、励ます」という意味を持ちます。
例文
- 叱咤されている同僚の姿は怯えきっていた。
- 仕事で大きなミスをしてへこんでいたところ、上司が叱咤激励してくれた。
3.「叱責」の使い方と例文
「叱責」の正しい使い方と例文を見ていきましょう。
「叱責」は、以下のように使うことが多い言葉です。
以下の記事では、それぞれの言葉の意味と使い方を解説していきます。
叱責する
「叱責する」は、「誰かを叱り、責任は相手にある」と伝えるときに使用されます。
例文
取引先へ間違った商品を送ってしまい、彼は部下をひどく叱責した。
叱責される・叱責を受ける
「叱責される・叱責を受ける」は、「誰かに叱られ、責任は自分にある」と言われた場合に使える言葉です。
例文
厳しい叱責・強い叱責
「厳しい叱責」「強い叱責」は、「かなり強い口調で叱る/叱られた場合」に使用できます。
例文
- 何度も同じ過ちをする新人に、上司はつい厳しい叱責をしてしまった。
- どんなに遅く帰宅したって、娘にそこまで強い叱責は必要ないのではないだろうか。
叱責を免れない
「叱責を免れない」は、「叱られても仕方のない」「自分の責任だと言われて当然である」ことをしてしまったときに使うことが出来ます。
例文
契約成立という大事な場面で、彼女は叱責を免れない大きな失敗を犯してしまった。
4.「叱責」の類語と例文
「叱責」の類語はいくつかあります。
「叱責」との使い分けやニュアンスの違いなど、詳しく解説していきます。
類語1.小言
小言
読み方:こごと
- 不平や文句、苦情のこと「小言を並べる」
- 細かいことをいちいち取り立ててしかること
「小言」は、 「不平・文句・苦情」や「細かいことをいちいち取り立ててしかること」を意味します。
「叱責」と同様に使われるのは、2つ目の叱る意味で使用される場合です。
また、1つ目の苦情などの意味は「叱責」にはありません。
例文
- 家事をしない息子に、母は毎日小言を並べている。(文句の意)
- 私の掃除の仕方に対する姑の小言も、昔と比べて回数が減った。
類語2.説教
説教
読み方:せっきょう
意味:教え導くために、相手に言い聞かせること
「説教」は、 「教え導くために、相手に言い聞かせること」を表します。
「親に説教された」と聞くと、「叱られた」という印象を受け取ってしまいがちですが、正しい意味は「言い聞かせること」となります。
そのため、叱る意である「叱責」とは少しニュアンスの異なる類語ですね。
例文
監督は練習態度の悪い部員を呼び出し、長時間説教を続けた。
5.「叱責」の英語表現と例文
英語で「叱責」を表現する場合、以下の英語を使います。
「叱責」の英語表現は、「何について叱責するか」で英語を使い分けることが可能です。
一般的には「blame」「rebuke」を使う
「blame」は 「非難する、責める、~の責任にする」という意味です。
また、「rebuke」は「~を叱る、叱責する、戒める」の意があり、2つの単語は「叱責」の意味のうち「非難」や「責める」というニュアンスの強い言葉ですね。
例文
- He blamed me strictly without any explanation.
(彼は何の説明もなく、私を厳しく叱責した。) - The girl could not stand her parents scathing rebuke and left the house.
(少女は親の容赦ない叱責に耐えられず、家を出た。)
「check」「reprimand」などは意味で使い分ける
「blame」「rebuke」の他にも、「check」「reprimand」を使うことも出来ます。
それぞれの単語は、「叱責」する内容によって使い分けると良いでしょう。
例文
- The staff lost the receipt and was checked by his boss.
(スタッフは領収書をなくしてしまい、上司に(失敗を)叱責された。) - The boss reprimanded staffs for falsifying the receipt.
(上司はスタッフの領収書のごまかしを(職務違反として)叱責した。)
「reprimand」には、「懲戒・処分」などの意味もあり、職務に反する行為への厳しい叱責に使われることが多い言葉ですね。
【補足】デキる上司の上手に部下を叱る方法
職場では、どうしても部下を叱責しなくてはいけない場合もあります。
また、今は部下がいなくてもいずれ叱責する立場になる人もいるでしょう。
ただし、 誰かを叱るときには「パワハラにならないような叱責」が重要です。
部下の成長を促すような「デキる上司の叱り方」を知りたい方は、以下を読んでみて下さい。
叱責するとパワハラになることも
相手を叱る際、それが「叱責」であるとパワハラと相手に感じさせてしまう恐れがあります。
【パワハラになってしまう叱責】
- 自分の立場を利用し、反論させない(「いつでも辞めさせてやる」など)
- 相手に危害を加える(暴力行為など)
- 人格を否定する(「お前は使えない」「頭が悪いからだ」など)
【部下をうまく叱るコツ】
- 感情的にならず、事実だけを述べる
- 相手を責めずに一緒に考える姿勢で伝える
- 出来るだけ端的に伝え、相手の意見も聞く
パワハラと思われてしまう叱責にならないようにするためには、いくら相手に非がある内容であっても「自分だけの責任だ」「私は責められている」と、相手に感じさせないことです。
まとめ
「叱責」は「しっせき」と読み、「失敗などを叱り非難すること」という意味です。
「叱責する/される」「叱責を免れない」と使うことができ、英語では「blame」「rebuke」を使用しましょう。
叱責する立場になったときには、パワハラにならないよう感情的にならない工夫が大切です。