
「所感」とは、 「様々な出来事や見聞きしたこと、または体感や体験したことをについて感じたこと」を意味します。
本記事は「所感」の意味やビジネスシーンでの使い方や書き方など例文を交えてご紹介します。
この記事を読む事で、所感の使い方や書き方、感想や意見との違いを把握でき、そして仕事をスムーズに進めていきましょう。
1.「所感」の意味とは?
1-1.心に感じたこと
所感
読み:しょかん
- 心に感じ思った内容や印象
- 感想と同類語
次に「所感」の各漢字の意味をみていきましょう。
- 「所」:「聖なる戸を斧で守護する」から、その聖なる場所そのものを指す
- 「感」:影響を受けたことで心が変わる
※「聖なる場所」から転じ現在は「場所・ところ」の意味します。
この2文字を繋げ熟語にすると以下の意味になります。
「所感」:影響を受け心が変わったところ
そのため「所感」は「 実際に心に影響受け感じ取った内容や印象」となるのです。
ビジネスにおいては「具体的に何を感じたか?」が求められ、そのモノやコトに対して「実際に何が心に影響受けたか?」を伝えることが、「所感」とされます。
2.「所感」の使い方と書き方
2-1.ビジネスシーンでよく使用される
「所感」はビジネス上で「所感を述べよ」と使われることが多い言葉です。
次の仕事への関連性や進行方向など、今後に繋がる「意見」を求める時に使います。
また、「所感」として意見を述べることで、改善点や反省点を常に意識しながら仕事に従事する手がかりとなり、「自主的な行動」する習慣を身に着けることができるのです。
このように「所感」を述べることで、円滑に仕事を進めることもできます。
2-2.「所感」はできるだけ短くPREP法を意識する
「所感」を書く時は「PREP法」を念頭に置いて文章を構成するといいでしょう。
PREP法とは
PREPに沿った文章構成のひな形(定型書式)の事です。
具体的には、「Point」(結論)・「Reason」(理由)・「Example」(例文)・「Point」(結論)」の順番になります。
「所感」を書く際は、なるべく短く分かりやすく書く事で相手にも伝わりやすくなります。
その際に結論⇒理由⇒具体例⇒結論という形で書く事を意識しましょう。
それでは、例文も併せて見てみましょう。
3.「所感」の例文
「所感」は、ビジネスにおいては主に 以下の4つのシーンで多く求められます。
- 日報
- 出張報告書
- 研修レポート
- スピーチ
「所感」の内容は提出先や目的に沿って変化するので、個々の例文と照らし合わせ解説していきます。
3-1.日報の場合
日報とは「その日1日の作業内容を記載した報告書」です。
日報での「所感」の書き方としてのポイントは、以下の4つがあります。
- 業務内容や結果について深く検証する
- 具体的な解決案や成功要因の解析をする
- 以上のことを踏まえ簡潔に記載する
- 「〇〇であった」「〇〇だと思う」などの感想のみで終始しない。
この4つのポイントに沿った使い方や書き方をする事で、感想ではなく「その日1日の作業内容を記載した報告書」に変化するのです。
例文
本日は外回りを7件周り、契約が2件も取れました。
前持ってのプレゼン資料を数種類準備したことが、結果的に余裕持ったユーザー対応に繋がったと考えます。
今後も事前準備を欠かさず仕事に取り組みます。
その日1日の仕事振り返り改善ポイントや良かったことや、今後に使えるアイディアも記載すると完成度も上がります。
3-2.出張報告書の場合
出張報告書とは「出張先での成果や出張先の業務内容を記載した報告書」です。
報告書に「所感」を書くことで、何のために出張しているかを周知徹底することができます。
出張報告書で「所感」を書く際は、以下の3つのポイントが重要です。
- 実際に携わった内容や事象
- 今回の出張の目的
- 実際に自身に影響受けた事柄(所感)
要点を踏まえた「所感」を記載することで「出張先での成果や出張先の業務内容を記載した報告書」としての精度を高めるます。
例文
C社主催の見本市イベントではブース設営及びサポート担当に従事しました。
今回のイベントは販促品配布が目的でしたが、予想よりも来場者数が多く昼過ぎにはすでに販促物不足状態でした。
途中で販促物追加を想定したブース運営構築必須と考えました。
このように、出張で得られた成果や課題を記載すると、まとまりが良くなります。
3-3.研修レポートの場合
「研修レポート(研修報告書)」とは「研修内容で得たことを書く報告書」です。
社会人であり続けている間は、研修に参加する機会もあるため「研修レポート」を作成する機会は多くあります。
「出張報告書」と構成が似ていますが、研修内容で得たことに沿っている点が違います。
研修レポートでの「所感」を書く際の要点は以下の3点です。
- 何を習得し学んでほしいのか?
- 会社が求めているものは何なのか?
- 実際に自身に感じ取った事柄(所感)
「研修レポート(研修報告書)」で「所感」を書くことで、「研修内容で得たこと」がわかりやすく伝わります。
何を研修での学んだのか、またそれに対して感じ取ったことを記載することでまとまりやすくなります。
3-4.スピーチの場合
スピーチとは「 集まった人々の前で行う話や演説」を言います。
様々なスピーチの場が考えられますが、ビジネスの場で多いのはプレゼンや毎朝の朝礼などです。
朝礼でのスピーチなら、下記の要点や所感を踏まえながら3~4分内で完結できる内容を考えます。
- 前提となる事例事象の説明や報告
- 前提となる事例事象の要因分析と今後の方策(所感)
また、スピーチは2部構成にすることで、簡潔で「集まった人々の前で話す所感」にまとまります。
例文
今回は「業務効率化」をテーマにスピーチさせていただきます。
製造系大手メーカーの多くは、新人スタッフの初期研修の際に5Sを周知徹底する指示や指導しているといいます。
その意図は、「普段からの道具部品など所在在庫確認や状況確認を怠ると、往々にしてトラブル発生時での異常箇所発見が遅くなる。結果的にやり直しがきかないリスクを負ってしまう。」という考えに基づいているようです。
所感を申し上げますと、確認した限りでは整理整頓は図られているように見えます。
しかし、先の「異常箇所の早期発見」の観点で整理整頓をしたのではないことに気づかされました。
本日只今よりその観点で、5S活動を遂行していきます。
「所感を申し上げますと~」をいれることで、2部構成での「所感」であることがわかります。
4.「所感」の類語
多くの所感の類義語がある中、よく比較されるのがご存じ以下の2つの言葉です。
- 感想
- 考察
それぞれ意味は被りますが、明らかに違う面もあるのです。
4-1.「感想」
「感想」とは「 自分が感じ思ったことやもの」を意味します。
仮に仕事が単調なルーティンワークであっても、日々感じたことや思ったことが少なからずあるはずです。
「自分の意見を述べる」という点では「所感」と同じです。
ただ、「所感」よりは気持ちが含まれた意見になるため、「所感」を述べる部分では「感想」を使うにふさわしくないでしょう。
例文
・映像を視聴後に、是非とも感想をお聞かせ下さいませ。
⇒「映像を視聴後に、自身が感じ思ったことを絶対にお聞かせ下さい。」を意味します。
・あのベストセラー本を熟読し感想をブログにアップする。
⇒「あのベストセラー本を熟読し、自分が感じたことをまとめてブログにアップする。」を意味します。
4-2.「考察」
「考察」とは「物事を明確に提示するため、自分でよく調べながら考え尽くすこと」を意味します。
「自分でよく考える」ので「感じ取った内容や印象」を意味する「所感」とは違います。
「考察」は感じたことを更に掘り下げようとしますが、「所感」は感じた内容や印象そのものであり、使う場面は変わってくるのです。
また「考察」は「自分でよく調べながら考え尽くすこと」なので「考察」した結果の使い方に注意する必要があります。
例文
・現代のサブカルチャーについて考察する。
⇒「現代のサブカルチャーについて調べながらよく考える」を意味します。
・社会問題の現状について深く考察する。
⇒「社会問題の現状についてよく調べながら深く考え尽くす」を意味します。
まとめ
「所感」とは「具体的に心に影響受け感じ取った内容や印象」を意味します。
しかしビジネスでの所感だと、さらに次に繋がる考え方や意見が必要となります。
ビジネスでの「所感」の意味や使い方を把握することで、様々な「所感」をこなせるようになる上に時間ロスもなくなるので、結果的に仕事がスムーズになるのです。
ここは頑張って「所感」作成に慣れた方が得ですよ。