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「憔悴」は、「身心の疲れから、やつれ衰えること」を意味する言葉です。
「憔悴」の読み方は「しょうすい」であり、ニュースで一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
普段聞き慣れている言葉のため、間違った使い方をしていると恥をかくかもしれませんよ。
そこで今回は、「憔悴」の意味・読み方を説明し、使い方や類語も解説していきます。
「憔悴している人」の原因・特徴も紹介しますので、具体的なケースから理解を深めていきましょう。
1.「憔悴」の意味:やつれ衰えること
憔悴
読み:しょうすい
意味:身心の疲れから、やつれ衰えること
「憔悴」は、悲惨な事故に遭った被害者の様子を表現する際に、「憔悴した様子」とよく使用されます。
また、「憔悴」の「悴」は、「卒(そつ)」という漢字から「しょうそつ」と読み間違える可能性がありますが、正しくは「しょうすい」ですので気をつけましょう。
1-1.「憔悴」の語源・由来は「やつれる」
「憔」と「悴」には、どちらも 「憔れる(やつれる)」「悴れる(やつれる)」と読むことができます。
「憔」は、「心臓」と「鳥が炎に居る」の象形文字から成り、「心臓が燃えるほど苦しいこと」から「やつれる」の意味です。
「悴」は、「心臓」と「小さい」の形成文字から成り、「心臓が小さくなるほど苦しいこと」から 「やつれる」を指すのです。
したがって、「憔悴」は「やつれる」の繰り返し表現ですので、「やつれ衰えること」を意味するようになりました。
2.「憔悴」の使い方と例文
「憔悴」は、事故のニュースにおいて、 被害者の様子を説明する際に頻出する表現です。
自分で使うことはなくても、日常的に耳にする言葉ですので、正しい使い方を確認しておきましょう。
「憔悴」の使い方を、以下の3つの表現に分けて説明していきます。
- 憔悴しきる
- 憔悴している
- 憔悴を深める
それぞれの例文を紹介し、使い方を解説していきます。
2-1.「憔悴しきる」
「憔悴しきる」は、「やつれ衰え続けている」を意味する言葉です。
「しきる」は「頻く(しく)」という古語が由来になっており、「頻出(ひんしゅつ)」「頻繁(ひんぱん)」などのように、「し続けている様子」を指します。
<例文>
- 事故の現場では、憔悴しきった様子で救助を待っている人達がいる。
- リストラと離婚が重なったため、彼が憔悴しきるのも無理はない。
2-2.「憔悴している」
「憔悴している」は「憔悴+居る」から成り、 相手の様子や状況を説明する際に使われます。
一般的に、自分の状況を説明する際に適した表現ではないので注意しましょう。
<例文>
- 彼が憔悴しているのは、浮気をしたことが原因らしい。
- サービス残業を要求され、労働者は肉体的にも精神的にも憔悴しているようだった。
2-3.「憔悴を深める」
「憔悴」は、「憔悴を深める」のように名詞として使用することができます。
「深める」には「物事の度合が進む」という意味があるので、「憔悴を深める」は「やつれ・衰えが進行している状況」を表現できます。
<例文>
- 人質を取られた被害者家族は、数日たっても状況が好転せず、憔悴を深めている様子だ。
- 悲惨な事故に加え、当時の天候は悪く、取り残された人たちは憔悴を深めるばかりだ。
続いては、「憔悴している人」の原因・特徴について解説していきます。
3.「憔悴している人」の原因・特徴
悩みや失敗などをきっかけとして、「憔悴している状況」に陥ることは誰にでもあります。
しかし、「憔悴している人」はとても不安定な状況ですので、 励ますつもりが逆に追い詰めてしまうこともあるようです。
そうならないように、前もって「憔悴している人」の原因・特徴を確認しておきましょう。
- 不測の事態に直面し、精神的・肉体的に疲弊している。
- 恋愛・仕事・お金をきっかけに、将来不安を感じている。
- 問題が山積みになり、自力で整理しきれずにいる。
- 最悪の未来を想定し、動けずにいる。
- 責任や罪悪感で、何事にも手がつかなくなっている。
「憔悴している人」は、他者では解決できない問題を抱えていることが多いです。
しかし、コミュニケーションを取ることが「憔悴している状況」から立ち直るための第一歩です。
相談を受けた場合には上記のポイントを意識してみましょう。
4.「憔悴」の類語と例文
「憔悴」は、 相手の状態を説明するために使用されることが多いため、自分の状況を説明するのに向いていません。
また、「憔悴」がやや堅苦しい表現ですので、日常的に使用できる類語も覚えておくと、感情表現の幅が広がりますよ。
「憔悴」の類語は、以下の通りです。
- 疲労困憊(ひろうこんぱい)
- 草臥れる(くたびれる)
- 生気が抜かれる(せいきがぬかれる)
- 精根つきる(せいこんつきる)
- げっそりする
- へとへとになる
- 満身創痍
次に、よく使われる類語の意味と例文をご紹介しますので、参考にしてください。
類語1.「疲労困憊(ひろうこんぱい)」
疲労困憊
読み:ひろうこんぱい
意味:ひどくつかれてくるしむこと。
「疲労」と「困憊」は、どちらも「ひどく疲れていること」を意味するため、「疲労困憊」は、「ひどくつかれていること」を強調する言葉です。
「疲労困憊である」「疲労困憊の様子」などの名詞系以外に、「疲労困憊する」「疲労困憊させる」などの動詞形として使用することもできます。
<例文>
彼は毎日残業しているため、疲労困憊の様子で朝の挨拶をした。
類語2.「草臥れる(くたびれる)」
草臥れる
読み:くたびれる
意味:つかれて、元気がなくなっていること。
「草臥れる」は、「疲れて元気がなくなっていること」を意味する比喩言葉です。
漢字の通り、「草が垂れて、元気がない様子」に由来があり、人の様子を表現する際にも使用することができます。
<例文>
昨日徹夜で勉強したのか、草臥れた様子でテストを受けていた。
続いては、「憔悴」の英語と例文について紹介していきます。
5.「憔悴」の英語表現と例文
「憔悴」は以下の英語で言い表すことができます。
- exhausted(つかれはてる)
- worn(すり減らす、つかれはてる)
どちらも人の状態を表現するために、他動詞を過去分詞化して使用しているので注意してください。
それぞれについて、例文と合わせて解説していきます。
英語1.「exhausted」
「exhausted」は、「使い果たす」を意味する「exhaust」を過去分詞化した英語です。
「be動詞+exhausted」と使用することで、主語の状況や様子を説明することができます。
<例文>
I was exhausted with summer homework.(夏休みの宿題で疲れ果ててしまった。)
英語2.「worn」
「worn」は、「着用する」を意味する「wear」を過去分詞化した英語です。
そのため、元々は「(モノを)すり減らす」という意味がありますが、人間を主語にする場合は「つかれはてる」と訳されます。
<例文>
He was worn with anxietey from his business.(彼は仕事の不安から疲れ果てていた。)
まとめ
「憔悴」は、「身心の疲れから、やつれ衰えること」を意味する言葉です。
そのため、自分の状態を表現する言葉ではなく、相手の様子を表現する言葉としてよく用いられます。
事故のニュースなどでよく使われる言葉ですので、社会人の常識として正しく読みとりましょう。