
「取り急ぎご報告まで」という言葉は、ビジネスメールなどでよく使われます。
緊急時に重要事項を報告する場合に便利な言葉ですが、 使い方には注意が必要です。
正しい使い方を知らないと、失礼になってしまうことも少なくありません。
そこで、本記事では「取り急ぎご報告まで」の正しい使い方や、目上の人にも使える言い換え方を解説します。
正しい使い方を把握し、ビジネスシーンで使用しましょう。
1.「取り急ぎご報告まで」の意味
1‐1.意味は「急いで重要事項のみ報告すること」
緊急時に挨拶や詳細を省き、重要事項のみを伝える場合によく使用されます。
2.「取り急ぎご報告まで」の使い方と例文
ビジネスメールでもよく目にする「取り急ぎご報告まで」ですが、 使用にはいくつかの注意点があります。
しっかりと注意点を踏まえた上で、正しい使い方を身につけましょう。
2‐1.「取り急ぎ報告まで」は急用がある時に使う
「取り急ぎご報告まで」は、おもに急用がある時に使用する言葉です。
忙しくて詳細を返信できない際に「 とりあえず重要事項は把握した」という意味でも使用されます。
<例文>
- 先日お伝えしていた書類ですが、明日午前までに提出いたします。取り急ぎご報告まで。
- 明日のミーティングの件、了解しました。取り急ぎご報告まで。
上記のように、メールでは文の最後に使用されることが多いです。
また、基本的に緊急性のない場合には使用しません。
重要事項を急いで伝えることが目的なので、時候の挨拶なども省略します。
2‐2.「取り急ぎ報告まで」を使う場合は後で詳細を連絡する
「取り急ぎご報告まで」という言葉は、後で詳細を連絡することを前提として使用します。
最初に 緊急性のある重要事項のみを伝え、後から送るメールで詳細を伝えましょう。
明日、ミーティング時間が午後から午前中に変更になりそうです。
取り急ぎご報告まで。
ミーティングの件、承知いたしました。
先ほどお伝えした明日のミーティングの件ですが、11時に変更になりました。
場所に変更はないので、よろしくお願いいたします。
また、最初に送るメールに必要事項を記載していない場合は「追って詳細をご連絡します」という言葉を添えると親切です。
2‐3.「取り急ぎ報告まで」は目上の人へ使う表現として適さない
「取り急ぎご報告まで」は、「ご報告いたします」という文末を省略した言葉です。
敬語を簡略化しているため「失礼にあたる」「マナーがない」と思われてしまう可能性があります。
上司や取引先の人に使用しないよう、注意しましょう。
「取り急ぎご報告まで」は、親しい同僚や後輩に対してのみ使用することをおすすめします。
3.「取り急ぎ報告まで」の類語・言い換え表現
「取り急ぎご報告まで」は便利な言葉ですが、目上の人に対して使用すると失礼になってしまいます。
ここでは、 目上の人に対しても使用できる言い換え表現を紹介します。
類語1.「取り急ぎご報告申し上げます」
「取り急ぎご報告まで」を 簡略化せずに表現した場合、「取り急ぎご報告申し上げます」となります。
「申し上げます」の部分は、「いたします」「させていただきます」と言い換えても構いません。
<例文>
- 本日、契約書を受領いたしました。取り急ぎご報告申し上げます。
- メールを確かに受け取りました。取り急ぎご報告いたします。
類語2.「まずはご連絡のみにて失礼いたします」
「取り急ぎ」という言葉を使いたくない場合は、「まずは」という表現に変えることも可能です。
「まずは」という表現に変えることで、雑な感じがなくなり丁寧な印象となります。
また「失礼いたします」という言葉を付け足すことで、目上の人に対してより敬意を表すことができますよ。
なお、「ご連絡」の部分は「ご報告」のままで使用しても構いません。
<例文>
- 本日午前中にお品物を受け取りました。まずはご連絡のみにて失礼いたします。
- 会食の日時ですが、〇月〇日に決定いたしました。まずはご報告のみにて失礼いたします。
言い換えて使用する場合も、文末に使用することが基本です。
伝えたい内容を記載した後に「取り急ぎご報告まで申し上げます」「まずはご連絡のみにて失礼いたします」を使用しましょう。
4.「取り急ぎ報告まで」の英語表現
「取り急ぎご報告まで」は 英語で表現することも可能です。
複数の表現方法を知り、臨機応変に使用しましょう。
英語1.「I just want to~」
英語圏でよく使用される表現が「I just want to~」です。
「~」の部分には、相手に伝える内容を入れます。
また、この表現は文末ではなく文頭で使用するので注意しましょう。
<例文>
- I just want to let you know I confirmed about the meeting.
(会議について確認しました。)
- I just want to let you know I understood about the schedule for tomorrow.
(明日の予定について了解しました。)
英語2.「Just a quick note~」
「取り急ぎ」をストレートに訳す場合は「Just a quick note~」を使用します。
カジュアルな表現なので、社内の人や親しい間柄の人に使用しましょう。
<例文>
- This is just a quick note.
(取り急ぎご連絡まで。)
- Just a quick note in reply to your mail.
(取り急ぎお返事します。)
まとめ
「取り急ぎご報告まで」は、急いでいるときに便利な言葉ですが 使い方には十分注意が必要です。
目上の人に対しては、使用を控えるか丁寧な言葉に言い換える必要があります。
メールを送信する相手に合わせて、臨機応変に表現を変えましょう。
ぜひ本記事を参考に、ビジネスシーンで「取り急ぎご報告まで」を使用してみてくださいね。