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「伺います」とは「うかがいます」と読み、「聞く・尋ねる・訪問する」を意味する敬語表現です。
仕事でよく使う表現ですが、正しい使い方や「参ります」との違いがわからない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「伺います」の意味や正しい使い方、「参ります」との違いや例文・類語についても解説します。
口頭や文書などあらゆるビジネスシーンで使う言葉なので、正しい意味や使い方を理解しておきましょう。
1.「伺います」の意味
意味は「聞く・尋ねる・訪問する」を表す敬語表現
「伺う」は、「聞く・尋ねる(質問する)・訪ねる(訪問する)」の謙譲語です。
伺う
読み:うかがう
意味:目上の人の様子をうかがいみる意から、その動作の相手を敬う謙譲語となる
「聞く」の謙譲語。拝聴する。お聞きする。
「尋ねる」「問う」の謙譲語。
「訪れる」「訪問する」の謙譲語。
(参考:weblio辞書)
「伺う」には3つの言葉の意味があるため、使い分けが難しいと感じる人も多いでしょう。
しかし、逆に考えると活用の幅が広い言葉なので、さまざまなケースに使いやすい言葉です。
2.「伺います」の間違った使い方|二重敬語のNG例
ビジネスシーンで「伺います」を使用することは多いと思いますが、間違った使い方には気をつけましょう。
二重敬語は意外と使ってしまうケースが多い使い方なので、ここでしっかりと確認しておいてください。
NG例①「お伺いします」
「伺います」をより丁寧にした「お伺いします」は、よく使われる敬語表現です。
しかし、二重敬語のため厳密には間違った使い方といえるでしょう。
「接頭語「お」に、「する」の丁寧語「します」が組み合わさっているため、これだけで敬語表現になります。
これに加えて「伺う」という謙譲語も混ざっているため、二重敬語です。
ただし、 現在は広く一般的に用いられており、使用しても問題ありません。
NG例②「お伺いいたします」
「お伺いいたします」もよく使われる表現ですが、やはり二重敬語のため間違った使い方です。
「する」の謙譲語である「いたす」と、「伺う」という謙譲語が同時に使われているため、二重敬語です。
ビジネスの場で用いられることも多いですが、過度な敬語となるので使用しないほうが良いでしょう。
NG例③「お伺いさせていただきます」
「お伺いさせていただきます」も、二重敬語のため間違った使い方です。
相手に対し許可を求める時や、相手の恩恵を受けるときに用いる「させていただく」という表現と、「伺う」という謙譲語を使っているため二重敬語です。
また、過度な敬語として「させていただく」を多用するケースが最近は増えているため、使うのは避けたほうが良いでしょう。
3.「伺います」の正しい使い方と例文
「伺います」を使った例文をご紹介します。
「聞く」を意味するケース、「尋ねる・訪問する」を意味するケースに分けて見ていきましょう。
実際に使えるメールの例文も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
「聞く」を意味する「伺います」の例文
以下は、「聞く」を意味する「伺います」を使った例文です。
<例文>
- 不明点があるので、担当の○○様に伺いたい(お伺いしたい)です。
以下は、「聞く」を意味する「伺います」のメール例文です。
「伺いたい」が正しい使い方ですが、一般的に使われることが多い「お伺いしたい」も例文に入れておきました。
<例文>
件名:企画提案の打ち合わせについて
◯◯株式会社◯◯様
いつもお世話になっております。
△△株式会社の田中でございます。
大変お忙しいなか恐縮ではございますが、来週月曜に予定しております
「御社との協業商品の企画提案」につきまして、事前に打ち合わせを
させていただきたく存じます。
特に企画書9ページに記載されている内容につきまして、
疑問点がいくつかありますので伺いたい(お伺いしたい)と考えております。
大変恐縮ではございますが、明日午後14時より、テレビ電話にて
打ち合わせをさせていただいてもよろしいでしょうか。
ご検討いただけますと幸いでございます。
今後とも、何卒よろしくお願いいたします。
「尋ねる・訪問する」を意味する「伺います」の例文
以下は「尋ねる・訪問する」を意味する「伺います」を使った例文です。
<例文>
- 13時に伺いますので、ご自宅でお待ちください。
- これから打ち合わせに伺ってもよろしいでしょうか?
- 積雪で電車がストップしたため、会食に伺うことができません。
以下が「尋ねる・訪問する」を意味する「伺います」のメール例文です。
「伺います」が正しい使い方ですが、一般的に使われることが多い「お伺いします」も例文に入れておきました。
<例文>
件名:取材開始時間に関するご連絡
◯◯株式会社◯◯様
いつもお世話になっております。
△△株式会社△△でございます。
本日の御社への取材時間についてですが、事前の予定通り、
16時より開始させていただきたく存じます。
インタビュアーおよび弊社スタッフは2名となり、
15時45分ごろ伺います(お伺いします)ので、よろしくお願いいたします。
その他、ご質問がございましたら、お気軽にご連絡ください。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
4.「伺います」と「参ります」の意味の違いは?
「伺います」と似た表現に「参ります」があります。
「参ります」と「伺います」はどちらも謙譲語ですが、敬意を示す対象者が異なります。
正しい意味を理解して、誤った使い方をしないように注意しましょう。
「参ります」の意味
「参ります」という言葉には、「行く・来る・負ける・降参する・困る・参拝する」など、複数の意味があります(参考:weblio辞書)。
ただし、「伺います」のように「聞く・尋ねる」の意味はありません。
「伺います」と「参ります」は混同しやすい言葉ですが、意味が異なるため使い方も異なります。
敬意を払う対象がいない場合は「参ります」を使う
「参ります」も「伺います」と同じく敬語の謙譲語にあたりますが、伝える相手のもとに「行く」のかそうでないかによって使い分けをします。
特定の敬意を払う対象のもとに「行く」場合は「伺います」を使います。
しかし、 相手のもとに「行く」わけではなく、話を聞いている人に敬意を払う場合には、行先に敬意を払う必要がないため「参ります」を使います。
以下に「参ります」の正しい使い方と、間違った使い方の例文を紹介します。
<例文>
- ◯:明日は直接お客様のところに伺いますので、午前中は社内におりません。
- ◯:私は西区に参りますので、田中さんは東区をお願いします。
- ×:少し電車が遅延しているようなので、19時ごろそちらに参ります。
→◯:伺います - ×:福岡のお土産「博多通りもん」を持って、御社に参ります。
→◯:伺います
5.「伺います」の類語と例文
「伺います」の類語を知っておくことで、シーンに合わせた幅広い表現ができます。
「伺います」の類語は、以下の3つです。
例文と合わせて類語をご紹介します。
類語1.お聞きする
お聞きする
読み:おききする
意味:「聞く」の謙譲語
「お聞きする」は「聞く」の謙譲語です。
「伺います」と意味は同じですが、この場合は「聞く」という意味しか含まれていません。
謙譲語であるため、あくまで自分の行動に対して用いられます。
以下が「お聞きする」を使った例文です。
<例文>
- 来週開かれる予算会議の内容についてお聞きしたいことがあります。
- プロジェクトの不明点をあらかじめ担当者にお聞きしておきます。
類語2.拝聴する
拝聴する
読み:はいちょうする
意味:「聴く」の謙譲語
「拝聴する」は「聴く」の謙譲語です。
「聴く」は注意深く、あるいは自ら進んで耳を傾ける際に用いられます。
こちらも謙譲語であるため、自分の行動に対して使われます。
以下が「拝聴する」を使った例文です。
<例文>
- 昨日、◯◯さんの貴重な講演を拝聴することができ、大変勉強になりました。
- 日本フィルハーモニー交響楽団の音楽を拝聴することができ、感無量である。
類語3.お尋ねする
お尋ねする
読み:おたずねする
- 「人や物を探し求める」を意味する謙譲語
- 「物事を明らかにするために調べる」を意味する謙譲語
- 「人に質問する」を意味する謙譲語
「お尋ねする」は「人や物を探し求める」「分からないことを調べたり考えたりする」「人に質問する」の意味をもつ謙譲語です。
「伺います」の類語としては、「人に質問する」の意味で使用されることが多いです。
こちらも謙譲語であるため、自分の行動に対して使われます。
以下が「お尋ねする」を使った例文です。
<例文>
- 道に迷ったので、駅までの道順をお尋ねする。
- 事業計画書の不明点についてお尋ねします。
まとめ
「伺います」は、「聞く・尋ねる・訪問する」の謙譲語です。
二重敬語である「お伺いします」「お伺いいたします」「お伺いさせていただきます」は誤用ですが、「お伺いします」は一般的に使用しても問題はありません。
ただし、「お伺いいたします」「お伺いさせていただきます」は過度な敬語表現になるため、ビジネスシーンでの使用は控えましょう。
また、行先に敬意を払う必要がない場合には、「行く」という意味の「参ります」も使うことができます。
「伺います」はビジネスシーンで頻繁に使われる言葉のため、きちんと理解して正しく使いましょう。