最終更新日:2021/01/06
優良企業の一つである銀行ですが、若手を中心に退職者が相次いでいます。
この記事をご覧になった皆さんも、「銀行の退職を決意した」という方が多いのではないでしょうか?
しかし「どのように上司に伝えれば良いのか」「適切なタイミングはいつなのか」等、疑問が生じているでしょう。
そこでこの記事では「銀行の転職・退職事情」「銀行をスムーズに退職できる方法」を解説します。
銀行からの退職を決意した方の背中を押す内容になっているので、ぜひ参考にしてください。
仕事の悩みや将来への不安を、ずるずる伸ばしてはいないでしょうか?
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1.銀行の転職・退職事情
少し前までの銀行は「就職できれば一生安泰」と言われてきましたが、現在は退職者が増えています。
まずは銀行の転職・退職事情を解説します。
なぜ辞めていくのか理由を知れば、より今の環境へ留まることへの危機感が芽生え「今すぐ行動を起こそう」と思えるようになるので、ぜひご一読ください。
地方銀行で若手の退職が相次いでいる
特に地方で一番の優良企業は大手地銀と考える方は少なくありません。
しかし優良企業と思われてきた地銀に今異変が起きているのです。
事実新卒3年以内の離職率が20パーセントを超えている地銀もあります。
(参考:転職先はLINE、メルカリ、ヤフー…「地銀の雄」からも20代の離職者続出。現場仕事に絶望|BUSINESS INSIDER)
参考記事では「地銀の雄」である静岡銀行を例に出し、大手地銀の新入行員の3年以内退職率が以前とは比較にならないほど高まっているとしています。
ではなぜ、新入行員は3年以内に銀行を辞めてしまうのでしょうか。
次にその理由を解説します。
2.銀行の退職を決めた理由
銀行からの退職を決める理由は下記5つのどれかに当てはまるケースが多いです。
銀行から退職を決めた5つの理由
理由1.チャレンジできない環境だから
先の参考記事でも記されていましたが、「チャレンジできない環境だから」というのが1つ目の理由です。
「地域のために働きたい」という理由で地銀に入行する人は少なくありません。
しかし、実際に入行すると以下のような状況に直面します。
- 本当に資金繰りに困っている企業に融資することができない
- 地域のためとは関係ない商品を売ることをノルマにされている
- 既存の規則を守ることが重要視されている
入行後、上記のような実情を知り、このままでは「地域のために働くというチャレンジはできないな」と考え、退職を決意する方は多いです。
理由2.上司の叱責に耐えられないから
2つ目の理由は「上司の叱責に耐えられないから」です。
銀行は縦社会で体育会系の会社が多いため、ノルマに対して厳しいところが多いです。
例えば下記記事では、ノルマを達成できない行員に対して厳しい叱責をする銀行の実態を記しています。
「毎月、月末近くになってノルマが出来ていないと応接室に呼び出されて『バカヤロー』と、机を蹴ったり、テーブルをたたいたり、1時間、2時間と永遠に続く。給料返せなどと、怒鳴られる」
「ノルマが出来ないと夜の10時過ぎても帰れない。残業代など支払われるはずがない」
「もともとの目標自体が非現実的な数字になっているにもかかわらず週刻みのラップ目標に達していないと、毎日のように追いかけられ会議では罵倒される」
上記記事のスルガ銀行の例は極端かもしれません。
しかしパワハラともとれるような叱責をする銀行があるのは事実です。
厳しいノルマとノルマ未達時の叱責に耐えられず退職を決意する方は多いといえます。
理由3.お客様のためと思えない商品を売りたくないから
3つ目の理由は「お客様の利益にならない商品を売りたくないから」です。
この「お客様のためと思えない商品」とは、主にお客様を損させてしまう可能性の高い投資信託のことです。
QUICK資産運用研究所の調査によると、投資信託を運用している顧客の5割は運用損益がマイナスとなっています。(参考:2020年の投信運用、半分近くが損益マイナス|日本経済新聞 2020年12年29日)
投資信託を購入した顧客の半数が損をしていますが、銀行は投資信託を販売した際に得られる手数料を収益の柱の1つにしています。
ですから、銀行の利益のためにお客様が損する可能性が高い投資信託でも販売しなければなりません。
こうした状況に嫌気が差し、多くの銀行員は退職を決意します。
理由4.休日も休めないから
銀行は以下の理由により、休日も休めない場合が少なくありません。
貴重な休日にこれらをやらなければならないため「銀行員は全然休めないな」と考え、退職を決意する方は多いです。
①資格の勉強
入行して数年間は、とにかく取得しなければならない資格が多いです。
特に下記の資格は取得しないと業務上差し支えるので必ず取得しなければなりません。
証券外務員
外務員資格を保持している場合のみ、金融商品の販売が認められています。
(参考:外務員資格、外務員登録|日本証券業協会)
生命保険募集人
生命保険協会が実施している試験の一般過程に合格し金融庁に登録すると、生命保険募集人として生命保険の募集が行えるようになります。
(参考:保険市場用語集|保険市場)
損害保険募集人
日本損害保険協会が実施している損保一般試験に合格すると、損害保険募集人として損害保険の募集が行えるようになります。
(参考:日本損害保険協会|損保代理店試験)
上記資格を取得していないと、そもそも仕事になりませんし、試験に落ちると上司から叱責もされます。
そのため、休日も休まずに資格の勉強に時間を充てるので、休めないという方は多いです。
②ボランティア活動
特に営業職の方は地元の方に顔と名前を覚えてもらうのも仕事の内と言われ、地域のお祭りや清掃活動などに半ば強制的に参加させられます。
それも定期的に開催されるので、休日と言えど休める日は少ないです。
理由5.業務量と給料が見合っていないから
5つ目の理由は「業務量と給料が見合っていないから」です。
特に役職が付くまでは給料が低いことが多く、「こんなに仕事しているのに給料は少ない」と退職を考える方は多いです。
例えば、大手地銀、総合職の新卒給料は20万円前後に設定されていることが一般的と言えます。(参考:株式会社新生銀行|リクナビ)
それなのに営業職であれば、ノルマ達成のため日中はお客様に商品の提案を行い契約を獲得し、行内に戻ってからは、一日の締め処理を行わなければなりません。
この締め処理がとても大変で伝票締め一つとっても、ルールが細かく決められており、少しでもルール通りに処理されていないと、叱責を受けます。
ですから、特に新卒の場合は給料と業務量が見合っていないと考え、退職を決意する方は多いです。
3.おすすめの銀行を退職するまでの流れ
銀行を退職すると決め、いざ行動しようと思っても「どう行動したらいいか分からない」という方は多いのではないでしょうか。
そこで筆者が考える、おすすめの銀行を退職するまでの流れを解説します。
何から始めていいか迷っている方はぜひ参考にしてください。
おすすめの銀行を退職するまでの流れ
ステップ1.退職時期を決める
退職を決意したときに、最初にすることは「退職時期を決める」ことです。
なぜなら、退職時期を決めることで、いつまでに何をやらなければならないかを逆算できるようになるからです。
例えば、12月末に退職する場合を考えてみましょう。
- 8月~10月:転職活動をする(3ヶ月)
- 11月:退職の意思を伝える
- 11月~12月:引継ぎ業務(2ヵ月)
- 12月末:退職
転職活動や引継ぎ業務の期間は一例ですが、余裕を持って退職したいのであれば、5ヶ月以上前から動き出すのをおすすめします。
退職を決意するといきなり転職活動を始める方が多いですが、期限を決めておかないとダラダラと活動を続け、長引いてしまう恐れがあります。
ステップ2.転職活動をする
退職したい時期を決めたら、次は転職活動を始めましょう。
ただ転職活動と言っても「何をしていいか分からない」という方は、転職エージェントに登録するのがおすすめです。
なぜなら、転職エージェントはあなたの転職活動をあらゆる面でサポートしてくれる存在だからです。
例えば下記のようなサポートをしてくれます。
- 希望に沿った案件紹介
- 書類作成のサポート
- 面接のサポート(面接官の特徴や聞かれやすい質問等)
- 面接日時の設定
- 入社する際の条件交渉
これだけのことを無料で行ってくれるので、利用しない手はありません。
ただ注意が必要なのは、自分にあったエージェントを使わないと望んだサポートを受けにくです。
そうは言っても「私に合う転職エージェントなんて分からない」という方もいると思うので、銀行員に適した転職エージェントを3社紹介します。
どこのエージェントを利用したらいいか迷っている方はぜひ参考にしてください。
年収UPを目指すならJACリクルートメント
(引用:JACリクルートメント)
JACリクルートメントは一部上場企業の㈱ジェイエイシーリクルートメントが運営する転職エージェントです。
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- 年収UPやキャリアUPしたい
- 実績や経歴に自信がある
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JACリクルートメントはすべての求職者に案件を紹介する訳ではありません。
人によっては「紹介できる案件はありません」と断られることもありますが、その分紹介される求人は魅力的なものが多いです。
自分のキャリアに自信があり、ハイキャリア転職を目指したいなら、JACリクルートメントは非常におすすめです。
運営会社 | 株式会社ジェイエイシーリクルートメント |
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詳しい解説は以下を確認してください。 「登録前に確認!JACリクルートメントの悪い評判と登録前の全注意点」 |
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豊富な案件から転職先を決めたいならリクルートエージェント
(引用:リクルートエージェント)
リクルートエージェントは人材大手のリクルートキャリアが運営する転職エージェントです。
公式サイトによれば転職支援実績No.1とのデータもあり、信頼できる転職エージェントの1つと言えます。
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ステップ3.退職の意思を伝える
転職先が決まったら、職場に退職の意思を伝えましょう。
ただ伝える際のポイントが分かっていないと、円満退職できなくなる可能性があります。
そこでここでは円満に退職するためのポイントを3つ紹介します。
円満に退職するためのポイント
退職の意思は直属の上司に伝える
1つ目のポイントは「直属の上司に伝える」です。
「他の上司や人事部からあなたの退職の話が、直属の上司に伝わった」という状況にはしないでください。
上記の状況は上司のメンツを潰します。
そうなると、退職まで働きづらくなったり、有給取得がしづらくなったりする恐れがあります。
円満退職したいなら、退職の意思は直属の上司に伝えるようにしましょう。
退職の話は遅くても1ヶ月前には伝える
2つ目のポイントは「遅くても1ヶ月前には伝える」です。
遅くても1ヶ月前なので、可能であれば2ヶ月前が望ましいと言えます。
なぜなら、退職が決まると会社もあなたもやらなければならないことが多いからです。
- 退職日の交渉
- 有休消化の日程の調整
- 業務の引継ぎ
- 代わりの従業員を雇うための採用活動
上記のことをやらなければならないので、退職を伝えるのは早ければ早いほど好ましいと言えます。
あまりギリギリのタイミングで伝えると、「希望日通りの退職」「残った有休の取得」等ができなくなる可能性があります。
ですので、退職の意思は、遅くても1ヶ月前には伝えるようにしましょう。
「辞めます」と決意の固さが分かるように伝える
3つ目のポイントは『「辞めます」と決意が固いと分かるように伝える』です。
なぜなら「辞めようか迷っています」のような曖昧な伝え方をすると、「引き富めれば退職を思いとどまってくれるかも」と思われる恐れがあるからです。
退職する決意が固まっていることはっきりと断言し、上司に「引き留める余地はない」と思われる伝え方をしましょう。
ステップ4.引継ぎ業務を行う
退職の意思を伝えたら、最後に行うのは引継ぎ業務。
引継ぎ業務を行う上でのポイントは下記3つです。
引継ぎ業務のポイント
担当した業務は必ず区切りをつける
1つ目のポイントは「担当した業務は必ず区切りをつける」です。
区切りをつけるというのは、その業務を完了させる、または切りのいいところまで進めることです。
区切りをつけていれば、「〇〇まで終わらせたので続きは□□からお願いします」というように、後任者への引継ぎをスムーズに行えます。
しかし区切りがついていないと、引継ぎ業務がスムーズに終わらないだけでなく後任者への負担が増えてしまいます。
そのためあなたが担当していた業務は必ず区切りをつけましょう。
引継ぎ内容は文章で残す
2つ目のポイントは「引継ぎ内容は文章で残す」です。
なぜなら、文章で残しておけば後任者が後から内容の確認ができるからです。
間違っても、口頭だけで引継ぎを終わらせるのは止めましょう。
文章で引継ぎ内容を残していれば、あなたが退職してからも後任者は引継ぎ内容を確認でき、トラブルを防ぎやすいです。
仮に文章で残しておらずトラブルになったら、あなた宛てに連絡が来て、再度引継ぎ内容の説明を求められる可能性があります。
そのような事態は避けたいはずなので、引継ぎ内容は文章で残すようにしましょう。
退職日の3日前までには引継ぎを終わらせる
3つ目のポイントは「退職日の3日前までには引継ぎを終わらせる」です。
なぜなら、引継ぎを3日前に終わらせるスケジュールであれば、直前にトラブルが起きても対応できるからです。
また3日前に終わらせる予定を組んでいれば、仮に予定が遅れた場合でも残りの日数で軌道修正できるでしょう。
余裕を持った引継ぎを行うためにも、退職日の3日前までには引継ぎを終わらせるようにしましょう。
4.銀行員の経験を活かせる転職先
銀行を退職すると決めたときの一番の不安は、「どんな企業に転職できるのかな」ではないでしょうか。
そこで筆者が考える、銀行員の経験を活かせる転職先を3つ紹介します。
「銀行員からどんな会社に転職できるんだろう」と不安を感じている方はぜひ参考にしてください。
銀行員の経験を活かせる転職先
実績や自信があるなら「保険会社」や「証券会社」
保険や投資信託の販売成績が優秀だった方やその実績に自信を持っている方は、「保険会社」「証券会社」への転職がおすすめです。
なぜなら転職先で銀行員時代の成績以上の結果が残せるのであれば、収入がUPする可能性が高いからです。
特に外資系の保険会社であれば、完全歩合制にはなりますが、頑張り次第で年収が1,000万円を超える場合もあります。
その根拠に、dodaに寄せられた以下の損害保険会社の求人例では年収1,000万円越えも可能と記載されています。
今までの実績や経歴に自信があるなら「保険会社」「証券会社」がおすすめです。
勤勉さを活かしたいなら「公務員」
勤勉さを活かしたいなら「公務員」がおすすめです。
銀行員は資格を取得するために常に資格勉強をしなければなりません。
そのため日頃から勉強する習慣が身に付いている方も多いと思います。
公務員になるためには、公務員試験の勉強が必須になるので、勉強する習慣が活きてくるはずです。
ですので、自身の勤勉さを活かして試験勉強できる方には「公務員」をおすすめします。
人脈を活かしたいなら「得意先」への転職も一案
銀行員時代の人脈を活かすなら「得意先」への転職も一案です。
仕事上で日頃から経営者と接しているという銀行員は多いでしょう。
日頃接している経営者から「うちの会社に転職しない?」と誘われた経験のある方もいるのではないでしょうか。
なぜ経営者があなたを誘うかというと、あなたを評価しているからです。
- 銀行員としての仕事ぶりを見て一緒に働きたいと思った
- 銀行員としてのスキルや経験を持ったあなたが自社に欲しい
経営者は上記のように考えて、「自社に転職して欲しい」とあなたを誘っています。
「うちで働かないか」と誘われた場合は、その会社で本当に働きたいと思うのであれば、得意先へ転職するのもおすすめです。
まとめ
銀行からの退職を決意したら下記のことを行ってみてください。
- 退職したい時期を決める
- 転職エージェントを活用し、在職中に転職活動をする
- 退職の意思を伝える
- 引継ぎ業務を行う
退職を決めたからといって、衝動的な行動をするのは避けましょう。
衝動的に辞めてしまうと、「やっぱり辞めなきゃよかった」と後悔する可能性が高くなります。
そうならないためにも、この記事を参考に、計画的に退職の準備を進めてください。
またおすすめのエージェントは、JACリクルートメント、リクルートエージェント、dodaです。
転職エージェントは専任のキャリアアドバイザーがついてくれるので、ぜひ活用してみてください。