最終更新日:2021/02/13
「FPって未経験でも転職できるのかな?」とお悩みではありませんか?
FP(ファイナンシャルプランナー)は金融や経済などの幅広い知識を持ち、お客様の人生設計を提案する仕事です。
相談の際には、個人の資産状況を開示してもらうため、お客様と信頼関係を築かなければいけません。
そのためFPへの転職には、FP資格以外にも様々な経験や知識が必要です。
本記事では、未経験からFPに転職する方法や資格の難易度などをご紹介します。
FPに向いている人の特徴もご紹介しますので、転職成功のために参考にしてみてください。
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1.未経験・30代でもFPへの転職は可能?
30代の転職市場では経験を重視して即戦力を求められがちですが、未経験や30代の人でも、FPに転職することは可能です。
ただし、まったくの未経験では難しく、ある程度のスキルや経験を要します。
転職前に、以下の3つのポイントをチェックしておきましょう。
上記3つに当てはまる人は、FPとして活躍できる可能性が十分にあります。
FPに向いている人を詳しく知りたい人は、「4.FPの仕事に向いている人の特徴」からご覧ください。
では、未経験からFPへの転職が可能な人の条件をご紹介します。
資格取得は必須
未経験からFPに転職するには、まずはFP資格を取得することから始めましょう。
FPになるためには資格取得が必須で、大きく分けて3種類の資格があります。
- ファイナンシャルプランニング技能士(1級~3級)
- AFP
- CFP
「ファイナンシャルプランニング技能士」は国家資格で、1級・2級・3級まであります。
「AFP」は、ファイナンシャルプランニング技能士の2級学科試験に合格後、日本FP協会に登録することで取得できます。
「CFP」は世界共通の国際資格で、FPの資格の中でもっとも難易度が高い資格です。
FP資格について今すぐ詳しく知りたい人は、「2.FP資格の種類と難易度」をご覧ください。
営業経験があるなら未経験でも転職に有利
営業経験がある人は、FPへの転職が有利です。
なぜならFPは、提案営業のスタイルで相談を受ける仕事だからです。
元々営業職に就いていた人ならば、人脈づくりのノウハウもあり、「どのようにすれば顧客をつかめるのか」という実務経験を活かせるでしょう。
人の話を聞きだす話術や、信頼関係を築くために相手の心情を汲み取る感受性など、共感力やコミュニケーション能力もすでに備わっています。
営業職経験者で、FPの資格を持っていれば、未経験でも転職で有利になるでしょう。
営業職で身についたスキルについては、以下の記事でも解説しています。
金融や保険などの業界経験があると有利
FPは、金融や保険業界などで活かせる資格です。
そのため、FP資格がなくても金融や保険などの業界経験のある人は転職で有利になります。
また、金融や保険の資格をすでに持っている人は、転職前にFP資格を取得しておくことをおすすめします。
FP資格は、他の資格とダブル取得することで、転職の選択肢がグンと広がるからです。
金融業界の経験がある人は、どのようなスキルが転職で有利になるのか以下の記事をチェックしてみてください。
2.FP資格の種類と難易度
FPに転職するなら、FP資格を取得していることは必須条件です。
ここでは、FP資格の種類と難易度をご紹介します。
今すぐチェックして、転職前にしっかりと準備しておきましょう。
ファイナンシャル・プランニング技能士(FP技能士)
3級 | 2級 | 1級 | |
---|---|---|---|
試験 科目 |
|
|
|
受験 資格 | 定めなし |
下記いずれか該当する者
|
下記いずれか該当する者
|
合格率 | 50〜70% | 40% | 8〜15% |
難易度 | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
備考 | – |
2級FP技能検定は「AFP」の試験を兼ねている。 合格し、日本FP協会へ登録するだけでAFPの資格も取得できる。 |
「CFP」認定者であること。 「CFP」認定者でない場合、CFPの審査試験6科目全てに合格していること。 ただし有効期限あり。 |
ファイナンシャル・プランニング技能士は、通称「FP技能士」と呼ばれる国家資格です。
とくに有効期限はないため、一度合格すれば資格を保持できます。
FP技能士は3級、2級、1級に分かれていて、それぞれに学科と技能試験があります。
試験は「日本FP協会」と「一般社団法人 金融財政事情研究会」の2団体が実施しており、団体によって実技試験科目が異なります。
受験する場合は、それぞれの公式サイトを確認してみてください。
FP3級は入門レベルの易しい試験であるため難易度が低く、合格率が50~70%と高い確率です。
受験者層は、社会人をはじめ学生や主婦と幅広く、未経験から資格取得を目指すならFP3級からチャレンジするのも良いでしょう。
一方、FP2級は難易度が上がり、10人に4人しか合格できません。
さらにFP1級は、10人に1人しか合格できないほどの難易度です。
FP2級以上を取得すれば転職でも有利になるため、気合を入れて学習しましょう。
FP2級 合格率
下記の表は、2017年から2019年までに実施されたFP2級の合格率を抜粋したものです。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2017年5月 | 12,427人 | 4,483人 | 36.07% |
2018年5月 | 13,278人 | 5,251人 | 39.55% |
2018年9月 | 14,880人 | 5,458人 | 36.68% |
2019年9月 | 16,023人 | 6,955人 | 43.41% |
(参考:ファイナンシャルプランナー2級の合格率|Foresight)
「日本FP協会」「金融財政事情研究会」がそれぞれ主催するFP2級試験は、学科・実技試験ともに合格率は40%を超えることもあります。
FP検定は、受験者数の増減により合格基準が変わることはなく、6割以上の得点を取れれば必ず合格できます。
ちなみに、不動産業界で有名な国家資格である「宅地建物取引士」の合格率は、高いときでも15%前後です。
FP2級は40%ほどの合格率なので、比較的取得しやすい国家資格と言えます。
FP1級 合格率
2019年5月に実施されたFP1級の試験は、受験者数4,893人、合格者数576人で、合格率は11.77%です(参考:一般社団法人 金融財政事情研究会)。
FP1級の合格率は、FP2級の合格率に比べると格段に下がります。
FP1級の取得を目指す人は、独立開業を視野に入れている人が多いため、難易度がさらに高いからです。
また、通信教育や資格取得スクールでは、FP3級と2級のカリキュラムはあるものの、1級には対応していない場合が多いです。
そのため、独学で資格取得を目指すことが予想され、自分自身でモチベーションを維持しながら勉強する必要があります。
FPとしての活躍の場を広げたいという意識の高い人でなければ、合格するのは難しいでしょう。
AFP
AFPとは、「日本FP協会」が認定する登録資格です。
FP2級以上に合格し、「AFP認定研修」を修了すれば登録権利を得ることができます。
国内で幅広く普及しているFPの資格で、2年ごとの資格更新が必要です。
CFP
FP1級は国内でのみ通用する資格なのに対し、CFPは国際資格なので海外でも通用するグローバルな上級資格です。
世界25カ国で導入されていて、「世界が認めるプロフェッショナルFPの証」と言われています。
国内では「NPO法人 日本FP協会」が認定しており、FP資格の中ではもっとも難易度が高い資格です。
受験資格は、AFPに合格していることが条件で、2年ごとの資格更新が必要になります。
3.転職前に知っておきたいFPの仕事内容・年収
FPの仕事は、お客様の生活の現状や将来のプランなどを聞き取り、問題点の解決策や長期的なライフプランの提案をすることです。
この章では、FPについて下記の4つを詳しく解説します。
FPの仕事内容
お客様から相談を受け、個人の資産運用や保険関連の金額、ローンの組み方など、お金に関するアドバイスをするのがFPの仕事です。
一人一人のライフスタイルに合わせて、それぞれに合ったライフプランを的確に提案する必要があります。
FPの仕事内容は、おもに下記の6つです。
- ライフプランの提案・保険などについての計画
- 貯蓄・株式・投資信託などの資産運用
- 納税関連のプラン作成
- 保険関連のプラン作成
- 不動産についてのアドバイス
- 相続についてのアドバイス
FPの働き方
FPとして働く場合、「企業型FP」と「独立型FP」の2種類あります。
それぞれどのように違うのか、働き方について解説します。
「企業型FP」
「企業型FP」は、主に銀行・信用金庫・証券会社・保険会社・クレジット会社などの金融系の企業で社員として働いている人のことです。
日本の現状では、 約9割のFPが「企業型FP」だと言われています。
金融系の企業ではFPの知識が業務に直結するため、資格があると専門知識を活かしてキャリアアップすることも可能です。
企業に属しているFPの大きなメリットは、仕事の依頼や収入面が安定していることです。
「独立型FP」
「独立型FP」は、FP資格を持った個人(または複数人)で開業し、個人事業主(または法人)として事業を行っている人のことです。
ただし、最初から顧客がまったくいないと事業として成り立たないため、企業型FPとして働いていたときの顧客を引っ張ってくる必要があります。
独立後に事業が成り立つことを予測できたタイミングで、独立開業するケースが多いです。
独立型FPは、主に個人のお客様の相談に乗ることが多いため、親身になって相談に乗るスキルが求められます。
信頼関係を築ければ、顧客を紹介してもらえることもあり、口コミで高評価を得ることも可能です。
独立型FPは、幅広い専門知識があることはもちろん、人脈づくりと円滑なコミュニケーションが重要です。
FPの平均年収
FPの平均年収は、およそ300~400万円です。
しかし、働く業界や勤務地などによってFPの年収が大きく異なる場合があります。
下記は4つの業界ごとの平均年収です。
業界名 | 平均年収 | 仕事内容 | 特徴 |
---|---|---|---|
不動産 業界 | 650万円 | 不動産投資・不動産相続・不動産売買のアドバイス | 成約率が上がれば年収も上がり、高年収を狙える |
銀行業界 | 400万 |
|
役職が上がれば昇給で収入が増える |
証券業界 | 400万円 |
|
事業範囲が広く、柔軟性・分析力が必要 |
保険業界 | 300~600万円 |
|
営業ノルマはあるが、歩合制で平均年収は高め |
上記の表を見ると、不動産業界は650万円で4つの業界の中でもっとも高い年収です。
不動産業界で働くFPの中には、宅地建物取引士(宅建)を取得している人が多く、専門分野が広がるため年収も高い傾向にあります。
もっとも低い年収なのが保険業界ですが、これは保険営業のノルマや歩合によって異なります。
全体的にみるとFPの平均平均は300~400万円ですが、FPの中には年収1,000万円を超えている人もいます。
高収入のFPは、多くの顧客を抱えているだけでなく、宅地建物取引士や社会保険労務士などの資格を取得している人が多いです。
より幅広い知識があることで、さまざまな顧客のニーズに応えることができるからです。
FPの年収についてさらに知りたい人は「ファイナンシャルプランナー(FP)の年収を紹介!独立しても稼げる?業界ごとの年収も解説」をご覧ください。
FPの将来性
FPは将来性のある仕事です。
「老後資金は2,000万円必要である」という金融庁の報告書により、資産を運用する重要性が注目されています。
現在は平均寿命が延び、人生100年時代とも言われているため、長い余生を楽しむためにはある程度の蓄えが必要です。
そこで 生涯設計を明確にするために、FPのアドバイスを求める人が増えてきました。
先行き不透明な社会で生き抜くためには、不安を払拭してくれる具体的な数値やプラン作成が求められます。
このような背景から、今後もFPのニーズは益々高まってくるでしょう。
4.FPの仕事に向いている人の特徴
どのような職業にも「適正」があります。
では、FPの仕事に向いている人は、どのような特徴を持った人なのでしょうか?
以下の3つに当てはまるかどうか、チェックしてみてください。
お客様との信頼関係を築く努力ができる人
ライフプランを作成する際に、お客様の個人情報を開示してもらう必要があります。
家族構成や収入・家計の状況など、プライベートの隅々まで聞き取りが必要のため、お客様から信頼を得ることが大切です。
しかし、お客様の中には家族にすら資産状況を知られたくないという人もいるため、信頼関係を築くことは簡単ではありません。
また、聞きだした情報管理やセキュリティも万全にする必要があり、絶対に口外することはできません。
非常にデリケートな情報を扱う仕事のため、FPはお客様との信頼関係を築く努力ができる人に向いています。
お客様の意思を尊重できる人
FPはお客様に個人情報を開示していただいた後、問題点を洗い出し、改善のための提案をします。
しかし、必ずしもお客様が納得するとは限らず、再提案を求めてくる場合もあるでしょう。
たとえ素晴らしいプランを立てたとしても、つねにお客様の意思を尊重する必要があるのです。
そのため 柔軟な思考を持ち、お客様個人の意思を尊重する「お客様第一主義」でなくてはいけません。
コミュニケーション能力に長けていて、広く大きな心を持てる人がFPに向いていると言えるでしょう。
情報収集が得意で数字に強い人
FPの仕事は年金・金融・不動産・保険・税金など、幅広いジャンルの知識を駆使し、お客様に最適なプランを提案する必要があります。
これらの分野は変化するため、常に最新情報を収集し、さまざまな情報に敏感でなければいけません。
FPにとって情報収集は重要で、さらに正しい情報かどうかを見極める判断力も必要です。
間違った情報を元にお客様に提案してしまうと、後に大きなトラブルに発展する場合もあるからです。
また、プランを作成する際には細かい統計データを用いて計算することがあるため、数字に強い人がFPに向いています。
5.FPの資格を取ったら利用すべき転職エージェント3社
せっかくFPの資格を取得しても、転職先が見つからなければFPとして活躍できません。
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まとめ
FPは、お客様の希望に寄り添いながら人生設計をするため、大変やりがいのある仕事です。
未経験からFPに転職することも可能ですが、以下のポイントをしっかり押さえおく必要があります。
【FPへの転職のポイント】
- 転職前に資格取得は必須(最低でもFP3級)
- 金融や経済の知識が必要
- 実務未経験でも業界経験者は有利
- 前職が営業職だと有利
- 資産運用のニーズは高まりそうなので将来性はある
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