最終更新日:2020/11/27
「もう年齢的に転職は無理だ」と諦めていませんか。
「35歳限界説」といわれることもあり、中高年世代の転職が厳しいのは事実です。
しかし転職にベストなタイミングがあっても、転職年齢に限界・制限があるわけではありません。
本記事では、年齢と転職の関係について、Uターン転職や40代での転職の可否などを含めて、転職のベストなタイミングと年齢制限・限界の有無、転職を成功させるポイント・コツなどをご紹介します。
このページをご覧いただけば、ご希望の転職にベストな時期や、年齢に関わらず転職成功のチャンスがあることがお分かりいただけるでしょう。
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1.転職のしやすさと年齢は関係あるの?
「若い人の方が転職に有利?」「年を重ねる毎に転職しづらい?」など、年齢と転職のしやすさが関係するのか、気になりませんか。
この章では転職者の平均年齢と転職年齢の限界や制限についてご説明しましょう。
転職者の平均年齢は31.7歳
大手転職サイト「doda」の調査によると、転職者の平均年齢は31.7歳です。
『引用:「doda:転職成功者の年齢調査(2019年上半期)」』
男性は32.6歳、女性は29.8歳と、女性の方が若い年代での転職が多くなっています。
転職年齢は一時低下が見られましたが、傾向としては緩やかな上昇傾向にあります。
「35歳限界説」はもはや過去!?
かっては転職年齢は35歳が限界との説もありました。
しかし、最近は35歳以上のミドル世代の採用が増えてきています。
下の表は人材協(一般社団法人日本人材紹介事業協会 )の「職業紹介会社大手3社 2019年度下期転職紹介実績」からの引用です。
転職時年齢(歳) | 2018年度(人) | 2019年度(人) | 前年同期比(%) | |||
上期 | 下期 | 上期 | 下期 | 上期 | 下期 | |
全体 | 37,140 | 37,807 | 41,894 | 39,445 | 112.8 | 104.3 |
~25 | 7,386 | 7,204 | 8,309 | 7,897 | 112.5 | 109.6 |
26~30 | 13,487 | 13,275 | 14,511 | 13,351 | 107.6 | 100.6 |
31~35 | 7,823 | 7,984 | 8,528 | 7,915 | 109.0 | 99.1 |
36~40 | 4,084 | 4,438 | 4,856 | 4,658 | 118.9 | 105.0 |
41~ | 4,360 | 4,906 | 5,690 | 5,624 | 130.5 | 114.6 |
『引用:「職業紹介会社大手3社 2019年度下期転職紹介実績」』
2019年度下期の転職紹介人数は、 上期よりは全体として減っていますが、前年同期比では104.3%と増えています。
特に36歳~40歳は105%、36歳以上は114.6%と増加しています。
35歳以上の採用が増えている理由は、35歳以下の若手の労働力人口が減り、中高年化が進んでいるからです。
そのため、人材不足に悩む企業を中心に35歳以上のミドル世代の採用が増えて、転職しやすい環境になっているのです。
35歳限界説はもはや過去の話といってもよいでしょう。
転職しやすい年齢はあるが限界年齢はない
それでも転職に限界年齢はないのか、ベストな転職時期はいつなのか気になるという方も多いでしょう。
先ほどのdodaの調査では、職種ごとの転職成功者の年齢割合もまとめています。
『引用:「doda:転職成功者の年齢調査(2019年上半期)」』
上のグラフのとおり、転職成功者は、建築・技術などの技術系では35歳以上が40.4%と、中高年層の比率が高くなっています。
転職成功者の比率は、金融・管理系や専門職系でも35歳以上が3割以上です。
年齢によって転職に適した職種や業界はあっても、基本的に限界年齢があるわけではありません。
補足:なぜ求人票に年齢制限はないのか
職種や業界によって求人・転職者の年齢層が違うことが分かりましたが、それではなぜ求人票に年齢制限の記載がないのでしょうか。
理由は、雇用対策法10条で労働者の募集・採用における年齢制限が原則として禁止されているからです。
求人票に年齢不問と書いてあっても、年齢を理由に応募を断ったり書類選考・面接で落とすのは法律違反です。
例外的に年齢制限が認められるケース(事例)は、次の場合に限定されています。
【年齢制限が例外として認められるケース】(雇用対策法施行規則第1条の3第1項参照)
- 定年年齢を上限として、上限年齢未満の労働者をを期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
(例:定年60歳の会社が、60歳未満を募集)- 労働基準法等法令の規定により年齢制限が設けられている場合
(例:危険有害業務や警備業務で18歳以上を募集)- 長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
(例:35歳未満を募集(高卒以上・職務経験不問)、45歳未満を募集(要普通自動車免許) )- 技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定し、かつ、期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
(例:電気通信技術者で30~39歳を募集(現状、20~29歳10人、30~39歳2人、40~49歳8人))- 芸術・芸能分野で表現の真実性などの要請がある場合
(例:子役のため、○歳以下を募集)- 60歳以上の高年齢者又は特定の年齢層の雇用を促進する施策(国の施策を活用しようとする場合に限る。)の対象となる者に限定して募集・採用する場合
(例:35歳以上55歳未満(氷河期世代)を募集(無期雇用・職務経験不問))『出典:「募集・採用における年齢制限禁止について」厚生労働省』
2.転職年齢と求められる条件・有利な条件
法律上の年齢制限は基本的にないことが分かりましたが、実際に転職しようとする場合にどのような基準で採用が決まるのでしょうか。
転職希望者の年代別に、応募先から求められる条件や転職に有利な条件はどのようなものがあるのか、詳しく見ていきましょう。
20代:将来性・ポテンシャル
20代で転職しようとする人に求められるのは、将来性・ポテンシャルと言われています。
多少経験を積んだ第二新卒も、実績よりは先々の伸びしろが買われます。
そして、20代の転職成功の可能性は低くありません。
30代:専門的な知識やスキル・即戦力
30代の前半は、将来性への期待もまだ残っています。
しかし、年齢を重ねるごとに将来性への期待は小さくなります。
30代後半ともなると将来性やポテンシャル期待ではなく、それまでの仕事の経験や身につけたスキルが即戦力として求められます。
40代:組織をまとめるマネジメント力・リーダシップ
40代に求められるのは30代に引き続き即戦力という場合もありますが、それ以上に組織をまとめる力、マネジメント力を求められることが多いです。
マネジメント力というと管理職の仕事と思われるでしょうが、管理職でなくても仲間を引っ張るリーダシップも40代に求められる大切な役割です。
50代:環境への柔軟な対応力
50代ではもう転職は無理とあきらめる方もいるかもしれませんね。
しかし、多くはなくても、50代の仕事も増えてきています。
下の表は総務省統計局の労働力調査からの引用です。
【年齢階層別転職者数の推移(45~54歳)】
年 | 総計 | 45~54歳計 | 45~54歳男性 | 45~54歳女性 |
---|---|---|---|---|
2014 | 291 | 41 | 16 | 25 |
2015 | 299 | 45 | 16 | 30 |
2016 | 307 | 51 | 18 | 32 |
2017 | 311 | 50 | 19 | 31 |
2018 | 329 | 55 | 19 | 36 |
2019 | 351 | 57 | 21 | 36 |
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『引用:「労働力調査(詳細集計)2019年平均」総務省統計局』
2019年は45歳~54歳の転職者は57万人で、2014年から16万人増えています。
表には示していませんが、35歳~44歳は66万人で1万人減とほぼ横ばいですが、55歳~64歳は10万人増の51万人です。
中高年の転職者の増加、特に50代女性の転職が増加しています。
理由は労働力不足もありますが、多くの経験を積んた方は環境の変化に柔軟に対応できるからです。
実際に50代女性が取り組みやすい仕事としては次ようなものがあります。
【50代女性が取り組みやすい仕事】
- 家事代行
- 学童保育指導員
- コールセンター
- ドライバー
新しい業務や周りの環境に柔軟に順応できる人材は、企業にとって受け入れやすいものです。
50代でも転職をあきらめる必要はありません。
年齢によって求められる条件・有利な条件は違いますが、年代に応じた持ち味を活かすことは可能です。
3.【ケース別】転職に迷った時はどうする?
それでは、転職に迷った時はどうしたらよいのでしょうか。
転職に迷った時に考えるべきポイントは、転職を考えるに至った経緯・理由です。
転職の理由・目的を再確認する
肝心なことは転職の理由・目的です。
何のために転職するのか、転職して何をしたいのか、その点がはっきりしていないと転職をどうすべきか決められません。
Uターン転職と未経験分野への転職の場合について、具体的に見ていきましょう。
Uターン転職の場合
最近は、Uターン転職だけでなく、大都会を離れて地方で暮らすJターンやIターンも増えています。
Uターン | 地方から東京などの大都市に就学・就職した人が、生まれ故郷に戻るケースです。 |
Iターン | 都市部で生まれ育った人が、地方の自然や生活環境に魅力を感じて地方に移住するケースです。 |
Jターン | 地方から都市部に就学・就労後に、故郷に戻る途中の地方都市に移住するケースです。 |
ただ、地方のほうがのんびり過ごせるとは限りません。
地方には大きな魅力がありますが、地方に漠然とあこがれているだけでしたら、転職は必ずしもおすすめできません。
地方の魅力を享受したいのなら勤務環境や生活環境をしっかり事前調査して、将来を見通して計画を立ててみましょう。
その上で自分に合ったライフスタイルを実現したいと考えるなら、環境変化に慣れるためにもUターン転職は早い方がよい です。
未経験への転職の場合
格別のスキルや経験はないが未経験分野への転職が可能かと悩む方も多いでしょう。
未経験への転職では、営業や事務系の求人が多く、比較的転職しやすいです。
ただ、未経験可という募集でも、実際には苦労するケースもあります。
未経験の場合も事前調査が大事で、漠然と転職したいというだけなら転職しない選択も必要です。
勤務環境に問題があるなら即転職を検討する
新採ながらコロナ禍、パワハラ上司、3年間で5人が辞める課で4ヶ月耐え抜いた僕にそろそろ「退職」というご褒美をだな…
— メグリヤ@20卒公務員 (@meguriya63) August 7, 2020
仕事が面白くない、自分に合わないとすぐやめてしまうのはリスクが大きく、後悔する可能性があります。
しかし、パワハラや劣悪な勤務環境、健康状態の問題があるなら無理をしないで、すぐにでも転職の検討を始めることをおすすめします。
ストレスが原因で健康状態を悪化させることのないように、迅速に対応を検討しましょう。
4.【年齢不問】転職を成功させるポイント
それでは、転職を成功させるポイントはどういうことがあるのでしょうか。
この章では転職を成功させるポイントを6つご紹介します。
ポイント1.明確な転職理由・将来像をもつ
面接の際に転職理由を述べられないのであれば、転職は失敗しかねません。
転職目的が不明瞭だと自分自身が迷うだけでなく、採用側にも熱意が伝わらず、何をしたいのかと疑問に思われるでしょう。
また、どこに行っても不平や不満を持つ人は、転職をしても失敗を重ねがちです。
大事なことは、何のために転職をするのか、転職してどうなりたいのかです。
転職理由、自分の希望する将来像を明確に伝えられるように、しっかりと考えましょう。
ポイント2.採用側に立って自己分析してみる
自分のセールスポイントは何なのか、採用する立場になって考えて見ると客観的に自分を評価できます。
採用側のニーズは何なのか、自分の経歴やスキルは採用側が望むものなのかと考えて、アピールできるポイントを探してみましょう。
この際大事なことは、自分の能力以上の高望みをしないことです。
無理をして転職できたとしても、転職後に苦労するだけです。
ポイント3.使える資格を取得する
相手企業が希望する使える資格を取得することも、もちろん転職を成功させるポイントです。
転職で使える資格としては、例えば次ようなものがあります。
【転職で使える資格】
- 宅地建物取引士
- 日商簿記
- 中小企業診断士
- TOEIC
- 介護支援専門員
使える資格は他にもたくさんありますが、人それぞれに向き不向きもあります。
自分の希望の仕事に活かせる資格を探してトライしましょう。
ポイント4.転職しやすい職種や業界を探す
転職先は、転職を希望する方の職歴に関係する分野がまず考えられます。
現在の仕事が好きだけれど違った職場でキャリアアップしたいのなら、培った専門的なスキルを活かせる職場を探すとよいです。
また、心機一転未経験の分野に挑戦することも悪いことではありません。
以下のような業界・職種は、未経験の方でも比較的転職しやすい業界です。
人手不足の業界 | 建設業、情報サービス業など、慢性的な人手不足の業界では未経験者も積極的に受け入れることが多いです。 |
多様なスキルを求めている業界 | 営業や企画関係の職種では、会社の変革のために異業種のスキルが求められることも多いです。 |
新たなニーズがある業界 | 高齢化でますますニーズが増えている介護や福祉の分野は、そもそも経験者は多くありませんので、転職のチャンスは大きいです。 |
ポイント5.前向きに挑戦する
転職に不安を感じるのは当然ですが、不安を引きずって悲観的になりすぎるのも禁物です。
不安をなくすためにしっかりした調査が必要ですが、転職を決意したのなら前向きに挑戦しましょう。
企業が求めているのは働く意欲のある方です。
ポイント6.迷ったときは転職エージェントを利用する
転職活動をしようとすると、ひとりでは分からないことや誰かと相談したいことが多いと思います。
しかし、職場の同僚には相談しにくいこともありますね。
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- 希望に沿った求人先を探してくれる
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次章で、あなたをしっかりサポートしてくれるおすすめの転職エージェントをご紹介します。
5.おすすめの転職エージェント
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まとめ
転職には20代・30代のように転職しやすい年齢もありますが、転職年齢に制限があるわけではありません。
この記事のポイントを整理しておきましょう。
- 年齢によって転職に適した職種や業界はあっても、限界年齢があるわけではない
- 転職に迷った時は、何のために転職するのか、転職して何をしたいのか、転職の理由・目的を再確認する
- Uターン転職は環境変化に慣れるためにも早い方がよい
- 勤務環境に問題があるなら即転職を検討したほうがよい
-
転職を成功させるためには、明確な転職理由・将来像をもつ、採用側に立って自己分析してみるなどのポイントがある
いつ転職するかは、自分のライフプランややりたいこととの関係で個人によって異なります。
大事なことは、転職の目的を明確にして、その目的を達成するために最適なタイミングを見つけることです。
その点がハッキリしていれば、年齢に関わらず転職が成功する可能性は高まるでしょう。
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転職する年齢も大事ですが、自分が本当にしたいことがあるのなら目的に向かって前向きに行動しましょう。
【参考サイト】