産業廃棄物に関する資格とは?資格の一覧・試験の難易度などを解説

資格

産業廃棄物に関する事業を始めようと考えているけど、どんな仕事があって、どんな資格があるのだろう?

産業廃棄物に関する資格には、大きく分けて国家と都道府県知事の2種類があり、国家の方は国家資格で、特別管理産業廃棄物管理責任者と廃棄物処理施設技術管理者の2種類があります。

都道府県の資格は、知事によって与えられる免許で、産業廃棄物収集運搬業、産業廃棄物処理業、特別管理産業廃棄物収集運搬業、特別管理産業廃棄物処理業の4種類あるのです。

それぞれ名前は似ているものの、仕事は異なるので、しっかりと区別する必要があります。

そこで本記事では、 産業廃棄物に関する資格の一覧と種類、それぞれの仕事内容や取得難易度、取得するのにかかる費用などを解説していきます。

この記事を読んでいただければ、産業廃棄物に関する資格の細かな違いについて、しっかりと理解することができますよ。

ぜひ、最後までご覧ください。

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1.産業廃棄物に関する資格は国家と都道府県の2種類で分かれる

産業廃棄物に関する資格には、 大きく分けて国家と都道府県の2種類があります。

国家の方は国家資格のことで、都道府県の方は知事の許可によって与えられる免許のことです。

産業廃棄物に関する資格は、国家が2種類、都道府県が4種類、合計で6種類の資格があります。

ここからは、それぞれの特徴と違いについて解説していきます。

1-1.国家資格

産業廃棄物に関する国家資格には、以下の2種類があります。

  1. 特別管理産業廃棄物管理責任者
  2. 廃棄物処理施設技術管理者

それぞれ見ていきましょう。

特別管理産業廃棄物管理責任者

産業廃棄物には、普通の産業廃棄物と特別管理産業廃棄物の2種類があります。

特別産業廃棄物とは、「 爆発性、毒性、感染性その他人の健康や生活環境に被害が生じる性質」があるもののことです。

特別管理産業廃棄物管理責任者は、 特別産業廃棄物を適正に保管し、処理するのが仕事です。

旧厚生省の通知では、特別管理産業廃棄物管理責任者の仕事は以下の3つと定められています。

  1. 特別管理産業廃棄物の排出状況の把握
  2. 特別管理産業廃棄物処理計画の立案
  3. 適正な処理の確保(保管状況の確認、委託業者の選定や適正な委託の実施、マニフェストの交付や保管等)

廃棄物処理施設技術管理者

廃棄物処理施設技術管理者は、 産業廃棄物処理施設で違法な処理が行われないように監督するのが仕事です。

一般廃棄物処理施設や産業廃棄物処理施設の設置者は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で、廃棄物処理施設技術管理者を置かなければならないと定められています。

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1-2.都道府県知事免許

都道府県知事の許可によって与えられる免許には、以下の4つがあります。

  1. 産業廃棄物収集運搬業
  2. 産業廃棄物処理業
  3. 特別管理産業廃棄物収集運搬業
  4. 特別管理産業廃棄物処理業

それぞれ見ていきましょう。

産業廃棄物収集運搬業

産業廃棄物収集運搬業とは、 産業廃棄物の収集し、運搬する仕事です。

産業廃棄物業の収集運搬を業として行おうとする者は、都道府県知事または政令市長の許可を受ける必要があります。

この仕事は、あくまでも収集運搬なので、産業はいく物処理業とは違うのでしっかり区別することが大切です。

産業廃棄物処理を行う場合は、「産業廃棄物処理」という別の許可を都道府県知事から受ける必要があります。

産業廃棄物処理業

産業廃棄物処理業とは、 処理施設において、産業廃棄物の処理を行う仕事です。

あくまでも産業廃棄物の処理だけでなので、産業廃棄物の収集運搬は行いません。

産業廃棄物の処分を業として行おうとするものは、都道府県知事の許可を受ける必要があります。

特別管理産業廃棄物収集運搬業

特別管理産業廃棄物収集運搬業とは、 特別管理産業廃棄物の収集し、運搬する仕事です。

特別管理産業廃棄物業の収集運搬を業として行おうとする者は、都道府県知事または政令市長の許可を受ける必要があります。

産業廃棄物収集運搬業とは異なるので、しっかり区別しましょう。

産業廃棄物収集運搬業は「通常の産業廃棄物」を収集運搬する仕事なので、「特別管理産業廃棄物」は扱いません。

「通常の産業廃棄物」とは、例えば以下のようなものがあります。

  1. 燃え殻
  2. 汚泥
  3. 廃油
  4. 廃酸
  5. 廃アルカリ
  6. 廃プラスチック

一方、「特別管理産業廃棄物」とは「 爆発性、毒性、感染性その他人の健康や生活環境に被害が生じる性質」のことです。

つまり、より危険な産業廃棄物を扱うのが「特別管理産業廃棄物」なのです。

特別管理産業廃棄物処理業

特別管理産業廃棄物処理は、 処理施設で、特別管理産業廃棄物の処理を行う仕事です。

処理を行うのは特別管理産業廃棄物なので、通常の産業廃棄物は扱いません。

また、特別管理産業廃棄物処理はあくまでも処理業なので、収集運搬は行いません。

次から、国家資格、都道府県知事資格の6つの種類のそれぞれの仕事内容や資格内容、合格率や費用について説明していきます。

種類1.特別管理産業廃棄物管理責任者

ここからは特別管理産業廃棄物管理責任者について以下の4つを解説していきます。

  1. 仕事内容
  2. 受験資格
  3. 難易度と合格率
  4. 費用

それぞれ見ていきましょう。

特別管理産業廃棄物管理責任者の仕事内容

特別管理産業廃棄物管理責任者の仕事は、 「特別管理産業廃棄物」を適正に管理・保管することです。

「特別管理産業廃棄物」とは、「 爆発性、毒性、感染性その他人の健康や生活環境に被害が生じる性質」のある産業廃棄物のことです。

「特別管理産業廃棄物」は産業廃棄物の中でも特に危険で、人の健康や生活に影響を及ぼす恐れがあります。

処理施設で「特別管理産業廃棄物」を扱っている場合、処理施設ごとに特別管理産業廃棄物管理責任者を置かなければならないと決められています。

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特別管理産業廃棄物管理責任者の資格要件

特別管理産業廃棄物管理責任者の資格の取得方法は、以下の2つです。

  1. 国家資格保有者・学歴・一定年数の実務経験者
  2. 財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが実施する講習会に参加し、修了すること

①の条件は、以下の要件に該当する者が資格を取得できます。

  1. 環境衛生指導員の職に2年以上あった者
  2. 大学の理学、薬学、工学、農学の課程で衛生工学、化学工学の科目を修得して卒業後、2年以上の廃棄物の処理に関する技術上の実務経験を有する者
  3. 大学の理学、薬学、工学、農学又は相当課程で衛生工学、化学工学以外の科目を修得して卒業後、3年以上の廃棄物の処理に関する技術上の実務経験を有する者
  4. 短期大学、高等専門学校で理学、薬学、工学、農学又は相当課程で衛生工学、化学工学の科目を修得して卒業後、4年以上の廃棄物の処理に関する技術上の実務経験を有する者
  5. 短期大学、高等専門学校で理学、薬学、工学、農学又は相当課程で衛生工学、化学工学以外の科目を修得して卒業後、5年以上の廃棄物の処理に関する技術上の実務経験を有する者
  6. 高等学校、中等教育学校で土木科、化学科又は相当学科を卒業後、6年以上の廃棄物の処理に関する技術上の実務経験を有する者
  7. 高等学校、中等教育学校で理学、工学、農学又は相当科目を修得して卒業後、7年以上の廃棄物の処理に関する技術上の実務経験を有する者
  8. 10年以上の廃棄物の処理に関する技術上の実務経験を有する者
  9. これらの者と同等以上の知識を有すると認められる者

特別管理産業廃棄物管理責任者の難易度と合格率

特別管理産業廃棄物管理責任者の講習を受けると、最後に修了試験があります。

しかし、 修了試験の合格率は公表されていないので不明です。

修了試験の試験時間、試験形式、合格基準は以下になります。

試験時間:30分

試験形式:二者択一及び四者択一のマークシート

合格基準:20問中14問以上

他の難関国家資格と比較すると、試験時間は短く問題数は少ないことがわかります。

特別管理産業廃棄物管理責任者を取得するのに必要な費用

特別管理産業廃棄物管理責任者の資格を講習を受けて取得する場合、受講料がかかります。

受講料は 通常価格が14,000円ですが、WEBで申し込むと13,500円に割引されます。

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種類2.廃棄物処理施設技術管理者

ここからは産業廃棄物処理技術管理者について以下の4つを解説します。

  1. 仕事内容
  2. 資格要件
  3. 難易度と合格率
  4. 費用

それぞれ見ていきましょう。

廃棄物処理施設技術管理者の仕事内容

産業廃棄物処理技術管理者の仕事は、 処理施設で違法行為が行われないように他の職員を監督することです。

産業廃棄物の処理施設の管理者は、技術上の維持管理を担当させるため、産業廃棄物処理技術管理者を置かなければならないと定められています。

ただし、自身が技術管理者として管理している場合は、産業廃棄物処理技術管理者をおく必要はありません。

廃棄物処理施設技術管理者の資格要件

産業廃棄物処理技術管理者の資格の取得方法は、以下の2つです。

  1. 国家資格保有者・学歴・一定年数の実務経験者
  2. 財団法人日本環境衛生センターが実施する講習会に参加し、修了すること

①の条件は、以下の要件に該当する者が資格を取得できます。

  1. 技術士(化学部門、水道部門又は衛生工学部門)
  2. 技術士(上記部門以外)
  3. 2年以上環境衛生指導員の職にあった者
  4. 大学において理学、薬学、工学、農学の課程で衛生工学もしくは化学工学に関する科目を修めて卒業した者 【2年以上】
  5. 大学において理学、薬学、工学、農学もしくはこれらに相当する課程で衛生工学もしくは化学工学に関する科目以外の科目を修めて卒業した者 【3年以上】
  6. 短期大学もしくは高等専門学校において理学、薬学、工学、農学もしくはこれらに相当する課程で衛生工学もしくは化学工学に関する科目を修めて卒業した者 【4年以上】
  7. 短期大学もしくは高等専門学校において理学、薬学、工学、農学もしくはこれらに相当する課程で衛生工学もしくは化学工学に関する科目以外の科目を修めて卒業した者 【5年以上】
  8. 高等学校において土木科、化学科もしくはこれらに相当する学科を修めて卒業した者 【6年以上】
  9. 高等学校において理学、工学、農学もしくはこれらに相当する科目を修めて卒業した者 【7年以上】

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廃棄物処理施設技術管理者の難易度と合格率

産業廃棄物処理技術管理者の資格を講習で取得する場合、 合格率は80%です。

受講すればほとんどの人が合格できるので、非常に難易度は低いと言えます。

修了試験の合格基準は、 得点率80%以上です。

廃棄物処理施設技術管理者を取得するのに必要な費用

産業廃棄物処理技術管理者の試験は「基礎・管理課程」と「管理課程」の2つに分かれています。

それぞれの受講料は以下の通りです。

基礎・管理課程:118,000円

管理課程:64,800円

種類3.産業廃棄物収集運搬業

ここからは産業廃棄物収集運搬業について以下の3つを解説します。

  1. 仕事内容
  2. 許可申請・更新方法
  3. 費用

それぞれ見ていきましょう。

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産業廃棄物収集運搬業の仕事内容

産業廃棄物収集運搬業とは、 産業廃棄物の収集と運搬を行うのが仕事です。

産業廃棄物収集運搬業が扱う産業廃棄物とは、事業活動に伴って排出される以下のようなものです。

  1. 燃え殻
  2. 汚泥
  3. 廃油
  4. 廃酸
  5. 廃アルカリ
  6. 廃プラスチック

この中のそのままでは有害な産業廃棄物を無害化したり中間処理したり、最終処したりする仕事でもあります。

産業廃棄物収集運搬業資格の許可申請・更新方法

産業廃棄物収集運搬業の資格を取得するには、 都道府県知事の許可を得る必要があります。

産業廃棄物収集運搬業の資格は有効期限が5年なので、期限を過ぎたら更新が必要です。

産業廃棄物処理業の資格が無い人が、他人の産業廃棄物を処理することは、犯罪となってしまいます。

必ず更新が必要で、更新をするには、都道府県知事に更新許可申請を行いましょう。

産業廃棄物収集運搬業の許可申請・更新をするのに必要な費用

産業廃棄物収集運搬業の新規許可申請、更新、変更にはそれぞれ以下の費用がかかります。

新規:81,000円

更新:73,000円

変更:71,000円

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種類4.産業廃棄物処理業

ここからは産業廃棄物処理業について以下の3つを解説します。

  1. 仕事内容
  2. 許可申請・更新方法
  3. 費用

それぞれ見ていきましょう。

産業廃棄物処理業の仕事内容

産業廃棄物処理業は、 処理施設で、産業廃棄物の処理を行うのが仕事です。

産業廃棄物処理業はあくまでも施設で処理をするだけなので、収集運搬は行いません。

産業廃棄物処理業資格の許可・更新申請方法

産業廃棄物処理業の資格を取得するには、 都道府県知事の許可を得る必要があります。

産業廃棄物処理業の資格には5年間の有効期限があるので、期限を過ぎたら更新が必要です。

更新には 日本産業廃棄物処理振興センターの実施する講習を受ける必要があります。

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産業廃棄物処理業の許可申請・更新をするのに必要な費用

産業廃棄物処理業の許可・更新の手続きに必要な費用はそれぞれ以下の通りです。

許可:100,000円

更新:94,000円

種類5.特別管理産業廃棄物収集運搬業

ここからは特別管理産業廃棄物収集運搬業について以下の3つを解説します。

  1. 仕事内容
  2. 許可申請・更新方法
  3. 費用

それぞれ見ていきましょう。

特別管理産業廃棄物収集運搬業の仕事内容

特別管理産業廃棄物収集運搬業は、 特別管理産業廃棄物の収集と運搬を行うのが仕事です。

特別管理産業廃棄物とは、爆発物や毒物など、産業廃棄物の中でも特に危険があるものです。

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特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可申請・更新方法

特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可と更新には 都道府県知事の許可を得る必要があります。

また、特別管理産業廃棄物収集運搬業は有効期限が5年と決まっているので、それを過ぎると更新が必要です。

特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可申請・更新をするのに必要な費用

特別管理産業廃棄物収集運搬業の新規許可申請、更新、変更にはそれぞれ以下の費用がかかります。

新規:81,000円

更新:74,000円

変更:73,000円

種類6.特別管理産業廃棄物処理業

最後に特別管理産業廃棄物処理業について以下の3つを解説します。

  1. 仕事内容
  2. 許可申請・更新方法
  3. 費用

それぞれ見ていきましょう。

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特別管理産業廃棄物処理業の仕事内容

特別管理産業廃棄物処理業は、 処理施設で、特別管理産業廃棄物の処理を行うのが仕事です。

あくまでも特別管理産業廃棄物の処理を行うのが仕事なので、収集運搬は仕事に含まれません。

特別管理産業廃棄物処理業の許可申請・更新方法

特別管理産業廃棄物処理業の資格を取得するには、 都道府県知事の許可を得る必要があります。

特別管理産業廃棄物処理業の資格には5年間の有効期限があるので、期限を過ぎたら更新が必要です。

更新には 日本産業廃棄物処理振興センターの実施する講習を受ける必要があります。

特別管理産業廃棄物処理業の許可申請・更新をするのに必要な費用

特別管理産業廃棄物処理業の許可・更新の手続きに必要な費用はそれぞれ以下の通りです。

許可:100,000円

更新:94,000円

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まとめ

産業廃棄物の資格は、いわゆる難関資格ではなく、講習を受けることで取得することができるものです。

そのため、これらの資格は単純に合格率や難易度だけでは判断できません。

産業廃棄物に関する仕事を行う人が必要に応じて取得するものなので、就職や転職のために取得を目指す資格とも異なります。

今回ご紹介してきたように、産業廃棄物に関する資格は、国家と都道府県を合わせると合計で6つあります。

どれも名前は似ていますが、 仕事内容はそれぞれ異なるので、しっかり区別しましょう。

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