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私は2013年に社労士試験に合格しました。
1年目は市販所を使用して独学で挑戦し不合格、2年目はスクール(ide社労士塾※現在は閉校)を利用して合格しました。
合格後も会計事務所に勤務していますが、一念発起し、来年社労士として開業登録する予定です。
そんな独学とスクールの両方を経験した立場として、それぞれのメリットとデメリットを整理し、これから社労士試験に挑戦しようとする方々が「合格するための学習法」を確立する一助となれば幸いです。
1.社労士試験って何?難易度はどれくらいなの?
社会保険労務士試験(社労士試験)とは?
- 労働・社会保険に関する専門的知識を問う国家試験
- 「択一式試験」と「選択式試験」で構成されている
- 試験は全てマークシート方式で回答
試験科目は全8科目で、また各科目には合格の最低基準が設定されているため、偏りなく幅広い知識が要求されます。
令和3年の社労士試験の合格率は7.9%となっており、難関試験の1つに挙げられています。
社労士試験制度の詳細は、以下のサイトをご参照下さい。
選択式試験では、各科目で必ず3点以上得点する必要があります。
しかし、私が受験した2013年の試験では「社会保険に関する一般常識」は1点、「労災保険法」は2点しか取れませんでした。
それでも合格率調整のための救済措置が行われて合格しました。
社労士試験では、合格点に達していない科目があっても、合格率を調整するために合格とする救済措置が行われる事も特徴です。
2.私が社労士を目指した理由
私は10年以上税理士事務所に勤務し、クライアント先の経理や税務業務に従事していました。
しかしクライアント先からは、経理や税務の事以外にも、労務管理や社会保険に関するご質問を頂く機会も多くありました。
その中で社会保険労務士という資格を知り、クライアント先に少しでも貢献する力を身につけたくて社労士を目指すことにしました。
3.私が独学で社労士試験を目指した理由(1年目)
私が社労士試験の勉強を始めるにあたり選択した学習方法は独学でした。
それは以下の3つの理由からでした。
①コストを抑えられたから
社労士試験の勉強を始めるにあたって最初に考えたのが、「いかにコストを抑えて勉強できるか」という事でした。
スクールの講座案内を比較しても、20~30万円程度の受講料が必要な講座がほとんどで、私には経済的にも厳しかったのです。
独学の場合は、市販のテキストや問題集を使用して学習できるので、スクールに比べれば大幅にコストは抑えられます。
書店には多くの社労士試験対策本があり、教材には困らないと思い、独学を選択しました。
②自分のペースで学習できるから
多くの受験生と同様に、私も仕事と両立しながらの受験勉強でした。
仕事で急な残業が入ったりすると、勉強時間を捻出する事が難しくなります。
私も、スクールだと予め講義日程が決まっていて、仕事が多忙になると受講が難しくなるのではと心配していたのです。
その点独学ですと、仕事の合間や帰宅後、休日や早朝など自分の生活時間に合わせて勉強時間を組み入れ、自分のペースで学習できる分、ストレスも少ないと考えました。
③独学でも”何とかなる”と思ったから
もともと私は試験勉強をする際に、必要なテキストや問題集があれば、「自分で学習すればマスター出来る」と思い込んでいました。
つまり、「余計な講義や教材は必要ない」と思っていたわけです。
社労士試験でも、過去問を読んで出題傾向を把握し、それをテキストで確認する学習を繰り返せば、合格に必要な知識は身につくと考えていました。
つまり、過去の成功体験から、社労士試験についても「まぁ、何とかなるだろう」と高を括っていたのです。
4.独学で分かったこと・反省したこと
独学で約1年勉強しましたが、結果的には不合格となりました。
独学を通じて感じた事や反省点は、以下の3つでした。
①何を学習すれば良いか分からない
市販の社労士試験のテキストを開いてまず感じたのは、試験範囲や学習量の膨大さでした。
試験は全10科目で、テキストも電話帳位の分厚さです。
ページの余白にも小さい字で通達や判例の情報がびっしり書いてあり、当然この情報も試験範囲になります。
当初は過去問や問題集を読んで、該当する箇所をテキストで確認するという学習法を取りました。
しかし、該当箇所を探す事に時間がかかったり、そもそも過去問で問われている意味が理解できずに立ち止まり、期待した学習効果が見込めず、停滞時期が長く続いてしまいました。
②自由な反面、自己管理が大変
独学の場合は、自分のペースで、自分の好きな時間に学習できます。
でも逆に「疲れた」とか「気が乗らない」等の理由をつけて、いくらでもサボる事もできます。
勉強する・しないも、全て自己責任なんですよね。
受験勉強を始めてから、今までの生活を改めたというよりは、今までの生活はそのままで、空いている時間に勉強の時間を組み入れたという方の方が多いのではないでしょうか。
受験前は自由に使えていた時間を勉強のために使うわけですから、様々な誘惑や自分への甘えにも打ち勝たなくてはなりません。
③分からないことを自分で解決しなければならない
勉強をしていると、テキストや解説を読んでも理解できない事にぶつかる時が多々あります。
本試験ではこうした理解があやふやな論点から問題が出題されます。
スクールの場合は、疑問点があればすぐに先生に質問できますが、独学の場合は自分で疑問を解消しなければなりません。
今はネット上に情報が溢れていて、検索すれば様々な情報を自由に入手できるようになりましたが、一方で正しい情報と誤った情報が混在している事も事実です。
独学者がネットで情報を調べようとする場合、「そもそも、その情報が正しい情報なのか」という事も自分で判別しなければなりません。
専門的知識を問う社労士試験においても、自分が求めていて、なおかつ正しい情報を得るには、思った以上に時間と労力を要する事も多いのです。
5.私がスクールで社労士試験を目指した理由(2年目)
独学での反省点を踏まえた上で、2年目はスクールを利用して勉強しました。
スクールの学習のメリットと思ったのは、以下の3点です。
①「暗記中心」ではなく「理解重視」の学習が出来る
先述したように、独学の頃の学習法は、「過去問を読む」→「テキストで確認」の繰り返しでした。
そのため、過去問で出題された論点の暗記に偏り、科目の全体像を理解する学習が不足していました。
スクールの講義では、法律や制度の仕組みについて「何故そうなるのか」という理解に重点を置いて講義が展開されます。
暗記に偏らず、受講生が自ら考えることを促してくれるので、記憶にも定着し、過去問で未出題の論点が出ても、自分の頭で考え回答を導き出す応用力が身についたと思います。
②どこを学習すべきか課題が明確になる
スクールは受験指導のプロです。
過去の本試験の膨大な情報を分析して、次の試験のためにどこに重点を置いて学習すべきか、その道標をしてくれます。
独学の場合は、重要項目も自分で判断しなければならず、やみくもに多くの市販教材や模擬試験に手を出してしまいがちですので、結果的に時間・労力・お金を無駄に消費してしまう事もあります。
スクールは合格に向けて最短距離で到達するよう、受講生を導いてくれるので、私たちはそれに従って1つ1つ課題をこなしていけば良いわけです。
③自己流ではなく、「合格するための学習法」が学べる
ただ漫然とテキストを読んだり、問題集を解いたりするのではなく、合格するためには何を意識しなければならないかをスクールでは指導してくれます。
私はスクールでの指導を基に、「予想問題は手を広げすぎず、自校の予想問題をとにかく繰り返す」「苦手な科目の肢別問題は毎日10問やる」「安衛・徴収・社一は得意科目にする(択一式試験で満点を取る)」を意識して実践しました。
スクールの指導を素直に実践する事が、結果的に合格には一番近い方法なのだと思います。
まとめ
比較項目 | 独学 | スクール |
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自身の経験も踏まえて、独学とスクールを比較してみました。
市販書を使用した独学の方がコスト面ではメリットは大きいと思います。
しかし、社労士試験の出題範囲は膨大であり、出題の仕方も多様化しています。
つまり、ただ読んだだけ、暗記しただけの知識では本試験で対応できないケースもあるのです。
スクールを利用すれば、確かにコスト面での負担は生じてしまいますが、結果的には独学よりも効率的に合格のための学習が出来るようになります。
私が受験生時代に受講したスクール(ide社労士塾)は残念ながら閉校してしまいましたが、他にも素晴らしいスクールは多いため、独学に自信がない人はぜひスクールを活用してみてください。