最終更新日:2020/11/08
「月80時間くらい残業してるけど大丈夫?」過労死のニュースを見るたびに不安を感じている方も多いはず。
また、「違法ではないのか?」という点も気になりますよね。
本記事では、月80時間労働の「違法性」や「健康への影響」をはじめ、つらい残業から抜け出すための解決策もご紹介します。
この記事を最後まで読んで、月80時間の残業の危険性を知り、快適に働ける環境を手に入れましょう。
仕事の悩みや将来への不安を、ずるずる伸ばしてはいないでしょうか?
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1.【月80時間はNG?】時間外労働のルール
まずは国で定められている「時間外労働のルール」について確認しましょう。
ここでは、以下の3つについてご紹介をします。
順番に確認していきましょう。
36協定とは?
36(サブロク)協定という名前は聞いたことがあるけど、詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか?
厚生労働省の資料には、以下のように「時間外労働・休日労働をさせるためには、36協定の締結が必要」と書かれています。
ただし、「36協定の届け出をすれば、いくらでも残業できるのか」というと、そうではありません。
続いて、時間外労働の上限時間を確認していきましょう。
時間外労働の上限時間は月45時間
2018年6月の労働基準法改正によって、36協定で定める時間外労働に上限が設定されました。
厚生労働省のHPには以下のように書かれています。
しかし、月80時間など、原則で定められた時間以上に残業をしているという方も多いはず。
原則以上の時間外労働については別の規則があり、続いてはそのルールをご紹介します。
臨時的な特別の事情がある場合の上限時間
法律では、特別条項を設けることで「時間外労働の基準を超える長時間労働」が可能となっています。
【特別条項とは】
臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合、月45時間を超える時間外労働を認める
上記のように、臨時的で特別な理由がある場合には、規定時間を超える残業が認められています。
なお前提条件として、労使(労働者と使用者の合意)は必要であると定められています。
特別条項を設けても「時間外労働が年720時間以内」などの規定が
しかし、先ほどお伝えした「特別条項」を設けた場合でも、「これ以上残業してはいけない」という上限は決まっています。
近年になり過労死が増えたことから、国は以下のように時間外労働の上限を改正しました。(大企業:2019年4月~・中小企業:2020年4月~施行)
- 時間外労働が年720時間以内
- 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
- 時間外労働と休日労働の合計について、2~6か月平均が全て80時間/1月以内
- 時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6か月が限度
上記に違反した場合には、罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科されるおそれがあります。
以前は上限無く時間外労働を行わせることが可能でしたが、現在はどんな状況であっても、月100時間以上の時間外労働はできないと定められています。
上記からも分かるように、もしあなたが「長期間に渡って月80時間以上残業している」という場合は法律違反であり、会社に罰則が下ることになるのです。
2.長時間労働による健康への影響とは?
続いて、長時間労働が健康に与える影響についてご紹介します。
法律上は前述のように、条件によっては長時間労働が可能となっていますが、身体には相応の負荷がかかっているはず。
長時間労働が当たり前になっているという方は、以下のように健康への影響を認識しておきましょう。
さっそく確認していきましょう。
長時間労働による睡眠時間への影響
月80時間以上残業している人は、みなさん睡眠不足状態ではないでしょうか。
厚生労働省の資料には、以下のように書かれています。
おおむね時間外労働が50時間を超えると睡眠時間が6時間を確保できなくなる傾向があり、100時間を超えるようになると睡眠時間の短縮傾向が強くなる。
月80時間時間外労働をしている方は、6時間以上の睡眠時間の確保は困難なはず。
以下は、残業のために睡眠時間を削っているという方のツイートです。
通勤時間が往復3時間と家の雑事があるので 残業=睡眠時間を削るしか無い
— カワハラー(西1) (@kawahara_kikuko) July 14, 2019
健康で文化的な生活を送るためには、睡眠時間の確保だけでなく、家族や友人と過ごす時間、趣味に使える時間などの確保も必要です。
睡眠時間を短縮せざるを得ないほど長時間労働をしているのであれば、深刻な問題と言えるでしょう。
長時間労働によるメンタルヘルスへの影響
長時間労働は、メンタルヘルスにも悪影響があることが分かっています。
厚生労働省の資料によると、睡眠時間が減少すると抑うつ状態が強くなるというデータも。
抑うつ状態とは、以下のような状態のことを言います。
気分が落ち込んで活動を嫌っている状況であり、そのため思考、行動、感情、幸福感に影響が出ている状況のこと
長時間労働をすると睡眠時間は減少し、その状況が続くと抑うつ状態が強くなってしまいます。
つまり「長時間労働はメンタルヘルスに悪影響」であり、心の健康を保つのが難しくなると言えるでしょう。
3.月80時間の残業は過労死基準のライン
続いて、労働時間と過労死の関係についてご紹介します。
「過度な長時間労働が原因で過労死をした」というニュースを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
厚生労働省では、死に至らない場合でも以下の状況に当てはまる場合は「過労死等」に当たると定義しています。
「日常的に長時間労働が続いている…」という場合は、特にしっかりと認識しておいてください。
【過労死等とは?】
- 業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡
- 業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
- 死亡には至らないが、これらの脳血管疾患・心臓疾患、精神障害
次に、「過労死に影響する労働時間」がどれくらいなのか、確認しておきましょう。
過労死のリスクがある労働時間
厚生労働省の資料では、過労死に影響を及ぼす労働時間について以下のような記載があります。
- 1週間当たり40時間を超える労働時間が月45時間を超えて長くなるほど、業務と脳・心臓疾患の発症との関連性が徐々に強まる
- 1週間当たり40時間を超える労働時間が月100時間又は2~6か月平均で80時間を超える場合には、業務と脳・心臓疾患の発症との関連性が強い
月45時間を超えると過労死のリスクが高くなり始め、さらに月100時間又は2~6か月平均で80時間を超える場合には、大きなリスクになるとのこと。
つまり、月80時間以上の残業は、過労死のきっかけになりかねない危険な労働であるという事です。
現在長時間の残業をしている方は、自分の身体の変化に気を付けて勤務するようにしてください。
4.月80時間残業が続くなら「労働基準監督署」に相談
もし、上限を超えた残業を強いられているなら、「労働基準監督署」に相談をしてみましょう。
労働基準監督署では、労働者からの相談を受けて問題のある事例と判断された場合、会社に対して「指導勧告」を行います。
会社がその勧告に従い、残業を減らしてくれる可能性は高いです。
ただし、相談する場合には「半年以上に渡って月80時間を超える残業をさせられている」など、長時間労働が証明できる資料を用意しておきましょう。
なお、労働基準監督署の相談窓口は日本全国にありますが、相談時間が平日8:30~17:15までですので、土日休みの方にとって相談窓口に行くのは難しいかもしれませんね。
とりあえず最寄りの相談窓口に、電話相談だけでもしてみてはいかがでしょうか?
厚生労働省 全国労働基準監督署の連絡先一覧
5.月80時間残業が改善されないなら「転職」という選択も
ここまで、月80時間の残業は過労死基準のラインとも言え、健康被害のリスクが大きいことをご紹介しました。
もし、現在長時間労働が当たり前になっているのであれば、転職を検討してみてはいかがでしょうか?
ここでは、転職という選択肢についてご紹介します。
自分のキャリアを他社で活かすことを検討してみる
長時間労働が続いているのであれば、他の会社で自分のキャリアが活かせないか考えてみてはいかがでしょうか?
仕事のやりがいや給料など、会社に対して何を求めるかは人それぞれですが、身体を壊して働けなくなってしまったら元も子もありません。
たくさんの企業がある中で、今の会社だけが自分に合っているということはないはず。
本当に体の調子が悪くなってしまう前に、ぜひ転職の検討をおすすめします。
時間がない人こそ転職エージェントを活用しよう
長時間労働をしていて、「転職したくても時間がなくてできない」という方は多いのではないでしょうか。
また、「自分が長時間働かないと会社が回らない」という状況の方がほとんどなはず。
ですが、きっと毎日必死に働いているあなたは、転職市場においても引く手あまたです。
自分の身体を壊す前に、ぜひ転職することを考えてみて下さい。
忙しくて時間に余裕がない方こそ、転職エージェントの活用がおすすめです。
転職活動では求人探しや書類の作成、面接の準備などやるべきことが山ほどあり、長時間労働しながら進めるのは困難でしょう。
転職エージェントとは、転職活動に関するさまざまなサポートを無料で行ってくれるサービスです。
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長時間労働で時間がないという方こそ、ぜひ転職エージェントをご活用下さい。
どこに登録するか迷ったら「リクルートエージェント」がおすすめ
転職エージェントと言ってもたくさんあるので、どこに登録するか迷ってしまうと思います。
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詳しい解説は以下を確認してください。 「【4月最新】リクルートエージェントの悪い評判と利用前の全注意点」 |
まとめ
国で定められている時間外労働に関するルールは、以下の2種類です。
- 時間外労働の基準は「月45時間・年360時間」まで
- 特別な事情がある場合は以下が適用(ただし企業と労働者の合意が必要)
- 時間外労働は年720時間以内
- 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満
- 時間外労働と休日労働の合計について、2~6か月平均が全て80時間/1月以内
- 時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6か月が限度
長時間労働は睡眠時間の減少につながり、メンタルヘルスにも悪影響を及ぼします。
過労死の原因にもなりかねませんので、自分の身を守るためにも転職を検討してみましょう。
「転職活動をする時間がない…」という方は、平日の夜遅くや土日・祝日でも面談可能な「リクルートエージェント」のサポートを受けてください。
自分の能力を最大限に発揮する為にも、より働きやすい環境へ向けて少しずつ行動していきましょう。
【参考サイト】
- 厚生労働省:時間外労働の上限規制 わかりやすい解説
- 厚生労働省:時間外労働の上限規制
- 厚生労働省:過重労働とメンタルヘルス
- 厚生労働省:厚生労働省:過労死等防止対策
- Wikipedia:抑うつ