最終更新日:2020/11/08
上司から残業しないで帰社するように強要される、「ジタハラ」に苦しんでいませんか?
時短勤務になっても今まで通りの成果を求められることが多く、心身ともに限界になってしまう人も多いことでしょう。
ジタハラを解決するためには、原因や問題点を明らかにし、適切な対策をとる必要があります。
モチベーションを保ちながら仕事をするためにも、具体的にどのような対策があるのか見ていきましょう。
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1.ジタハラとは?
ジタハラとは、「時短ハラスメント」の略です。
働き方改革の一環として労働時間の短縮が推奨されていますが、思わぬしわ寄せが従業員に押し寄せ、ジタハラというハラスメントが横行しています。
中には心身ともに体調を崩し、休職や退職に追い込まれる人も少なくありません。
ジタハラの事例
ジタハラの事例として、以下のような口コミが寄せられています。
(前略)
時短ハラスメントも酷いです。仕事が全く終わってないのに定時になると帰れと言います。
仕事を終えられないのは効率が悪いからと言われます。当然、仕事が滞り、お客様への回答や対応が遅くなります。
結果、売上も下がっています。
定時に帰るのは良いことだとは思いますが、与えられた仕事がその担当者の能力以上にも関わらず与えて出来なければ存在価値がないなんて言います。
(後略)
引用:Yahoo知恵袋
ジタハラ事例の中でも、とくに多いのが「残業するのは無能だから」という上司の言い分です。
たしかに、効率よく仕事をこなすことは有能な社員である証拠と言えます。
しかし、時間内に終わらない業務量にもかかわらず、残業する社員は存在価値がないと言われたら、精神的に追いつめられてしまう人が多いはずです。
#newszero
すっかり雰囲気がかわって
どんどんくだけていく感じが良くもあり寂しくもありジタハラはハラスメントする側の意識が変わらなければ難しいよね
結局仕事の出来る人に負担がかかり結果優秀な人材の流出に繋がるかもしれないのだから
社内一丸となって考えなければいけない問題ですよね— 真🌸 (@Maatosakurairo) October 28, 2019
優秀な社員は効率よく仕事をこなし、成果も出すため重宝されます。
会社側だけでなく、同僚からも仕事を押し付けられるため、優秀な社員に負担が集中してしまうのです。
膨大な業務量を抱えているのに、上司からは「残業しないで帰れ」と言われてしまう。
ジタハラによって優秀な人材が辞めていくのは、会社にとっても不利益のはずなので、会社規模での改革が必要でしょう。
2.ジタハラの原因
そもそも、なぜジタハラは起きてしまうのでしょうか?
ジタハラの原因として、以下の4つが挙げられます。
対策なしの働き方改革
ジタハラは、働き方改革によって生まれた副産物と言えるでしょう。
会社はイメージアップのために時短勤務を社員に強要するものの、何の対策もない場合にはサービス残業が増える結果になってしまいます。
業務時間を減らせば、こなせる業務量が減ってしまうのは誰にでもわかることです。
見て見ぬフリをする会社側が原因で、ジタハラが起きるケースが多いと言えるでしょう。
労働基準監督署からの是正対策
残業時間の上限は、労働基準法で定められています。
上限を超えて社員に残業をさせている会社は、労働基準監督署から是正勧告を受ける場合があります。
是正勧告を受けるということは、会社がペナルティーを受けた証拠です。
そのため、労働基準監督署からの是正対策としてジタハラをしてしまう会社も少なくありません。
しかし、ジタハラこそが是正勧告の原因になることを忘れています。
ジタハラは労働法に規定されていませんが、正当な残業代が支払われない場合は労働法に触れるため、労働基準監督署の是正対象になり得るのです。
第三十七条
使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
『引用:労働基準法37条』
業績悪化による残業代の削減
業績が悪化したら、会社としては経費削減を試みるのは当然です。
そして、人件費は会社のコストの中で大きなウェイトを占めるため、真っ先に削られやすい費用です。
働き方改革に乗っかり、「政府のお達しだから」という正当な理由を振りかざせば、堂々と社員の残業代を削減できると考えているケースが目立ちます。
何の対策もなく残業代を削減するだけでは、ジタハラの原因になるのはもちろん、生産性が低下し業績を回復させることもできないでしょう。
残業代稼ぎの社員への防御策
急ぎの業務がないのに遅くまで残業している社員や、休日出勤をしている社員は、生活費のために残業代を稼いでいる可能性があります。
会社側としては、残業代稼ぎの社員への防御策として時短勤務を指示する場合もあるでしょう。
時短勤務を強いられた社員からすれば、ジタハラをされたと思ってしまいます。
逆に、本当に残業が必要な社員にまで時短勤務をさせることになり、結果的にジタハラになってしまう場合もあります。
3.ジタハラによって浮き彫りになる問題点
ジタハラによって浮き彫りになる問題点は、社員が心身の健康を損なうほどの影響力を持ちます。
以下に挙げる問題点を解決することが、ジタハラ対策につながるのです。
時間内に業務が終わらないためサービス残業が増える
「残業するな」と言われても、時間内に終わらないほどの業務量を抱えていれば、必然的にサービス残業が増えます。
会社で残業するのが無理ならば、自宅に持ち帰って仕事をする人も少なくありません。
何の対策も立てずに時短勤務を強要する会社は、ジタハラによってサービス残業が増え、社員への負担が増えてしまうのです。
求められる成果は変わらないためプレッシャーが増える
どんな会社でも、利益を上げなければ経営を存続させることができません。
とはいえ、時短勤務を強要されているのに、求められる成果が変わらない会社が多いのです。
ジタハラによって社員のプレッシャーは増える一方なので、メンタルに支障をきたしてしまうこともあるでしょう。
収入低下によってモチベーションが下がる
会社から「残業するな」と言われた場合、収入の低下によって社員のモチベーションが下がる可能性があります。
ノルマの見直しなどの対策をしたうえで時短勤務になるのであれば、収入の低下は仕方のないことです。
しかし、やるべき業務が変わっていないのに残業時間を削減されたら、収入が下がるだけでモチベーションを維持できません。
しかも、効率化を図っているにもかかわらず、収入が低下すればモチベーションが下がるのは当然と言えるでしょう。
業務のクオリティーが下がる
業務時間が減れば、今までよりも素早く業務をこなす必要に迫られます。
業務仕分けや見直しをせずに時短だけを求められれば、業務のクオリティーが下がることは避けられません。
結果的に顧客満足度も低下し、企業価値の低下にもつながります。
4.ジタハラが起こりやすい職種・環境
ジタハラは、職種や環境によって発生リスクが異なります。
ジタハラが起こりやすいのは、業務の性質上、時短勤務への見直しが難しい職種や環境にいる場合です。
おもに、以下の3つが挙げられます。では、1つずつ見ていきましょう。
新人
どのような職種に就いている人でも、新人は時短勤務への見直しが難しいでしょう。
わからないことだらけの状態で「ムダな業務を省いて効率化しよう」と言われても、そもそも業務の全体像を把握できていないため、何がムダな業務なのかわからないのです。
また、慣れない業務で時間が読めないことも、新人の時短勤務が難しい理由の1つです。
クリエイティブ系の仕事
クリエイティブ系の仕事とは、新規の顧客開拓をしている「営業部」や、新商品を開発するために試行錯誤をくり返している「開発部」などのことです。
クリエイティブ系の仕事は、何をどこまでやればどのような結果が返ってくるのかを予測することが難しいため、時短勤務への見直しが難しい職種と言えます。
加点方式で評価される職種は、頑張った分だけ評価されるメリットはありますが、評価を得ながら業務を削減することが難しいのです。
頭を使って工夫すれば、ある程度は効率化も可能でしょう。
しかし、そもそもどの業務を削減すれば良いのかを見定めることは困難です。
霞が関で働く国家公務員
本来であれば「働き方改革」を先導すべき国家公務員ですが、霞が関で働く国家公務員はジタハラが横行しやすい環境にあります。
なぜなら、国会対応で他律的な業務が多く、サービス残業が増える傾向にあるからです。
日本の場合、国会の審議日程が直前に決められるため、質問通告も直前になり、答弁の作成に追われて徹夜になることも少なくありません。
そのうえ、必然的な残業であるにもかかわらず、残業が多い人は能力がないとみなされて実名を公表されます。(参考:BLOGOS)
以上のことから、メンタル疾患で休職する職員も多く、人員が減っても業務量は減らないという厳しい状況に置かれています。
5.ジタハラの対策
では、ジタハラはどうすれば解決できるのでしょうか?
ジタハラ対策は個人の裁量でコントロールしにくいため、部署・会社規模で改革していく必要があります。
業務を可視化して適切に分担する
ジタハラを根本的に解決するためには、業務内容をすべて洗い出し、可視化することが大切です。
多くの場合、時短勤務を強要する上司は、部下の業務量を把握していないケースが多いからです。
業務量と業務内容を可視化すれば、適切に分担できるため、特定の個人の業務量が増えることを防げます。
また、優秀な社員への業務の集中を避けられるため、業務内容の仕分けは「優秀な人材の確保」という面で見ても重要なポイントです。
ムダな業務を省き効率化する
仕事は「やりすぎ」というラインを見極めることが難しいため、丁寧に取り組むとムダな業務も増えてきます。
しかし、本人は一生懸命仕事をしているだけで気づいていないことも多いため、部署単位でムダな業務を省いていく取り組みが必要でしょう。
ベテラン社員が、若手社員に効率的な手順を教えていくことも有効です。
また、会社の常識を見直すこともジタハラ対策になる場合があります。
たとえば、冗長になりやすい会議時間の短縮や、業務分担による効率化によって、他の業務にかける時間を確保できます。
その結果、残業時間を減らすことにつながるのです。
人員を増やす
そもそも時短勤務は働き方改革の1つであり、社員が快適な人生を送るための対策です。
これを会社側が勘違いをして、経費削減と混同してしまうためジタハラが起きてしまうのです。
時短勤務を目指すのであれば、「業務量を減らす」「納期を遅らせる」「人員を増やす」のいずれかの対策をとる必要があります。
会社の業績を落とさずに時短勤務を実施するのであれば、人員を増やすことがもっとも有効です。
つまりジタハラ対策は、社員個人ではなく、会社規模で改革する必要があります。
6.ジタハラで限界だと感じたらどうすれば良い?
ジタハラで苦しんでいても、会社や上司の協力を得られない場合もあります。
もし限界だと感じたら、最終手段として以下の2つの対処法を検討してみましょう。
労働基準監督署へ相談する
ジタハラによって離職者が増えれば、会社にとってもマイナスです。
会社に相談窓口があれば良いですが、なかなか制度の整った会社が少ないため、労働基準監督署へ相談してみると良いでしょう。
労働基準監督署の相談窓口を知りたい方はこちらを参照ください。
労働基準監督署からの是正が入れば、会社としては無視できなくなります。
もし退職しないで解決したい場合には、対処法の1つとして頭に入れておくことをおすすめします。
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さまざまな働きかけを行ったにもかかわらず、何の改善も見られない場合には、転職を検討してみるのも良いでしょう。
ジタハラで転職する場合、同じ失敗をくり返さないためにも、転職エージェントに相談するのがおすすめです。
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まとめ
ジタハラによって心身ともに限界になると、退職を考えてしまう人も多いことでしょう。
それも一つの選択肢ではありますが、まずは会社内で解決できる方法を探すことから始めてみるのがおすすめです。
【ジタハラの対策】
- 業務を可視化して適切に分担する
- ムダな業務を省き効率化する
- 人員を増やす
ジタハラを強要する上司は、部下の業務量を把握していないケースも多いため、部署や会社規模で対策を練っていく必要があります。
人事や総務などと連携したり、部署全体で業務の仕分けなどを行ったりすることで、快適な職場環境を整えることは十分に可能なのです。
【参考サイト】