
「ルート営業は楽そう」というイメージがある一方で、「実は、きつい」という情報もあります。
実際はどうなのか、気になりますよね。
たしかに、新規顧客を開拓する一般営業に比べると楽な部分も多いですが、その実情は「業界」や「会社」によって大きく異なります。
今回は、一般営業との違いや必要なスキル、働きやすい会社の選び方についてご紹介します。
自分の適性をチェックして、働きやすい会社を見つけましょう。
仕事の悩みや将来への不安を、ずるずる伸ばしてはいないでしょうか?
限界がくる前に、キャリアアドバイザーに無料相談しましょう。
気になる項目をクリック
1.ルート営業の楽なところ
まずは、ルート営業が楽だと言われる理由からご紹介します。
ある程度決められたルーティーンをこなしていくイメージなので、営業が未経験の人でも取り組みやすい仕事と言えるでしょう。
飛び込み営業が無い
ルート営業と一般営業の大きな違いは、飛び込み営業が無いところです。
新規顧客を開拓する飛び込み営業は、精神的にもつらい業務のため敬遠する人も多いです。
飛び込み営業をかけても断られるケースがほとんどで、時には罵声を浴びせられることもあるでしょう。
ノルマも厳しい傾向があり、メンタルを病んでしまう人もいます。
飛び込み営業をはじめ新規開拓が無いからという理由だけで、ルート営業を選択する人は少なくありません。
やるべきことが決まっているためスケジュールが立てやすい
ルート営業は担当する顧客があらかじめ割り当てられており、回るルートや仕事内容などが決まっています。
そのため、1日のスケジュールを立てやすく、ある程度は自分でコントロールできるところが楽な部分です。
ルート営業のとある1日のスケジュールを下記に紹介しますので、参考にしてみてください。
- 8:30 出社
- 8:50 朝礼
- 9:00 ミーティング
- 10:00 得意先回り(1件目)
- 11:00 得意先回り(2件目)
- 12:00 休憩
- 13:00 得意先回り(3件目)
- 14:00 商談・打ち合わせ
- 15:00 商品の配送
- 16:00 売り場チェック
- 17:00 会社へ戻る
- 18:00 提案書や見積書などの事務処理
- 19:00 退社
既存の信頼関係を利用できるため成約率が高い
ルート営業はすでに信頼関係が構築されている顧客を相手にするため、精神的な負担が少ない割に、成約率が高いというメリットがあります。
そのため「御用聞き」と呼ばれることもあります。
御用聞きとは、いつも買ってくれるお客様に「今日は何を買ってくれますか?」と聞きに行くだけの営業のことを指します。
日本の長寿アニメである「サザエさん」に登場する「三河屋さんのサブちゃん」が、まさに御用聞きのイメージです。
しかし、御用聞きは簡単そうで意外と難しい仕事でもあります。これについては、次の項目で見ていきましょう。
2.ルート営業がきついと言われる理由
ルート営業は未経験でも取り組みやすく、楽なイメージが強い仕事です。
しかし、ルート営業ならではの「きつさ」もあるため、ここでご紹介します。
苦手な顧客とのコミュニケーション
ルート営業はいつも同じ顧客を回るため、苦手な顧客がいる場合にはコミュニケーションを取るのがきついと言えます。
「前の担当者のほうが良かったよ」や「他の人に変えてくれない?」などと言われても、自分のキャリアを考えると簡単に担当を変わることはできません。
また、自分と合わない人や人間性に問題がある人が相手だと、ストレスが溜まってしまいます。
有名企業や大口顧客など、得意先企業のほうが上の立場の場合には、とくにきついと言えるでしょう。
ライバル企業との競争が激しい
同じルートを回っている営業マンは他にもいるため、ライバル企業との競争が激しいことがルート営業のきつい部分です。
その中には、新規参入してくる優秀な営業マンもいる可能性があります。
お得意様だと思って油断していると、ライバル企業に追い抜かれてしまうこともあるため、得意先とのコミュニケーションやリサーチなども必要です。
得意先と会社の板挟みになる
得意先回りをしていると、「もっと安くならないの?」や「納期を早くしてほしい」などの無理な要求をされることも少なくありません。
得意先のため無下に断ることもできず、会社に持ち帰って上司に相談すると「そんなの無理に決まってるだろ」とあっさり却下されてしまうことも。
そのため、得意先と会社の板挟みになることがつらい部分と言えるでしょう。
雑務が多い
ルート営業は得意先を回るだけでなく、顧客管理も重要な仕事です。
どの顧客と、どのようなやり取りをしたのかを覚えておかなければ、良好な関係を築いていくことはできません。
ルート営業は毎日似たような仕事のくり返しになるため、記録しておかなければ何を話したのか思い出せないこともあります。
顧客管理のための雑務は面倒で後回しにしがちですが、得意先との信頼関係を築くためには重要なポイントです。
売上アップが難しい
ルート営業は御用聞きだとご説明しましたが、どんなお得意様でも「買ってください」と言うだけで売上アップを目指すのは難しいです。
ルート営業にもノルマがある場合が多いため、定期的に新商品や新規サービスの提案をして売上を伸ばすことが求められます。
しかし、得意先との関係がすでに構築されているため、「特に必要ない」とキッパリ言われてしまうと、追加の営業をかけにくいというデメリットもあります。
せっかく築き上げた関係性を壊さないために、引き下がってしまうのです。
そのため、今まで以上の売上アップが難しいことがルート営業のきついところです。
3.ルート営業に必要なスキル
楽なところも、つらいところもあるルート営業には、どのようなスキルが必要なのでしょうか?
一般営業と共通するスキルもありますが、とくにルート営業に必要なスキルもあるのでご紹介します。
コミュニケーション能力
ルート営業に必要なスキルは、コミュニケーション能力です。
関係が構築されている顧客だからこそ、たまには仕事以外の雑談を交えたり、細やかな対応をしたりすることが求められます。
売っているのは「物」ですが、顧客は「人」から買っている意識があるため、顧客と誠実に向き合えるスキルが必要です。
タイムマネジメント能力
1日に回る件数は会社によって異なりますが、計画的に回らないと終わらないこともあります。
また、納品や搬入などの業務、打ち合わせなどもあるため、時間の管理は重要なスキルと言えるでしょう。
うまく計画を立てれば、ゆとりを持って仕事をすることができるため、タイムマネジメント能力があると突発的な事態にもスムーズに対応できます。
ヒアリング能力
ルート営業は、顧客の要望や課題をいち早く把握することが求められます。
そのため、顧客が本当に求めていることを探る「ヒアリング能力」が必要です。
顧客の先には、エンドユーザーである消費者がいることも踏まえ、今何を提案すれば良いのか、どうしたら顧客の課題を解決できるのかを真剣に考えるのが優秀な営業マンです。
ただの御用聞きではなく、顧客が求めていることを察する能力こそ、ルート営業に必要なスキルと言えます。
マーケティング能力
ルート営業の仕事には、業界の市場分析をしたり、顧客のニーズを把握したりするマーケティング能力が必要です。
とくに商品などの目に見える物を売る「有形サービス」で、さらに「個人消費者」をターゲットにした企業を相手にする場合には、マーケティング能力を武器にすることができます。
マーケティングは相手の立場に立ち、問題を解決するための商品を提供することがおもな目的です。
前述のコミュニケーション能力やヒアリング能力を駆使して、売れる戦略を立てることがルート営業に必要なスキルです。
4.どんなルート営業がきつい?
ルート営業にもさまざまな業界がありますが、どんなルート営業がきついのかご紹介します。
ルート営業に分類される職種でも、仕事内容は一般営業に近い職種もあります。
置き薬のルート営業は新規開拓もあるのできつい
置き薬のルート営業には、以下のような口コミが寄せられています。
(前略)
①仕事の時間が不規則!
朝は余裕あるが、夜は客が不在だった所を
回ったり!帰社後!次の日の薬を準備!
などで帰宅が22時前後になるのが割とあるとか・・・・
(TELアポ取ると、21時しかいないから、その時間に来て!
とか言われるそうですよ)
会社にTELアポ取る専門がいなければ
ルート営業の合間に自身で新規開拓!②能力給・・・これもクセモノの一つのようです。
常備薬の使用量は、ほぼ何処の家庭・会社でも
飛びぬけて使ってくれる所は少ないようです。
その為、自社にて売りにしている青汁や栄養補助関係などを
常備して使ってもらえるようにする必要があるみたいです。(後略)
「引用:Yahoo知恵袋」
置き薬のルート営業は、個人顧客を相手にするため、顧客件数や個別の対応が多くなりがちです。
また、既存顧客へのルート営業だけでなく、新規顧客の開拓も任されることが多いため、きつい業界と言えるでしょう。
とくに最近は、薬局やドラッグストアで簡単に薬が購入できるようになったので、置き薬への需要が低下して新規契約が取りづらくなっています。
さらに会社によっては、サプリなどの健康食品のノルマがきついことが挙げられます。
不動産業界はノルマがきつい
不動産の売買を担当するルート営業は、ノルマがきついことが多いです。
たとえば、空いている土地や個人宅にマンションやアパートを建て、家賃収入で稼げるというアプローチで営業することが多いです。
成約すれば歩合が高いので稼げる業界ですが、ノルマのきつさと比例しているのが特徴です。
保険・ITなどの無形サービスは売りづらい
生命保険などを売る保険業界や、メディアのメンテナンスや商品の販促などに利用するIT業界などは、目に見えない「無形サービス」を売る営業です。
無形サービスは、必要であることを顧客にイメージさせることが大切なため、売りづらい商品を扱うきつさがあります。
また、保険営業の場合、回るルートは個人宅ではありませんが、顧客は個人になるケースが多いです。
オフィスへ訪問し、仕事中のビジネスマン一人一人に営業をかけていくため、つらい業務と言えるでしょう。
この場合は社員ではなく、業務委託をしている個人事業主の場合もあります。
5.ルート営業で働きやすい会社を選ぶポイント
ルート営業は未経験でも取り組みやすい職種ですが、選ぶ業界や会社によって働きやすさが異なります。
では、働きやすい会社を選ぶポイントについてご紹介します。
働きやすい会社の業態・特徴
ルート営業で働きやすい会社の業態や特徴について解説します。
以下の条件に合った会社を選ぶことをおすすめします。
業界シェア上位の会社
どんな業界でも、業界シェア上位の会社に就職すれば、ルート営業の仕事がやりやすいでしょう。
営業職は、どうしても得意先よりも下の立場で言いなりになってしまいがちですが、業界シェア上位であれば、その会社から購入するメリットや必要性が多いのです。
多くの企業が扱っていることで良品の証明になったり、そもそも競合他社がほとんどいなかったりする業界もあります。
いずれのケースでも、業界シェア上位の会社なら注文件数も多く、安定して売上をアップさせることができるでしょう。
長期顧客を抱えている会社
業界や会社によって、短期顧客が多い場合と、長期顧客が多い場合に分かれます。
短期顧客が多い会社の場合には、ルート営業であっても新規開拓の業務が多い特徴があります。
それに対して長期顧客を抱えている会社であれば、馴染みのある顧客とのやり取りが多く、精神的にも働きやすい環境と言えます。
実際に働いている人の声を聞く
ルート営業で働きやすい会社を選ぶためには、実際にその会社で働いている人の声を聞くことがおすすめです。
企業の口コミサイトで検索しても良いですが、できれば生の声を聞いたほうが良いでしょう。
文章では書きづらいことも、直接話を聞けば教えてくれる場合もあります。
知人や友人のつながりを探れば、実際に働いた経験のある人や、現在も働いている人が見つかる可能性もあります。
転職エージェントを利用する
転職エージェントを利用すると、求人紹介はもちろん、応募書類の添削や面接対策などのサービスが受けられます。
また、自分が受けようとしている会社のさまざまな情報を得ることができ、条件交渉にも応じてくれます。
これらのサービスは、無料で利用できます。
電話やメール、対面など、相談しやすい方法で転職エージェントを利用してみましょう。
相談する前に、あらかじめ知りたいことをまとめておくと、スムーズに相談できます。
6.良い会社を見つけるためにおすすめの転職エージェント
では最後に、良い会社を見つけるためにおすすめの転職エージェントを3つご紹介します。
経験・未経験や相談内容などによって、適したエージェントがあります。
※こちらの転職エージェントは、「人気の転職エージェント・転職サイトおすすめランキング【2021年比較版】」の記事で、利用者からの評価が高かった転職エージェントです。
営業職への転職に特化した「マイナビ Sales&Marketing AGENT」
(引用:マイナビ Sales&Marketing AGENT)
「マイナビ Sales&Marketing AGENT」は、人材業界大手のマイナビが運営している営業職特化型の転職エージェントです。
金融・不動産・医療業界の営業職をはじめ、様々な業界の案件を保有しており、求人数は6,000件以上です。(2020年12月時点)
豊富なノウハウを持つ営業職専任チームによる転職サポートが受けられるため、新たな選択肢や可能性の提案も期待できます。
営業職に特化した転職エージェントは少ないため、ぜひ一度どのような求人があるかだけでもチェックしておくと良いでしょう。
運営会社 | 株式会社マイナビ |
---|---|
公開求人数 | 約21,000件 (2020年12月時点) |
非公開求人数 | 約14,000件 (2020年12月時点) |
対応地域 | 全国 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://mynavi-agent.jp/sales/ |
\スマホで簡単!3分以内で無料登録!/
さまざまな求人を比較できる「リクルートエージェント」
(引用:リクルートエージェント)
対面しなくても電話相談できる「リクルートエージェント」は、さまざまな求人を比較できることがポイント。
転職エージェントを利用するのが初めての人でも、相談しやすいエージェントです。
業界最大手のため、求人数が多いことも特徴です。
まずは登録をして、求人をチェックしてみましょう。
運営会社 | 株式会社リクルート |
---|---|
公開求人数 | 約176,100件(2022年4月時点) |
非公開求人数 |
約226,400件(2022年4月時点) |
対応地域 | 全国+海外 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.r-agent.com/ |
詳しい解説は以下を確認してください。 「【1月最新】リクルートエージェントって実際どうなの?気になる評判と利用前の全注意点」 |
\スマホで簡単!3分以内で無料登録!/
質の高いコンサルタントのサポートを受けたいなら「doda」
(引用:doda)
転職エージェント「doda」は、経験者向けの求人が多い傾向があります。
今までの経験を活かして転職したい人は、質の高いサポートを受けることができるでしょう。
専門分野に詳しい担当者がいたり、業界事情に詳しい担当者がいたりするため、職場の雰囲気なども教えてもらえる場合があります。
気になる人は、まずは登録してみましょう。
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
---|---|
公開求人数 | 約130,200件(2022年4月時点) |
非公開求人数 |
約36,200件(2022年4月時点) |
おすすめ年代 | 20代,30代 |
対応地域 | 全国+海外 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://doda.jp/ |
詳しい解説は以下を確認してください。 「doda(デューダ)って実際どうなの?気になる評判と利用前の注意点|口コミ一覧あり」 |
\スマホで簡単!3分以内で無料登録!/
まとめ
ルート営業は、一般営業に比べると精神的に楽な部分が多いのは事実です。
しかし、「楽そう」という理由だけで転職すると失敗しやすいので気をつけましょう。
ルート営業には、ルート営業ならではの「きつさ」があります。
【ルート営業がきついと言われる理由】
- 苦手な顧客とのコミュニケーション
- ライバル企業との競争が激しい
- 得意先と会社の板挟みになる
- 雑務が多い
- 売上アップが難しい
ルート営業に必要なスキルを見極め、自分に合った業界を見つけることができれば、転職先でも実力を発揮できるでしょう。
転職活動を始めるならば、本記事でご紹介した転職エージェントに登録して、出来るだけ多くの情報を集めることをおすすめします。