最終更新日:2021/01/16
治験コーディネーターは、薬剤師が活躍できる職種の1つ。
新薬開発に重要な役割を果たすやりがいのある仕事です。
「未経験から治験コーディネーターになりたい」という方は多いですが、詳細を知らない方もいらっしゃいますよね。
治験コーディネーターになるには、事前にしっかりと情報収集しておくことが大切です。
そこで本記事では、薬剤師が治験コーディネーターになる方法やメリット・デメリットなどについて詳しく解説します。
本記事を読めば、「治験コーディネーター」として活躍する方法ややりがいを知ることができるはずですよ。
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1.治験コーディネーター(CRC)とは?
治験コーディネーター(CRC)になりたいけれど、詳しく知らないという方も多いです。
ここでは、未経験から治験コーディネーターになりたい人のために、仕事内容や特徴を紹介します。
CRCのおもな仕事は治験薬の管理や説明
CRCのおもな仕事は、治験薬の管理や説明です。
また、治験を行う際、医療機関・製薬会社・被験者とうまく連携し、スムーズに治験を進行させる役割も果たしています。
「被験者に治験薬について分かりやすく説明する」「治験薬を管理し、品質を担保する」「治験担当医の補助をする」など、仕事内容は多岐にわたります。
CRCは被験者・製薬会社・担当医を総合的にサポートする重要な役割を果たしているのです。
CRCへの転職は薬剤師免許を持っていると有利
CRCへの転職において必須となっている資格はないですが、薬剤師免許を持っていると有利にはたらきます。
なぜなら、薬剤師は薬についての基礎知識があるため、治験薬の特性も把握しやすいのです。
服薬指導、医薬品の管理にも慣れているケースが多く、治験領域で活躍できる場面が多々あります。
また、臨床経験3年程度が求められるので、臨床経験年数も重要です。
薬剤師としての臨床経験があると、転職の際、大きなアピールポイントとなるでしょう。
CRCの平均年収は約400~500万円
カカクコムが運営する「求人ボックス」のデータによると、CRCの平均年収は430万円。(出典:CRCの仕事の年収・時給・給料情報|求人ボックス)
個々の年収は、勤続年数や役職などにより差があるため「400~500万円程度が相場」といえるでしょう。
また、企業によっては福利厚生が充実しており、住宅補助や外勤手当などを支給されるケースも多いです。
転職する際は、あらかじめ年収についても確認しておきましょう。
2.治験コーディネーターとして働く主な方法
では、治験コーディネーターとして働くには、どうすればいいのでしょうか?
ここでは、転職先として選ばれることが多い主な職場と、働き方を2つ紹介します。
方法1.病院や医療機関で「院内CRC」になる
治験コーディネーターとして働く方法として、病院や医療機関で「院内CRC」になることが挙げられます。
治験を実施している病院や医療機関では、CRCの募集が出されることがあるのです。
以下に「未経験歓迎」の求人例を示しています。
(引用:しごとナビ|2021年1月時点)
ただし、院内CRCの求人はあまり数が多くありません。
院内CRCの求人は、自力で見つけるのが難しいので、転職サイトのアドバイザーに相談するのがおすすめです。
記事後半の、「治験コーディネーターの求人を探すなら「転職サービス」を活用しよう」では、おすすめの転職サービスをご紹介していますので、参考にしてみてください。
方法2.治験施設支援機関(SMO)に勤める
治験施設支援機関(SMO)に勤めることも、選択肢のひとつ。
SMOとは、病院をはじめとした治験実施施設の治験関連業務を支援する外部機関のこと。
大手SMOとしては「EP綜合」「シミックヘルスケア・インスティテュート」「アイロム」などが挙げられます。
また、会社によって得意分野が異なるので「どんな分野の治験に携わりたいのか」考慮して転職することも大切です。
たとえば、精神科領域・皮膚科領域など特定の分野に精通したSMOも多いです。
以下に「未経験歓迎」の求人例を示しています。
(引用:マイナビ薬剤師|2021年1月時点)
自分の強みを活かせるSMOを選ぶと、より現場で活躍できるでしょう。
3.薬剤師が治験コーディネーターに転職するメリット
CRCへの転職を検討中の方のなかには「転職するメリットはあるのだろうか?」「このまま現職を続けたほうが良いのではないか」とお悩みの方もいらっしゃいますよね。
意外に感じるかもしれませんが、CRCには薬局等にはない魅力が複数あります。
ここでは、「薬剤師が治験コーディネーターに転職するメリット」についてご紹介します。
メリット1.土日休みになりやすい
CRCは、土日休みになりやすいというメリットがあります。
薬局等で働く場合は土日休みでないケースが多いですが、CRCは「完全週休二日制」の求人が多いのです。
考え方を変えて、民間で比較的お給料が良いところで働き、副業として何か自分で発信していくか?そこで自分のやりたいことをやっていくか。
たとえば治験コーディネーターの仕事って結構給料いいよね。それで土日祝休みだからライティングとか副業で始めたり、とか。— よなしの (@365apl) July 18, 2020
「薬局からCRCに転職し、家族と休みが合うようになった」という方も多くいます。
ただし、勤務先によっては、土日の業務が発生するケースもあるので、あらかじめ確認が必要です。
『基本的に土日休み』というのは、薬局やドラッグストアにはないメリットといえるでしょう。
メリット2.「新薬開発に携われる」というやりがいがある
CRCは、「新薬開発に携われる」というやりがいがあります。
新薬が認可されると、将来、数多くの患者さんを助けることにつながります。
おしごとはなにされておりますか?「治験コーディネーターです!新薬開発しておます!」キャーりんこさんカッコイー!ってなりたい。
— りんこし (@rin_rii) February 1, 2013
「新薬が効果を発揮するのを見るとやりがいを感じられる」「新薬を待っている患者さんの力になりたい」というCRCも多いです。
現職にやりがいを感じられない方は、未経験であっても、ぜひCRCへの転職を視野に入れてみてはいかがでしょうか?
メリット3.薬剤師としての専門知識を活かすことができる
治験の現場では、薬剤師としての薬の専門知識を発揮することができます。
治験コーディネーターは薬剤師の資格がなくてもなることはできますが、薬剤師の薬学的な知識は、治験コーディネーターとして仕事をする際、非常に役立ちます。
例えば、「新薬のメカニズムを理解できる」「被験者に治験薬について分かりやすく服薬指導できる」といったスキルがあれば大活躍できるでしょう。
薬剤師としての専門知識を新薬開発の場で発揮したいのであれば、治験コーディネーターを目指すと良いでしょう。
4.薬剤師が治験コーディネーターに転職するデメリット
治験コーディネーターの仕事には、メリットだけではなくデメリットも存在します。
転職後のミスマッチを防ぐために、デメリットについてもしっかりと把握しておくことが大切です。
ここでは、「薬剤師が治験コーディネーターに転職する際の注意点」をご紹介します。
デメリット1.調剤技術などの薬剤師スキルが上がらない
薬剤師が治験コーディネーターに転職した場合、調剤技術などの薬剤師スキルが上がりにくくなります。
薬剤師の基本となるのは、調剤業務であり、調剤薬局や病院に勤務している薬剤師は、自ずと力がついてきます。
一方、CRCの場合、基本的に調剤業務はなく、スキルを磨くことができません。
CRCへの転職は「治験薬の知識や服薬指導力などを深められますが、調剤業務のスキルは上がりにくい」ことを覚えておきましょう。
デメリット2.30代後半以上になると転職のハードルが上がる
CRCへの転職は、30代後半以上になるとハードルが上がります。
というのも、学ぶべきことが多いCRCへの転職は「ポテンシャルがある若い薬剤師」が有利になりやすいのです。
具体的に年齢制限が設けられているケースは少ないですが、「30代後半以上は難易度が上がる」と考えて良いでしょう。
未経験の場合はとくに難易度が高いため、CRCへの転職を考えている場合は、早めに行動を起こすことをおすすめします。
5.治験コーディネーターに向いている人・向いていない人
治験コーディネーターに興味はあるけれど、向いているか分からないという方もいますよね。
治験コーディネーターになる際は、あらかじめ向いているか検討することで、「こんなはずではなかった…」というミスマッチを防ぐことができます。
ここでは、治験コーディネーターに向いている人と向いていない人の特徴をご紹介します。
向いている人
治験コーディネーターは、新薬開発に携わることのできる魅力的な資格です。
治験コーディネーターにチャレンジする際は、転職後のミスマッチを防ぐためにも、向いているかを確認するようにしましょう。
以下に治験コーディネーターに向いている人の特徴を示しています。
- 新薬開発に興味のある人
- コミュニケーション能力が高い人
- 物事に柔軟に対応できる人
治験コーディネーターは、医療機関・製薬会社・被験者とうまく連携して、治験をスムーズに進行させる役割があります。
また、不安を抱える被験者のメンタルケアも治験コーディネーターの仕事のひとつです。
そのため、高いコミュニケーション能力が必要になります。
さらに、治験では、予想外の症状が出る可能性があるので、物事に柔軟に対応する力が重要。
治験コーディネーターは、高いコミュニケーション能力があり、臨機応変に行動できる人に向いているでしょう。
向いていない人
治験コーディネーターになりたいけれど、自分に向いているのか不安に感じる方もいますよね。
以下に治験コーディネーターに向いていない人の特徴を示しています。
- 調剤スキルを身につけたい人
- 多くの人とのコミュニケーションをストレスに感じる人
治験コーディネーターは、医療機関・製薬会社・被験者など、複数の人とのコミュニケーションが重要になります。
そのため、数多くの人とのコミュニケーションをストレスに感じる人には向いていません。
また、治験コーディネーターは基本的に調剤業務がないので、調剤スキルを磨くことができません。
治験コーディネーターを目指す際は、適性を検討するようにしましょう。
6.治験コーディネーターの求人を探すなら「転職サービス」を活用しよう
治験コーディネーターの求人は比較的少ないので、効率的に求人をチェックしたい場合は「転職サービス」の活用がおすすめです。
転職サービスを利用すれば、一般には公開されていない非公開求人もチェックできるので、効率的に案件を探せます。
ここでは、おすすめの転職サービスを3社ご紹介しますので、ぜひ活用してみてください。
サイト名 | おすすめの人 |
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リクルートエージェント |
|
マイナビ薬剤師 |
|
doda |
|
ここで紹介する3社のうち、「リクルートエージェント」と「doda」は、様々な職種を対象とした『総合型』のエージェントです。
総合型のエージェントは薬剤師に関する専門性に欠けるものの、製薬会社など幅広い求人を保有しています。
「治験コーディネーターとして働きたい」という方は、リクルートエージェントやdodaも併せてチェックしてみることをおすすめします。
たくさんの求人をチェックしたいなら「リクルートエージェント」
(引用:リクルートエージェント)
「リクルートエージェント」は、転職支援実績が豊富なエージェント。
求人数は業界No.1を誇っており、数多くの案件を比較できます。
また、公式サイトでは「臨床開発・治験(CRA・CRC)」の条件で求人を検索可能。
2021年1月時点では、公開人数390件・非公開求人数965件の求人がヒットしました。
上記検索結果にはCRCだけでなくCRAも含まれていますが、それを考慮してもダントツで求人が多いです。
たくさんの求人をチェックしたいのであれば、ぜひリクルートエージェントを利用してみてください。
運営会社 | 株式会社リクルートキャリア |
---|---|
公開求人数 | 約107,700件 (2021年2月時点) |
非公開求人数 |
約137,800件 (2021年2月時点) |
対応地域 | 全国+海外 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.r-agent.com/ |
詳しい解説は以下を確認してください。 「【2月最新】リクルートエージェントの悪い評判と利用前の全注意点」 |
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薬剤師に精通したアドバイザーに相談したいなら「マイナビ薬剤師」
(引用:マイナビ薬剤師)
マイナビ薬剤師は、大手人材会社「マイナビ」グループが運営している転職サイト。
アドバイザーが薬剤師の仕事に精通しており、専門性が高いのが魅力です。
希望をくみ取り、実践的なサポートをしてもらえます。
「未経験だけどCRCになりたい」「薬剤師としてのスキルをCRCとして発揮したい」といった希望のある方におすすめです。
なお、「治験コーディネーター(CRC)」の求人は、2021年1月時点で157件の案件がヒットしました。
薬剤師に精通したアドバイザーに相談したいのであれば、ぜひマイナビ薬剤師を利用してみてください。
運営会社 | 株式会社マイナビ |
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公開求人数 | 約61,000件 (2021年2月時点) |
非公開求人数 |
非公開 |
対応地域 | 全国 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://pharma.mynavi.jp/ |
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気軽に求人をチェックしたいなら「doda」
(引用:doda)
dodaは、転職・求人サイトとしても利用できるエージェント。
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また、「CRC(治験コーディネーター)」の求人は、2021年1月時点で98件の案件がヒットしました。
他にはない非公開求人も多く保有していますし、転職に関する総合的なサポートもしてもらえるので、ぜひ登録してみてください。
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
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公開求人数 | 約72,000件 (2021年2月時点) |
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料金 | 無料 |
公式サイト | https://doda.jp/ |
詳しい解説は以下を確認してください。 「【2月最新】doda(デューダ)の悪い評判と利用前の全注意点」 |
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7.治験コーディネーターになるなら知っておきたいこと
最後に、治験コーディネーターに関するQ&Aをまとめました。
治験コーディネーターとして働きたい方は、参考にしてみてください。
Q1.勤務地は選べる?
A.勤務地は基本的には、選ぶことができません。
希望を出すことはできますが、上司の判断で決められます。
また、日によって勤務地が異なるケースも多いです。
ただし、通勤時間は考慮してもらえることもあるので、相談してみると良いでしょう。
Q2.夜勤はある?
A.夜勤は、基本的にはありません。
勤務帯は通常、被験者が通院する時間帯となります。
24時間モニタリングする治験が実施される場合、夜間帯に勤務することもありますが、非常にまれです。
Q3.土日祝日の勤務は?
A.治験コーディネーターは、土日祝日は休みとなるケースが多いです。
ただし、勤務先や治験のスケジュールにもよるので、あらかじめ確認が必要です。
Q4.子育てしながら働ける?
A.子育てしながら、治験コーディネーターとして働くことは可能です。
勤務先によっては、チーム内で、子育てとの両立をサポートする体制が整っているケースもあります。
ただし、場合によっては、突然休むことが難しいケースもあるので、家庭でのフォロー体制が重要です。
Q5.男性は転職しづらい?
A.男性も、転職することは可能ですが、転職しづらいことがあります。
なぜなら、婦人科系の治験など、女性のみに制限しているケースもあるからです。
一般的に、男性であっても治験コーディネーターとして活躍することは可能なので、検討してみると良いでしょう。
まとめ
治験コーディネーターになる方法や働く方法などについてご紹介しました。
薬剤師が治験コーディネーターへ転職することに関しては、以下のようなメリットがあるので、興味のある方はチェックしてみると良いでしょう。
- 土日休みになりやすい
- 「新薬開発に携われる」というやりがいがある
- 薬剤師としての専門知識を活かすことができる
また、治験コーディネーターの求人を効率良く探すためには、「転職サービス」の利用がおすすめです。
以下の3社はサポート面が充実していると評判なので、ぜひ利用してみてください。
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