最終更新日:2020/12/06
法務に転職したいけど、未経験では難しいと思っていませんか?
法律に関わる仕事なので確かに難しい部分もありますが、法律の専門家を社内に置きたい企業が多いため、法務職の需要は高いです。
そのため弁護士資格などの特別なスキルがなくても、未経験から法務へ転職することは可能です。
この記事では、法務の転職事情や求められるスキル、法務へ転職するために押さえておきたいポイントをご紹介しています。
「法務への転職に役立つ転職エージェント」も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.法務への転職は難しくない!
法務への転職を考えている人の中には「自分でも転職できるのか」「未経験でもチャレンジできるのか」といった不安を抱えている人が多いようです。
(前略)私が大企業(メーカーや製薬会社など)の法務部に転職できる可能性はどれくらいありますか?
私のスペック
・司法書士
・TOEICスコア820
・25歳
・都内の名門私大法学部卒(特定回避のため伏せます)
他に質問ですが、転職サイトで法務部の求人を拝見すると、事業会社での法務の実務経験必須となっているところが多いです、
事業会社での実務経験がないことは法務部に就活するうえでどの程度障害になりますか?
(引用:知恵袋)
(前略)企業の法務部で働くには、法学部卒業の肩書きや法律関係の資格が必要なのでしょうか?
法務部で働く方はみんなそのようなキャリアを持っていて、法務部長は弁護士で…という世界なのでしょうか?
転職先として法律知識0から法務部を目指すとしたら、どのような方法・道筋を取るのが最善でしょうか?(後略)
(引用:OKWAVE)
法務は専門的な知識が必要な仕事のため、未経験から転職を考えている人は不安を感じるでしょう。
しかし、法務の求人は年々増加しており、転職のチャンスは十分にあると言えます。
「未経験者歓迎」の求人も少なからずありますので、積極的にチャレンジしてみましょう。
求人は増加傾向
法務の求人は、求人数・求職者数ともに増加しています。
法務の求人数が増加しているのは、以下ような理由です。
- 企業の粉飾決算が頻発し、コンプライアンス強化の必要性が高まっている
- 日系企業の海外進出や国際企業との取引増加に伴い、国際法務の重要性が高まっている
また、法務職の仕事内容は専門性が高いため、社内異動での増員がしにくく、中途採用に頼らなければならないという事情があります。
実際、企業に勤める弁護士や、マネージャー、部長級の経験豊富な人材を積極的に採用する企業も増えています。
そのため、 法務職の中途採用はチャンスが広がっていると言えるでしょう。
未経験・資格なしでも転職できる可能性はある
企業は基本的に即戦力を求めていますが、未経験でも応募できる求人はあります。
法務の求人は増加傾向にあるため、実務経験がなくても法学部などを卒業した人であれば採用される可能性があるのです。
社内研修制度が整っている企業も多いため、入社後に知識を身につければ良いと考えているのでしょう。
資格がなくても法務へ転職することは可能ですが、法律に関連する資格を持っている人は転職活動を有利に進められます。
2.法務に求められるスキルは?
法務に転職する上で必要なスキルを把握しておきましょう。
企業によって求められるスキルは異なりますが、共有するポイントを押さえることで転職成功率を高めることができます。
この章では、法務に求められるスキルについてご紹介します。
企業によって求められるスキルは違う
法務の一般的な業務内容としては、契約にかかる法務が中心となることが多いです。
しかし、近年では、知的財産権やコンプライアンアンスの策定に関する業務が増えています。
企業規模別にみると、法務の業務の特徴には以下の通りです。
大企業
多様な業務に携わっており、法務部にも人材が多く配置されているので、ひとつまたは少数の分野を専門的に扱うことが多い
中小企業
発生する法務全般に関わっていくことが多く、ベンチャー企業などでは内部組織が確立されていないため、法務以外の事業に関する業務を手掛けることもある
ベンチャー企業
内部組織が確立されていないため、法務以外の事業に関する業務を手掛けることもある
このように、企業規模や業界、重視している分野などによって業務内容も異なるため、求められるスキルも企業ごとに変わってきます。
法務への転職を目指す上で一番大切なのは、 採用を希望する企業がどのような人材を求めているか把握することです。
参考までに、法務職全般に必要とされるスキル・能力を下記にまとめてみました。
- 社会人としてのマナーや文章作成力
- 変化のスピードが速い現場に対応していくための向上心・自己啓発力
- 社内や取引先など様々な利害関係者と関わっていくための協調性・コミュニケーション力
- 現在や将来において問題となる事柄を捉える問題把握力や、その問題を解決するための案を提示する問題解決力
上記のポイントに加え、企業が求める人材であることをアピールできると良いでしょう。
共通するのは「ビジネス的な視点を持っているかどうか」
転職者に求めるスキルは企業ごとに異なりますが、共通するポイントがあります。
それは、「ビジネス的な視点を持っているかどうか」ということです。
具体的には以下のようなポイントが挙げられます。
- 経営目線で物事を捉えられる
- ビジネスに対する理解度が高い
- ビジネスにおける法律を理解している
企業は単なる法律の専門家ではなく、ビジネスのための法律がわかる人材を必要としています。
そのため、中途採用では企業での法務の実務経験を求める企業も多いです。
英語力はあったほうが有利
海外展開している企業や、これから海外展開を進める企業の法務として働きたいなら、語学力があった方が有利です。
特に英語力があれば、即戦力として働くことができることのアピールにつながります。
具体的に以下のようなレベルの英語力を身に付けておくと良いでしょう。
- 英語で現地の人とビジネスレベルの会話ができる
- 英語での契約書作成ができる
英語力は業界を問わずに必要となる能力ですので、転職を検討している人は身に付けておくべきスキルの一つです。
3.法務の仕事内容・年収
実際に法務の仕事はどのようなものか、確認しておきましょう。
この章では、法務について以下の3つを詳しく解説します。
法務の仕事内容
法務は企業の活動において、法律に関わる部分の業務を担当します。
法務の仕事について、代表的なものをご紹介します。
契約関連
他社と取引を行う際、契約書の作成や審査、手続きを行う
法務相談
他社や顧客とのトラブル対応を行う
コンプライアンスの策定
社内規定を策定・周知し、社内のトラブルを防ぐ
ライセンス取得
ライセンスを取得するための手続きを行う
法務は、法律の知識を用いて事業をサポートする仕事です。
法律に関する知識だけでなく、自社の業務に関する幅広い知識が必要となります。
法務の平均年収
法務の平均年収は567万円です(参考:法務の年収まとめ|転職会議)。
日本の平均年収約436万円と比べると、法務の年収は平均以上であることがわかります(参照:令和元年分民間給与実態統計調査結果)。
年代別の平均年収は以下の通りです。
年代 | 平均年収 |
---|---|
20代前半 | 353万円 |
20代後半 | 464万円 |
30代 | 569万円 |
40代以上 | 755万円 |
(参考:法務の年収まとめ|転職会議)
商社や外資系の企業では、上記の平均より高い年収の人もいるようです。
また、他の職種と同じく管理職などの役職につくと、年収アップが見込めます。
法務の将来性
近年、コンプライアンスの意識の高まりや日系企業のグローバル展開によって、法務の需要が高まっています。
「AIが法務の仕事を担うようになるのではないか?」と言った声もありますが、法務の仕事は機械が処理できる単純なものばかりではありません。
対人関係のトラブル対応など、実務経験が重要な仕事もありますので、将来AIに全ての仕事が取られるという可能性は低いです。
よって、法務は将来性が高い職種であると言えます。
4.法務への転職を成功させるポイント
法務に転職するために有利な資格や、やっておくべきことを把握しておきましょう。
この章では、法務職に転職する上で重要なポイントをご紹介します。
全てのポイントをおさえることで、転職成功率を高めることができます。
法律に関して勉強してきたことをアピールする
法務職に転職する上で、法律に関する資格は必須ではありません。
しかし、法務職を志すなら法律に関する知識を身に付けておくことは必要です。
今までどのような法律の勉強をしてきたのか、面接でアピールすると良いでしょう。
資格は無くても、法学部の卒業生、法科大学院の修了者、司法試験の受験経験などがあれば、ポテンシャル採用で有利に働くことがあります。
資格を取得する
法律に関する知識があることをアピールするために、法律の資格を取っておくことは有効です。
法務職への転職を目指す人にオススメの資格をご紹介します。
資格 | 種類 | 内容 |
---|---|---|
ビジネス実務法務検定 | 公的資格 | ビジネスマンとして身につけておきたい法律知識 |
ビジネスコンプライアンス検定 | 民間資格 | 著作権や関連法令に関する基礎知識、情報モラルに関する理解 |
法学検定 | 民間資格 | 法曹界や企業などの法律実務で活躍するために必要な知識 |
個人情報保護士 | 民間資格 | 個人情報の適切な管理および運用に関する知識 |
(参考:法律の資格一覧、ビジネスの資格一覧|資格の取り方)
これらの資格を取得することで、転職活動を行う上ではもちろんのこと、実務においても役立つ知識を身に着けることができます。
希望する企業や業界についてしっかり研究しておく
転職活動を行う際は、希望する企業がどういった人材を求めているのかを研究しておくことが重要です。
法務として働く前に企業の一社員として働くのですから、それぞれの企業の「求められる人物像」に則った人材でなくてはいけません。
企業がどういった人材を求めているかは、企業の採用ホームページなどで確認できますので、しっかりとチェックしておきましょう。
さらに具体的な説明が聞きたければ、企業が行っている転職説明会などに参加し、情報収集しましょう。
また、 業界によっても法務に求めている能力は異なってきます。
例えば、業界によって求められるスキルには以下のような違いがあります。
- IT業界
新しいビジネスに対応していくために、スピード感を持って的確な判断や処理ができる
- 製造業界
仕入れ・製造・販売など局面によって使用する法律が変わり、特許などに関わっていくことも多いので、様々な法律の知識を有している
希望する業界の特性を把握し、適切にアピールできるように準備しておきましょう。
転職エージェントを利用する
「業界研究がうまく進められない」「何から手をつけていいかわからない」という場合は、転職エージェントを使うのがおすすめです。
転職エージェントは無料で登録でき、担当のキャリアアドバイザーから、面接対策や求人紹介など転職に関する様々なサービスが受けられます。
また、転職エージェントには非公開求人がある場合があります。
法務などの人気の高い職種の募集に当たっては、応募者殺到による人事スタッフの業務増大を防ぐため、あえて非公開にして転職エージェントを通じて募集する企業が多いです。
非公開求人は転職エージェントに登録し、キャリアアドバイザーから紹介を受けることで応募できます。
では、最後に法務への転職にオススメの転職エージェントを紹介します。
5.法務への転職におすすめの転職エージェント3選
ここでは、法務への転職におすすめの転職エージェントをご紹介していきます。
それぞれの転職エージェントによって特徴や強みが異なりますので、全てに登録することをおすすめします。
外資系への転職なら「JAC Recruitment」
(引用:JAC Recruitment)
JAC Recruitmentは、外資系企業や管理職といったハイキャリア向けの求人案件を数多く取り扱っているエージェントです。
ヨーロッパやアジア8カ国との取引があり、外資系企業への転職ノウハウを豊富に持ち合わせています。
また、さまざまな業界・職種に精通し、提案力の高いアドバイザーが在籍していることもメリットです。
質の高いアドバイザーのサポートを受けながらキャリアアップを狙うことができるため、将来を見据えた転職の際にはぜひ登録をおすすめします。
運営会社 | 株式会社ジェイエイシーリクルートメント |
---|---|
公開求人数 | 約10,200件 (2021年3月時点) |
非公開求人数 |
非公開 |
対応地域 | 全国+海外 |
料金 | 無料 |
公式サイト | http://www.jac-recruitment.jp/ |
詳しい解説は以下を確認してください。 「登録前に確認!JACリクルートメントの悪い評判と登録前の全注意点」 |
\スマホで簡単!3分以内で無料登録!/
年収アップしたいなら「ビズリーチ」
(引用:ビズリーチ)
ビズリーチは、あなたの経歴に興味を持った企業やヘッドハンターからスカウトが届くシステムの転職エージェントです。
企業からのスカウトを待つ形なので、「今の仕事が忙しい」「転職活動に時間をかけられない」という人でも効率的に転職活動を進められます。
年収1,000万円以上の案件割合も高く、ヘッドハンターからのスカウトをきっかけにして収入UPを見込めます。
運営会社 | 株式会社ビズリーチ |
---|---|
公開求人数 | 約50,300件 (2021年3月時点) |
非公開求人数 |
非公開 |
対応地域 | 全国+海外 |
料金 | 登録無料(一部有料3,278円〜5,478円) |
公式サイト | https://www.bizreach.jp/ |
詳しい解説は以下を確認してください。 「ビズリーチって実際どう?気になる悪い評判と注意点を解説」 |
\スマホで簡単!3分以内で無料登録!/
質の高いサポートを求めるなら「doda」
(引用:doda)
dodaは、手厚いサポートが魅力の転職エージェントです。
面接対策の丁寧さは、口コミでも高い評価を得ており、実践的なアドバイスに定評があります。
アドバイザーの対応が親切なうえ、実際の面接を想定した練習もできる為、安心して面接に臨むことができます。
さらに、求人案件を豊富に扱っている点も魅力のひとつで、2020年12月時点では、1,350件の法務の公開求人を紹介しています。
どのような求人が掲載されているのか、一度公式ホームページをチェックしてみてください。
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
---|---|
公開求人数 | 約75,000件 (2021年3月時点) |
非公開求人数 |
非公開 |
対応地域 | 全国+海外 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://doda.jp/ |
詳しい解説は以下を確認してください。 「【3月最新】doda(デューダ)の悪い評判と利用前の全注意点」 |
\スマホで簡単!3分以内で無料登録!/
まとめ
企業の活動において、法律に関わる部分の業務を担当する「法務」。
近年需要が増加しているため、未経験からでも法務へ転職できる可能性はあります。
法務への転職にオススメの転職エージェントは以下の3社です。
【法務への転職にオススメの転職エージェント】
- 外資系への転職なら「JAC Recruitment」
- 年収アップしたいなら「ビズリーチ」
- 質の高いサポートを求めるなら「doda」
転職エージェントを上手に活用し、法務への転職を成功させてください。