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「パンドラの箱」とは「触れてはいけないもの」「実行すると何が起きるか予測がつかないもの」の例えとして使われます。
不幸をもたらすものなど、あまりよくないイメージで使われることの多い言葉ですが、「パンドラの箱」には最後に「希望」が残っていたという説もあります。
そのため、必ずしも悪いことばかりではありません。
そこで今回は、「パンドラの箱」の意味や使い方、類語についてご紹介します。
1.「パンドラの箱」の意味
意味は「触れてはいけないもの」の例え
「パンドラの箱」には、災いが入っていることから、「触れてはいけないもの」という意味があります。
そのため、「パンドラの箱」という言葉を使うのにふさわしいのは、「災いが起きる」「相手を傷つける」ことが分かっている場合です。
また、「パンドラの箱」は、悪いことが起きる予兆としても使われます。
「パンドラの箱」の語源はギリシャ神話
「パンドラの箱」の由来は、ギリシャ神話です。
ギリシャ神話で最高神であるゼウスは、ティタン神族のプロメテウスに命じ、自分と同じ形をした生き物を作らせ、命を吹き込みます。
これが私たちの先祖となる「人間」でした。
ゼウスはプロメテウスに、人間に色々な生きるための知恵を授けるよう命じましたが、天地創造の力も持つ火、いわゆる「神の火焔(かえん)」だけは渡さないよう禁じていました。
しかし人間と接しているうちに、人間を愛するようになっていたプロメテウスはその禁を破って人間に火を渡してしまいます。
怒ったゼウスは、プロメテウスを岩に磔(はりつけ)にし、永遠に心臓を鷲(ワシ)にえぐられる罰を与えます。
さらに人間に罰を与えるため、男性しかいなかった人間の世界に、美しい女性を作り送り込みました。
これが「パンドラ」です。
パンドラはプロメテウスの弟であるエピメテウスの元に送られます。
エピメテウスはパンドラの美しさに惹かれ、彼女を妻にします。
あらゆる神々の祝福を受け、美と知性、素晴らしい歌声と癒やしの力を持つパンドラでしたが、同時に「好奇心」も持たされていました。
そのためエピメテウスに 「絶対にこの箱だけは開けてはいけない」といわれていた箱を、その好奇心から開けてしまいました。
その箱の中には、この世のあらゆる厄災が閉じ込められていたのです。
人間を苦しめる、病気やうらみ、妬み、憎しみ、盗みや悪巧みなど、「悪」と呼ばれるものがパンドラが開けた箱から飛び出し、人間たちの間に広がってしまいました。
これが「パンドラの箱」の由来となったギリシャ神話のお話です。
「パンドラの箱」に残ったものとは?
「パンドラの箱」は、「悪」が飛び出したあとに「希望」が残された、とする話があります。
「希望」は本来良いものですが、ネガティブな解釈では「希望にすがることしかできなくなった」と解釈されることもあります。
「良いもの」とする解釈と「災い」とする解釈の2通りあります。
2.「パンドラの箱」の類語
「パンドラの箱」は有名な言葉なので、説明しなくても通じることがほとんどです。
しかし、相手に伝わりにくいこともあるので、類語も知っておくと便利です。
それぞれの意味と使い方をご紹介します。
- 玉手箱
- 禁忌
類語1.「玉手箱」
玉手箱
読み方:たまてばこ
意味:
- 美しい手箱。特に、浦島太郎が、竜宮の乙姫(おとひめ)からもらって帰ったという箱。
- 秘密にして、容易には人に見せない大切なもの。
- (比喩的に)すばらしいもの、珍しいものが多くあることをいう。「工芸館は技術の美の—」
(引用:weblio辞書)
「玉手箱」は、おとぎ話の『浦島太郎』で、亀を助けた浦島太郎が竜宮城でもらった箱のことです。
「開けてはいけない」と言われたにも関わらず、開けてしまったために浦島太郎はおじいさんの姿になってしまいます。
そのことから、「パンドラの箱」と同じように「触れてはいけないもの」を表現するときに使われます。
使い方を見てみましょう。
<例文>
問題の件については玉手箱のようにしまっておくのが一番だ。
また「玉手箱」は物事を強調する比喩的な意味で、「素晴らしいもの、珍しいもの」に対しても使われます。
<例文>
色とりどりのおかずが詰め込まれた重箱は、まるで玉手箱のようだ。
類語2.「禁忌」
禁忌
読み方:きんき
意味:
- 忌(い)み嫌って、慣習的に禁止したり避けたりすること。また、そのもの。タブー。「—を破る」
- 人体に悪影響を及ぼす危険がある薬剤の配合や治療法を避けて行わないようにすること。
(引用:weblio辞書)
「禁忌」はタブーともいわれます。
道徳的な観点から「してはいけない」とされているものと、医療でそれを用いると逆に症状が悪化するものに対して使われます。
その他、紙のリサイクルで、混じっていると再生処理がうまくいかなくなる紙のことを業界用語で「禁忌品」と呼んでいます。
「禁忌品」は、汚れた紙や匂いのついている紙、カーボン紙や感熱紙、印画紙やシールといった再生できない紙のことです。
また、ビジネスの場では「仕事上触れてはいけない話題や事柄」に対してよく使われます。
<例文>
その件に関しては、我が社では禁忌となっているから誰にも聞かないようにして欲しい。
まとめ
「パンドラの箱」は、ギリシャ神話が由来で「触れてはいけないもの」や「実行すると何が起きるか分からないもの」に対して使われる表現です。
また、その人の前で「話題にしてはいけないこと」に対してと警告する場合にも「パンドラの箱」は使われます。
うっかり話をして、相手を怒らせたり嫌がらせたりしないように、「それはパンドラの箱だから」と相手に気遣う表現でもあります。
状況を見ながら、上手に「パンドラの箱」を使うようにしましょう。