『CAREER PICKS』は、複数の企業と提携し情報を提供しており、当サイトを経由して商品への申込みがあった場合には、各企業から報酬を受け取ることがあります。ただし当サイト内のランキングや商品の評価に関して、提携の有無や支払いの有無が影響を及ぼすことはございません。 また当サイトで得た収益は、サイトを訪れる皆様により役立つコンテンツを提供するために、情報の品質向上・ランキング精度の向上等に還元しております。
「ご自愛ください」は「ごじあいください」と読み、「自分を愛する= 自分の体を大切にする」という意味の言葉です。
手紙やメールの文末に添えられるのが一般的ですが、間違った使い方をしている人も少なくありません。
そこで今回は、「ご自愛ください」の正しい意味と使い方、例文や類語をご紹介します。
上司や目上の人を気遣う表現として使われる言葉なので、手紙やメールで間違った使い方をしないようにここで確認しておきましょう。
1.「ご自愛ください」の意味と間違った使い方
まずは「ご自愛ください」の意味から見ていきましょう。
意味をよく知らないと、同音異義語を間違って使ってしまう場合もあります。
また、よくある間違った使い方についても紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
意味は「体を大切にしてください」
まずは、「ご自愛ください」の「自愛」の意味から見ていきましょう。
自愛とは、自分を大切にする、自分の体に気をつける、という意味です(参考:コトバンク)。
現代では、相手の体を気遣う形で使われることが多く、手紙やメールなどで目にする機会が多いでしょう。
「自愛」という言葉に尊敬語の「ご」をつけた表現なので、 上司や目上の人に使うのが一般的です。
逆に、自分より目下の人や同僚に使うと丁寧すぎて他人行儀になってしまうので、目上の人に対して使うようにしましょう。
「お体ご自愛ください」は間違い
よくある間違った使い方に「お体ご自愛ください」という表現があります。
「自愛」には「 自分の体を大切にする」という意味があるため、「お体」をつけると 「体」という意味が二重になってしまいます。
そのため、「ご自愛ください」を使うときは「お体に」は不要だと覚えておきましょう。
「慈愛」は同音異義語
「自愛」の同音異義語に、「慈愛(じあい)」という言葉があります。
「慈愛」とは、親が子供をいつくしみ、かわいがるような深い愛情のことを意味します(参考:コトバンク)。
つまり、「自愛」は自分の体を大切にすることを表すのに対し、「慈愛」は自分と近しい存在に深い愛情を注ぐことを表します。
また、「慈愛」という言葉は「ご慈愛ください」という表現には使いません。
慈愛の例文としては、「慈愛に満ちている」「慈愛深い両親」などの使い方をします。
意味が異なるだけでなく、使い方もまったく異なる言葉なので、「慈愛」と「自愛」を混同しないように注意しましょう。
2.「ご自愛ください」の正しい使い方
「ご自愛ください」の正しい使い方について解説していきます。
どのようなシーンで使える言葉なのか、誰に対して使える言葉なのかを見ていきましょう。
上司や目上の人に使える
「ご自愛ください」は、 上司や目上の人に使うことができます。
「自愛」という言葉に尊敬語の「ご」と「ください」がついているため、尊敬表現になるからです。
- 「ご」:尊敬語
- 「ください」:くれるの命令形を尊敬語にした表現
「ください」という言葉は「くれる」の命令形ですが、尊敬表現のため目上の人に使っても問題ありません。
どうしても言い方が気になる場合には、語尾に「ませ」をつけて 「ご自愛くださいませ」にすると良いでしょう。
文章の最後に添える
「ご自愛ください」は、主に手紙やメールの文末に用いられます。
手紙の終わりには、 相手の健康を気遣う一言を添えるのがマナーだからです。
「ご自愛ください」の前の部分に、時候を表す言葉や「〜なので」などの理由を入れて使います。
<例文>
- 寒さ厳しい折、何卒ご自愛ください。
- 風邪が流行っているようですので、ご自愛ください。
健康な人に使う
「ご自愛ください」は、現在健康な人に使う言葉です。
なぜなら「健康な状態を維持し、体調を崩さないようにしてください」という意味が込められているからです(参考:マイナビニュース)。
そのため、怪我や病気で体調を崩している人に対しては使えないので注意しましょう。
病気や怪我で体調を崩している人に対しては、以下のフレーズを使いましょう。
- 回復を願う……ご回復をお祈りいたします
- 休養を勧める……お大事になさってください
①回復を願うフレーズ
- 一日も早いご回復を心よりお祈り致しております。
- 一日も早く○○さんのお元気なお顔を拝見したいと存じます。
- 一日も早く怪我(病気)から回復されることをお祈り申し上げます。
②休養を勧めるフレーズ
- どうか焦らず、じっくりと治療に専念してください。
- ゆっくりご静養ください。
- この機会に十分体を休めてください。
相手がちょっとした体調不良で休んだ場合は、「病気(怪我)の具合はいかがですか?」「その後の容態(具合)はいかがですか?」など状態を聞くケースもあります。
しかし、 相手が重病・重症で休んでいる場合は、具合を聞くことで辛い思いをさせてしまう可能性があるので避けましょう。
季節に関係なく使える
「ご自愛ください」は、年賀状や暑中見舞い、残暑見舞いなどでよく使われる表現です。
このことからもわかるように、 季節に関係なく使うことができる言葉です。
以下のように、時候の挨拶とセットで使うと良いでしょう。
<例文>
- 暑い(寒い)毎日が続いておりますが、どうぞご自愛ください。
- 暑さ(寒さ)厳しき折、くれぐれもご自愛ください。
- 天候不順の折、何卒ご自愛くださいませ。
3.「ご自愛ください」を使った例文
ここでは「ご自愛ください」を使った例文を4つ紹介します。
- どうぞご自愛ください:より丁寧に
- くれぐれもご自愛ください:忙しい相手や体調を崩しやすい時期に
- 〜ので、ご自愛ください:体を気をつけてほしい理由づけ
- 何卒ご自愛のほどお願い申し上げます:取引先や上司などかしこまった表現をしたい相手に
①どうぞご自愛ください
「ご自愛ください」だけだと素っ気ない印象を与える場合もあるため、 「どうぞ」をつけてより丁寧な表現にすると良いでしょう。
<例文>
- 厳しい寒さが続きますが、どうぞご自愛ください。
- 朝夕の寒暖差が激しい季節柄、どうぞご自愛ください。
②くれぐれもご自愛ください
「くれぐれも」をつけると 「より一層体を大切にしてください」と強調することができます。
例えば忙しい時期や、気候の影響で体調を崩しやすい相手に対して使うと良いでしょう。
<例文>
- ご多忙の折ではありますが、くれぐれもご自愛ください。
- 残暑厳しい時期柄、くれぐれもご自愛ください。
③〜ので、ご自愛ください
「〜ので」をつけると、 相手の健康を気遣う理由を示す表現になります。
<例文>
- 季節の変わり目ですので、ご自愛ください。
- 毎日厳しい暑さが続いておりますので、くれぐれもご自愛ください。
④何卒ご自愛のほどお願い申し上げます
前述のとおり、「ください」は「くれる」の命令形を尊敬語で表した言葉なので、人によっては不快に感じる人もいるかもしれません。
そのため、さらに丁寧な表現にしたい場合には、以下の例文を使うと良いでしょう。
<例文>
- 秋の長雨が続いております。風邪など召されませぬよう、何卒ご自愛のほどお願い申し上げます。
- 向寒の候、何卒ご自愛のほどお願い申し上げます。
取引先や、よく気にかけてくれる上司に対しては、「何卒(なにとぞ)〜のほどお願い申し上げます」をつけるとより丁寧になります。
4.「季節柄ご自愛ください」の季節別例文集
「ご自愛ください」は年賀状や暑中見舞い、残暑見舞いによく使われる表現ですが、 1年を通して使うことができます。
「ご自愛ください」の前につける理由や、時候の挨拶によって使い回しが可能です。
季節の暦は昔のものでも現代のものでも、どちらを使っても間違いではありません。
手紙で季節の話をする場合は暦の季節を使いますが、現代の暦(気象庁の定義)を使う人も増えているからです。
まずは春夏秋冬の暦の定義と、時候の挨拶を表で確認しましょう。
季節 | 時期(暦/現代) | 時候の挨拶 |
---|---|---|
春 | 2月初旬(立春)〜5月初旬/3~5月 |
|
夏 | 5月初旬(立夏)〜8月初旬/6〜8月 |
|
秋 | 8月初旬(立秋)〜11月初旬/9〜11月 |
|
冬 | 11月初旬(立冬)〜2月初旬/12〜2月 |
|
(参考:手紙の書き方)
立春、立夏、立秋、立冬は年によって日にちが1〜2日変わりますが、大体の目安は以下の通りです。
以下に、昔の暦(4ヶ月ずつ)に合わせた春夏秋冬の「ご自愛ください」の例文を紹介していきます。
春(2月初旬(立春)〜5月初旬/3〜5月)
春は「 まだ寒いこと」「時期の変わり目」「梅雨入り」などの言葉を織り込んで「ご自愛ください」を使います。
例)
- 春とはいえ厳しい寒さが続きます。どうかご自愛ください。(2月)
- 何かと忙しい季節の変わり目かと存じます。くれぐれもご自愛ください。(3月)
- 花冷えの折、くれぐれもご自愛ください。(4月)
- 梅雨入りも間近でございます。体調を崩されませぬよう何卒ご自愛ください。(5月)
夏(5月初旬(立夏)〜8月初旬/6〜8月)
暑中見舞いは梅雨明け〜立秋まで、残暑見舞いは立秋〜8月いっぱいまでに送るのが一般的です。
「暑中見舞い(残暑見舞い)申し上げます〜」から書き始めて、以下のような文章を続けます。
例)
- 軽暑のみぎり、どうかご自愛ください。(5月)
- 梅雨明けまで今しばらくの辛抱です。何卒ご自愛ください。(6月)
- 暑熱耐え難き時節ですが、夏バテなどされませぬようご自愛ください。(7月)
- 立秋とはいえ厳しい暑さが続きます。どうぞご自愛ください。(8月)
秋( 8月初旬(立秋)〜11月初旬/9〜11月)
秋の「ご自愛ください」は残暑や寒さによる体調不良を考慮します。
最近は秋といっても暑いので、9月の表現に捉われすぎず、8月頃に使う暑さへの注意を促す文面を使ってもいいでしょう。
例)
- 残暑なお厳しき折、くれぐれもご自愛ください。(8月)
- 夏の疲れが出やすい時節、くれぐれも体調を崩されませぬようご自愛ください。(9月)
- 朝晩日毎に冷え込んできました。風邪など引かれませんようにどうかご自愛ください。(10月)
- 本格的な寒さに向かう時節、風邪など召されませぬようご自愛ください。(11月)
冬(11月初旬(立冬)〜2月初旬/12〜2月)
寒中見舞いは1月5、6〜立春(2月4日頃)までの間に出します。
立春を過ぎてから出す手紙は「余寒見舞い」です。
冬の「ご自愛ください」は、 年の暮れで忙しいことによる疲れ、寒さによる風邪への注意を促す文面が似合います。
<例文>
- 年末に近づき仕事も一段と忙しくなる時期かと思いますが、くれぐれもご自愛ください。(11月)
- あわただしい年の暮れ、くれぐれもご自愛ください。(12月)
- 寒さひとしお厳しき折、何卒ご自愛ください。(1月)
- 三寒四温の時節柄、どうかご自愛ください。(2月)
5.「ご自愛ください」の類語表現
意味 | 病気の相手に対して | |
---|---|---|
ご自愛ください | 体を大切にしてください | × |
お大事になさってください | 早くよくなってください、体を大事にしてください | ◯ |
お労わりください | 体に優しくして(気をつけて)大切にしてください | ◯ |
おいといください | 体を大事にしてください、労ってください | ◯ |
ご自愛専一 | 体を第一に考えてください | × |
ご健勝をお祈り申し上げます | 健康であることをお祈りします | × |
お大事になさってください
「お大事になさってください」は すでに病気や怪我をしている人に対して「早く良くなって欲しい」という気持ちを込めて使います。
「治療に専念して早く良くなってください」「病気が悪化しませんように」といった相手の健康状態を気遣い、体調の回復を願う言葉です。
親しい間柄なら「お大事に」だけでもいいですが、目上の人に対しては「お大事になさってください」と丁寧に言うようにしましょう。
<例文>
- 風邪を召されたそうですね。どうぞお大事になさってください。
- 病院に行かれるのですか? くれぐれもお大事になさってくださいね。
お労わりください
「お労(いた)わりください」は、 「お大事になさってください」よりも相手を思いやる気持ちが強い表現です。
「労る」には困っている人に同情する、病気の人などに同情の気持ちを持って優しく接する、などの意味があります。
「お大事になさってください」はすでに病気や怪我の相手によく使われますが、「お労わりください」は相手に無理をしないようにという敬語表現として 文末の挨拶にもよく使われます。
<例文>
- 時期柄、大変ご多忙と存じますので、どうぞお体をお労わりください。
- 残暑厳しい折、どうぞお体をお労わりください。
おいといください
「おいといください」は漢字で「お厭(いと)いください」と書きます。
「厭う」は「大事にする」「労わる」などの意味があるので、「おいといください」で 「体を大事にしてください、労ってください」というニュアンスになります。
「厭う」には「嫌う」「避ける」という意味もあって紛らわしいので、相手の健康を気遣うときに使う場合は、「おいといください」とひらがな表記するのが一般的です。
相手の体を気遣う気持ちが強い表現ですが、 あまり使われない言葉なので使うなら「お労わりください」のほうが妥当でしょう。
<例文>
- お仕事などでお忙しい日々を過ごされている頃と存じます。ご無理をされませんように、どうぞお体をおいといください。
- 暑さの厳しい時節柄、お体どうぞおいといください。
ご自愛専一
「ごじあいせんいつ」と読みます。
専一とは「他のことは考えずあることにだけ全力を注ぐこと」です。
ご自愛とくっつけると 「他のことは考えず、まず自分の体を第一に考えてください」という意味になります。
疲れていても、無理をして仕事を優先してしまう人などに使う表現です。
<例文>
- 何卒ご自愛専一にてお願い申し上げます
- 時節柄、ご自愛専一にご活躍ください。
ご健勝をお祈り申し上げます
「ご健勝をお祈り申し上げます」の「健勝(けんしょう)」とは、「体が健康で元気な状態であること」という意味です(参考:weblio辞書)。
相手が健康で過ごせるようにと願いを込めた敬語で、ビジネス文書や文頭の挨拶、ビジネスや結婚式などのイベントのスピーチの締めによく使われます。
<例文>
- 皆様のご健勝と、貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。(文末に)
- (会社名)のますますの発展と皆様のご健勝を祈念いたしまして、乾杯!(乾杯のスピーチで)
「健勝」は 個人や家族の健康を祈る言葉なので、企業や団体に対しては使うことができません。
企業や団体に対しては「ご健勝」ではなく「ご発展」を使うのが一般的です。
「ご自愛ください」の英語表現
英語で「ご自愛ください」を表現する場合は 「Please take care of yourself」がよく使われます。
その他、以下のような表現が可能です。
英語で「ご自愛ください」
- Please take care of yourself.
- Please look after yourself.
- Please take good care of yourself.
<例文>
- Please don’t work too hard, and take good care for yourself.(あまりご無理をされないよう、ご自愛ください。)
- Because severe cold seems to continue, please take care of yourself.(厳しい寒さが続きそうですから、どうぞご自愛ください。)
Pleaseがないと「お大事に」といったカジュアルな表現になるので、 上司や目上の人に使うときはPleaseをつけるようにしましょう。
例)カジュアル表現(お大事に)
- Take care.
- Get well soon.
- Be well.
補足.「ご自愛ください」に対する返事の仕方
では「ご自愛ください」と言われた場合の返事には、以下の2つを入れればOKです。
・ 気遣いに対するお礼の言葉+相手を気遣う言葉
<例文>
まとめ
「ご自愛ください」は「自分の体を大切にしてください」という相手の健康を気遣う言葉です。
「ご自愛ください」だけで敬語として成り立っているので、上司や目上の方にも使えます。
手紙やメール、口頭で相手を気遣うことができる便利な言葉なので、ぜひとも使えるようにしましょう。