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「参りました」には他にも「降参した」「困った」などの意味があり、ビジネスシーンでも幅広く使われています。
ただ、何気なく使っていると「『お伺いしました』とはどう使い分けるの?」「そもそも敬語として使えるの?」など、正しく使えているか不安になることがありますよね。
そこで今回は「参りました」の正しい意味や敬語としての使い方を、例文で確認しながらわかりやすく解説していきます。
正しく使いこなすことができれば、ビジネスでも間違いなく役立ちますので、ぜひ最後までご確認ください。
1.「参りました」の意味
「参りました」の意味
勝負ごとに負けて降参する、という意味があります。
将棋では、自分の負けを認める時に「参りました」と相手に伝えます。
<例文>
- 参りました、私の負けです。
- 彼の営業トークには参りました。結局、彼の言う通りに発注することになりました。
以下のように 「自分がどうにもできない状況で困っている」という意味でも使われます。
<例文>
- サーバーがダウンして仕事ができず、参りましたがどうにかなりました。
- 電車の遅延には参りました。
「参りました」は「体や心がすっかり弱ってしまった」という意味でもよく使われます。
<例文>
- この夏の暑さには参りました。
- インフルエンザには参りました。
「行く」「来る」の謙譲語
「参りました」は、「降参した、まいった」という意味の言葉です。
しかし、「行く」「来る」謙譲語でもあります。
ビジネスの場面ではよく使われるので覚えておきましょう。
謙譲語は「謙譲語I」と「謙譲語Ⅱ」に分類され、「参りました」は謙譲語Ⅱに属します。
謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱの違いは、以下の通りです。
謙譲語Ⅰ | 自分がへりくだることで相手を高め、敬意を表す言葉 |
謙譲語Ⅱ | 自分の動作をへりくだることで丁重さを表す言葉 (高める相手が文中にない場合に使う) |
例えば、就職の面接で、次のような自己紹介をよく耳にしますよね。
<例文>
早稲田大学から参りました。
自分の行動を丁重に伝えることで、相手に敬意を払った言い方です。
しかし、「早稲田大学」は敬意を払う対象ではありません。
そのため、「参りました」は「高める相手がいない時に使う表現」の謙譲語Ⅱとなります。
2.「参りました」の正しい使い方
「参りました」は敬語として、ビジネスシーンでも幅広く使われています。
中でも、特に使われることが多いのは、次の3つの場面です。
- 出身地や所属を表す時
- 「来た」ことを表す時
- 身内の行動を表す時
ここからは、それぞれの場面での具体的な使い方を解説していきます。
出身地や所属を表す使い方
「〜という場所からやってきた」というように、出身地や所属を表すために使うことができます。
取引先への挨拶や自己紹介などの場面で役に立つ表現です。
<例文>
- 大阪府から参りました、木村と申します。
- 佐藤さんとの打ち合わせでキャリアピックス社から参りました、伊藤です。
「来た」ことを表す使い方
〜という目的で来た、〜という場所に来た、という意味で「参りました」を使用することもできます。
面接やお見舞い、打ち合わせなど目的を相手に伝えたい場面で使う表現です。
<例文>
- 面接に参りました。
- 会議室に先に参りましたので、お待ちしております。
3.「参りました」のよくある誤用
次に、「参りました」を敬語として使う時にやってしまいがちな2つの誤用について解説します。
- 目上の人の行動に対して使わない
- 敬意は話し相手に払われる
使い方を間違ってしまうと敬語を使ったつもりが失礼になってしまいかねないので、正確に理解しておきましょう。
目上の人の行動に対して使わない
「参りました」は謙譲語なので、目上の人の行動に使ってはいけないので注意してください。
目上の人の行動とは、例えば上司である部長やお客様の行動に対してです。
以下の例文では、尊敬の対象となる部長やお客様の「行く」「来る」という行動を「参りました」という敬語で表そうとしていますが、これは間違った使い方となります。
<間違った使い方>
- 3時に得意先に参りました。部長はどちらに参られましたか。
- お客様が先ほど弊社に参りました。
この場合、「行く」「来る」の尊敬語「いらっしゃいますか」「いらっしゃいました」を使うのが正解です。
「参りました」を間違って使用すると相手が違和感を覚えるだけでなく、「へりくだる」表現なので失礼な印象を与えてしまいます。
「参りました」は自分の行動に対してのみ使う、ということを覚えておきましょう。
敬意は話し相手に払われる
「参りました」が敬意を払う対象は話し相手であり、話題の中の人ではありません。
冒頭でも説明しましたが、「参りました」が属する謙譲語Ⅱは文中の存在に敬意を表すことはできないので注意しましょう。
例えば、同僚との会話で次のように発言したとします。
<間違った使い方>
昨日、先生のところへ参りました。
⇒「先生」ではなく、話し相手である「同僚」への敬語表現
これは、話し相手である「同僚」に対してへりくだっているのであって、「先生」に対して敬意を払っているということにはならないのです。
「先生」に対して敬語を使いたい場合は間違いです。
また、「参りました」という謙譲語の敬意は話し相手に向けられているので、以下の例文は正しい使い方です。
<例文>
弟のところへ参りました。
⇒「弟」ではなく、話し相手への敬語表現
身内である「弟」に対しては敬意を表していることにならないからです。
4.「参りました」の類語
「参りました」以外で「行った」「来た」という意味を敬語で表したい時、以下のような類語を使ってみてください。
- 伺いました
「参りました」との違いや使い分け方を例文とともに解説します。
類語1.伺いました
「参りました」と同様「 行った」「来た」の謙譲語として「伺いました」を使うことができます。
<例文>
- 御社に先ほど伺いました。
- 昨日お宅に伺いました。
まとめ
「参りました」は「行った」「来た」という意味の謙譲語 です。
類語も含め、使用法と場面を把握して、「参りました」を正しく身につけましょう。
「謙譲語を制するものが敬語を制する」と言っても過言ではありません。
まずは、「参りました」から謙譲語を少しずつマスターしていきましょう。