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「溜飲」とは、 「喉元にせりあがってきた、すっぱい胃液」を意味する言葉です。
「溜」という漢字は、日常的に使用する機会がないため、「溜飲が下がる」「溜飲を下げる」などの表現は、意味をイメージしにくいですよね。
そこで今回は、「溜飲」の意味と読み方を説明しながら、「溜飲が下がる」「溜飲を下げる」などの使い方も解説していきます。
類語や英語表現も紹介しますので、読み終わる頃には「溜飲」を完璧に使いこなせるようになっていますよ。
ぜひ参考にしてください。
1.「溜飲」の意味・読み方・語源とは
溜飲
読み:りゅういん
- 喉元にせりあがってきた、すっぱい胃液。
- (医学用語)胃の不調によって、酸性の液体がのどに溜まり、胸やけを起こすこと。
「溜飲」は、「胃の不調による胸やけ」を意味する医学用語です。
一般的に使用する場合は、「喉元にせりあがってきた、すっぱい胃液」を意味し、転じて 「不平・不満」などを比喩的に表現することができます。
1-1.「溜飲」の語源
「溜」と「飲」には、それぞれ以下の意味があります。
- 「溜」は、「とどまる」「ためる」「したたる」の意味。
- 「飲」は、「飲む」の意味。
「溜」は、元々「田畑の流れる水」に語源があり、「(田畑の間で)流れがとどまっている様子」を意味する言葉です。
一方、「飲」に使われている「欠(あくび)」は、「口を大きく開けている様子」を意味する言葉であり、「食」はそのまま「食べる」を意味します。
転じて、「溜飲」には、 「食べたものが胃で消化しきれず、喉でとどまっている様子」を意味するのです。
2.「溜飲」の使い方と例文
「溜飲」の意味について確認したので、次は具体的な使い方と例文を紹介していきます。
2-1.「溜飲」の使い方
「溜飲」の主な使い方は、「溜飲が下がる」「溜飲を下げる」などが挙げられます。
「溜飲」は、医学用語としてではなく、「不平・不満」の比喩表現として使用されることがほとんどです。
そのため、「溜飲が下がる」「溜飲を下げる」という表現は、どちらも「不平・不満がなくなる」という意味があるのです。
2-2.「溜飲」の例文
「溜飲」の例文を、以下の2つの表現に分けて説明していきます。
- 溜飲が下がる。
- 溜飲を下げる。
それぞれの例文を紹介し、使い方を解説していきます。
「溜飲が下がる」
「溜飲が下がる」は、 「不平・不満がなくなること」を意味する言葉です。
ただし、「溜飲が下がる」という表現は、「他者の行動によって、不平・不満がなくなる」際に多く使用されます。
<例文>
- 煽り運転をしているドライバーが警察に捕まり、溜飲が下がった。
- 迷惑行為を行っていた隣人がやっと処罰され、溜飲が下がる思いだ。
「溜飲を下げる」
「溜飲を下げる」は、 「不平・不満がなくなること」を意味する言葉です。
「溜飲を下げる」を使う場合は、「溜飲を下げて、~する」のように、後に具体的な行動を表現する際に多く使用されます。
<例文>
- 彼が示談を申し込んできたため、溜飲を下げて、受け入れることにした。
- 彼がきちんと謝罪をするまで、私が溜飲を下げることはないだろう。
3.「溜飲」の注意点
具体的な使い方・例文を確認したので、ここからは「溜飲」の注意点について紹介します。
「溜飲」の注意点は、以下の2つです。
- 「溜飲を晴らす」は誤用表現。
- 「溜飲」は常用漢字ではないため、「留飲(りゅういん)」と表記されることがある。
「溜飲を晴らす」という表現は間違いであり、正しくは「溜飲を下げる」になります。
「溜飲を下げる」は「不平・不満がなくなること」を意味するので、「すっきりする」という意味合いで覚えてしまい、「溜飲を晴らす」という誤用表現が広まっているのです。
また、「溜飲」は常用漢字ではないため、「留飲(りゅういん)」と表現されることがあります。
新聞やニュースサイトでは、簡略化された「留飲(りゅういん)」を使うことがありますが、間違った使用方法ではありませんので、「溜飲」と同じ意味として読みましょう。
4.「溜飲」の類語
「溜飲」の注意点を確認したので、次からは類語を解説していきます。
「溜飲」の類語は、以下の3つです。
- 「虫唾(むしず)が走る」
- 「反吐(へど)が出る」
- 「嫌悪感(けんおかん)」
それぞれの類語について、例文と一緒に意味を解説していきます。
4-1.「虫唾(むしず)が走る」
「虫唾が走る」は、 「吐き気がするほど不快であること」を意味する言葉です。
「虫唾が走る」は、「吐き気をもよした時のすっぱい胃液を、虫がだす酸性の液体」として比喩表現した言葉ですので、「溜飲」と意味合いは同じになります。
また、「虫唾(むしず)」は「虫酸(むしず)」と表記されることがありますが、どちらも正しい使い方です。
<例文>
飲酒運転で人の命が失われたニュース聞いて、虫酸が走った。
4-2.「反吐(へど)がでる」
「反吐がでる」は、 「飲食したものを吐くこと」「非常に不快な気持ちになること」を意味する言葉です。
「溜飲」は「下げる」という動詞と一緒に使われることが多いですが、「反吐」は「出る」という動詞と一緒に使われることが多い表現になります。
「反吐が出る」という表現は、「溜飲を下げきることができなかったこと」として捉えるとよいでしょう。
<例文>
自分が一番不幸だと思っている人間のことが、反吐が出るほど嫌いである。
4-3.「嫌悪感(けんおかん)」
「嫌悪感」は、 「憎み、嫌がる気持ちのこと」を意味する言葉です。
「溜飲」は「不平・不満」を表す比喩表現であり、堅苦しい印象がありますが、「嫌悪感」は日常シーンで使用することできる表現になります。
<例文>
彼の食事のマナーが悪く、嫌悪感を抱いてしまった。
5.「溜飲」の英語表現
最後に、「溜飲」の英語表現を紹介していきます。
「溜飲」は、以下の英単語で言い表すことができます。
- 「disgusted」
- 「heartburn」
それぞれについて、例文と合わせて解説していきます。
5-1.「disgusted」
「disgusted」は、直訳で「いやになる」「虫唾がはしる」を意味する英単語です。
「溜飲」は、「不平・不満を抱えている様子」ですので、「disgusted」が意味合いとして近い言葉になります。
<例文>
He seems to be disgusted with her.
(彼は彼女のことが嫌になったようだ。)
5-2.「heartburn」
「heartburn」は、直訳で 「胸やけ」を意味する英語表現です。
「heartburn」は、食べ物などの「物理的な胸やけ」を表現する際に使われることが多く、ストレスなどの「精神的な胸やけ」を対象に取りません。
<例文>
It sometimes gives me heartburn.
(それを食べると、時々胸やけがする。)
まとめ
「溜飲」は、 「喉元にせりあがってきた、すっぱい胃液」を意味する言葉です。
転じて、「溜飲が下がる」「溜飲を下げる」という表現は、「不平・不満がなくなり、気分が落ち着くこと」を意味するのです。
ビジネスシーンや人間関係など、ストレスがある環境においては「溜飲が下がる」という表現を使う機会がありますので、ぜひご活用ください。