
アクチュアリーは保険会社や信託銀行などの金融業界で活躍しており、国際的な専門職でもあるため、高年収が期待できる職種です。
しかし、具体的な仕事内容や転職先について知らない人も多いのではないでしょうか。
本記事では、アクチュアリーの転職方法やおすすめの転職先など、転職事情を幅広く掲載しています。
アクチュアリーの転職に有利になる転職エージェントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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1.未経験でもアクチュアリーに転職できる? 転職事情をチェック
まず気になるのは、「未経験からアクチュアリーに転職できるか?」ということではないでしょうか。
ここでは、その疑問についてお答えします。
アクチュアリーに向いている人や、アクチュアリーに活かせるスキルや経験についても解説しています。
資格を取得すれば未経験でも転職可能
アクチュアリーの資格を取得していれば、未経験からアクチュアリーに転職することは可能です。
資格さえ保有していれば知識があるとみなされるため、アクチュアリーの実務経験がなくても転職できます。
しかし、正式にアクチュアリーとして働くためには、専用の資格が必須です。
アクチュアリーの仕事は、資格を取る前でも就くことができますが、転職前に資格を取得しておけば大きなアピールになるでしょう。
資格がない人はアクチュアリー候補生の求人が狙い目
アクチュアリーの資格がない人は、アクチュアリー候補生の求人が狙い目です。
ここで言うアクチュアリー候補生とは、アクチュアリー資格の勉強を始めている人や、アクチュアリー資格試験の特定の科目のみ合格している人のことを指します。
詳しくは、アクチュアリーの資格を取得する方法にて解説しますが、アクチュアリーの資格は多数の科目全てに合格しなければならないため、非常に難易度が高いです。
しかし、採用する企業側としてはそこまで高いレベルの知識は求めておらず、自社の業務に関わる内容の知識だけあれば採用圏内となる場合があります。
その場合、求人に「応募条件:アクチュアリー資格試験を1科目以上合格している人」や「アクチュアリー候補生歓迎」といった記載がされるので、確認してみましょう。
中には、アクチュアリーの資格試験の受講費を負担してくれる会社や、合格科目数に応じて手当が出る会社も存在します。
アクチュアリーの資格を活かせる転職先と求人情報も参考にしながら、自分に合った求人を探してみましょう。
年齢制限はある?
アクチュアリー資格に、特に年齢制限はありません。
そのため、基本的には何歳からでも目指せる職種ですが、資格を取得するには何年もかかるため、早めに動き出した方が良いでしょう。
アクチュアリーの求人に関しては「応募資格:準会員以上~」とする企業が多いですが、各科目の試験の合格率は10~20%程度ととても低いです。
準・正会員になるための資格の取得に時間がかかることから、早めに勉強を始めても、転職は30歳を超える人が多くなります。
前述の通り「資格試験勉強中の人材歓迎」「研究会員応募可」のような仕事が見つかれば、先にそちらに転職して、実務を通して知識を身につけるのも良いでしょう。
アクチュアリーはこんな人に向いている
アクチュアリーは、次のような人に向いています。
- 勉強熱心で、知識を身につける事が苦ではない人
- コミュニケーション能力が高い人
- 人に分かりやすく何かを伝えたり、説明したりするのが得意な人
まず、アクチュアリーになるには資格試験の通過が必須である上、実務においても会社やクライアントの問題解決のために様々な知識を吸収する必要があります。
試験に合格してからも日々勉強なので、勉強熱心な人が向いているのは間違いありません。
また、クライアントのニーズをヒアリングしたり、方針を説明したりといった業務も発生するので、コミュニケーション能力、説明力が高い人も向いているでしょう。
アクチュアリーに活かせるスキルや経験
アクチュアリーに活かせるスキル、経験には次のようなものがあります。
- データ分析・プログラミングスキル
- ビジネスレベルの英語スキル
- データサイエンティストの業務経験
- 金融機関での実務経験
- 個人向け・企業向けのコンサルティング実務経験
- 年金数理人 等
以上は、「doda」のアクチュアリー求人に掲載されている「歓迎条件」を参考にしたスキル・経験です。
必須条件ではありませんが、上記の全てを満たしている方は転職で有利になるでしょう。
類似する業務の経験や知識がある方は、アクチュアリーとして活躍できる可能性が高いです。
2.アクチュアリーの仕事内容や平均年収
続いては、アクチュアリーの仕事内容や転職事情について解説していきます。
アクチュアリーの業務内容や、資格を取得した先どうなるかについては、大まかにしか分からない人も多いのではないでしょうか。
ここでは、アクチュアリーとは何かや資格を取得する方法、アクチュアリーとして働いた際にどうなるかなどをお伝えします。
アクチュアリーとは
アクチュアリーとは特定の企業名等ではなく、数理業務を扱う専門職の名称です。
公益社団法人 日本アクチュアリー会では、アクチュアリーの事を次のように解説しています。
保険や年金、金融など多彩なフィールドで活躍する”数理業務のプロフェッショナル”です。
もともとは、生命保険の発祥の地であるロンドンにおいて、支払額や掛金率を算定する専門家のことを「アクチュアリー」と呼んでいました。
今ではアクチュアリーは世界中に広まり、生命保険や損害保険のみならず、年金や共済、法人向けの資産運用など、幅広い分野で活躍しています。
アクチュアリーの資格を取得する方法
アクチュアリーの資格を取得するには、公益財団法人日本アクチュアリー会が主催する試験に合格する必要があります。
アクチュアリー正会員になるまでの主な流れは、以下の通りです。
- 5つある受験科目の1科目に合格して「アクチュアリー研究会員」になる
- すべての受験科目に合格して「アクチュアリー準会員」になる
- 就職・社内アクチュアリー候補として勤務しつつ、正会員を目指す
- 専門科目に合格して「アクチュアリー正会員になる」
試験合格までには「8年ほどかかる」といわれていますが、 合格できるまでの期間が長いのには受験科目の多さが関係しています。
試験に合格し、準会員になるための受験科目は「会計・経済・投資理論」「数学」「生保数理」「損保数理」「年金数理」の5科目。
このうち1科目に合格すると「アクチュアリー研究会員」になり、5科目全て合格すると「アクチュアリー準会員」の資格が付与されます。
その後、専門科目2科目に合格すると、晴れて「アクチュアリー正会員」となります。
受験資格や試験内容について詳しくは、「公益社団法人 日本アクチュアリー会」をご覧ください。
アクチュアリーの平均年収は?
アクチュアリーの全国平均年収は、正会員で1,000万円前後です。
アクチュアリーの求人は大手保険会社やBIG4の監査法人が多く、募集企業の給与基準が高いため、必然的にアクチュアリーの年収も高額になります。
年間賞与については企業により異なりますが、年俸制を採用している外資系企業の場合、ボーナスがないことも多いです。
「市場価値」とは、あなたの経験やスキルが、企業からどれくらい必要とされているかという評価のことを言います。
実は、約7割のビズリーチ会員が市場価値を確かめるために利用しています。
「ビズリーチ」は、企業やヘッドハンターからのスカウトで転職ができる仕組みです。
思いもよらない大手企業や年収が大幅にアップできる企業からのスカウトが直接来ることがあるので、早めの登録が転職を成功させるための鍵になるでしょう。
すでに、あなたの経験やスキルを求めている企業がいるかもしれないので、まずはスカウトを受け取れる状況を作っておくことが重要です。
職歴を入力して待つだけで転職できる受け身型の転職サイトなので、自分の市場価値を確かめるためにも、隙間時間を利用して登録を行っておきましょう。
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アクチュアリーの将来性は?
アクチュアリーは極めて将来性の高い職種と言えます。
たくさんの企業が乱立し競争している現在、求められるのは専門分野を持ちながら、その他の幅広い知識も保有している「プロフェッショナル」と「ゼネラリスト」を兼ねた人材です。
アクチュアリーの本会員は、高い専門性と幅広い知識をもとに業務を行うため、様々な顧客とのやり取りを通して知識は常にアップデートされます。
つまり、アクチュアリーとして活躍できるのは能力が高い事の証拠であり、色々な企業に転職してステップアップすることも可能でしょう。
アクチュアリーはこの先の社会に必要とされる、将来性の高い職種です。
3.アクチュアリーの資格を活かせる転職先と求人情報
ここからは、アクチュアリーの資格を活かせる転職先をご紹介します。
アクチュアリーの資格を活かせる仕事は非常に多いので、転職先を探すときは、自分の適性に合ったものを選びましょう。
資格試験の勉強の際に、得意だった分野や興味が強く湧いた分野があれば、そちらに進むのもおすすめです。
生命保険分野
生命保険の業界では、アクチュアリーのニーズが高くなっています。
生命保険分野で働く場合、商品の開発や、保険計理人としての業務が主になります。
保険計理人は、保険会社がサービスを健全に提供し続けられるかを数理的にチェックし、取締役会に報告することがおもな業務です。
アクチュアリーとしての能力が問われる、重要なポジションと言えるでしょう。
生命保険分野の求人情報
2021年12月現在、「doda」では、アクチュアリーの生命保険分野の求人が多数掲載されています。(引用:doda)
アクチュアリー研究会員でも応募可能なアクチュアリー職がいくつか存在しています。
実務経験を通してアクチュアリーとしてステップアップできるので、おすすめの求人と言えるでしょう。
損害保険分野
損害保険会社では、不慮の事故や自然災害など、さまざまなリスクに対する保険を取り扱います。
損害保険会社において、アクチュアリーは損害率を統計的に分析して、保険料の設定や商品開発などを行います。
損害率とは…「保険が適用される災害や事故の発生頻度」「消費者が支払った保険料」「保険会社が支払う保険金」の割合を示す数値
損害保険分野の求人情報
2021年12月現在、「doda」では、アクチュアリーの損害保険分野の求人が多数掲載されています。(引用:doda)
アクチュアリーの資格を持たずとも、データ分析の経験や数理系の資格を持っていれば応募可能な求人が存在します。
これからアクチュアリーの資格を取ろうと考えている人も、応募することができるでしょう。
リスクマネジメント分野
コンサルタント会社で働く場合、リスクマネジメントがおもな業務となります。
クライアントとなる企業の経営上のリスクについて対策を立て、起こりうる損害や危険を最小限に抑えることが役目。
リスクマネジメントの分野は、リスクを数理的に考察できるアクチュアリーの専門性を活かせる職場と言えるでしょう。
最近では、企業の業務遂行において予測される全てのリスクを総合的に検証し、 企業価値を上昇させる「ERM(エンタープライズ・リスクマネジメント)分野」での活躍も期待されています。
リスクマネジメント分野の求人情報
2021年12月現在、「doda」では、アクチュアリーのコンサルタントの求人が掲載されています。(引用:doda)
こちらも正会員でなくとも応募可能な求人が存在します。
ただし、理数系の学部卒であったり、金融やコンサルティングの業種における実務経験があったりなど、求められるスキルは高めです。
年金分野
アクチュアリーとして信託銀行に勤務する場合などは、年金の計理が主な業務です。
各企業のニーズを反映して年金積立のシステムを設計し、掛金を算出します。
設計したあとも、積立水準や掛金を定期的に計測します。
年金分野の求人情報
2021年12月現在では、信託銀行におけるアクチュアリーの公開求人は見つかりませんでした。しかし、転職エージェントに登録することで、非公開求人を入手できる可能性があります。
「リクルートエージェント」では、アクチュアリーの公開求人が掲載されており、他にも非公開求人を保有している可能性があるでしょう。
(引用:リクルートエージェント)
非公開求人は公開求人に比べると応募者が少ないため、比較的採用倍率も低めになります。
アクチュアリー候補生でも応募可能な求人が見つかる可能性もあるので、もし興味があれば登録してみましょう。
4.アクチュアリーの資格を活かして転職を成功させる方法
ここでは、未経験の方がアクチュアリーへの転職を有利に進める方法を掲載しています。
資格を取得できたとしても、ただ待っているだけで求人のオファーが来るわけではなく、自分で仕事探しをする必要があります。
面接などの選考は避けて通れないので、しっかり対策しておきましょう。
今までの経験の棚卸しを行う
まずは、今までの自分の経験の棚卸しを行いましょう。
面接官は、応募者がどんな人で、どんな経験を積んできた人か分からなければ、採用通知を出すことはできません。
面接官に評価されるためには、転職先の会社に活かせる自分の経験を、しっかり言えるようにしておくことが大切です。
自己分析をきちんと行って、選考に備えましょう。
面接対策をしっかり行う
転職を成功させるには、面接対策をしておくことも重要です。
例えば、アクチュアリーの資格取得が必須条件の求人の場合、全員が資格保有者なので資格を持っている事自体はアドバンテージになりません。
資格保有者だけしかいない志望者の中で、更に「この人を採用したい」「この人と一緒に仕事がしたい」と思わせる必要があります。
また、資格が必須ではない求人の場合は、資格を持っていれば有利にはなりますが、それ以外のアピールポイントも必要です。
難易度の高いアクチュアリーの採用面接を通過するためには、志望動機をしっかり作り込んでおくことが大切です。
例えば、企業研究をしっかり行った上で、「資格を活かして何をしたいか」「どんな人間として活躍していきたいか」のビジョンを明示すると良いでしょう。
自分が描くビジョンと会社の考え方や方針がマッチしていることを論理的に説明できれば、志望動機の完成度は高くなります。
転職エージェントを活用する
アクチュアリーへの転職では、「転職エージェント」の利用を強くおすすめします。
転職エージェントとは、求職者の転職を支援するサービスのことで、ほとんどは無料で利用できます。
具体的には、以下のような手厚いサポートを受けられます。
- 専門知識が豊富なアドバイザーによる転職アドバイス
- 求職者に合う企業の紹介
- 応募書類の添削
- 面接対策
アクチュアリーとして未経験で転職活動をする場合は、転職エージェントを利用して有利に進めましょう。
転職エージェントの手厚いサポートを受ければ、万全の体制で転職活動を行うことができます。
5.アクチュアリーの転職におすすめの転職エージェント3選
ここからは、アクチュアリーの転職におすすめの転職エージェントを紹介します。
一口に転職エージェントと言っても、それぞれ得意分野や強みとしていることが異なります。
以下はどれもアクチュアリーの転職におすすめの転職エージェントなので、自分に合ったものを選びましょう。
たくさんの求人を見てから決めたい人は「リクルートエージェント」
(参考:リクルートエージェント)
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まとめ
最後に、アクチュアリーの転職で押さえておくべきポイントをまとめておきます。
- アクチュアリーの転職は、未経験でも可能
- ただし正会員になるまでには、長い時間がかかる
- 「保険分野」「年金分野」「リスクマネジメント分野」など幅広い活躍フィールドがある
また、スムーズに転職を進めるには「転職エージェント」の利用がおすすめです。
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