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「おざなり」とは、「いい加減な対応をする」という意味です。
似た言葉に、「なおざり」という言葉があり、音の響きが似ているので混同する方もいるかもしれません。
そこで今回は、 「おざなり」の正しい意味や言葉の由来、「なおざり」との違いや使い分けの仕方を、例文を使いながらわかりやすく解説していきます。
1.「おざなり」の意味と言葉の由来
「いい加減な対応や言動をする」という意味
「おざなり」の意味は、以下の通りです。
その場の思い付きなどの適当な言い訳や発言をすること。「お座成り」とも書く。
(引用:weblio辞書)
例えば、その場しのぎでいい加減な仕事をした人に対して「あの人はおざなりな仕事をした」というような使い方をします。
似た言葉に、「なおざり」という言葉がありますので混同しないよう、言葉の由来を合わせて覚えておきましょう。
「おざなり」と「なおざり」の違いについても、本記事で解説します。
「おざなり」は漢字で書くと「御座形」「御座成り」
御座敷で、舞妓や芸妓が客を心からもてなさず、表面的に「形」だけを取り繕った対応や言動をすることに対して「御座形(おざなり)」「御座成り(おざなり)」と批判の意を込めて言うようになりました。
そこから派生して、 「その場しのぎの、いい加減な対応や言動をすること」を「おざなり」と言う ようになったと言われています。
余談ですが、昔の日本では、宴会の席を「御座敷(おざしき)」と呼びました。
今でも芸者さんや舞妓さんを呼んで遊ぶことを「お座敷遊び」と言ったりしますね。
2.「おざなり」と「なおざり」の違い
「おざなり」と「なおざり」は音の響きは似ていますが、意味や使い方はまったく違います。
間違って使ってしまわないよう、「なおざり」の意味を言葉の由来とともに見ていきましょう。
「なおざり」の意味と言葉の由来
「なおざり」の意味は以下の通りです。
- いいかげんにしておくさま。本気でないさま。おろそか。「—な練習態度」「子供のしつけを—にする」
- ほどほどで、あっさりしているさま。
(引用:weblio辞書)
「なおざり」とは、「あまり注意を向けずにいい加減にする」「ほとんど何もせずにほったらかしにする」という意味です。
諸説ありますが、「直(猶)去り」という言葉から生まれたのが「なおざり」であると言われています。
「直・猶(なお)」とは、「そのままの状態」という意味。
「去り」は「何もせずに放っておく」「去っていく」という意味から、「そのままの状態で何もせずに放っておく」→「いい加減だ」という意味に転じました。
なお、「なおざり」はPCやスマートフォンで漢字変換すると「等閑」と出てきます。
これは漢語の「等閑(とうかん)」から来ています。
その意味は「なおざり」と同じですので、漢字で書きたいときには「等閑」と書くことができます。
「おざなり」「なおざり」違いの覚え方
- 部下が期限までに報告書を提出。しかし中身はいい加減だった → 「おざなり」な報告書
- いい加減な部下が期限までに報告書を提出しなかった → 報告書を「なおざり」にした
両方とも「いい加減」という言葉が含まれるものの、以下のような違いがあります。
- 「 おざなり」はいい加減だけどなんらかの行動は一応している
- 「なおざり」はいい加減でほとんど何も行動していない
「なおざり」の類語を確認
「なおざり」の類語には「蔑(ないがし)ろ」という言葉があります。
類語. 「蔑(ないがし)ろ」
「部長はいつも私を蔑ろにする。理由が分からないからどうすることもできない」
「蔑(ないがし)ろ」は、「人やものをまるで無いかのように扱う・無視する」「侮って軽んずる」という意味です。
例文では、自分を軽く扱う上司に対しての不満を訴えています。
3.「おざなり」「なおざり」使い分けを例文で確認
「おざなり」「なおざり」の言葉の意味や言葉の由来を覚えたところで、例文で使い分けの方法を確認していきましょう。
B:部下の指導を「なおざり」にした
Aは「部下の指導をいい加減にした(いい加減ではあったが指導はした)」という意味になり、
Bは「部下をほったらかしにしてほとんど指導をしなかった」という意味になります。
B:遊んでばかりで「なおざり」な勉強をしていた(間違い)
C:遊んでばかりで勉強を「なおざり」にしていた(正解)
Aは「遊ぶことに熱中していい加減に勉強した(いい加減ではあったが勉強はした)」という意味になりますが、
Bはそもそも「なおざりな〜をする」とは言いませんので、文章自体が間違いです。
「なおざりにする」は正しい日本語です。
もし「なおざり」を使って表現する場合には、Cが正解です。
なお、意味は「遊んでばかりでほとんど勉強をしなかった」という意味になります。
まとめ
日本語を正しく使うことは難しい、と思われたかもしれません。
しかし、 難しいからこそきちんと使いこなすことで、社内外の方からの信頼を積み重ねることができます。
人間関係を築く上で基本となる「言葉」を「おざなり」にも「なおざり」にもせず、今日も元気に頑張りましょう!