最終更新日:2021/01/15
地域医療に貢献できることに加え、薬剤師としてのスキルアップにもつながるかかりつけ薬剤師。
高齢化が進む現代社会で、かかりつけ薬剤師として活躍する薬剤師は増えていますが、業務負担が大きく、「やめたい…」と思う人も少なくありません。
しかし、かかりつけ薬剤師をやめることには、デメリットもあります。
そこで本記事では、かかりつけ薬剤師をやめたい理由や後悔しないための対処法について解説します。
最後まで読めば、自分に合う対処法を見つけられるはずですよ。
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1.かかりつけ薬剤師をやめたい理由
かかりつけ薬剤師とは、患者から指名を受け、患者一人ひとりの薬管理を継続して行う薬剤師のことです。
需要が高いかかりつけ薬剤師ですが、「つらい」「やめたい」という人も多くいます。
ここでは「かかりつけ薬剤師をやめたい理由」についてご紹介します。
理由1.24時間の対応がつらい
かかりつけ薬剤師の最大の悩みとなるのが、24時間対応しなければならないことです。
“「かかりつけ薬剤師指導料」新設へ” https://t.co/U9M97Vnfid 「24時間相談に応じる体制を取り、開局時間外の連絡先を伝えるとともに、勤務表を作成して患者に渡すこと」また凄いのぶっこんできたな。控えめに表現しとくと、これ考えた人は頭おかしいと思う。
— 雅 (@miyabi0929) January 27, 2016
かかりつけ薬剤師は、特定の患者の専属薬剤師となるため、連絡があった場合、原則として24時間対応しなければならず、プライベートの時間を偽性にすることも多いです。
中には、緊急性が低いにもかかわらず、頻繁に電話をかけてくる患者さんもいます。
24時間の対応がつらく、かかりつけ薬剤師をやめたいと感じる人は多いです。
理由2.かかりつけ薬剤師のノルマがきつい
薬局によっては、かかりつけ薬剤師にノルマを設定しています。
かかりつけ薬剤師の算定のノルマがキツイ。一人当たり30件取れと上から命令が来てます。私はまだ算定できないですが、嫌です。この制度。算定取れる時期になる頃には、確実に今の薬局辞めます。大手調剤チェーンには、正社員で2度と勤めたくない。
— こうのすけ (@konosuke0315) September 14, 2017
例えば「かかりつけ薬剤師の同意書を50件取る」といったノルマが課せられているケースもあり、負担に感じると、かかりつけ薬剤師をやめたいという気持ちにつながりがちです。
かかりつけ薬剤師のノルマがきつい薬局の場合、精神的な負担も大きくなるでしょう。
理由3.患者へのトラブル対応が大変
患者さんのトラブル対応に追われ、かかりつけ薬剤師をやめたくなる人もいます。
先日、いつも私と話していく患者さんへ、薬をお渡ししながら話をしていたら、認知の入った方がその方を突き飛ばして僕と話をしようとして大変な事になった。とてもかかりつけ薬剤師にはなれない。トラブルが増えそう。対応できないです。
— kaoru (@orangeapo) April 17, 2016
場合によっては、対応が難しい患者さんや、クレーマー気質の患者を受け持つこともあります。
患者から変更の依頼があったり、やむを得ない事情がない限り、受け持ち患者は固定。
相性が合わなかったり、トラブルが多い患者を抱えた場合「かかりつけ薬剤師をやめたい」と思うこともあるでしょう。
2.【注意】かかりつけ薬剤師をやめるデメリット
「かかりつけ薬剤師をやめたい…」という気持ちになる人も多いですが、かかりつけ薬剤師をやめることにはデメリットもあります。
ここでは、「かかりつけ薬剤師をやめるデメリット」をご紹介します。
デメリット1.職場からの評価が下がる恐れがある
かかりつけ薬剤師をやめる場合、職場からの評価が下がる恐れがあります。
なぜなら、かかりつけ薬剤師の活躍は薬局の売上に直結するため、評価につながりやすい実績なのです。
かかりつけ薬剤師として継続して業務を行った場合と、かかりつけ薬剤師をやめた場合とでは、その後のキャリアアップや昇給に変化が生じる可能性があります。
かかりつけ薬剤師をやめた場合、評価に影響する恐れがあることを把握しておきましょう。
デメリット2.薬剤師としての強みを1つ失う
かかりつけ薬剤師をやめることで、薬剤師としての強みを1つ失うことになってしまいます。
というのも高齢化が進む日本においては、かかりつけ薬剤師の需要がどんどん大きくなると考えられています。
そのため、今後は「かかりつけ薬剤師であること」自体がアピールポイントのひとつとなる可能性が高いですが、やめてしまうと売り込める強みを1つなくしてしまいます。
「以前はかかりつけ薬剤師として自分を売り込めたけど、やめた後は何をアピールすれば良いか分からない…」と悩んでしまう可能性も十分考えられるでしょう。
「今後ずっとかかりつけ薬剤師をしない」という選択は、薬剤師としての強みを失うことになりかねません。
デメリット3.年収が下がる可能性がある
かかりつけ薬剤師をやめると、場合によっては年収が下がる可能性があります。
かかりつけ薬剤師が活躍すると、「かかりつけ薬剤師指導料」を算定できるので、薬局としては売り上げアップにつながります。
そのため、かかりつけ薬剤師の給料を他の薬剤師よりも高くしている薬局が多いのです。
かかりつけ薬剤師をやめる選択により、年収が下がる可能性があることを把握しておく必要があるでしょう。
かかりつけ薬剤師指導料とは?
「かかりつけ薬剤師」が、患者の服薬状況を一元的・継続的に把握した上で患者に対して服薬指導等を行った場合に算定できる管理料のことを指します。
3.かかりつけ薬剤師をやめたい場合の対処法!
ここまでで説明したとおり、かかりつけ薬剤師をやめることにはデメリットもあります。
かかりつけ薬剤師をやめたい場合は、まず『辞めずに悩みを解消する方法がないか』考えてみましょう。
そのうえで「やっぱり無理だ…」と感じた場合は、やめる選択をすることも手段です。
ここでは、「かかりつけ薬剤師をやめたい場合の対処法」をご紹介します。
対処法1.かかりつけ患者の人数を無理のない範囲で設定する
かかりつけ薬剤師としての対応を負担に感じているのであれば、かかりつけ患者の人数を見直しましょう。
会社のノルマに縛られて過度な負担がかかっているケースも多いですが、無理のない人数に変更することで、負担を大幅に軽減できる可能性があります。
「同意書ノルマを減らしてもらったことで、精神的にラクになった」というケースも少なくありません。
上司と相談するなどして、かかりつけ患者の人数を無理のない範囲で設定することで、負担が小さくなる可能性があるでしょう。
対処法2.上司へ相談する
かかりつけ薬剤師の業務がつらい場合、まずは上司へ相談し、改善策を考えることが大切です。
「24時間患者対応をするのが負担…」「受け持ち患者数が多すぎてフォローしきれない…」など信頼できる上司に相談してみましょう。
かかりつけ薬剤師をやめたい理由を具体的に伝えることで、解決策が見つかりやすくなります。
かかりつけ薬剤師をやめるという決断をすぐにするのではなく、まずは上司に相談してみましょう。
対処法3.かかりつけ薬剤師のマニュアルが整った薬局へ転職する
かかりつけ薬剤師のマニュアルが整った薬局へ転職することで、かかりつけ薬剤師としての負担を軽くできる可能性があります。
かかりつけ薬剤師の悩みとして、「24時間対応が大変…」「対応の緊急性を判断するのが難しい…」というのがあります。
夜間の電話連絡時の対応などに関し、マニュアルが整備されていれば、過度に業務負担がかかることが少ないです。
また、なかには「患者からのクレーム対応を個人ではなく、組織単位で行う」という薬局もあります。
長期間かかりつけ薬剤師を続けるのであれば、かかりつけ薬剤師のマニュアルが整った薬局へ転職するのも手段の1つです。
別の薬局へ転職を考えている場合は、転職活動を幅広くサポートしてくれる「転職サイト」の利用がおすすめ。
記事後半「4.かかりつけ薬剤師をやめたい場合に役立つ転職サイト」では、おすすめのサービスを紹介しているので、ぜひご覧ください。
対処法4.雇用形態を見直す
かかりつけ薬剤師として働く時間が負担になっている場合は、雇用形態を考え直すことも対処法のつです。
パート・アルバイトとして働くなど雇用形態を変えることで、労働時間が減り、負担を軽減できるケースがあります。
ただし、かかりつけ薬剤師として業務を行うためには、同じ店舗で定められた時間(週32時間以上)勤務する必要があります。(参考:薬剤師の転職実態調査-VOL4.かかりつけ薬剤師編| 薬キャリ)
雇用形態を変えてもかかりつけ薬剤師として働きたいのであれば、かかりつけ薬剤師の要件に外れないよう注意が必要です。
対処法5.別の職場に転職してかかりつけ薬剤師を辞める
別の職場に転職して、かかりつけ薬剤師をやめるというのも方法の1つです。
これは「現職はそのままで、かかりつけ薬剤師だけをやめる」というのが難しい場合に、有効な手段です。
転職することで「かかりつけ薬剤師をスムーズにやめられた」というケースも少なくありません。
「かかりつけ薬剤師をやめたいけど、上司が許してくれない」という場合は、別の職場への転職も視野に入れましょう。
4.かかりつけ薬剤師をやめたい場合に役立つ転職サイト
「かかりつけ薬剤師をやめたい…」という場合、転職を検討することも手段。
求人を見つけるためには、「薬剤師に特化した転職サイト」を活用することをおすすめします。
転職サイトを利用すれば、募集要項だけでは分からない内部の事情をキャッチすることが可能。
職場について深く知ることで、転職のミスマッチを防止できます。
ここでは、おすすめの転職サイトを3社ご紹介しますので、ぜひ活用してみてください。
上記の転職サイトは「かかりつけ薬剤師のマニュアルが整った薬局へ転職したい」という場合にも活用できます。
「かかりつけ薬剤師をやめるのではなく、別の職場に転職することで悩みを解決したい」という方も、ぜひ転職サイトを利用してみてください。
また、「【最新】薬剤師転職サイトおすすめランキングBEST4!正社員・パート・派遣別」では、その他の転職サイトも紹介しているので、ぜひご覧になってみてください。
親身に相談にのってもらいたいなら「ファルマスタッフ」
(引用:ファルマスタッフ)
「ファルマスタッフ」は、「日本調剤グループ企業」が運営している転職サイトです。
個別面談でじっくり相談にのってもらえるので、かかりつけ薬剤師をやめたくて悩んでいる薬剤師にぴったり。
また、「年収600万円」「時給4,000円以上」高収入求人も多いので、「かかりつけ薬剤師をやめても年収を下げたくない」という方にもおすすめです。
じっくり相談にのってもらいたいのであれば、ぜひファルマスタッフを利用してみてください。
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詳しくは「ファルマスタッフの解説記事」をご覧ください |
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地元で転職先を見つけたいなら「マイナビ薬剤師」
(引用:マイナビ薬剤師)
マイナビ薬剤師は、大手人材会社「マイナビ」グループが運営している転職サイトです。
マイナビ薬剤師は全国15カ所に拠点があるので、地方在住でも便利に利用可能。
地元で希望に合う転職先を見つけることができます。
また、アドバイザーの質が高いことで定評があり、「かかりつけ薬剤師をやめて新たな環境で働きたい…」「ワークライフバランスを整えられる職場に転職したい」といった希望を的確に汲み取ってくれます。
地元で求人を探したい方や、質の高いサポートを受けたい場合は、ぜひマイナビ薬剤師を利用してみてください。
運営会社 | 株式会社マイナビ |
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対象地域 | 全国 |
公開求人数 | 63,191件 (2020年8月時点) |
公式サイト | https://pharma.mynavi.jp/ |
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素早く転職先を見つけたいなら「薬キャリ」
(引用:薬キャリ)
薬キャリは、医療従事者対象のサービスを提供する「エムスリー」グループが運営しています。
医療業界に強いコネクションがあり、かかりつけ薬剤師をやめてもスキルアップできる職場の求人情報も多いです。
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運営会社 | エムスリーキャリア株式会社 |
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まとめ
かかりつけ薬剤師をやめたい時の対処法を解説しました。
「かかりつけ薬剤師をやめたい」と考えているのであれば、状況に応じて以下の対処法を検討してみてください。
- かかりつけ患者の人数を無理のない範囲で設定する
- 上司へ相談する
- かかりつけ薬剤師のマニュアルが整った薬局へ転職する
- 雇用形態を見直す
- 別の職場に転職してかかりつけ薬剤師を辞める
また、かかりつけ薬剤師をやめて新しい職場を探すのであれば、求人紹介等のサポートを受けられる「薬剤師専門の転職サイト」の利用がおすすめです。
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